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日本共産党文京区議会議員団は、区民のための区政を目指します

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議会報告Congress report

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2024年文京区議会6月定例議会
一般質問 金子てるよし区議     2024年6月10日

想定上回った増収分13億円は地域経済と暮らし支援に活用を
議会フロアの改修よりも福祉部や保健衛生部のフロア拡充を先に
手話言語の5つ権利を活かし、施策拡充と手話通訳者の待遇改善を
根津駅前の歩道に点字ブロック設置し、バリアフリー計画の拡充を
地域経済を彩る個店・中小企業を守るため電力代等、固定費支援を
育成室待機児解消と子どもの発達を保障する公的保育の拡充を
区内の官民の土地確保で、少人数学級が推進できる環境確保を
根津小など11校に95台ある20年超の老朽エアコンを新しく
音漏れが中学生から指摘され、公平性を欠くESATJは中止を
後楽再開発は小石川後楽園の植生や景観にどんな影響を与えるのか



想定上回った増収分13億円は地域経済と暮らし支援に活用を
(金子てるよし区議)
 2024年6月議会にあたり日本共産党文京区議団の一般質問を行います。
 物価高騰や実質賃金の減少、そして円安が暮らしと地域経済に打撃を与え続けています。一方、区財政は、現金出納保管表によれば3月末迄に特別区交付金が10億円、利子割交付金と配当割り交付金で1億円、株式譲渡割交付金約2億円と計13億円、議会に示した想定を上回っていることが判明しました。
 区長が1月末に補正予算を提案して、わずか2か月で13億円の増収となったのです。わが党は令和5年度当初予算審議で歳入見通しが小さいのではと指摘しました。その時、区は「必要以上に歳入規模を小さくしたという指摘は当たらない」と言い「直近の景気動向等を踏まえ」「確実に」見込んだと答弁していました。この増収分の原資は税金で、所得再分配と格差是正が税制の役割です。ですから13億円は9月の決算報告の時に貯めこむだけでなく、生活と地域経済支援のための新たな支援策に使うべきです、伺います。尚、これら4つの歳入の当初額について「確実な見込み」との答弁は妥当だったのか認識と4つの歳入科目毎に当初額からの伸び率を伺います。
 また、2月時点で2023年度の決算剰余金は53億円を見込み、学校給食費の半分は都が負担するので3.8億円余ります。2月議会の補正予算提案の時から新たに56億8千万円の歳入が明確になったのですから、高齢者や低所得世帯への区独自給付金や各種福祉手当の増額、千代田区に倣い高齢者の入院時への見舞金も実施すべきです、それぞれお答え下さい。そして国には、これらの財源に使える物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を今年度も交付するよう要求すべきです、伺います。
(成澤区長答弁)
 最初に、区の財政等に関するご質問にお答えします。
 まず、生活と地域経済支援のための新たな支援策についてのお尋ねですが、本区においては、これまでも景気の動向や社会情勢への変化等を注視しながら、スピード感を持って、様々な施策を積極的に展開してまいりました。
 昨年度は、家計支援臨時給付金やキャッシュレス決済ポイント還元事業を実施するとともに、高校生世代育成支援金や児童手当対象外世帯独自給付金などの取り組みを積極的に進め、当初予算比で約66億円の増となったところです。引き続き、区民ニーズを的確に捉えながら、区民の健康と安心な暮らしを守り、地域経済を活性化するなどの取り組みを推進してまいります。
 次に、昨年度の特別区交付金等の当初予算からの伸び率についてのお尋ねですが、特別区交付金が10.7%、利子割交付金が27.2%、配当割交付金が35.6%、株式等譲渡所得割交付金が29.0%となっております。予算編成における歳入の見込みは、あらゆる資料に基づいて正確にその財源を捕捉し、かつ、経済の現実に即応することが基本と認識しております。
 その上で、当初予算編成時においては、毎年12月に示される「都の歳入見込」や「直近の決算状況」などを勘案して、歳入予算を見込んでおります。また、年度途中においては、最新の都税徴収の実績や本区における歳入状況、さらには株式市場の動向等に注視しながら、2月補正予算で歳入予算の追加又は更正を行っており、それぞれの時点で確実な歳入見込みに努めております。
 次に、高齢者や低所得世帯への区独自の給付金等についてのお尋ねですが、高齢者等に向けた支援については、限られた財源の中、様々な状況に応じて、必要な支援策等を講ずることが重要であると捉えており、現時点では区独自の給付金や見舞金等を新たに創設する考えはございません。
 次に、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金についてのお尋ねですが、本年度の国の予算においては、原油価格・物価高騰対策に係る一定の経費が予算措置されております。また、昨年7月の区長会においては、「令和6年度国の施策及び予算に関する要望書」を国に提出し、経済・生活対策の充実として、各自治体が地域の実情に応じて実施する物価高騰対策などへの財政的支援を要望しているところです。区としては、引き続き、都などを通じて、地方単独事業等における財源措置の情報収集に努めてまいります。


