本文へスキップ

日本共産党文京区議会議員団は、区民のための区政を目指します

〒112-0003 東京都文京区春日1-16-21 文京区議会内

TEL.03-5803-1317

議会報告Congress report

PAGE TOP

2024年文京区議会9月定例議会
代表質問 いたくら美千代区議     2024年9月9日

岸田自公政権の政権投げ出しを受け、政治転換の必要性を問う
純資産は10年で837億増、「楽観できない」財政認識を改めよ
区内建設産業の社会的役割を大事にして産業育成・振興に本腰を
小石川図書館は住民要求を反映させ早期に改築し拡充・直営化を
小日向台町小改築の仮校舎用地には小石川税務署跡地を含め検討を
地球沸騰化の猛暑から命を守る、学校・保育・区民施設の断熱化を
住宅基本条例と付帯決議を無視せず区民に示し住まいの確保を
他区より低水準の補聴器購入補助を拡充し高齢者の健康支援を
介護崩壊の実態と高齢者の声を直視し介護確保の公的責任を果たせ
都市型豪雨へ100ミリ対策が必要・新型コロナ11波への対応を



岸田自公政権の政権投げ出しを受け、政治転換の必要性を問う
(いたくら美千代区議)
 岸田首相が退陣表明しましたが、この政権の下で裏金、経済無策、外交不在の大軍拡、地方自治破壊、原発再稼働、異常な円安・物価高どれも最悪のものばかりでした。
 さらに憲法9条に自衛隊を明記し、海外で無制限に武力攻撃をできるようにし、「平和国家」としての日本の在り方が土台から覆されようとしていることにも国民の怒りが広がり、追い詰められた結果です。
 「自らが身を引くことで自民党が変わることを示す」と述べ、総裁選に向け次々と候補者が現れていますが、誰一人安倍・菅・岸田と続いた12年間の自民党政治を変える展望を示せません。自民党の中での政権たらい回しでは何も変わりません。自民党政治の転換が必要という認識が区長にはありますか、伺います。
(成澤区長答弁)
 最初に、国政についてのご質問にお答えします。
 国の政策等については、多くの議論や、国内外の情勢等を踏まえて進められているものと認識しております。


純資産は10年で837億増、「楽観できない」財政認識を改めよ
(いたくら美千代区議)
 経済無策が円安・物価高騰をもたらし、区民の営業と暮らし、命が脅かされ続けたこの夏、昨年度の決算が公表されました。剰余金は2月議会での見込みを上回る55億円に達しました。新しい施策展開の財政力はあるのに、来年度の予算編成方針で区財政は「楽観できない」との認識を昨年に続いて示す一方、凄まじい猛暑が2年続けて区民の暮らしと命、地域経済を脅かしています。
 物価高騰の中、エアコンをつけられず、苦しい生活を強いられている区民がいて、区民の生活こそ「楽観できない」との認識はありますか、明確にお答えください。
 この間蓄積された財政力を区民の健康と命、福祉・教育と地域経済支援のために活用し、区独自に高齢者や障害者、経済困窮者と地域経済への給付金を行うべきです、伺います。
 尚、昨年度の決算剰余金のうち留保額と年度末の基金総額もお示し下さい。
 複式簿記の財務書類で、区に蓄積された財政力が示されています。純資産は2023(令和5)年度には10年前と比べ837億円・19%増える一方、負債の資産合計に対する比率は0.2ポイント圧縮されています。更に、純資産のうち現金・預金と基金、有価証券の金融資産だけで、この年の一般財源の決算額に匹敵する726億円に達していることから「楽観できない」との評価は当たらないのではありませんか、認識を伺います。
 区は金融資産を増やす一方、普通会計の歳入に対する人件費の比率は2007年度の27%から2023年度末には17.7%へ10ポイント近く減っています。このことは個人情報漏洩が過去2年で38件も発生したことの温床で、公務サービスの維持と継承が危機との認識はありますか、伺います。
 そもそも副区長を2人にするよりも、技能系職員の原則退職者不補充の方針撤回も含め、正規職員をきちんと増やすべきです、伺います。
(区長答弁)
 次に、区の財政に関するご質問にお答えします。
 まず、物価高騰下における区民生活に対する認識と財政についてのお尋ねですが、本区では、景気の動向に注視しながら、スピード感を持って様々な施策を展開してまいりました。
 昨年度は、区民及び事業者を取り巻く厳しい経済状況を喫緊の課題として捉え、「高校生世代育成支援金」や「児童手当対象外世帯独自給付金」の区独自の事業を迅速に実施する等、計8回の一般会計補正予算により、当初予算比で約66億円の増額となったところです。
 また、本年度は、6月の補正予算において、「家計支援臨時給付金」や「定額減税補足給付金」等の事業を実施するとともに、9月の補正予算編成においては、「キャッシュレス決済ポイント還元事業」や、「物価高騰の影響を受ける区内介護サービス及び障害福祉サービス事業者に対する光熱費の補助」等の支援に取り組むこととしており、当初予算比で約77億円の増となっております。なお、高齢者や障害者及び経済困窮者等に対する区独自の給付金については、それぞれの状況に応じて判断すべきであり、現時点で実施する考えはございません。
 また、本年度9月の補正予算編成時に留保した財源は約1億330万円、5年度末の総基金残高は約611億5,000万円となっております。
 次に、区の純資産残高等についてのお尋ねですが、議員ご指摘のとおり、令和5年度決算をベースとした貸借対照表では、10年前と比較し、純資産額は約837億円の増となります。
 純資産額の主な内容は、土地や建物などの有形固定資産となっており、短期的な資金の確保が可能な流動資産と比べ、性質に大きな違いがあると考えております。また、流動資産のうち、基金については、今後の推移に注視する必要があること、現金預金については、地方自治法の規定に基づき、日々の支払いに備えた支払準備金となっております。
 こうした状況に加え、景気の影響を受けやすい都区財政調整交付金や、不合理な税制改正も踏まえると、引き続き、区財政の先行きは楽観視できない状況にあると認識しております。
 次に、正規職員の適正配置についてのお尋ねですが、職員体制については、多様化・複雑化する行政課題や区民ニーズに的確に対応するため、事務量や運営方法等を十分精査した上で、必要な配置を行っております。
 その結果、職員定数は平成19年度の1,859人から令和5年度には2,105人へ増加するとともに、令和5年度普通会計決算における人件費については、平成19年度と比較し、約20億円の増加となっております。
 また、職員の年齢別構成においては若手職員の割合が増加しており、公務サービスの質を維持・向上していくため、引き続き、OJTと研修を組み合わせた職員育成の徹底を図ってまいります。なお、技能系職員については、原則退職不補充としておりますが、区民生活と直結し、非常時における安定的な運営確保の必要がある事業については、一定規模の体制を維持するための人員の確保に努めております。


