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◎80億円の決算剰余金を生む潤沢な区財政を使い暮らし支援を
◎品川区や宮古市に学び介護基金等の活用で訪問介護へ区独自支援を
◎児童相談所の役割を踏まえ、都区財政調整区側配分の増額を
◎戦争の悲惨さと平和の尊さを継承する平和事業は、一層の強化を
◎自治体でこそ、多様性や多文化共生を大切にする立場を鮮明に
◎給食調理室での出火原因には調理委託での法令違反があるのでは
◎水泳授業事故の原因を徹底究明し、先生を増やし教育条件向上を
◎顔の見える地元建設業の持続可能な発展・振興と入札制度の改善を
◎元町公園と旧元町小学校は、一体で文化財の指定の検討を
◎湯島総合センターに区立保育園を。空ビル活用で代替業務の実施を
80億円の決算剰余金を生む潤沢な区財政を使い暮らし支援を
(関川けさ子区議)
最初に2024年度決算について伺います。
備蓄米放出後も米価の高止まりや猛暑と災害等の影響もあり、野菜も2〜3割高と食料品を始めとする物価高騰は相変わらず国民を苦しめています。
その一方、特別区交付金が今年の2月補正後よりも14億4,200万円も増額になり、2024年度の区の決算の実質収支額は前年より24億7,100万円多い80億1,615万円にもなりました。区財政は潤沢であり、当初予算については繰越金の当初計上が少ないのではないのですか、それぞれ伺います。
決算剰余金は、地方財政法7条により1/2が基金に回ることになっていますが、一旦基金に回しても、すぐに取り崩して使うことも可能なのではないのでしょうか。伺います。また、決算の実質収支比率の適正値は、一般的には3〜5%のところ、区が目途としていた8%も超えています。これは区民ニーズを切り捨て税金を余らせてきたからにほかならないと思いますが、伺います。そして、留保金はいくらあるのか伺います。これら財政の使い方を工夫して物価高騰に苦しむ区民のために、住民税非課税の方や区民税の均等割りのみの方に加え、年収300万円以下の方々に対しての給付金を支給することを求め伺います。
文京区は、住宅費が高く住み続けられないという声をよく耳にします。文京区内にある都営住宅は古く、募集戸数は毎回2〜3戸であり、倍率は250倍になることもあります。都営本郷1丁目住宅は、空き戸数が100戸もあるのに募集をかけていません。都に対し空き住宅の調査をすぐに行い、老朽部分の改修を行い、空き住宅に対してすぐに募集をかけるよう要望すべきです。伺います。
また、2006年以来増設されていないシルバーピアの増設を至急行うことや、区内に8,000戸あるといわれている空き家の調査を行い、空き家を借り上げ、生保、低所得者、障害者、高齢者、母子家庭に提供することや、これらの方々に区独自の家賃補助を行うこと。区内では探すのが困難な53,700円という生活保護費の住宅扶助を、港区のように68,000円に引き上げることも早急に行うべきです。伺います。
生活保護利用者の方からは、「保護費が引き下げられ、3日に一度の買い物を2,000円に抑えているが、酷暑の中、エアコンの設置もできない。また、クーラーの電気代が重く負担になっており、電気代を補助してほしい。夏季加算を創設してほしい。」等の切実な要求が区議団に寄せられています。
このたび日本共産党都議団の要求により、都が8月30日から高齢者、障害者の方々に8万円分の省エネ型エアコン購入助成を行うことを明らかにしましたが、北区ではさらに非課税の方に4万円、障害者、高齢者に3万円を上乗せするために、1億円を計上したそうです。文京区も都の施策に上乗せを行うよう求め伺います。
(区長答弁)
最初に、令和6年度決算に関するご質問にお答えします。
まず、実質収支額の状況から区財政が潤沢であるのではないかというお尋ねですが、持続可能で健全な財政運営を行うためには、単年度の実質収支額のみならず、社会情勢を的確に見極めながら、中長期的な視点で財政構造を見通すことが重要と考えております。
その上で、本区の財政規模が年々増加する一方、総基金の年度末残高は緩やかな減少傾向にあり、さらに、特別区債の年度末残高の増加傾向も踏まえると、区財政が潤沢であるとのご指摘は当たらないものと認識しております。なお、当初予算における繰越金については、翌年度決算における実質収支比率の見込みと、清算還付に要する経費などを分析し、適切に算出しております。