議会フロアの改修よりも福祉部や保健衛生部のフロア拡充を先に
(金子てるよし区議)
 シビック改修は粛々と進み、議会フロア改修の予定が公表されました。しかし、学校や保育園・児童福祉施設、旧区立特養や交流館の改修・改築を優先すべきなのは当然です。今、建設資材が高騰し、北区では区内最大の公共施設である北とぴあの大規模改修費が当初想定の100億円から190億円へと高騰し見直す判断をしたそうです。文京区は予算委員会で、シビック改修に今後、いくらかかるか試算すらしていないとのことでしたが建設費高騰の折り、北区のように一旦止めて見直すべきです、伺います。
 議会フロア改修は照明のLED化等に留め、人口増に応じ業務が増大し、職員が増え窮屈な中で業務している福祉部や保健衛生部のフロア拡充を、13階の食堂閉鎖を機に真っ先に行うべきです。あわせて老朽化する学校や区民施設等、部局ごとの施設維持・更新の見通しを財政計画と一体に立案すべきですが、それぞれ伺います。
(区長答弁)
 次に、区有施設の整備等に関するご質問にお答えします。
 まず、シビックセンターの改修についてのお尋ねですが、議会フロアを含めたシビックセンターの改修工事については、「シビックセンター改修基本計画」に基づき、他の区有施設の整備に影響を及ぼさないよう、計画期間の年度ごとに改修経費の平準化に努め、必要性を判断し、改修工事を行っているため、工事の中止や計画の見直しは考えておりません。
 また、工事については、これまで低層にある区民施設部分を優先して行ってきましたが、高層建物の配管等設備の更新は、上の階から工事を行うことが合理的・効率的であるため、今後の執務室部分の工事にあたっては、上層階の議会フロア等から改修工事を進めていく予定です。なお、低層階の職員の執務室については、職員一人当たりの執務面積が低下していることから、会議室等を一時的に活用することなどにより、執務環境の確保に努めているところです。
 次に、各施設の維持・更新の見通しと財政計画との整合についてのお尋ねですが、本年3月に改定した「公共施設等総合管理計画」において、中長期的な見通しに基づく、公共施設等の維持・更新等に係る費用の見込みについてお示ししております。
 また、「文の京」総合戦略の「今後の財政見通し」の算定基礎として、財政計画との整合を図っており、毎年度の予算編成において、これらの計画に基づき、進行する公共施設等の老朽化への対応を進めてまいります。