区内建設産業の社会的役割を大事にして産業育成・振興に本腰を
(いたくら美千代区議)
 区内の建設産業は学校や福祉・スポーツ施設等の建設後も、メンテナンスに駆け付け、豪雨の前には土嚢を届け、大雪の翌朝には除雪を行う等、区民に不可欠で社会的な役割を果たしており、建設産業育成は自治体の役割です、認識を伺います。
 区内業者優先の指名入札の仕組みもあり、土木と建築では予定価格5,000万円までは原則として区内業者のみの指名とし、5,000万円を超えると区外業者との競合となりますが、その趣旨と金額の根拠を伺います。
 区が5,000万円の基準を決めた2015年以降、消費税が10%にされ、建設資材全体は4割上がり、土木や建築工事に不可欠なH鋼価格は3倍にもなっています。ですから指名競争入札で区内業者優先の趣旨を貫くためには、5,000万円の基準を議会の議決案件である1億円から1.8億円程度まで上げる必要があります、お答えください。
 国による総労働時間規制の適用でコンクリート打設やクレーン作業は午後3時で終了せざるをえず、スーパーゼネコンや準大手との大競争の中で、地元の建設産業振興のため区内業者の要件を区内に事務所があるに留まらず、区内事務所開設後5年から10年程度の契約と履行実績を加えるべきです、伺います。
 また、区発注工事の予定価格を積算し、予算要求するのは夏から秋です。入札は予算成立後早くて5月のため、着工は予定価格を決めた1年後の夏以降となるのが通常です。今は半年で建設資材費は2〜3割もアップすることも普通で、品質確保に支障が生じないよう、入札時の建設物価を予定価格に反映させることと4〜5月に補正予算を組む対応が必要です、併せて伺います。
 同時に物価スライド条項適用条件が残りの工期2カ月以上では効果が限られます。適用条件の緩和を求め伺うと共に、今年度含め5年間の物価スライド適用件数と増額した金額を年度別に伺います。
 尚、来年度からの公契約条例施行に向け、労働報酬下限額の検討の際には、最低賃金や設計労務単価を基礎に、それを上回る実勢価格を踏まえて積算し発注額とすることで、適正利潤の確保により地域経済振興につながると考えますが、伺います。
(区長答弁)
 次に、区内の建設業に関するご質問にお答えします。
 まず、区内建設業の育成についてのお尋ねですが、建設業は、社会資本整備の担い手であるとともに、災害時には最前線で地域社会の安全・安心の確保を担う重要な役割を果たしているものと認識しております。このため、契約の手続きに際し、特定の条件を満たす事業者を区が指名する指名競争入札においては、可能な限り区内事業者を優先して指名を行っているところです。
 次に、指名競争入札における予定価格の区分についてのお尋ねですが、予定価格の区分については、社会経済情勢や入札制度の運用実績等を踏まえ、区内事業者の等級や指名業者数に応じ設定しているものです。昨年度において、5,000万円以上の土木及び建築工事等で、区内事業者が請け負った比率は8割以上を占めていることから、予定価格の区分を変更することは考えておりません。
 次に、区内事業者の指名についてのお尋ねですが、入札参加者の指名にあたっては、区内の所在年数の基準はございませんが、これまでも、区内工事の受注実績をはじめ、発注工事の技術的適性や契約を履行する能力などの適格性を判断した上で、可能な限り優先的に区内事業者の指名を行っております。
 次に、工事請負契約における品質確保についてのお尋ねですが、工事の入札にあたり、その時点の最新の積算標準単価等を用いて予定価格を積算し、資材価格の高騰などにより工事費に著しく影響が生じた場合は、契約後もインフレスライド条項の適用による工事費変更の対応を行っております。
 引き続き、適正な予定価格の積算を行うとともに、必要に応じた財源確保に努め、公共工事の品質確保を図ってまいります。
 次に、インフレスライド条項についてのお尋ねですが、適用対象とする工事は、国や都の通知に基づき、残りの工期が2か月以上あることを要件としております。
 また、直近5年間のインフレスライド適用件数及び増額変更の額は、令和2年度は0件、3年度は1件で約82万円、4年度9件、約9,917万円、5年度6件、5億7,112万円、6年度は8月末時点で3件、約4,128万円となっております。
 次に、公契約条例についてのお尋ねですが、労働報酬下限額は、労務単価や最低賃金などを勘案し、公契約審議会で意見を聴いた上で、適切に定めてまいります。
 また、区が発注する工事については、労務単価等に基づき、適正に予定価格を積算しておりますが、公契約条例の趣旨を踏まえ、引き続き契約の適正化に努めてまいります。


