◎元町公園国文化財指定は、区民の運動と共産党も要求してきた成果
・区文化財審議会の意向を尊重して、すぐに国文化財に指定を
・庁舎建設時文化財保護法違反が生かされていない
・川越市のように「歴史的建造物保存及び活性化条例」制定を
◎元町ウエルネスパークの総経費、西館の解体費と建設費について
◎湯島総合センターの建替え時には、保育園の設置を
・障害者グループホームや高齢者住宅の設置を
・浴場は高齢者だけでなく誰もが使用できる「公衆浴場」に
・建替え時には空きビルを活用し、いまある施設の存続を
◎千駄木の郷を区立特養に戻し、介護施設とケア労働者の雇用を守れ
元町公園国文化財指定は、区民の運動と共産党も要求してきた成果
・区文化財審議会の意向を尊重して、すぐに国文化財に指定を
(関川けさ子区議)
かねてより課題となっていた「元町公園」の文化財指定について、東京都・文化庁と文京区の協議・交渉がようやく始まることとなりました。遅きに失したとはいえ、この交渉の始まりは、区民の永年の運動と私たち日本共産党も要求し続けてきた成果だと思っています。
一日も早い国の文化財指定を望みますが、昨年11月6日、庁議で示されたスケジュールでは「旧元町小学校」が対象に入っていません、元町公園と一体で造られた復興小学校ですが、なぜ対象から外されたのか、伺います。
また、2022年1月の区の文化財保護審議会で、ある審議委員の先生が元町公園に関する事項について、審議委員全体の意見として「まず指定する」そのうえで「様々な調査を行うことを考えるのが一番良い」と発言されています。
今からでも審議会の意見を尊重し、都や文化庁ともよく相談して、スケジュールで示された令和8年以降と言わず、まず国文化財に指定するよう求め、伺います。
(教育長答弁)
教育に関するご質問にお答えいたします。
はじめに、旧元町小学校の文化財指定についてのお尋ねですが、旧元町小学校である元町ウェルネスパークのうち、保存施設である東館は、国の登録有形文化財に登録できる可能性はございますが、まずは元町公園の開園後、速やかに公園が文化財指定されるよう、公園に関する調査を先行して実施するものでございます。
次に、元町公園の文化財指定の時期についてのお尋ねですが、指定に向けた手続には、各種写真や図面など、元町公園工事が竣工しないと作成できない資料等が必要となります。
現在行われている元町公園の工事は令和7年11月の竣工予定ですが、その後資料を揃える期間を考慮し、調査報告書の完成予定時期は令和8年3月となっております。
さらにその後、文化庁や都教育委員会と調整・協議を経て意見具申書を提出し、国の文化審議会への諮問・答申を経て文化財指定となるため、これ以上のスケジュールの前倒しは困難と考えております。
・庁舎建設時文化財保護法違反が生かされていない
(関川けさ子区議)
この文化財指定は、2004年に東京都の「史跡等整備検討委員会(現在、検討委員会はない)」から名勝指定対象とすべき公園の筆頭に揚げると打診のあった時に、区は文化財審議会にもかけずに「文化財指定」について断った経緯があります。
その後、元町公園・元町小学校を残して欲しいという広汎な区民や地元町会、さらに全国的な運動が起こり、文化財審議会の先生方も現地を視察・調査し、再三再四、文京区に「文化財指定」の要望をしてきたのもかかわらず、区は元町小学校・元町公園の「文化財指定」を拒んできました。
この根底には、30年以上前のシビックセンター建設の際の埋蔵文化財調査を行わなかったことと、小石川後楽庭園から見た時にシビックセンターの高さ(105メートル)が景観に影響する・触れると文化庁からきびしく指摘を受け、文化財保護法違反の問題があります。
この反省をもとに保護条例が大幅に改正され、区の文化財保護審議会が設置されたはずですが、この「文京区文化財保護条例」がその後の歴史的建造物保存等の文化財行政に十分に反映されていないと思います。伺います。
例えば菊坂にある跡見学園女子大学所有となった「旧伊勢屋質店」、歌人石川啄木が家族と生活した商家、明治村に解体・移築された喜之床、弥生にあったが北上市に移転されたサトウハチロウ記念館など歴史的建造物の保存等について、「文京区文化財保護条例」を作った意義がいかされていません。歴史的建造物の保護は、その建物だけ(民間の所有物件)を特別扱いにするわけにはいかないという、文京区の姿勢そのものの弱さがあると思いますが、区長の認識を伺います。
喫緊の課題としては、近日解体が始まった本郷4丁目の諸井邸は、建築当初の姿をよく残しており、建物の増築があるが、工事仕様書・見積書・契約書など建築に関する多くの書類が残され、建築技術史を考える上で貴重であると専門家が指摘しており、区民が保存を強く望んでいます。