次に、積み立てた決算剰余金の取り崩しについてのお尋ねですが、本区では、毎年度9月の補正予算において、地方財政法の趣旨に則り、決算剰余金の一定額を財政調整基金に積み立てておりますが、併せて、区民福祉の向上等のための財源を必要とする場合、財政調整基金からの活用を法が否定しているとは考えておりません。
また、実質収支比率の上昇は、歳入において、特別区交付金及び株式等譲渡所得割交付金等が上振れる一方、歳出において、様々な行政課題の解決に取り組みつつ効率的な予算執行に努めた結果、前年度を上回る不用額が発生したことが要因と捉えており、議員のご指摘は当たらないものと認識しております。なお、7年度9月補正予算編成後における財源留保額は、約10億5千万円となる見込みです。
次に、区独自の給付の実施についてのお尋ねですが、これまでも、目的に応じて様々な事業を実施していることから、更に、年収300万円以下の方々に対する区独自の給付を実施することは考えておりません。
次に、住宅関連支援に関するご質問にお答えします。
まず、都営住宅や居住支援についてのお尋ねですが、都営住宅の活用方法については、都において検討がなされるべきものと考えております。
また、現時点で、本区におけるシルバーピアの増設や空き家を活用した住宅の提供、新たな家賃補助等は考えておりませんが、今後も、高齢者をはじめとする住宅確保要配慮者が、住み慣れた地域で安心して自立した生活を継続できるよう、「文京すまいるプロジェクト」をより一層充実させるとともに、居住支援法人等との連携を強化し、居住支援を推進してまいります。
次に、生活保護の住宅扶助費についてのお尋ねですが、これまでも、生活保護受給世帯に車椅子を使用する障害者がいるなど、通常より広い居室を必要とする場合や、従前からの生活状況によって転居が困難と認められる高齢者等に対しては、特別基準の適用の可否を判断しております。
なお、区内には基準内の家賃の物件が一定数あることから、現時点で、住宅扶助費の引き上げは考えておりません。
次に、エアコンの購入に対する助成についてのお尋ねですが、区としては、それぞれの状況に応じた、きめ細かな支援を行っており、都のエアコン購入助成に、一律に上乗せする予定はありません。
品川区や宮古市に学び介護基金等の活用で訪問介護へ区独自支援を
(関川けさ子区議)
介護報酬が削減され、存亡の危機にある区内介護サービス事業所・介護施設等への緊急安定経営事業者支援給付金を文京区も急いで支給すべきです。
世田谷区は、居住施設・通所介護等サービス事業所定員1人あたり27,000円、訪問介護等サービス1事業所あたり88万円、居宅サービス1事業所あたり28万円等、(訪問介護等、通所介護等除く)交付しています。
岩手県宮古市では、介護保険の基金を使い、助成を行っています。
また、品川区では、訪問介護を手がける区内事業者に対し、独自支援として2026年度末まで、基本報酬の引き下げ分との差額を給付するため、今年の第2回定例会に3,930万円を計上しました。文京区はなぜ、介護保険の基金を使うなどして介護事業所等に助成を行わないのですか、伺います。
生活保護より手続きが簡単な、無料または低額な料金で診療を受けられる社会福祉法第2条3項で規定されている、低所得者、要保護者、ホームレス、DV被害者等が対象となる「無料低額診療制度」について、都知事は「低所得者の医療を確保するうえで一定の役割を果たしている」と表明しています。
文京区でも「無料低額診療制度」が必要な実態があると思いますが、区長の認識を伺うとともに、文京区でも実施するよう求め伺います。
また、子ども食堂や食料支援を求める方が押し寄せ、すぐに配布物がなくなるというフードパントリーへの補助金の支給、高齢者の外出を支えるシルバーパスについては、荒川区のように、都の補助に加えて区の補助も増やしてパスを1,000円にすること、そして国にはこれらの財源に使える物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を、今年も更に出すよう要望すべきです。伺います。
さらに、参院選で与野党から出されていた消費税の減税は、国民の総意になり、一貫して減税を拒んできた自公が参議院でも過半数割れに追い込まれた今、本格的に減税に踏み出すよう国に求めていくべきです。伺います。
(区長答弁)
次に、介護事業者の支援についてのご質問にお答えします。