手話言語の5つ権利を活かし、施策拡充と手話通訳者の待遇改善を
(金子てるよし区議)
 手話言語条例と障害者情報意思疎通促進条例が、4月に施行されました。
 日本聴力障害新聞が「都内初」「条文に明記」と報じた「手話言語の5つの権利」とは、手話言語を必要とする者が持つ、手話言語を獲得する権利、手話言語で学ぶ権利、手話言語を学ぶ権利、手話言語を使う権利と守る権利であり、手話言語の「理解」「普及」「獲得」「習得」「学習」と手話言語の「使用を促進する環境の整備」を行う際の「基本理念」とされています。
 つまり、5つの権利は、障害や社会的障壁による継続的な制限を解消するための新たな施策や予算確保の法的根拠と考えますが、伺います。また、区には5つの権利を基本理念として施策を行う責務があり、条例について全職員対象の研修、区民向け学習会やシンポジウムを提案しますが、伺います。
 手話通訳者の養成・資質向上も条例事項となりました。手話通訳者へ区が払う謝礼は最初1時間が交通費含め4千円、その後は1時間たった千円です。手話通訳者は試験に合格し、事前調査も行い通訳に臨む専門職能者ですが、事前調査や報告には1円も支払われません。専門職能者の評価として低すぎるとの認識はありますか、支払額は最賃以上の大幅アップと交通費の別途支給を求め、併せて伺います。尚、意思疎通支援事業で手話通訳者として派遣できる登録者数、4月の派遣回数と、担当した手話通訳者数と日中実働できる手話通訳者数、区が直接雇用する手話通訳数を伺います。
 手話言語条例が施行された今、全ての窓口で手話通訳や字幕対応を可能にし、名古屋市で昨年度14件の支給実績がある聴覚障害者へのタブレット端末を、区独自の情報意思疎通支援機器として給付する等、ICT活用を拡充すべきです、それぞれ伺います。
 東京都では、聴力障害が高齢者のADL、生活動作に大きな与えていることを踏まえ「高齢者聞こえのコミュニケーション支援事業」を介護保険計画にも位置づけ発展させています。文京区でも「のうKNOW」チェックに「聴こえチェック」と補助額を抜本拡充した補聴器購入補助を組み合わせる等、認知症発症予防に効果的な事業に発展させていくことを提起し、伺います。
(区長答弁)
 次に、手話言語条例と障害者情報意思疎通促進条例に関するご質問にお答えします。
 まず、手話言語条例についてのお尋ねですが、本条例では、「手話言語を必要とする方は5つの権利を有し、その権利は尊重されなければならない」という「基本理念」を定めており、この基本理念に基づき、手話言語の理解の促進及び普及、手話言語による情報の取得や意思疎通、手話通訳者の確保等の施策を推進してまいります。
 また、区職員に対する研修については、障害と障害者への理解を深めるための新任研修を実施するとともに、区及び社会福祉協議会共催の手話講習会に職員受講枠を設けているところです。今後は、全職員を対象とした研修を検討するなど、さらなる理解促進に取り組んでまいります。なお、区民に対する理解の促進及び普及については、今後、当事者団体の意見等を踏まえ、取り組みを進めてまいります。
 次に、手話通訳者への謝礼等についてのお尋ねですが、区は、手話通訳者には専門的な知識や経験が求められるものと認識しており、昨年度、手話通訳者に対する謝礼単価を引き上げたところです。さらなる引き上げや交通費の支給については、他自治体の状況や本区における交通費の実績を踏まえた上で、文京手話会とも協議してまいります。なお、本年度の手話通訳の登録者数は28人、4月の派遣回数は62回、通訳に従事した方は18人、そのうち日中に従事できる方は17人、区の会計年度任用職員は1人となっております。
 次に、意思疎通支援についてのお尋ねですが、現在、区の窓口では、字幕対応の設備はありませんが、シビックセンターでは、障害福祉課に会計年度任用職員として配置している手話通訳者を各窓口に派遣するほか、希望に応じて、各窓口において筆談対応を行っているところです。
 タブレット端末については、日常生活用具の要件が「用具の製作、改良又は開発に当たって障害に関する専門的な知識や技術を要するもので、日常生活品として一般に普及していないもの」となっていることから、現時点では給付対象としておりませんが、意思疎通を支援するためのICTの活用については、今後の技術革新や他自治体の動向を注視しながら検討を進めてまいります。
 次に、認知症の発症予防についてのお尋ねですが、聴力の障害は高齢者の日常生活動作に影響することから、早い段階での啓発や日々のコミュニケーションの支援を行うことは重要であると考えております。しかしながら、都が実施する「高齢者聞こえのコミュニケーション支援事業」における検診経費補助は、自治体内に補聴器相談医が在籍する医療機関がないことが要件であるため、本区は対象外となっております。
 また、認知症検診と補聴器の助成等を組み合わせるには、これまでの認知症サポート医等による検診に加え、耳鼻咽喉科医の協力も必要となることから、十分な体制の確保が困難であり、現時点で実施する考えはございません。区としては、引き続き高齢者補聴器購入費用助成事業を実施し、認知症予防に寄与していくとともに、本年度、都のモデル事業である「認知症の人の社会参加推進事業」に先駆的に取り組むなど、認知症施策を総合的に推進してまいります。


根津駅前の歩道に点字ブロック設置し、バリアフリー計画の拡充を
(金子てるよし区議)
 私は一昨年の秋、視覚障害者と根津駅前から不忍通りふれあい館まで歩きました。歩道に点字ブロックがなく「根津郵便局やふれあい館まで点字ブロックを付けて欲しい」との声や、「ふれあい館の地階への階段の手前にグレーの点字ブロックがあるが、館内の照度だと殆ど見えず転落しかねない」という声が寄せられました。点字ブロックの設置と改善をそれぞれ求め、伺います。さらに、ふれあい館地下にはWifiがなく難聴者が音声認識アプリを使えず、講演を聞く際に支障があると聞きました。早期導入を求め伺います。
 これらの実態を踏まえれば、障害者情報意思疎通促進条例に基づきバリアフリー基本構想を見直し、グレードアップが必要です、答えて下さい。
(区長答弁)
 次に、都道への点字ブロック設置についてのお尋ねですが、不忍通りを管理する都に対し、点字ブロック設置の要望を伝えるとともに、都との定期的な会議等を通じて、歩行者等の安全・安心の確保に取り組んでまいります。
 次に、不忍通りふれあい館の設備についてのお尋ねですが、施設内の点字ブロックや地下1階ホールのWi−Fi設備については、利用者の声を踏まえ、改善を行う予定です。
 次に、バリアフリー基本構想の見直しについてのお尋ねですが、現行のバリアフリー基本構想においても、筆談やコミュニケーションボードの活用、また、利用者への案内やサポートを行うなどの人的対応や、心のバリアフリーを推進し、事業者にも障害者への合理的配慮を求めてきていることから、今後改定する際には、関係法や条例の考え方を踏まえるとともに、都の施策との連携・整合を図ってまいります。