小石川図書館は住民要求を反映させ早期に改築し拡充・直営化を
(いたくら美千代区議)
 小石川図書館はエレベーターがなく、段差も多く、通路は狭くて、高齢者や障害者の方から「利用できない」という声が寄せられています。利用者アンケートで「満足」「やや満足」の合計が前年度比4.8ポイント減の84.6%です。また、昨年大塚地域活動センター内に図書館サービスカウンター開設の影響か、貸出数も減っています。老朽化やバリアフリーへの対応は、積年のそして喫緊の課題ですが、区の認識を伺います。
 小石川図書館の早期改築が待たれる中、今年1月「竹早公園・小石川図書館一体的整備基本計画・中間のまとめ」で具体的な一案が示され、さらに区民の関心は高まり、多くの意見が出されています。
 限られた敷地で、図書館、公園、テニスコート利用者の要望を整理し実現するためには、合意形成のための住民参画の仕組みである「コンセルタシオン」の手法を参考にし、丁寧に、根気強く、区民と対話を重ねることが必要です、伺います。
 その際、@地域住民や図書館、公園、テニスコート利用者だけにとどまらず、希望するすべての区民に対象を広げること、A公園に関する法令などについて、区民の理解が深まるよう、議論の土台を示すこと、B子どもにも理解できる情報提供を行い、子どもの参画も促すことを求めます、伺います。
 一体的整備基本計画策定の支援事業者として、図書館総合研究所・類設計室・アルメックVPIによる共同企業体が選定されていますが、図書館総合研究所は、小石川図書館の指定管理者である図書館流通センターTRCの関連会社です。
 TRCの社員である小石川図書館長は、これまで図書館の改築を検討した「機能向上検討委員」に名を連ね、今後開催されるワークショップにも参加が予定されています。利益誘導にならないよう、その役割は真砂中央図書館長に変えるべきです、伺います。
 このように一体的整備は、一貫してTRCの関与のもとで進み、これから次期・小石川図書館の指定管理者選定で、TRCも応募事業者になる予定です。ワークショップに参加させたら、選定の公平性は担保できません、併せて伺います。
 令和5年度「指定管理者評価委員会」は、指定管理者2社間の「本社人件費や経費の割り振り方、利益の含め方などに差異」があり、ヴィアックスについては「毎年2,000万円を超える収支残利益を出していること」を踏まえ、指定管理料が適切なものとなるよう求め、本社経費や収支について所管課が精査する必要性を指摘していますが、見解を伺います。さらに、評価委員会が指摘しているように、区直営にした場合と比較する検証を行うべきです、伺います。
 さらに評価委員会は、人員に「欠員がある」が「経験者が多いので回せてしまう」との実態を確認しています。これは経験者の過重労働とサービス低下を示すものですが、伺います。
 指定管理制度が始まって以降のそれぞれの指定管理者の離職者の総数とその雇用形態を伺います。
 指定管理者の人材募集サイトでは、専門職員の月給19〜23万円となっていますが、このような低賃金が「官製ワーキングプア」と「欠員」の原因ではないか、伺います。
 評価委員会は、「施設の不具合等の緊急対応の際、各館が真砂中央図書館へ対応を求めている」事実を明らかにしました。そもそも指定管理者制度導入後の2008年当時から、「図書館は指定管理になじまない」との大臣答弁もあり、小石川図書館の建て替えを機に、面積や機能を拡充したうえ、公園やテニスコートとは区別して直営に戻し、真砂中央図書館とあわせて「中央2館体制」にし、区の図書館運営のさらなる向上を追求すべきです、伺います。
(教育長答弁)
 教育に関するご質問にお答えします。
 はじめに、小石川図書館の改築についてのご質問にお答えします。
 小石川図書館は、築50年以上が経過し、建物・設備の老朽化のほか、エレベーターやバリアフリートイレ等の設備がなく、バリアフリー対応に課題があるものと認識しており、現在、竹早公園との一体的整備の検討を進めているところです。今後実施する一体的整備についての区民ワークショップにおいては、当該敷地にかかる関係法令や建築の諸条件などについて、区民の皆様に共有した上で議論を深めることが重要であると考えております。子どもも含めて広く参加者を募り、参加者同士の合意形成を図りながら、丁寧に進めてまいります。
 また、文京区立図書館業務要求水準書では、教育委員会が開催する会議への指定管理者の出席について規定しており、小石川図書館長は、利用者の意見や現場の課題等を参加者に具体的に情報提供するオブザーバーとして参加します。なお、真砂中央図書館長もワークショップに参加します。
 区立図書館の次期指定管理者の選定に当たっては、募集要項及び業務要求水準に対する企画提案に基づき、公平に審査を行いますので、一体的整備にかかる検討とは別であり、問題はないものと考えております。
 次に、区立図書館の指定管理の経費についてのお尋ねですが、令和4年度指定管理者事業収支決算における収支残額について、改めて精査したところ、主に消費税納付相当分であると確認いたしました。
 本年度選定を行う指定管理者の募集要項においては、指定管理料には必要経費の支出に伴う消費税相当額が含まれていることを明示するとともに、本社経費の見積計上方法を明示し、収支計画書の経費項目の記載を詳細に求めるなど、改善を図っております。したがいまして、次期指定管理においては、本社経費の考えを整理することから、区直営で行った場合との比較を行うことは考えておりません。
 次に、区立図書館の指定管理の人員についてのお尋ねですが、文京区立図書館業務要求水準では、定量的な人員配置数は求めておらず、事業計画にある人員配置は、指定管理者が標準的な人員配置数を想定したものであり、当初の想定と異なることをもって、直ちに労働負荷やサービスへの影響が生じているとは考えておりません。賃金については、昨今の全国的な人手不足の状況等を受け、適切に賃上げ等の対応を行っているとの報告を受けております。
 また、指定管理者制度導入以降の離職者数については、令和5年度までの14年間の累計で、小石川図書館外3館1室の指定管理者では190名、本郷図書館外2館1室の指定管理者では183名です。なお、雇用形態別の人数については、把握している平成27年度以降において、小石川図書館外3館1室の指定管理者では、常勤83名、その他30名、本郷図書館外2館1室の指定管理者では、常勤58名、その他65名となっております。
 次に、小石川図書館の直営化等についてのお尋ねですが、小石川図書館は、指定管理者により、民間事業者のノウハウと司書の専門性等を生かした創意工夫がなされ、適切に運営されていることから、区直営とする考えはございません。
 一体的整備後も、その効果を最大限に発揮できるよう、民間事業者のノウハウを生かした、指定管理者による敷地全体の一体的な管理運営体制が望ましいと考えております。