訪問介護をはじめとした介護保険サービスは、介護報酬等により運営されることが基本であり、国に対して、安定的な事業運営が可能となる報酬とするよう、区長会を通じ、全国市長会から要望しております。
また、区としても、介護職員向けの家賃補助や研修費用補助、物価高騰対策への支援等を実施しているところです。そのため、現時点においては、介護報酬について減収分を補填することは考えておりませんが、国や他自治体の動向を注視しながら、引き続き介護サービス事業者への適切な支援を行うなど、介護保険制度の安定的な運営に努めてまいります。なお、介護給付費準備基金は、条例により介護等給付に要する費用に不足が生じた場合の財源とするものと規定していることから、基金による助成は考えておりません。
次に、各種補助事業等に関するご質問にお答えします。
まず、「無料低額診療事業」についてのお尋ねですが、低所得者等、生計が困難な方に係る診療については、本区においても必要に応じて、社会福祉法に規定する「無料低額診療事業」を活用しており、一定の役割を果たしていると認識しております。
次に、子ども食堂等への支援についてのお尋ねですが、区では、社会福祉協議会と連携して、子ども食堂に対して、運営経費や物価高騰に対応する経費の支援を実施しており、本年度は、活動開始から5年を経過している団体に対して、調理器具等の購入費の助成も行っております。
民間団体が実施しているフードパントリーについては、社会福祉協議会と連携し、ニーズや運営課題の把握に努めるとともに、支援のあり方について研究してまいります。
次に、シルバーパスについてのお尋ねですが、本年10月よりシルバーパスの本人負担額が大幅に減額されることから、区としての追加の補助は考えておりません。
次に、国からの交付金及び減税についてのお尋ねですが、臨時交付金等については、必要に応じて区長会を通じて国に要望してまいります。
また、消費税等の税制については、国において議論がなされるべきものであり、国に対し減税を要望する考えはございません。
児童相談所の役割を踏まえ、都区財政調整区側配分の増額を
(関川けさ子区議)
2025年度の都区財政調整で、区側配分は56%に引き上げられましたが、文京区は今年の1月〜児童相談所の一時保護所が開設され、すでに延400件もの相談が寄せられているという実態からすれば、本格的開設の今年4月からのことを考慮すれば、区側配分はもっと多くすべきと思いますが、伺います。
(区長答弁)
次に、都区財政調整制度についてのお尋ねですが、今般の都区間における配分割合の変更に伴い、令和7年度都区財政調整フレームは約208億円の増が見込まれております。
これは、開設予定を含めた、12区の児童相談所運営に必要な需要額を算定できる規模となっております。今後は、特別区における設置状況に大きな変更が生じた場合等において、再度協議が行われることとなっております。
引き続き、特別区の実態に即した需要が的確に算定されるよう、都との協議に臨んでまいります。
戦争の悲惨さと平和の尊さを継承する平和事業は、一層の強化を
(関川けさ子区議)
第2次大戦終結と被爆80年を迎えたこの夏、シビック1階の展示フロアでは3団体が戦争展を行い、多くの方々が足を止め、展示に見入っていました。
アジアで2,000万人以上、日本国内で310万人以上の命を奪った戦争や被爆の体験や加害の実相の継承は、政府が過去最大の8.8兆円の軍事費を概算要求し、大軍拡に突き進む中で極めて重要で切実な課題となっており、自民党の首相・幹事長経験者からも「戦争をしなければならないという状況をつくらないこと」「多くの血や涙が流れ、命が失われる。歴史を勉強してもらいたい。それができるかどうか極めて心配な時期に来ている」との発言が相次ぎました。
区民と共に戦争・被爆の実相を知り、戦争の悲惨さと平和の尊さを継承する平和事業は、これまでに増して一層重要です、認識を伺います。
(区長答弁)
次に、平和事業等に関するご質問にお答えします。
まず、平和事業に対する認識についてのお尋ねですが、戦争・被爆の実相を知り、戦争の悲惨(ひさん)さと平和の尊さを継承することは大切であると認識しております。
区では、例年「区民平和のつどい」等の事業を実施しており、本年度は終戦80年として、例年実施している戦災・原爆資料展や映画会に加え、子ども向けワークショップや被爆者講話の実施、VR等のデジタル技術を活用した平和コンテンツの展示、区内在住の被爆者による証言映像の制作等を行いました。来年度以降についても引き続き、戦争の悲惨(ひさん)さや平和の大切さを次世代に伝えていくため、平和事業を実施してまいります。