地域経済を彩る個店・中小企業を守るため電力代等、固定費支援を
(金子てるよし区議)
 東京商工リサーチによれば、4月の「物価高」が起因の倒産は58件で、4カ月連続で前年同月を上回りました。「空前の“物価高”がゼロゼロ融資の返済や人件費上昇だけでなく、企業倒産を押し上げる要素となっている」と言います。区内でも創業42年になる白山1丁目の喫茶店やサッカー通りの魚屋が閉店し、本郷の眼鏡店も今年で店を閉じるそうです。区長には地域の商店がなくなることは地域経済や街の彩りに大きな損失との認識がありますか?お答えください。
 国の補助金打ち切りなどで電気料金が大幅値上げになれば、地域の中小企業は更に厳しい経営を強いられます。区はスタートアップ企業への支援に積極的ですが、街の商店・中小企業にも最大限の援助をすべきです。今こそ新宿区が昨年度行った、高騰する電気・ガス代への最大20万円の補助を区も行うべきです。伺います。
 区の特別調査では、今年中に賃金を「引き上げない」と回答した中小企業は5割を超え、理由は「今後の業績見通しが不透明」が最多で20.6%です。中小企業の賃上げへ直接支援が求められています。時間当たり50円以上の賃上げを行った中小企業に従業員一人当たり5万円の直接支援を行った岩手県のような取り組みを区も行うべきです。また賃上げに伴って増える社会保険料負担を軽減するよう国に求めるべきです。併せて伺います。
 日本商工会議所の4月調査では、中小企業の4分の1以上が人件費増加分を価格転嫁できていません。区独自の価格転嫁相談窓口を設置し、価格転嫁を助けるべきです。答弁を求めます。
 インボイス制度を考えるフリーランスの会が行った調査では、7,000件の回答がありました。インボイス登録事業者の6割が消費税や事務負担の費用を価格に転嫁できず「負担軽減措置終了後のめどが立たない」「負担が大きく、事業が成り立たなくなりそうだ」と答え、5割が「事業の見通しが悪く、不安」、15%が「廃業・転職を視野に入れている」と悲痛な声が上がっています。定額減税は効果を期待する声がほとんどなく、給与明細への記載で事務負担をもたらしています。必要なことはインボイス制度の中止と消費税減税だと、国に求めるべきです。伺います。
(区長答弁)
 次に、経済対策に関するご質問にお答えします。
 まず、地域の商店が無くなることによる地域経済等への影響についてのお尋ねですが、地域の商店は、まちの活性化や安全、住民の交流等の観点から欠かせない存在であり、商店が無くなることは、地域経済に大きな影響が生じるものと認識しております。
 区ではこれまでも、新たに店舗を開く方を対象にチャレンジショップ支援事業を実施するほか、「文京ソコヂカラがんばるお店応援キャンペーン」により、区内商店が取り組む消費者還元サービスに係る経費と原材料費の補助を行うなど、様々な支援を実施してまいりました。引き続き、区として区内商店のニーズを汲み取りながら、必要な支援を実施してまいります。
 次に、区内中小企業への電気・ガス代等の経費にかかる補助についてのお尋ねですが、区では、区内商店及び中小企業が、様々な社会情勢の変化に対応していくことができるよう、省エネ対策や生産性向上のための設備投資補助、中小企業人材強化支援事業補助等を通じて、企業力向上に向けた取り組みを支援し、経営基盤の強化を図っているところです。そのため、電気・ガス代等の経費のみを対象とした補助事業を実施する考えはございません。
 次に、賃上げを実施した企業への直接支援等についてのお尋ねですが、従業員の賃上げについては、各企業における経営判断に基づき実施されるものであり、区として直接支援を行う考えはございません。なお、社会保障制度は国において議論されるべきものと認識しており、国に対して見直しを求める考えはございません。
 次に、価格転嫁相談窓口の設置についてのお尋ねですが、区では、東京商工会議所と連携した窓口相談や中小企業支援員による訪問相談により、価格転嫁の問題を含む区内中小企業の課題やニーズを把握し、経営に関する助言などを行っております。その上で、専門性の高い相談については、東京都よろず支援拠点の「価格転嫁サポート窓口」のほか、国の「下請かけこみ寺」などの関係機関に適切につなぐこととしており、区として価格転嫁の専用窓口を設ける考えはございません。
 次に、インボイス制度の中止と消費税減税についてのお尋ねですが、インボイス制度及び消費税減税については、国において議論がなされるべきものであり、国に対し意見を申し上げる考えはございません。