小日向台町小改築の仮校舎用地には小石川税務署跡地を含め検討を
(いたくら美千代区議)
 区の人口が2000年以降増加に転じる中で、2006年に策定した「文京区小中学校将来ビジョン」は、小学校20校を13校に、中学校は11校を8校にする「ドミノ倒し」といわれる大規模な小中学校統廃合計画でした。これに対しPTAや町会から白紙撤回・見直しを求める大きな反対運動が広がり、五中・七中の統廃合を除き断念に追い込んだことは、区民に先見の明があったと思います。なぜなら、窪町小学校の第2校舎とされた大塚小学校、廃校とされた駒本小学校では、児童の増加で増教室が必要となったではありませんか。認識を伺います。
 区は統廃合を断念した時点から、計画的に学校建て替えと改修を進めていく準備や仮設校舎のための自校以外の土地の確保等が必要であったにも関わらず、なんら手立てを講じなかったことが、今日の学校改築や増教室等に関する区民の思いとの大きな齟齬が生じている原因となっているのではないか。伺います。
 子どもたちへの負担を最小限にすべく、小日向台町小学校改築を皮切りに、今後予定される学校改築では、工期短縮のために仮設校舎の自校敷地内方式をやめ、別の場所に設置するよう強く求めます。伺います。
 また、小日向台町小の仮校舎を音羽中学校校庭に設置をと要望していることに関し、他所も含め検討しているのか、進まないのは財政負担が理由なのか、伺います。
 2026年移転予定の小石川税務署と後背の官舎を含めると約2,800uあり、今後の学校等の改築用地として確保するよう早急に財務省と交渉すべきです。また、校庭は後楽公園少年野球場や小石川運動場、また認定こども園となる後楽幼稚園の園庭を使用できます。併せてお答えください。
 湯島小学校についても、アカデミー湯島と高齢者在宅サービスセンターを他所へ移して、教室に転換するよう求めてきましたが、どこまで検討が進んでいるのか伺います。
(教育長答弁)
 次に、学校改築等についてのお尋ねですが、現在、区立小学校において増築や教室の増設が必要となっている要因は、近年の区内の年少人口の大幅な増加や35人学級が制度化されたことによるものであると考えております。これらについては、文京区立小・中学校将来ビジョン(素案)の年次計画が検討されていた時点では想定することはできなかったものと認識しております。改築・改修については、学校施設全体の状況を勘案した中で、緊急度、重要度及び優先度などを見極め、計画的に実施してまいりました。
 また、区では、中長期的な視点から有効活用が可能と判断できる土地等があるときには、土地の取得や定期借地制度を活用した貸付け等について検討することとしており、学校改築等にあたっても、公有地、民有地を問わず、関係機関等との協議を進めてまいりました。今後も活用可能な土地の情報収集に努め、取得等に向け検討してまいりますが、仮校舎に適した土地・建物が確保できない場合には、状況に応じ、最適と考えられる手法により、学校施設の更新を行ってまいります。
 音羽中学校のグラウンドについては、体育の授業や部活動等で使用しており、同校の学校運営に大きな影響があることから、現在のところ、小日向台町小学校改築での仮校舎の用地として活用することは難しいと考えております。
 一方で、仮校舎建設等の要望や意見をいただいておりますので、 公園、学校、運動施設等、改築計画に活用可能な土地・建物等に関して、調査を行っております。なお、仮校舎の建設を含め、学校の改築は多額の経費を要する事業となりますので、財政面からの検討も必要となります。
 次に、湯島小学校についてのお尋ねですが、現在、湯島小学校に併設されているアカデミー湯島と文京湯島高齢者在宅サービスセンターは、湯島小学校の児童数増加への対応等のため、建替え後の湯島総合センターへ移転させる方向で検討を進めていると認識しております。移転した場合には、湯島小学校の教室への転用など、教育環境の充実のために活用することを考えております。
(区長答弁)
 次に、小石川税務署跡地等についてのご質問にお答えします。
 現在の小石川税務署の敷地については、合同庁舎内に税務署が移転し、国において利用方針が決定した際に、区に情報提供がなされるものと認識しております。これまでも本区の行政需要と用地の状況については国と情報の共有に努めており、引き続き、動向を注視してまいります。なお、当該国有地の近隣区有施設の活用については、国有地の状況に応じて判断すべきものと考えております。