自治体でこそ、多様性や多文化共生を大切にする立場を鮮明に
(関川けさ子区議)
「新しい戦前」が進んだとしても、地方自治が機能すれば「新しい戦中」を阻止することは可能です。1874年の台湾出兵に始まる日本のアジア侵略と植民地支配は、1945年に破綻し終戦を迎えましたが、戦争は外国人差別と一体であり、程なく、その刃は治安維持法による最高刑死刑をもって、戦争に反対する日本国民にも向けられました。障害者や大学人、宗教者を抑圧し「非国民」と弾圧した歴史の教訓に学ぶ必要があります。差別と分断に反対し、極右・排外主義を克服する上で今、多様な住民が生活する自治体でこそ、多様性や多文化共生を大切にする立場を鮮明にして施策を展開することが求められます、認識と現状、課題を伺います。
区長は個別に核兵器禁止条約への署名や批准を要請しないのは「加盟する平和首長会議が政府に要請しているから」と言います。しかし、平和首長会議は「行動計画」で「核兵器保有国及びその同盟国の加盟都市による自国政府の早期締結を求める要請行動の展開」するとしています。この行動計画の当該部分への賛否を伺います。
原爆被害者は、原水爆禁止世界大会に参加した区内の高校生に「被爆者が被害の体験を語れる時間が短いことよりも、世界に1万2千発もの核兵器がある限り、若者が生き残れるかを心配すべきだ」と語っています。被爆80年を機会に、「行動計画」を実行し区として国に核兵器禁止条約への早期締結を求めるべきですお答え下さい。
(区長答弁)
次に、多様性・多文化共生についてのお尋ねですが、区では、「文の京」総合戦略において、基本構想を貫く理念として「だれもがいきいきと暮らせるまち」を掲げ、さまざまな人たちの人権を尊重し、一人ひとりが個性豊かに暮らせるまちを目指す立場を明確にしております。
昨今、区の人口が増加し、外国人を含む住民の多様性が増す中で、文化の違いなどによる地域住民の不安等が発生していることが課題となっており、住民間の相互理解を推進していく施策が一層重要になると認識しております。今後とも、多様な主体が対等なパートナーとして、ふれ合い、支え合い、助け合える、みんなが主役のまちづくりを浸透させてまいります。
次に、核兵器禁止条約についてのお尋ねですが、条約の批准については、区として個別に国に働きかける考えはございませんが、先月、長崎市で開催された「平和首長会議被爆80周年記念総会」に参加し、核兵器廃絶に向けた取り組みの推進に関する国への要請について賛同したところです。
引き続き、平和首長会議の一員として、核兵器禁止条約の早期締結に向けた活動を行ってまいります。
給食調理室での出火原因には調理委託での法令違反があるのでは
(関川けさ子区議)
6月26日に明化小学校で発生した給食室での火災事故に関して伺います。
区立小中学校の給食調理はすべて委託で、明化小、湯島小、本郷小、茗台中、柳町子どもの森は葉隠勇信(はがくれゆうしん)が業務委託を受けています。明化小の火災について、区は保護者向けメールで、「回転窯の油が高温になったことによる発火が発端」で、揚物用油を「今回は『新しい油を2缶』入れるようにとの栄養士の指示に対し、誤って『複数回目の油を2缶」入れたため油量が少なく、窯の過熱を防ぐ装置が機能しませんでした」と説明しています。栄養士の雇用主と、栄養士の指示は誰にどのように行われたのか、伺います。
東京労働局ホームページには、「委託」は「派遣」と違い「発注者と受託者の労働者の間に指揮命令関係は生じない」ことから、「労働者の方からみると、自分の使用者からではなく、発注者から直接、業務の指示や命令をされるといった場合「偽装請負」である可能性が高い」と記載されています。また「偽装請負」にはいくつかの類型があり、「現場には形式的に責任者を置いていますが、その責任者は、発注者の指示を個々の労働者に伝えるだけで、発注者が指示をしているのと実態は同じ」という場合も、偽装請負に当たる可能性があることのことです。明化小学校の給食調理業務の実態は労働者派遣法6条に違反する「実質派遣」で「偽装請負」ではありませんか、伺います。