育成室待機児解消と子どもの発達を保障する公的保育の拡充を
(金子てるよし区議)
 育成室の待機児解消と保育水準の向上を求め伺います。
 育成室は放課後の子どもの居場所であり、保育園卒園の翌日から、継続通室する中で育ちを保障する重要な児童福祉施設で、かつ保護者の就労保障の役割があります。ですから待機児解消は待ったなしです。
 待機児数は昨年度の97人から今年度93人と4人の減少に留まりましたが待機する児童の放課後の過ごし方と保護者の就労状況等について区はどう承知しているのか伺います。そして、待機児ゼロを実現する決意と見通しと育成室が不足する地域を伺います。
 同時に、子どもの生活の場にふさわしくゆったり過ごせ、友達や指導員と豊かな人間関係を育める環境を保障するためには、1室あたり条例で概ね40人、要綱で44人とする基準を厳守することが必要です。これらの基準の意義、今年度の定員が基準内の育成室と基準超過の育成室の数と率を前年と比べてそれぞれお答えください。
 全ての子どもの発達を等しく保障する公的保育の拡充を求め伺います。
 昨年度、区が行った「未就園児の定期的預かりモデル事業」の実績報告では「保護者と長時間離れるのが初めての児童が多く、食事やお昼寝もなかなかとってくれず保育者の負担が大きい」「通常の保育とは異なる保育スキルが求められる」「日ごとに異なる保育者や児童と過ごすことは精神面において負担となる可能性がある」との声が出され「本制度の意義に疑問の声もある」と課題を投げかけていますが、区はこれら現場の声をどう受け止めたのか伺います。
 このモデル事業は子どもの事前面接を行い、週1回の保育を行った結果ですが、政府が2026年度から本格実施を目指す子ども誰でも通園制度は、事前面接なく無資格の職員も保育する想定で、鹿児島大の伊藤周平教授は、「命の危険を伴う事故が多発する可能性がある」と指摘しています。
 保護者の就労に関係なく6か月から2歳迄の乳幼児を直接契約で、全国どこからでもアプリで空きを確認・予約し、一時的に預ける「こども誰でも通園制度」は自治体を介さず企業参入を促し、公的責任を無くす方向へシフトさせるもので、このまま導入すべできでないと考えますが、認識を伺います。
 保育への企業参入のため導入された保育委託費の弾力運用も、保育の質を低下させるもので、区の保育予算が区外や保育以外の事業にも使われるなど、あってはならない仕組みです。国に止めるよう求めると共に、令和5年度の協議総額と本部経費、区外の保育園の運営費、保育以外へ事業費をそれぞれ伺います。
 また、今年度、認可園を申込んだ1,680人中、保留通知を受け取った306人について何らかの保育を受けている、何らの保育も受けていない、育休利用のため保留通知を希望した各人数を伺い、認可保育が不足する地域名とあわせ伺います。
(教育長答弁)
 教育に関するご質問にお答えします。
 はじめに、育成室に関するいくつかのご質問にお答えいたします。
まず、待機児童の放課後の過ごし方と、保護者の就労状況等についてのお尋ねですが、育成室を待機となった児童については、児童館や放課後全児童向け事業、都型学童クラブのほか、習い事等を利用し、放課後を過ごしているものと認識しております。
 また、保護者の就労状況については、申請した育成室で退室があり、入室が可能となった際に改めて確認を行っております。
 次に、待機児童対策の見通しと、育成室が不足する地域についてのお尋ねですが、昨年度から、育成室待機児童解消加速化プランのもと、新たに10室の育成室を整備するとともに、都型学童クラブへの補助拡充による誘致等の対策を進めてきました。
 しかしながら、令和6年4月の待機児童数は、区内の年少人口の増加や、入室希望者の地域偏在等の理由により、前年度と比較して、微減となり、主に窪町小学校周辺において育成室が不足する状況となりました。今後も、本プランのもと、スピード感を持って、保育ニーズの高い地域への育成室整備を重点的に進めていくことなどにより、待機児童の早期解消に努めてまいります。
 次に、定員についてのお尋ねですが、育成室の1室当たりの定員は、国が示す「放課後児童クラブガイドライン」に記載されております。安定した保育の実現には、このガイドラインを参考にした、区の条例や要綱で示す基準の範囲内で運営することが望ましいものと認識しております。今後も、同基準のもと、育成室の整備を進めてまいります。なお、定員が基準内の育成室は、昨年度45室のうち11室で24%でしたが、今年度は55室のうち29室で53%に増加しました。また、定員が基準を超過している育成室は、昨年度34室で76%でしたが、今年度は26室で47%に減少しました。
(区長答弁)
 次に、公的保育の拡充に関するご質問にお答えします。
 まず、「未就園児の定期的な預かり事業」についてのお尋ねですが、昨年度のモデル事業において実施したアンケートやヒアリング等により、通常の保育とは異なる固有の難しさや負担があることを認識しております。このため、本年度の事業実施にあたっては、保育士への負担が過重にならないよう、実施条件として通常の保育所の運営に関する配置基準以上の人員配置を求め、対応しているところです。
 一方で、利用者からは、育児負担の軽減や子どもの成長について肯定的なご意見をいただいており、多様化する保育ニーズへの対応という観点からも、意義があるものと考えております。
 次に、「こども誰でも通園制度」についてのお尋ねですが、本制度の導入にあたっては、月ごとの利用時間数や、利用者に関する情報の共有方法などの課題があるものの、多様化するニーズに対応するため、国において慎重に議論しながら進められていくべきものと認識しております。
 本区としては、国の検討状況等を注視しながら、区の検証結果も踏まえ、多くの方にとって利用しやすい事業となるよう検討を進めてまいります。
 次に、委託費の弾力運用についてのお尋ねですが、弾力運用は、適切な施設運営が確保されていることを前提に認められている国の制度であり、国に対して中止を求める考えはございません。なお、昨年度の協議総額は約6億6,700万円、うち本部経費は約4億8,800万円、区外保育園に対する運営費は約2,900万円、その他は約1億5,000万円となっております。
 次に、本年度4月の保育所入所申請で入所保留となった方についてのお尋ねですが、入所保留通知を受け取った方306人のうち、すでに保育を受けている方は107人、保育を受けていない可能性のある方は96人、入所保留通知を希望した方は103人であり、入所保留となった方の多かった地域は千駄木、本郷、小石川となっております。