地球沸騰化の猛暑から命を守る、学校・保育・区民施設の断熱化を
(いたくら美千代区議)
 監察医務院によると23区で6月から8月11日までの熱中症による死者は198人で、うち191人の死亡場所は屋内であり、「エアコンはあるが未使用」は128人にのぼり、「エアコンなし」も40人と2割に達します。国や自治体は、エアコン利用をためらわずと言いますが、区民からは、物価や電気代の高騰で、エアコンがあっても使わない、故障して修理費用がない、と悲痛な声が寄せられています。私のまわりでも高齢者が2人熱中症で亡くなり、うち1人はエアコンを使っていない室内で亡くなっていましたが、この6〜8月に福祉部所管の方で、自宅で1人で死亡後発見された方はいますか。その場合エアコン設置・利用の有無と併せ伺います。
 熱中症から命を守る対策の抜本強化が必要です。23区では港、豊島、練馬、墨田、足立、葛飾、江戸川の7区が高齢者と経済困窮の世帯にエアコン設置費用助成を実施しています。練馬は設置費含め10万5,000円まで補助します。エアコンは命綱であり購入・設置・修理の補助を区も行うべきです。
 また生活保護世帯へは、夏季加算の創設か、それに準じたエアコン使用に伴う電気料金の補助を国に要請し、区も独自に支援策を講じるべきです。併せて伺います。
 今年も涼み処が開設されましたが、「涼み処」のポスターは小さく、本郷図書館では内側に内向きに貼られ外からは全く見えません。台東区は1枚1,500円で、40枚、わずか6万円の費用でのぼり旗を作成し、涼み処の存在を知らせています。区でもポスターを大きくし、掲示場所を改善し、のぼり旗を作り、必要な人に見えるようにすべきです、伺います。そうしてこそ、涼み処の目的である「外出時の体力消耗を防ぐため、暑さを避けて涼しく過ごせるように」が達成できると考えますが、認識を伺います。
 台東区では防災備蓄用の水も提供しています。区も冷水器の案内表示、冷水器の設置、飲料水やうちわの無料配布なども行うべきです、伺います。今年度より薬剤師会の協力で区内18カ所の薬局が涼み処となっていますが、更なる拡充に向け、コンビニや企業、郵便局、銀行、大学、寺院など、広く協力をお願いすべきです、伺います。
 この夏も酷暑で「エアコンはあるけど教室が暑くてたまらない」と子どもたちから悲鳴が上がっており、全教室の断熱化が急務です。今年度からの16校93教室の特別教室改修では、壁を断熱化し、更に最上階の29教室の天井を断熱化しますが、普通教室の断熱化は全く進んでいません。屋上の真下にある普通教室数を小中学校ごとにお答えください。せめて断熱化する特別教室の工事と一緒に同じ最上階のフロアの普通教室の断熱化も行い、大規模改修を待たず全教室の断熱化へと進むべきです、伺います。
 昨年7月に関口台町小学校が停電し緊急避難したことで、小中学校の電気容量の調査が行われました。命に関わる問題で、エアコンだけでなく、パソコンの利用など含め電気機器は増えています。電気容量増設が必要な学校名を示し、エアコン交換と合わせて電気容量増設工事を行う計画を直ちに示すべきです、併せて伺います。
 ある区立保育園で、2歳児の部屋が午睡に不適切な室温になり、午睡時部屋を1歳児の部屋に移動し、真夏の猛暑の中で8月3日と4日に緊急にエアコン交換したと聞きました。エアコン交換前の気温と湿度を伺います。
 10年以上、20年以上前に設置した老朽エアコンを使用している保育園名とそれぞれの台数を伺います。エアコン交換は喫緊の課題で、今後の交換予定と保育園の断熱化計画を示してください、それぞれ伺います。
(区長答弁)
 次に、熱中症対策に関するご質問にお答えします。
 まず、今夏(こんか)、自宅で死亡後に発見された単身世帯とエアコン設置状況等についてのお尋ねですが、本区において、本年6月から8月までの間に、死亡後に発見された生活保護受給者は10人で、うち、2人が、エアコン未設置でしたが、熱中症と死因が特定されたケースはありません。
 高齢者単身世帯については、自宅で亡くなられていたケースがあることは認識しておりますが、エアコンの設置や利用の有無は把握しておりません。
 次に、エアコン設置等の補助についてのお尋ねですが、現時点では、エアコンに関する補助制度の導入の考えはございませんが、生活保護法の要件に該当する場合、エアコン購入費用の支給をしております。法の要件に該当しない場合には、当該世帯の大きな負担とならない範囲で、生活福祉資金の貸し付けを利用しています。
 また、熱中症対策の普及啓発も重要であり、特に暑さに気付きにくくなる高齢者に対しては、高齢者あんしん相談センターにおいて、熱中症予防に係る出張講座の開催や、啓発グッズの配付などを通して注意喚起に努めているところです。
 次に、生活保護世帯の夏季加算等についてのお尋ねですが、夏季加算の新設については、全国市長会を通じて国へ要望しているところであり、今後も国や他自治体の動向を注視してまいります。
 なお、電気料金等の光熱費は生活扶助費に含まれていることから、区独自での助成や国への要望を行う考えはございません。
 次に、涼み処についてのお尋ねですが、区では、外出時の暑さ対策を目的に、平成30年度から区有施設に「ぶんきょう涼み処」を開設し、昨年度からは、文京区薬剤師会にもご協力をいただいております。
 のぼり旗については、各施設の状況から一律の設置は考えておりませんが、涼み処では、冷水器等を設置している施設が多く、熱中症予防啓発のうちわを作成し、涼み処等で配布しています。ポスターの掲示位置や向きなどを各施設と協議し、涼み処であることが外部からも分かりやすいよう、表示の工夫に努めてまいります。
 また、本年度から、ご協力いただける民間施設の募集を開始し、寺院1か所のご協力をいただきました。引き続き、熱中症予防の一助となるよう涼み処の活用を推進してまいります。
 次に、区立保育園における2歳児室のエアコン交換前の気温と湿度についてのお尋ねですが、子ども家庭庁が公表しているガイドラインでは、保育室環境の目安として、夏季の場合、室温は26度から28度、湿度60%とされています。
 エアコン交換前は、最高で室温28度や湿度61%を計測した日がありましたが、園児が快適に過ごすために、状況に応じて午睡の部屋を変更するなどの対応を図ってまいりました。
 次に、区立保育園のエアコンと断熱化についてのお尋ねですが、設置から10年以上経過したエアコンを使用している保育園については、藍(あい)染(そめ)保育園3台、駒込保育園13台、こひなた保育園13台、水道保育園15台、千石西保育園17台、本駒込西保育園14台、目白台保育園17台です。20年以上のエアコンを使用している保育園は、藍(あい)染(そめ)保育園の1台です。
 今後のエアコンの改修については、使用年数等を考慮し、適切な時期に更新してまいります。また、断熱化については、改築等の機会を捉え、対応してまいります。
(教育長答弁)
 最後に、学校施設の断熱化等についてのお尋ねですが、校舎の最上階にある普通教室は、小学校が95教室、中学校が17教室です。このうち、5校22教室については、本年度、空調改修工事の中で天井の断熱化を実施予定であり、その他の教室については、来年度以降、順次実施する予定です。
 また、昨年から今年の夏にかけて、電気使用量調査を実施し、現時点で関口台町小学校、金富小学校、根津小学校で、電気容量に余裕がないことを確認しております。これらの学校については、特別教室改修工事等、学校の状況にあわせて計画的に対策を行ってまいります。