作家の森まゆみ氏もSNS上で「諸井邸、隣が区立ふるさと歴史館、前が真砂図書館という文教地区…… 建物は明治30年代で震災も戦災も逃れた貴重な建築です。……隣(諸井邸を)と合わせてふるさと歴史館にして、漱石、一葉、子規も含めきら星のようにいる文京ゆかりの記念館にすれば良い……」と発信しています。私も同感です。文京区としてこのような方向で尽力をすべきと思いますが、伺います。
また、文化庁の補助を受けて都が実施した「東京都近代和風建築総合調査」(H18年〜20年)の調査書では、本郷の瀬川邸など66件もの歴史的建造物が掲載されていますが、そのうち現存しているのは何件ですか、伺います。
(区長答弁)
最初に、文化財の保護についてのご質問にお答えします。
歴史的建造物も含めた文化財をまちづくりに活かしつつ、その継承・活用に取り組んでいくことは重要と認識しておりますが、その保存にあたっては、所有者の意向が前提であり、意向を踏まえずに、区が保存等を行うことはできません。
そのため、所有者に対し、機会を捉えて文化財保護制度に関する情報提供を行いながら、丁寧に相談に応じることで、文化財保護制度の活用を促進し、歴史的建造物の保護に努めております。
なお、こうしたことから、議員ご指摘の新たな記念館を作ることは困難と考えております。
(教育長答弁)
次に、文京区文化財保護条例に基づく区の文化財保護施策についてのお尋ねですが、同条例に基づき指定した区指定有形文化財の建造物は12件あり、平成4年の条例改正後、明治期以降に建てられた近代建築物を3件指定しております。
一方、平成8年に文化財保護法改正により発足した国の登録有形文化財の建造物は、現在区内に62件あり、23区では最も多い数となっております。
区教育委員会では、国や都の文化財指定・登録に向けた手続等についても、国等と所有者との間に入って調整するとともに、指定・登録された文化財については、国等と連携し、保存のために必要な改修等に要する経費を補助するなど、区の文化財保護条例に基づく施策と合わせて、歴史的建造物の保護に努めております。
次に、「東京都近代和風建築総合調査」に掲載された建造物で現存している件数についてですが、区内にある諸井家住宅を除く65件の建造物のうち、53件は現存していることを確認しております。
・川越市のように「歴史的建造物保存及び活性化条例」制定を
(関川けさ子区議)
川越市など全国で歴史的建造物を適切に保存し活用することで地域の活性化や魅力ある街づくりにいかす「歴史的建造物保存及び活性化条例」を作っていますが、文京区でも数ある歴史的建造物の保存と活用をするために同様の条例を作ることも求め、伺います。
(教育長答弁)
次に、歴史的建造物保存及び活用条例についてのお尋ねですが、こうした条例は、川越市のほか、京都市や鎌倉市など、歴史的建造物が集積した地区を持つ自治体を中心に制定されているものと認識しております。本区においては、現時点で条例を制定する予定はございません。
元町ウエルネスパークの総経費、西館の解体費と建設費について
(関川けさ子区議)
次に、元町小旧校舎を活用する元町ウェルネスパークについても伺います。
元町ウェルネスパークは「旧元町小学校の整備と元町公園との一体的活用」の事業の内、民間活力の導入の視点で開設に至るわけですが、その大前提は「区民の貴重な財産として有効活用を図る」ことです。ですから、西館地下の体育館や園児が帰宅した後や休日の園庭は区民本位に使えるように、と言うのが住民の長年の強い要望でしたが、区民利用はどの程度できるのか、順天堂との協定はどのようになっているのか説明を求めます。
12月の総務区民委員会で、報告資料に「事務室等」とだけ記載している4階北側に、「東京ユナイテッドFC元町オフィス」が入ることがわかりましたが、区と順天堂が12月に締結した「施設等の維持管理及び運営に係る協定」の図面では、この場所は「東京ユナイテッドFC本部」と書かれ、委員会でも「ユナイテッドFC本部」と答弁しています。
東京ユナイテッドを運営する社団法人 CLUB LB&BRB(クラブ エルビー アンド ビーアールビー)は本郷5丁目の現所在地から、元町オフィスに移るのか、この事務室でどんな業務を行うのか伺います。また、「東京ユナイテッドFC元町オフィス」の隣に「個室」がありますが、用途をお答えください。
順天堂との基本協定では西館の「一部をテナント事業者に賃貸する場合、テナント事業者の商号及び営業内容を開示して、事前に、書面にて区に届け出なければならない」とあります。しかし、区と順天堂が「施設等の維持管理及び運営に係る協定」を結んだ昨年12月12日時点で、この書面は未提出です。基本協定の趣旨に反するのではないか、伺います。