区内の官民の土地確保で、少人数学級が推進できる環境確保を
(金子てるよし区議)
 児童数増加や35人学級対応等で教室不足となった本郷小学校は図書室がなくされ、廊下の一角に“図書コーナー”を作り代替されていましたが、学校図書館法の第3条設置義務には「学校には図書館を設けなければならない」とされています。図書館がないことは法律に違反しているとの認識はあるのか、また、専門家からは、「子どもが主体的に学ぶ権利を保障する学習権の侵害だ」との指摘もされていますが、見解を伺います。現在、同校は増築棟を建設中であり、そこに図書館を設置するよう強く求めます。お答えください。
 大塚小学校は、教室確保のための増築棟を建てたばかりなのにすでに教室不足が心配され、本郷小のように図書館がなくされるのではないかと保護者達は不安に思っています。駒本小の現状はどうか、図書館を作り“図書コーナー”としないために全力で教室不足に対応するよう強く求め、それぞれ伺います。
 昭和小学校も教室不足対応としてグラウンドに仮設校舎を建てる計画ですが、校舎の一角にある高齢者在宅サービスセンターを分離して、例えば本駒込2丁目の元最高裁公邸跡地(約1,000u)に移転する等の方策を早急に立てるべきです。そのために財務省と一刻も早く交渉し具体化することを求め、伺います。また、再来年移転予定の小石川税務署や向丘1丁目の未利用の民間の土地も文京全体の教育環境充実のために確保すべきです。伺います。
 小日向台町小学校の改築にあたり、仮校舎を民有地や音羽中学校グラウンドも視野に入れて検討するとともに、小日向台町幼稚園等が旧みずほ銀行茗荷谷研修所を賃借して移転することになりましたが、この際土地を取得して引き続き使うよう強く求めます。それぞれお答えください。