「新しい油を2缶」ではなく「複数回目の油を2缶」を誤って入れたとのことですが、葉隠勇信の調理員はなぜ栄養士の指示通りに作業を行わなかったのですか。「油の量が少なく窯の過熱を防ぐ装置が機能しなかった」とのことですが、適正な油の量や過熱を防ぐ装置の仕組みを調理員は理解していなかったのではないか。また指示通りに業務が行われていないことは委託契約違反ではありませんか。さらに、事故発生時「外部業者の抜き打ちの衛生検査が行われており」「釜の付近には、作業員がいない時間が発生し、釜の過熱に気付くことができませんでした」と説明しますが、作業員の体制が不十分だったのではありませんか。すべてお答えください。
さらに、食材費高騰の影響から、コストの削減を意図し古い油を使ったのではないですか。食材費高騰が給食の質の低下につながらないよう給食単価を抜本的に引き上げていくべきです。それぞれ伺います。
葉隠勇信に給食調理を委託している学校・園は教育委員会として緊急点検を行い、他の給食委託業者7社でも偽装請負が行われていないか、明化小のような事故が発生する余地がないかどうかを直ちに点検するべきです。併せて伺います。
日本共産党文京区議団は学校給食調理の業務委託を決定するときから、給食調理の業務委託は給食の質の低下を招き偽装請負の温床になる危険性が極めて高く、区直営で行うよう求め、委託開始後も繰り返し求めてきました。東京労働局は「偽装請負」は「労働者派遣法等に定められた派遣元(受託者)・派遣先(発注者)の様々な責任が曖昧になり、労働者の雇用や安全衛生面など基本的な労働条件が十分に確保されないという事が起こりがち」と指摘していますが、今回の火災事故は労働者の基本的な安全衛生が確保されていないだけでなく、子どもたちの給食の質どころか命と安全も確保されないような状態になっていたと言わざるを得ません。今回の事故の原因を徹底究明し、再発防止のため学校給食調理は直ちに区直営に戻すべきです。伺います。
(教育長答弁)
教育に関するご質問にお答えします。
はじめに、明化小学校で発生した給食室での火災事故並びに区立小学校での水泳事故に関するご質問にお答えします。
まずは、この度、このような事故が続きましたことについて、児童や保護者の皆様、区民の皆様に、多大なご心配・ご迷惑をおかけいたしましたことについて、深くお詫び申し上げます。
次に、明化小学校の火災に関する、いくつかのご質問にお答えします。
まず、栄養士についてのお尋ねですが、明化小学校の栄養士は区の職員であり、調理業務は、学校給食調理業務委託において、受託事業者が「調理室手配表」に従って行うと仕様書で定めております。お尋ねの油についても、栄養士と調理業務責任者が調理室手配表を確認する中で情報共有しており、学校と受託事業者の間に指揮命令関係はなく、偽装請負ではございません。
次に、今回の事故発生に至る状況と責任についてのお尋ねですが、今回の事故は、どの油を使うかという点について、委託事業者の調理責任者と調理作業員との情報共有が十分でなかったこと、調理作業員が油を2缶使えば釜の安全装置は作動すると誤認していたことが発端となっております。しかし、作業員は仕様書どおりに配置されており、委託契約違反にあたるとは考えておりません。
次に、給食運営におけるコスト管理と食材調達の状況についてのお尋ねですが、コスト削減のために古い油を使用するという考えはございません。給食費単価は本年4月にも引き上げており、現在、給食運営が厳しいという学校はございませんが、引き続き、食材費の動向については注視してまいります。
次に、今後の再発防止策と学校給食調理業務委託の方向性についてのお尋ねですが、本件事故を受け、当該事業者を含む全ての学校給食調理業務受託事業者に対し、改めて全校園における安全管理の徹底を要請いたしました。現在、所管課においてその実施状況を点検しており、今後、同様の事故が発生しないよう、取り組んでまいります。なお、学校給食調理業務委託制度は、全ての小中学校及び幼稚園型認定こども園で仕様書に基づき適正に運用されており、直営に戻すという考えはございません。
水泳授業事故の原因を徹底究明し、先生を増やし教育条件向上を
(関川けさ子区議)
区立小学校で発生した水泳指導中の事故について伺います。
6月23日、ある区立小学校で、特別支援学級の児童1名が、水泳指導中にプール内で浮いているのが発見され、引き上げたときに呼吸はなかったものの、教職員による救命救急措置で一命を取り止めたという事故が発生しました。この児童はその後病院に搬送され、7月2日には退院したとのことです。事故当時の水泳指導中の児童数と教職員数、正規教員と講師、支援員の内訳と事故発生時の配置状況を併せてお答えください。学校で子どもの命と安全が脅かされること自体が絶対にあってはならないことです。二度とこのようなことがないよう、第三者委員会で、事故原因の検証と再発防止策の検討を行うべきです。伺います。