元町ウェルネスパークの名称は順天堂の提案と地元住民との協議で、旧小学校跡の施設全体に限定した名称とするとのことですが、本来、元町公園と一体に「1923年の関東大震災に伴う、帝都復興事業の一環として再建・整備された52の震災復興小公園・小学校」の中で、当時の姿を伝える唯一の事例です。これを長く顕彰するため、元町ウェルネスパークの名称に先立ち「震災復興小学校記念」と冠することを提案し、順天堂と協議を求め伺います。
尚、施設全体にかかった総経費と内訳として解体費と西館の建設費、その内の区負担額及び東館の改修費をお示しください。
(区長答弁)
次に、元町ウェルネスパークに関するご質問にお答えします。
まず、体育館や園庭の利用についてのお尋ねですが、認定こども園の活動時間外における園庭の運用については、事前に地域と調整を行い、実施計画を作成した上で、地域防災訓練等、地域と行政が連携したイベントを実施いたします。その他の時間帯は、未就学児をはじめ、一般の方向けに地域開放を行うほか、協働事業者である学校法人順天堂による、区民を対象にした地域貢献事業の実施も予定しており、現在、協定の締結に向け、具体的な内容や利用方法について、協議を進めているところです。
また、順天堂が所有する体育館については、区民が利用可能な様々なスポーツプログラムや、団体貸出等を実施する予定であると聞いております。
次に、西館4階における事務室等についてのお尋ねですが、まず、一般社団法人CLUB LB&BRB(クラブ エルビー アンド ビーアールビー)の本部は、すでに本郷5丁目から後楽1丁目に移転したと聞いております。
「元町ウェルネスパーク」においては、区と順天堂が相互に協力し、円滑かつ効率的に施設を運営するため、日常の管理運営は一体的に行う必要があります。そのため、基本協定において、順天堂が共用部分の維持管理を行うほか、本施設で地域貢献事業を実施することとしております。
順天堂は、東京ユナイテッドFCを協力事業者として、施設予約や複数箇所にわたる受付等を委託する予定と聞いております。「東京ユナイテッドFC元町オフィス」については、委託された業務を取りまとめるため、サテライトオフィスとして東京ユナイテッドFCが順天堂から賃借するものですが、具体的な業務については、来年度の開設に向け、検討が進められているものと認識しております。なお、議員ご指摘の西館4階の部屋については、フロアに入る複数の事業者の共用会議室に利用されるものと聞いております。
次に、基本協定における届出についてのお尋ねですが、今後、順天堂において、西館の一部をインターナショナルプリスクール等のテナント事業者に貸し付ける予定と聞いております。その契約にあたっては、基本協定に基づく事前の届出がなされるものと認識しております。
次に、施設名称についてのお尋ねですが、施設名称については、順天堂と検討した上で、地域の方々にアンケート調査を実施しており、その結果を踏まえ、近隣町会等との意見交換もあわせて、決定したものであり、施設名称として「震災復興小学校記念」と冠することは考えておりません。なお、元町小学校の歴史性については、東館の歴史展示室等で伝えてまいります。
次に、施設整備に係る経費についてのお尋ねですが、施設整備に係る総経費は、順天堂が負担する建設費を含め、現時点での概算で約85億6千万円となっております。そのうち解体費は約5億3千万円で区の全額負担となっており、また、西館の建設費は約53億5千万円、そのうち区の負担額は約23億円となっております。なお、東館の改修費は、約26億8千万円を見込んでおります。
湯島総合センターの建替え時には、保育園の設置を
・障害者グループホームや高齢者住宅の設置を
(関川けさ子区議)
次に、老朽化が著しい湯島総合センターの建替え計画について伺います。
区民の要望だった児童館、育成室、図書館は予定通り残ることになりましたが、「湯島総合センター建て替えを考える会」が区にアンケート結果を提出した中にこの湯島地域から保育施設がなくなってしまうので保育園をつくって欲しいという要望がたくさん寄せられていました。しかし、計画の中には保育施設がありません。保育園の設置と障がい者のグループホームや高齢者の住宅を併設するよう求め、伺います。
(区長答弁)
次に、湯島総合センターの建替えに関するご質問にお答えします。