住宅基本条例と付帯決議を無視せず区民に示し住まいの確保を
(いたくら美千代区議)
 住宅政策審議会で、私は新住宅マスタープランに住宅基本条例全条文の掲載を要求しましたが事務局は同意しませんでした。2次・3次マスタープランには掲載されており、議会で議決した条例です。付帯決議も含め条例全文掲載すべきです。区長の認識を伺います。
 住宅基本条例の付帯決議では「区民が安心して住み続けられるために、積極的に公共的住宅の確保・供給に努められたい」とあります。区長はこの決議に従い、具体的施策を講じるべきです。伺います。
 令和5年度の住宅白書には民営借家で6万円未満の低家賃住宅は7.8%、平均家賃は約10万5,000円と特別区平均を1万円程度上回り、低所得世帯や高齢者が低廉な住宅を見つけるのは至難の業です。生活保護の住宅扶助費を5万3,700円から港区並みの6万9,800円に引き上げるべきです。伺います。
 20年間新規建設ゼロのシルバーピアは「申し込んでも入れない」「申し込むのを諦めた」という悲痛な声が寄せられています。そこでシルバーピアに入居できた方の平均年齢と応募順位がついた方の平均年齢を、それぞれ過去5年分、年度ごとにお示しください。
 ある80代の方は、立ち退きを迫られ区内で住まいを探していますが、歩行器がなければ移動困難で、段差のない部屋か、2階以上に住む場合はエレベーターが必須です。物件が見つからず、立ち退き期限が迫り、かかりつけ医が区内にあるので、文京からは離れがたい状況です。こうした高齢者は区内に大勢いますが、区長はこの深刻な実態をご存じですか。認識を伺います。
 シルバーピア増設で、住まいの困難を解決する一歩を踏み出すべきです。また、すまいる住宅も拡充し、8,700戸の空き賃貸住宅の一定数を借り上げ、家賃補助も実施すべきです。伺います。
(区長答弁)
 次に、住宅政策に関するご質問にお答えします。
 まず、現在改定中の住宅マスタープランについてのお尋ねですが、本計画は、「文京区住宅基本条例」に基づき、住宅政策を総合的かつ計画的に推進する住宅基本計画となります。現在、改定に向け住宅政策審議会において審議中であり、その過程で、議員ご指摘の件も含め、適切に審議されるものと考えております。
 次に、公的住宅の確保・供給に対する具体的施策についてのお尋ねですが、定住促進型居住支援施策については、住宅ストックの充実や人口増加等を踏まえ、当初の目的を果たしたものと認識しており、住宅ストックを活用した施策へと転換を図ってきたものです。
 また、これまでも公営住宅運営のほか、幅広い支援を行っており、公的住宅の増設等を実施する考えはございませんが、今後も、住環境の維持向上施策を中心に取り組むことで、良好な住環境を形成してまいります。
 次に、生活保護の住宅扶助費についてのお尋ねですが、これまでも、生活保護世帯に車椅子を使用する障害者がいるなど、通常より広い居室を必要とする場合や、従前からの生活状況によって転居が困難と認められる高齢者等に対しては、特別基準の適用の可否を判断しております。なお、本区としては、基準内の家賃の物件が一定数あることから、現時点では、住宅扶助の引き上げは考えておりません。
 次に、シルバーピアについてのお尋ねですが、令和元年度は、応募者の平均年齢が76歳に対して、そのうち入居者の平均年齢が85歳、2年度及び3年度は、応募者が78歳、うち入居者が82歳、4年度及び5年度は、応募者が77歳、うち入居者が83歳となっております。
 次に、高齢者の住まい探しの実態についてのお尋ねですが、高齢者から立ち退き等の相談を受けた場合は、現状をお伺いし、個々の状況に応じて、課題について共に考え、「文京すまいるプロジェクト」を活用するなど、高齢者の住宅の確保と住み替え支援を行っております。
 現時点で、シルバーピアの増設や、新たな家賃補助等は考えておりませんが、今後も、高齢者が住み慣れた地域で安心して自立した生活を継続できるよう、「文京すまいるプロジェクト」をより一層充実させるとともに、居住支援法人等との連携を強化しつつ、高齢者への居住支援を推進してまいります。


他区より低水準の補聴器購入補助を拡充し高齢者の健康支援を
(いたくら美千代区議)
 耳鼻科医の学会が7月からCMを展開し「難聴はコミュニケーションの困難さを引き起こすとともに、認知症、うつ病などの様々な疾患の発症リスクと関連することが近年示されており、難聴の防止、そして難聴発症後の早期診断および適切な介入が重要であると考えられております」と指摘しています。
 区は住民税非課税世帯に限定して補聴器購入に2万5,000円補助しています。区が補助する補聴器の本体価格の平均値について、年度ごとにお示し下さい。難聴に伴う様々な疾患の発症リスクを防ぐため、港区並みの13万7,000円に補助額を引き上げ対象も広げ、補聴器購入後の調整サポートも行い、特定健診に聴力検査の項目を加えるべきです、併せて伺います。
(区長答弁)
 次に、高齢者の聴力に関するご質問にお答えします。
 まず、補聴器購入費用助成事業等についてのお尋ねですが、高齢期における聴力の低下は、良好なコミュニケーションの妨げになるとともに、フレイルや認知症などのリスク要因にもなりうると認識しております。
 区では、令和2年度から開始した補聴器購入費用助成事業について、ホームページ等を活用して普及啓発に取り組んでいるところであり、現時点では、事業の拡大等の考えはございません。
 また、助成事業を利用して購入された本体価格の年度ごとの平均値は、本事業を開始した令和2年度は21万円、3年度は19万7千円、4年度は29万8千円、5年度は25万5千円となっています。なお、区の健康診査は、生活習慣病予防を目的に、40歳以上の方を対象として、国の「標準的な健診・保健指導プログラム」に基づき実施しております。
 聴力検査はこのプログラムの「健診項目」ではないこと、また、聞こえに関する検査は、健診を受ける区民に一律に実施するのではなく、専門医による診断が必要と認識していることから、区の健康診査に難聴の検診を加えることは考えておりません。