なお、7月9日の教育委員会で、この水泳事故が報告事項とされましたが、個人情報の保護を理由に非公開とされました。しかし子どもが命を失いかねない事故が発生したという重大性から、個人情報に十分留意して公開し教育委員の方々の議論や意見・知見も共有していくべきです。伺います。
(教育長答弁)
次に、水泳指導中の事故に関する、いくつかのご質問にお答えします。
まず、教員等の内訳及び配置状況についてのお尋ねですが、入水していた児童は32名です。指導に当たっていた教職員は19名で、うち正規教員が6名、講師及び支援員が13名でした。19名のうち、プールサイドで監視等を行っていた教職員は4名でした。
次に、再発防止策等の検討についてのお尋ねですが、基本的な調査は実施しており、今後、原因の分析、再発防止策の検討のため、専門的知見を有する学識経験者等にご助言いただきながら、報告書を作成してまいります。
次に、本件が報告された7月9日の教育委員会の会議についてのお尋ねですが、個人情報が含まれているため、非公開といたしました。
また、資料や会議録についても、個人が特定されるか否かにかかわらず、関係者の心情等への配慮が必要であることから、積極的に広く公表するものではないと判断しております。
顔の見える地元建設業の持続可能な発展・振興と入札制度の改善を
(関川けさ子区議)
地元の建設産業は福祉・教育など自治体に不可欠のインフラ整備の担い手であり、災害予防から復旧・復興を支えるなど暮らしを支えるかけがえのない仕事をしています。加えて最近は、屋根の点検や害虫駆除などを口実にした、訪問販売型の特殊詐欺の被害が深刻で未然防止が課題になる中、「屋根の修理が必要」と飛び込み営業で数百万円の工事費を提示された方が、地域の工務店に見てもらうと数万円の手直しで済んだという話も寄せられました。「顔の見える地元の建設業者」は住民を犯罪から守る大きな役割も果たしています。つまり、建設業は社会資本整備や災害時に留まらない住民の安心安全を守る地域の担い手としての役割を果たしていますが、認識を伺います。
ところが、区内の建設業の事業所数は2000年の809社から2021年には527社となり35%も減っています。23区平均では14%の減少なので、文京区での建設業者の減少率は23区平均の2.5倍で23区中、最も高くなっています。区長はこの現状をどう捉えますか、建設産業の特段の育成・振興策が必要ではないですか、併せてお答えください。
建設産業では技能継承や人材不足が大きな課題になっています。配管工事を1人で請負う区内在住の80代の方は「早く若手を育てたい」と言います。しかし、文京区は家賃が高く住まい確保がネックとなり、若手職人や地方出身の技能者が区内に定着できない大きな障壁で地域建設産業の持続性を損なう要因になっています。区内に建設従事者が居住するための家賃補助や若手・新規建設従事者の「職人寮」を設置するなど、建設従事者の住まい確保の支援を行うべきです、伺います。尚、住宅基本条例12条は中小企業の従業員住宅確保の支援を規定しています。この規定を活用すべき事態との認識を持つべきで、規定の趣旨とあわせ伺います。
世田谷区は1999年に制定した産業振興基本条例を2022年に地域経済の持続可能な発展条例へと発展させ、条例の視点を「産業の振興」から「地域経済の発展や活性化」へと移行させ、商業、工業、農業、福祉・教育等の多様な産業と並んで建設業を区の基幹的産業と位置づけ、都市基盤及び生活基盤を支え、区民の安全安心な生活を守る観点から活性化と振興を図るとしています。文京区でも建設業について同様の位置づけが必要です、認識を伺います。
建築工事の入札・発注についても改善が必要です。
現在、予定価格130万円〜5,000万円未満を対象とする最低制限価格制度と予定価格が5,000万円以上を対象とする低入札価格調査制度は、予定価格5,000万円を境にいずれも落札者になれない可能性がある一方、今年度から施行された公契約条例は予定価格が1億円以上の場合、労働報酬下限額に基づく適正賃金を下請け・孫請けまで支払うことが求められます。