まず、保育園や障害者グループホーム等の整備についてのお尋ねですが、整備方針の作成にあたっては、近隣町会や利用団体の代表者との意見交換に加え、利用者等に対するアンケート調査を実施するとともに、パネル展示型の説明会や整備方針の素案に関する説明会を開催する等、幅広くご意見を伺い、導入機能を検討いたしました。
現状、保育園等の機能を導入する予定はございませんが、本整備は長期間にわたる計画となるため、今後も行政需要について適宜検証を行いながら、状況に大きな変化があった場合には、整備方針における導入機能を見直し、設計に反映する旨を整備方針案に追加しております。
・浴場は高齢者だけでなく誰もが使用できる「公衆浴場」に
(関川けさ子区議)
浴場は存続することになりましたが、高齢者だけでなく、区内から銭湯が激減していることからも要望が強いことを指摘し、中央区の十思(じっし)小学校廃校施設のように「公衆浴場」として地域の誰もが使用できる施設とするよう求め、伺います。
さらに、広域広場は防災機能や地域の催しや発表、活動の場として地域の方々も利用しやすくなるよう求め、伺います。
(区長答弁)
次に、文京福祉センター湯島の入浴施設を公衆浴場とすることについてのお尋ねですが、文京福祉センター湯島の入浴設備は、既存の施設においても需要があり、高齢者クラブとの意見交換会やアンケート調査等の結果を踏まえ、建替え後も導入する方向性を整備方針案に明示したところです。
公衆浴場は、公衆衛生を確保する観点から重要な施設であると認識しておりますが、本計画において設置する考えはございません。
次に、オープンスペース及び屋外広場についてのお尋ねですが、これらは、建替え後の湯島総合センターに新たに整備するものであり、本施設の整備コンセプトである「みんなの居場所づくり」において、象徴的な場となるものと考えております。
オープンスペースについては、可変的な空間作りにより、用途に応じて多目的に使うことができるような工夫を施すことで、地域の皆様の催しをはじめとした、様々なイベント等で活用いただけるよう整備を進めてまいります。
また、屋外広場については、オープンスペースとの一体的な利用も含めた各種イベントの実施等、様々な用途で利用できる場として整備するとともに、災害時においては一時的に退避できるスペースとするなど防災性にも配慮しながら、検討を進めてまいります。
・建替え時には空きビルを活用し、いまある施設の存続を
(関川けさ子区議)
この建築には数年かかると思いますがその間、天神図書室を作った時のように空きビルを借り上げ、今ある施設が使えるようにするとともに、湯島小の教室不足を解決するためプレハブ教室で代用せずに、借り上げたビルにアカデミーゆしま、ゆしま高齢者在宅サービスセンターも移転し教室を確保するよう求め、伺います。
なお、建設の際には区内中小企業・業者へ仕事を発注するよう求め、伺います。
(区長答弁)
次に、工事期間中の代替施設についてのお尋ねですが、
本整備については長期間にわたる計画となるため、工事期間中も可能な限り既存の施設機能の利用を継続できるよう、代替機能の検討が必要と考えており、引き続き、近隣施設の活用や代替事業の実施等について、検討してまいります。
次に、区内事業者への発注についてのお尋ねですが、湯島総合センターの建替えにあたり、本年度策定予定の整備方針を踏まえ、来年度以降に整備等事業者の公募を行うことを予定しております。事業者の公募にあたっては、区内事業者の参画を促す工夫も含め、適正に選定を行うことができるよう、公募条件等の検討を進めてまいります。
(教育長答弁)
最後に、湯島小学校の教室確保についてのお尋ねですが、本年2月には鉄骨造(てっこつぞう)3階建ての増築校舎がしゅん工し、今後必要とされる普通教室の確保はできているところです。
そのため、アカデミー湯島や、湯島高齢者在宅サービスセンターを早急に移転させることは、学校運営上、必要ないものと認識しております。
千駄木の郷を区立特養に戻し、介護施設とケア労働者の雇用を守れ
(関川けさ子区議)
次に、介護福祉について、伺います。
特養ホーム千駄木の郷を運営する桜栄会(おうえいかい)が、2026年度末で撤退すると12月の厚生委員会に報告されました。
同じく、旧区立特養である白山の郷の法人撤退が2024年9月に報告され、旧区立特養の法人撤退は2年連続です。区内の介護入所施設の危機との認識を持つべきです、伺います。
情報公開によると桜栄会の撤退意向は昨年8月9日に、担当部長が課長等と共に人事異動の挨拶で桜栄会本部を訪問した際に伝えられ、部長らは事業者の引継ぎについて「介護サービスの維持を前提」に「利用者、職員の負担を最小限にし、スムーズな引継ぎを」と対応したことが記録されています。