介護崩壊の実態と高齢者の声を直視し介護確保の公的責任を果たせ
(いたくら美千代区議)
 介護保険は2000年に「サービスを選択できる」との触込みで始まり、団塊の世代が75歳となる2025年迄に充実させると国も区も掛け声をかけてきました。
 しかし今、介護を必要とする方々から「新規のデイサービス利用ができない」「足立まで車で揺られてデイに行く」「遠くのデイだと送迎中にトイレが我慢できない」「デイのトレーニングマシンが無くなった」「風呂のあるデイが少ない」「ショートステイの見積を取ったら月45万円で断念」等、切実な声が寄せられています。
 老健ひかわしたは廃止されることになりました。このように、介護福祉の崩壊と言うべき事態となっています。利用者は保険料と利用料に加え居住費、食費、日常生活費等や支給限度額以外の経費含めた重い自己負担、一方事業者は低い報酬でサービス低化・劣化や撤退が起き、いずれも介護が利用できない実態があるとの認識はありますか、また、国が検討する介護利用の負担増は止めるよう要請すべきです。併せて伺います。
 更に、介護利用に不可欠なケアマネが見つからないとの声もあります。居宅介護支援事業所は過去6年で何か所減り今、何事業所か、ケアマネ1人の事業所数と併せ伺います。
 一方、過去6年の介護給付の見込額は、実際に給付した額を56億円も上回っています。これは介護保険料算定の見込額の6.2%であり、介護に使われなかった訳ですが見込みが過大だったのではないか、伺います。
 介護給付の見込みは今年度から3年で507億円とされ介護保険料は平均87円値上げされました。しかし、介護事業所撤退や高負担で介護が利用できない実態があり、給付見込みと介護保険料の修正が必要なのではないか、伺います。
 介護を必要とする人が認知症や虐待で「著しく困難」「やむを得ない」場合、措置制度によってサービスが提供されます。これは福祉の最終責任は国や自治体であることを示していますが、その認識はありますか、お答えください。そして、区は介護を必要とする全てについて、介護を利用する権利を保障し、利用できるようにする責任を果たすよう求め、見解を伺います。
(区長答弁)
 次に、介護保険に関するご質問にお答えします。
 まず、介護サービスの利用についてのお尋ねですが、介護サービスの利用においては、所得段階に応じ、利用料の1割から3割の自己負担での利用が可能であり、また、生計困難な方や介護保険施設入所者の方には、申請により利用者負担を軽減する制度があります。利用者の事情等による様々な声があることは認識しておりますが、事業者の撤退等により、介護サービスが利用できないとは考えておりません。
 次に、介護利用の負担についてのお尋ねですが、介護保険制度は、利用者のニーズを踏まえた給付見込みに対し、公費負担のほか、介護保険料や利用者負担を財源として運営しております。
 制度については、国の社会保障審議会において、安定的な介護保険制度に向けた議論が行われており、引き続きその動向を注視してまいります。なお、介護保険制度の方向性については、国において議論がなされるべきものであり、区として個別に意見を申し上げる考えはありません。
 次に、居宅介護支援事業所についてのお尋ねですが、平成30年度末が53事業所、令和5年度末が42事業所であり、6年間で11事業所の減となっております。
 また、介護支援専門員の登録が1人の事業所は、本年9月1日現在で15事業所となります。
 次に、過去6年間の介護給付費の見込額についてのお尋ねですが、介護サービスが安定的に提供されるよう、過去の利用実績や給付費、高齢者数・認定者数の将来設計、介護基盤年度別整備計画及び介護サービス利用者の動向等の分析により利用、見込みを推計しており、適切に算定しております。
 次に、給付見込みと介護保険料についてのお尋ねですが、先程ご答弁申し上げたとおり、給付見込みについては適切に算定しております。また、介護保険料についても、「高齢者・介護保険事業計画」の中で介護保険法に基づき適正に算定しており、計画期間中に、給付見込み及び介護保険料を修正する考えはありません。
 次に、措置制度に関するお尋ねですが、介護サービスは、被保険者の意思に基づき契約し、利用することが原則ですが、サービスの利用が著しく困難な場合などには、区が老人福祉法に基づき権利擁護を踏まえ、適切に判断した上で、必要な措置を講じております。
 次に、介護保険制度についてのお尋ねですが、介護保険法において、要介護状態となった人が、尊厳を保持し、能力に応じ自立した日常生活が営めるように、必要なサービスに係る給付を行うことを目的とすることを規定し、高齢者の自立支援を理念として掲げております。
 区は、保険者としての地方公共団体に求められる責務を果たすため、法の目的に則り、被保険者が、可能な限り、住み慣れた地域で介護サービスを安定的に受けることができるよう、「高齢者・介護保険事業計画」に基づき、引き続き適切な運営を図ってまいります。


都市型豪雨へ100ミリ対策が必要・新型コロナ11波への対応を
(いたくら美千代区議)
 7月31日の豪雨では、千駄木5丁目の区雨量計は総雨量101.5oでした。福手ゆう子都議と共産党議員団は現地を歩き「根津交差点のマンホ−ルから水が噴いていた」、千駄木3丁目の不忍通り沿いの商店では「店の入り口ぎりぎりまで水がきた」などの声をいくつも聞きました。区内での浸水被害と見舞金の支給件数を伺います。
 気候変動対策が急務ですが、下水道の拡充も引き続き必要です。東京都は浸水被害の根絶にむけ、23区では1時間当たり85ミリの雨でも対応できる方針を打ち出しました。しかし、千駄木地区の10分間当たりの雨量は19時台21.5ミリで、これが1時間続いたら120ミリを超えることになります。ですから85ミリ対策を早く実現し、100ミリ対策を目指すよう都に求めるべきです、伺います。
 千川通りでは75ミリ対策が進んでいます。工事完了と稼働開始の予定をお答えください。また区として雨水浸透桝を増やし、住宅への雨水浸透桝や浸透トレンチおよび貯留槽等の設置助成を創設するなど抜本拡充すべきです、伺います。