予定価格が5,000万円以上1億円未満の場合、低入札価格調査の対象ですが公契約条例は対象外です。その場合、労務費をはじめ材料費や現場経費、法定福利費、予備費などが適正に予定価格に積算されているのか疑問は尽きません。加えて、建設費高騰の中、工事契約の適正な履行と適正な賃金の支払いができるよう、改善が求められます。
そこでまず、最低制限価格は予定価格1億円未満とするべきで伺います。また、低入札価格調査制度の対象は公契約条例との整合性を確保するために、予定価格1億円以上とするよう求め伺います。
また、担い手3法によって今年12月を目途に「労務費の基準」が勧告される予定ですが、これへの対応についても伺います。
さらに、地域建設産業の役割と持続可能性に着目して予定価格1億円以下の場合は、入札参加を区内業者のみとし、区内業者の定義は区内に開設から3年を要件とするよう求めます、お答えください。
(区長答弁)
次に、建設業に関するご質問にお答えします。
まず、建設業に対する区の認識についてのお尋ねですが、建設業は、社会資本整備の担い手であるとともに、災害時には最前線で地域社会の安全・安心の確保を担う等、区民の生活において、重要な役割を果たしているものと認識しております。
次に、区内における建設業の事業所数の減少についてのお尋ねですが、建設業の事業所数の減少は、都心部の地域特性である、土地価格の高騰が要素のひとつとして考えられますが、その他にも建設資材・燃料費等の高騰や経営者の高齢化に伴う事業承継の課題など、複合的な要因があるものと認識しております。
次に、建設業の育成・振興策等についてのお尋ねですが、建設業に限らず、区内中小企業者は、区の経済基盤を支える重要な存在であると認識しております。
また、本区では人口や世帯数が回復し、住宅ストック数も増加していることから、住宅基本条例第12条の規定も含め、定住促進型の施策は、一定の役割を果たしたと考えております。
区として、建設業従事者への家賃助成等を行う考えはございませんが、各種補助事業や人材確保支援等を通じて、区内中小企業が従業員にとって魅力的な職場環境を整備できるよう、持続的な経営基盤の強化や生産性の向上を支援してまいります。
次に、建設業の位置づけについてのお尋ねですが、本区では、産業振興を図るための各種事業を「文の京」総合戦略で計画化し、中小企業の振興に関する施策を推進していることから、中小企業振興基本条例は制定しておりません。なお、建設業は、先程ご答弁申し上げたとおり、社会資本整備の担い手であるとともに、区民生活において、重要な役割を果たしており、他の産業と同様に、区の経済基盤を支える重要な産業と認識しております。
次に、建設工事の入札・発注に関するご質問にお答えします。
まず、最低制限価格制度と低入札価格調査制度についてのお尋ねですが、本区が発注する工事については、ダンピング受注の防止を図るため、最低制限価格制度と低入札価格調査制度を実施しております。最低制限価格制度については、入札価格が最低制限価格を下回る場合は落札者としないことから、比較的予定価格が低い工事を対象としており、対象を予定価格1億円未満に変更することは考えておりません。
また、低入札価格調査制度においては、調査基準価格を設定し、この価格を下回る入札が行われた場合には、入札価格の内訳などの調査を実施して適正に積算されているかを確認した上で、低入札価格調査委員会での審査を行い、落札者を決定しております。これにより、適正に履行が行われていることから、対象を予定価格1億円以上とすることは考えておりません。なお、予定価格が1億円以上となる工事については、低入札価格調査制度に加えて、公契約条例により適正な履行に向けた取り組みを強化しておりますので、公契約条例との整合性は確保されているものと考えております。
次に、いわゆる「担い手3法」による労務費の基準についてのお尋ねですが、本区においても、今後、国や都の動向を注視しながら、適切に対応してまいります。
次に、指名競争入札における予定価格の区分についてのお尋ねですが、昨年度において、5,000万円以上の土木及び建築工事等で、区内業者が請け負った比率は、約85%を占めていることから、予定価格の区分を変更することは考えておりません。
また、入札参加者の指名にあたっては、所在年数に関わらず、区内に事業所が所在し、登録をした事業者はすべて「区内業者」として捉えております。今後とも、区が発注した工事の受注実績をはじめ、工事の技術的適性や契約を履行する能力などの適格性を判断した上で、可能な限り優先的に、区内事業者の指名を行ってまいります。