即ち区は人事異動の挨拶の場で撤退を了承し、区長は事後報告を受けたことになります。こんな意思決定はあまりに無責任ですが、区長が部長から撤退を了解したと、事後報告を受けたのはいつなのか、伺います。
桜栄会が撤退表明後、特養の職員組合と行った団体交渉記録によると「区との協議はいつからしていたか」の質問に、桜栄会の回答は「令和6年8月に区の担当者が交代し挨拶に見えたので、厳しい状況だと話をした」との記述があるだけです。
この記録を区は受け取っていますが、区から「撤退を前提に引継ぎの課題をこなすよう伝達した」等の訂正・加筆を求めた事実はあるか、又、区長が撤退を了解したのはいつか、あわせて伺います。
千駄木の郷では既に退職者が出ており、法人が「確保可能」と言っていた代替派遣職員5人が確保ができず、夜勤が3回連続する職員が出てその一方で、利用控えが生じ、介護労働と経営に重大な支障をきしています。区の責任で打開することを求めます、お答えください。
そして、これらの責任は区が安易に撤退を了解したことにあります。区長の猛省を求めると共に、区は実態を直視して法人撤退の了解を撤回し、再協議し介護サービス提供体制に責任を持つべきです、答弁を伺います。
区内の介護施設で長年働くケア労働者は文京の高齢者の様子を熟知し、区の関係機関や地域住民と連携する職能を蓄積している、かけがえのない存在です。千駄木の郷で働く介護職員100人の雇用が脅かされる事態は区民にとって巨大な損失です。区長も深刻に受止めるべきですが認識を伺います。そして、千駄木の郷の職員の雇用を守るため、区も尽力すべきです、あわせて伺います。
千駄木の郷が桜栄会による民営施設になったのは、2007年にくすのきの郷で就労資格のない労働者が夜勤に従事したことで、区の介護施設運営の資格が取消されたためでした。
この事件のお詫びの中で区長は「今回の極めて厳しい処分を厳粛に受け止め、区の全組織をあげて区民の信頼回復と更なる区民福祉の向上のために最大限の努力」を区民に誓ったはずです。この認識が変わっていないなら、区立特養に戻し介護施設とケア労働者の雇用を守り、介護福祉提供の責任を果たすべきです、答弁を求めます。
(区長答弁)
最後に、介護保険に関するご質問にお答えします。
まず、旧区立特別養護老人ホームの運営についてのお尋ねですが、これまでの、長きに渡る質の高い介護サービスの提供と地域福祉の向上への貢献から、事業運営の終了は、区としても大変残念なことであります。
一方で、事業運営の終了については、事業者が、経営上の個別の事情等を踏まえ総合的に判断したものであり、事業の承継についても計画的に進められていること等から、直ちに危機的な状況になるものとは考えておりません。引き続き、継続的な介護サービスを提供するために、後継事業者の選定を適切に進め、利用者や職員等に安心していただけるよう、取り組んでまいります。
次に、事業終了に伴う対応等についてのお尋ねですが、本件に係る土地建物使用貸借契約において、期間満了後に物件を使用しないときは、1年前までに申し出ることを規定しております。この規定に基づき、昨年9月30日に、事業者から書面での申出があり、遅滞なく報告を受け、区として適切に把握をしております。
この度の申出は規定通りに行われており、事業の終了等に区の了解が必要なものではなく、申出の撤回や再協議を区が求めるものではないと認識しております。
また、事業者の団体交渉については、事業者内部における事項であり、区が関与するものではなく、議員ご指摘のような事実はございません。
介護施設の運営は、事業者において安定的に実施されるべきものでありますが、事業の承継が進められていることを鑑み、安定的な介護サービスの実施について確認するとともに、引き続き、区としても必要な支援を行ってまいります。なお、施設の運営については、運営に係(かか)る基準に基づき適切に行われており、契約終了を理由とする利用控えは生じていないと聞いております。
次に、職員の雇用及び施設の運営についてのお尋ねですが、区内で働く介護従事者は、区の介護サービスを支える貴重な人材であると捉えております。一方で、職員の雇用については、雇用主である事業者により、適切に対応がなされるものと認識しております。
区としても、引き続き、適切かつ丁寧な対応を事業者に求めるとともに、後継となる事業者にも、職員の雇用の安定に極力の配慮を求めてまいります。なお、文京千駄木の郷は、使用貸借契約により、土地建物を無償で貸付し、運営費助成も行うなど、区として必要な対応を行っていることから、区立として運営する考えはございません。
〒112-0003
東京都文京区春日1-16-21
文京区議会内
TEL.03-5803-1317
FAX.03-3811-3197