 新型コロナの感染者数が急増し、第11波と言われるこの間の感染状況について、区の認識を伺います。
 昨年5月の5類移行で特例措置が終了し、コロナ治療薬は3割負担で処方1回あたり約3万円にものぼり、インフルエンザの薬と比べても高額で、東京都医師会の尾崎会長は「そんなに高いなら我慢しますとなっている」と現状を語っています。PCR検査や抗原検査も有料となり、高齢者や基礎疾患のある人が重症化し、医療崩壊が懸念されます。治療薬はインフルエンザ並みの負担になるよう国に公費負担を求め、区も検査と治療薬の補助を行うべきです。伺います。
 区は65歳以上の高齢者や重症化リスクのある基礎疾患等をもつ60歳から64歳の方のコロナワクチン接種を無償化しましたが、ワクチンの有効性・安全性について、新たな知見も含めて情報提供を行い、国には副反応の原因究明と被害者救済に万全を期すことを求めるべきです。伺います。
 8月20日のNHKによると、感染者の5%が倦怠感、睡眠・嗅覚障害など、後遺症に悩まされています。今年6月、党区議団に区内在住の方から「50代の配偶者が新型コロナ後遺症とみられる心臓の痛みやしびれがあり、外出も困難で買い物にも行けず経済的に困窮し、毎日の入浴やシャンプーも大変」との相談が寄せられました。コロナ後遺症に悩む区民の相談窓口を設置し、保健所としての役割を果たすべきです。伺います。
(区長答弁)
 次に、豪雨対策に関するご質問にお答えします。
 まず、集中豪雨による浸水被害についてのお尋ねですが、7月31日に発生した集中豪雨において、区内では、床上浸水が汐見地区で2件、駒込地区で1件発生し、それぞれに水害見舞金を支給しております。
 次に、下水道施設整備についてのお尋ねですが、都は「東京都豪雨対策基本方針」に基づき、時間75ミリメートルの雨量に対応する整備を推進しており、区としても浸水対策の充実・強化が図られるよう透水性舗装の整備に取り組むなど、引き続き、都と連携してまいります。
 次に、千川増強幹線についてのお尋ねですが、本区及び豊島区における公園内の取水施設の設置工事は完了しており、本年8月より、暫定的に貯留管への取水を開始したと聞いております。
 なお、現在、豊島区内の残りの取水施設の設置工事の着手に向け、準備を進めていると聞いております。
 次に、雨水浸透桝の設置等についてのお尋ねですが、区道においては、道路工事の機会を捉え、可能な場所に積極的に設置を進めております。
 また、住宅については、「文京区宅地開発並びに中高層建築物等の建設に関する指導要綱」に基づき、雨水流出抑制施設の設置にご協力をいただいており、助成制度の実施は考えておりませんが、引き続き、効果的な施策を研究してまいります。

 最後に、新型コロナウイルス感染症に関するご質問にお答えします。
 まず、感染状況と公費負担についてのお尋ねですが、都の感染症発生動向調査によれば、令和6年4月半ばから、定点医療機関あたりの感染者数は再び増加に転じ、7月半ばをピークに現在は減少傾向となっています。新型コロナウイルスは変異を続け、感染拡大の波を繰り返しており、今後も流行状況に警戒が必要と考えています。
 区では、新型コロナウイルス感染症を含め様々な感染症の拡大防止のため、区報やホームページ等を通じ、基本的な感染予防策の周知啓発を積極的に行っております。
 医療費については、5類移行後も急激な負担増が生じないよう、国において治療薬の薬剤費のうち上限額を超える部分の公費負担が継続されましたが、本年4月から、他の疾病と同様、医療費の自己負担割合に応じた通常の窓口負担となりました。
 自己負担については、高額療養費制度により、所得に応じた限度額以上の自己負担が生じない取り扱いとなっています。これらのことから、区として、治療薬や検査に対する独自補助や、国に対して公費負担の要望を行う考えはございません。
 次に、新型コロナワクチン定期接種についてのお尋ねですが、新型コロナワクチンについては、有効性や安全性が確認された上で薬事承認されており、さらに国内外で実施された研究などにより、新型コロナウイルス感染症に罹患した場合の入院や死亡等の重症化を予防する効果が認められたと報告されています。
 また、国は、接種開始後の安全性の評価について、接種後に生じうる副反応を疑う事例を医療機関から収集し、専門家による評価を行っています。これらの情報については、区ホームページ等において区民に情報提供してまいります。副反応を疑う症状についてご相談があった場合には、丁寧に聞き取り、「東京都新型コロナウイルスワクチン副反応相談センター」での相談のほか、かかりつけ医や接種医療機関への受診をおすすめしております。
 また、健康被害の救済申請があった場合には、区の予防接種健康被害調査委員会を経て、国の審査会において審議されています。これらのことから、国に副反応の原因究明等を求める考えはございません。
 次に、後遺症の相談窓口についてのお尋ねですが、区では、後遺症についてご相談があった場合には、症状に合わせたきめ細やかな相談対応を行っております。
 また、区ホームページでは、後遺症について記載するとともに、専門家による解説動画を掲載し、後遺症対応医療機関の検索もできる「東京都新型コロナ後遺症ポータル」を紹介しています。さらに、かかりつけ医を受診した際にも、専門医療機関につながるよう、医師会とも連携しております。



都バス車庫跡地活用

info.情報

日本共産党文京区議会議員団

〒112-0003
東京都文京区春日1-16-21
       文京区議会内
TEL.03-5803-1317
FAX.03-3811-3197