元町公園と旧元町小学校は、一体で文化財の指定の検討を
(関川けさ子区議)
元町公園の文化財指定等について伺います。
元町公園は今年4月に再生オープンを迎えるはずでしたが、12月まで延期されました。それとともに昨年11月から検討が始まった元町公園の文化財指定について国と都との協議はどのような進捗状況になっているのか伺います。
また、元町公園と一体での元町小学校の文化財についての検討はどのようになっているのか、伺います。
(教育長答弁)
次に、元町公園の文化財指定に関する国や都との協議の進捗状況についてのお尋ねですが、本年7月に、文化庁及び東京都教育委員会の担当者が現地視察に訪れ、整備工事の状況を確認いたしました。その際に、意見具申書の内容や今後のスケジュール等についても確認しております。今後も、随時、工事の進捗状況等を報告するとともに、必要に応じて現地視察を依頼し、令和8年度中の指定を目指し、調整を進めてまいります。
また、旧元町小学校の文化財登録等については、今後検討する予定であり、現時点では、速やかに元町公園が文化財指定されるよう、手続を進めているところです。
湯島総合センターに区立保育園を。空ビル活用で代替業務の実施を
(関川けさ子区議)
次に湯島総合センター建設計画がこれから具体化に入りますが、コンサルタントの役割はどのようになるのか、工事の発注は地元業者優先にするよう求め伺います。多くの区民が望んだ浴場は、区立銭湯の形式とするよう求め伺います。また、学童保育がある中で湯島総合センターを考える会から署名を添えて要望が出されている区立保育園の設置についてどのように検討されているのか伺います。
さらに、建物が完成するまでの間、例えば本郷清掃事務所の使い方の方向性を急いで明らかにする等、近所のテナントビルを借り図書館だけでなく他の代替業務も行えるようにすべきと思いますが、伺います。そして、教育環境の充実に向けて湯島小学校の中にあるアカデミー湯島と湯島在宅サービスセンターはテナントビル等へ移し湯島小の学区域の教室不足に対応するよう求め伺います。
(区長答弁)
最後に、湯島総合センターの建替えに関するご質問にお答えします。
まず、建設計画の具体化に伴う対応等についてのお尋ねですが、本事業は、大規模な複合施設の整備であり、事業者公募にあたっての諸条件が複雑になることなどから、類似の公共事業のアドバイザリー実績のあるコンサルタントによる支援を活用し、公募条件等の検討を進めております。
今後予定している事業者公募の実施等において、区内事業者の参画を促す工夫を図るためにも、専門的な知識を有するコンサルタントによる検討支援も適宜活用し、適切に事業を進めてまいります。
次に、導入機能についてのお尋ねですが、整備方針の策定にあたっては、近隣町会や利用団体の代表者と意見交換を行ったほか、利用者等に対するアンケート調査の実施、パネル展示型の説明会や整備方針の素案に関する説明会の開催等、幅広く意見聴取を行い、導入機能等の検討を行ったところです。
本施設の入浴機能としては、これらの意見聴取の結果等を踏まえ、文京福祉センター湯島の入浴設備を維持する方向性を整備方針に明示したところであり、区立銭湯として設置する考えはございません。
また、現状、区立保育園を整備する予定はございませんが、本事業は長期間にわたる計画となるため、整備方針にお示ししたとおり、今後も行政需要について適宜検証を行い、状況に大きな変化があった場合には、整備方針における導入機能を見直し、設計に反映することを検討してまいります。
次に、工事期間中の代替機能の確保についてのお尋ねですが、先程ご答弁申し上げたとおり、本事業については長期間にわたる計画となることが想定されるため、代替機能の検討が必要と考えております。工事期間中においても、可能な限り既存の施設機能の利用を継続できるよう、近隣施設の活用や代替事業の実施等について、引き続き、検討してまいります。
(教育長答弁)
最後に、湯島小学校の教室確保についてのお尋ねですが、令和6年2月に鉄骨造3階建ての増築校舎がしゅん工し、今後必要とされる普通教室の確保はできているところです。
そのため、アカデミー湯島や、湯島高齢者在宅サービスセンターを早急に移転させることは、学校運営上、必要ないものと認識しております。
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