 学校給食無償化は、子育て世帯に大変喜ばれています。憲法26条は「義務教育は、これを無償とする」と定めてあり、次は教材費の無償化を皮切りに、義務教育の完全無償化が求められています。
 区内のある小学校は、学校徴収金のうち教材費の年間負担額は各学年14,000円〜25,000円、それにPTA会費6,000円が加わると大きな負担です。
 品川区では、この4月から区立学校学用品全額無償化がスタートしました。区内の31小学校、9中学校、6義務教育学校の20,950人が対象で、予算額は5億4,940万円です。内容は、補助教材であるドリルやテスト、絵の具や書道セット、裁縫セット、リコーダー、鍵盤ハーモニカ、朝顔観察セット等です。
 品川区長は新年度予算のプレス発表時、「憲法で義務教育は無償とするという原則が明記されているが、昨年実施の給食費無償化に加え補助教材費についても保護者の負担が生じているので、公費負担により社会全体で子どもと子育てを支えることを実現したい」と述べています。文京区でも同様な対応が求められているとの認識がおありかどうか伺います。
 わが区も早期に修学旅行費用や、過去には区が補助していた卒業アルバム代なども含む無償化事業に踏み出すこと。その際、区立学校のみならず区内在住のすべての子どもたちを対象とすること。区の英断を求めます。お答えください。
(教育長答弁)
 次に、区立小学校の教室対策に関するいくつかのご質問にお答えいたします。
 まず、図書室の整備についてのお尋ねですが、本郷小学校の図書スペースは、学年や発達段階に応じた適切な図書の配架等により、役割を分担しており、全体として国の方針に定める図書室としての要件を満たしているものと認識しております。
 昨年度には、既存校舎内の一室を図書室に改修し、更なる機能の拡充を図ったところであり、増築校舎に改めて図書室を整備する考えはございません。
 また、駒本小学校については、昨年度に完成した増築校舎に図書室を整備し、児童に活用されております。引き続き、年少人口の動態や児童数を注視し、限られた学校施設を最大限活用して、必要な教室対策を計画的に行うことにより、児童の学習環境の維持に努めてまいります。
 次に、昭和小学校の教室対策についてのお尋ねですが、昭和小学校では、既存校舎の中に、新たに普通教室を確保できないことから、校庭に増築校舎を建設する計画としております。小学校との合築施設である高齢者在宅サービスセンターのあり方については、庁内での検討課題と認識しております。
また、学校改築等にあたり、活用の可能性が見込める土地については、公有地、民有地を問わず、関係部署等との協議を進めております。
 次に、小日向台町小学校等の改築についてのお尋ねですが、小日向台町小学校の改築にあたっては、これまでも周辺の土地等について、様々な角度から活用の可能性に関する調査を行ってまいりました。しかしながら、現状において、仮校舎が建設できる広い民有地を確保することは困難な状況です。
 また、音羽中学校のグラウンドについては、体育の授業や部活動等で使用しており、同校の学校運営に大きな影響があることから、現在のところ、仮校舎の用地として活用することは考えておりません。小学校改築中の行事での利用等について、検討してまいります。なお、茗荷谷研修所の取得については、所有者の意向により、難しいものと考えております。

 次に、教材費等の無償化についてのお尋ねですが、区では、様々な子育て支援メニューを用意し、広く支援を行っております。学校給食費の支援については、所得によらず、小・中学校に在籍する全ての児童・生徒の保護者負担を軽減することが必要と判断し、支援の対象を拡大しました。
 教材費や修学旅行の費用、卒業アルバム代等については、支援が必要な世帯に対しては、就学援助制度により、一定の経済的負担の軽減が図られているものと認識しております。
 全ての世帯を対象とした、これらの費用の無償化については、子育て世帯への支援全体の枠組の中で検討すべき課題と捉えております。なお、全ての世帯を対象とした、一律の無償化については考えておりませんが、今後も、必要に応じて、就学援助の費目や金額について見直しを行ってまいります。


根津小など11校に95台ある20年超の老朽エアコンを新しく
(金子てるよし区議)
 昨年は過去最高の気温だったとされ、今夏も異常な暑さになるだろうと推測されています。
 現在、区内小中学校には2003、4年設置の空調機が11校95台残されており、そのうち林町・昭和・駒本・駕籠町小学校、1中・文林中学校は今年度更新が予算化されました。しかし、異常な暑さが予想され、命に係わる重大問題であるにも関わらず、柳町・青柳・関口台町・小日向台町・湯島・根津・千駄木小学校と本郷台中学校を、一気に予算化しなかった理由を、お答え下さい。青柳小など取り残された学校についても補正予算を組んで、早急に更新すべきです、伺います。
 また、体育館のスポットエアコンは農業用のビニールハウス等に使用されるもので、音がうるさい、風が卓球等の球技に支障が出るなどの弊害がありますが、現在使用しているのは小中学校でそれぞれ何台か、伺います。駕籠町小学校は昨年度故障して本格エアコンに急遽取り換える事態となりました。同じ轍を踏まないためにも本格エアコンに取り換えるよう求めます。お答えください。

 小石川図書館は築56年で、老朽化に加えエレベーターがなくバリアフリーのためにも早急の建て替えが必要であることに異論はありません。アンケート等では老若男女問わず新しい図書館への期待と希望は大きく膨らんでいます。個別学習もグループ学習もできるスペース、子どもへの読み聞かせスペース、閲覧スペースを広くなど、たくさん要望が出ており、建て替えにより十分な面積の確保が求められます。
 しかし、今回の竹早公園と小石川図書館の一体的整備計画の中間のまとめには「図書館を軽視した計画ではないか」との声が、多数上がっています。理由は、図書館のメインフロアが地下になる、建物で一番利用者が多いと見込まれる1階は“共用”部分が大半で、図書館機能は付け足し程度である等です。全ての床を図書館専用スペースとしてこそ充実が可能となります。そのために図書館は単独で建て替えることを検討し、管理は直営に戻すべきです。それぞれ伺います。
 「区民の声」への回答で区は、「『中間のまとめ』は、議論を深めるための一案として示したもので」「今後、テニスコート、図書館利用者や近隣の意見を伺いながら、他の案も含めて検討する」としています。ならば、その考え方を広く周知すべきです。6月2日からパネル展示型の説明会を開催し、質問には個別に説明するとされていますが、全区民的に「集会・教室型」の説明会を速やかに開くよう強く求めます。お答えください。
 竹早テニスコートを、ある団体が長年にわたり「特権」的に利用時間外の朝6時から8時まで利用してきました。指定管理者制度導入以降も、指定管理者業務要求水準書等に記載がないのに区が指定管理者に引き継ぎ、区が認めたうえで利用料金を指定管理者が収受していたことが判明しました。指定管理者が、指定管理協定にない利用時間の利用料を受け取っていたということは、「不当な利得」と言わねばなりませんが、区の認識と対処について伺います。
 3月の予算委員会で私が全容解明を求めたことに対し、「できるだけ遡及して事実確認し、しかるべきタイミングで報告する」と答弁していたのですから、報告書を議会に直ちに提出すべきです。お答え下さい。
(教育長答弁)
 次に、空調機についてのお尋ねですが、各学校の電気使用量の測定を行ったうえで、受変電設備の改修が必要ない学校から、空調機の入替えを順次実施しており、昨年度は8校55台を更新し、本年度は6校61台の更新を予定しております。
 残りの空調機については、4月に行った試運転で正常に動作している状況ですが、青柳小学校、湯島小学校、根津小学校、本郷台中学校の機器については、更新に向け、本年度中に設計を行ってまいります。
 関口台町小学校については、受変電設備の改修が必要となることから、現在進めている屋上防水、外壁改修工事の中で、空調機の更新も含め、計画的に行ってまいります。
また、現在改築中の柳町小学校及び、今後改築予定の千駄木小学校においても、昨年度17台の空調機の更新を行っております。なお、小日向台町小学校については、現在、空調機の更新が必要な状況ではありませんが、更新の必要が生じた場合には、適切に対応してまいります。
 次に、体育館に設置してあるスポットエアコンについてのお尋ねですが、小学校では、9校28台、中学校では、7校28台を設置しております。
 現在導入しているスポットエアコンを直ちにほかの機器に切り替える予定はございませんが、電気容量や、室外機の設置場所等、個々の学校の状況を考慮して、今後、ガス空調機の導入も含め、検討してまいります。

 次に、竹早公園・小石川図書館の一体的整備についてのお尋ねですが、小石川図書館単独での建替えを行った場合、日影規制により、現在と同規模の図書館を同一敷地に建設することは難しいことから、図書館と公園等を一体的に整備することとしました。
 一体的に整備することにより、現在の図書館の床面積、約1,993uに対し、約3,400uの床面積の確保を見込んでおります。各諸室の具体的な面積等の検討は、設計段階となりますが、図書館部分においても、床面積は増加する見込みとなっております。なお、公園と接続する1階のフロアについては、図書館の敷地を公園に組み込み、敷地全体を公園として整備することから、公園・図書館・テニスコート利用者が交わる空間として、飲食可能なフリースペースのロビーなど、にぎわいや、交流を生む動的な多目的ゾーンを想定したものとなっております。
 次に、竹早公園・小石川図書館等の管理運営についてのお尋ねですが、一体的整備の効果を最大限に発揮できるよう、民間事業者のノウハウを生かした、指定管理者による敷地全体の一体的な管理運営体制が望ましいと考えております。なお、小石川図書館は、指定管理者により、民間事業者のノウハウと司書の専門性等を生かした創意工夫がなされ、適切に運営されていることから、区直営とする考えはございません。
(区長答弁)
 次に、竹早公園・小石川図書館一体的整備についてのご質問にお答えします。
 本計画については、本年1月に中間のまとめをお示しした以降、図書館機能のさらなる拡充を望むご意見に加え、図書館の一部が地下に配置されることへの懸念や、ボール遊びができる環境の維持や、テニスコートの面数についてなど、多くのご意見をいただいており、施設利用者をはじめ近隣住民の皆様の関心や期待が高いことを改めて認識しております。区としましても、こうした様々なご意見を踏まえ、図書館、公園及びテニスコートについて、それぞれ必要な機能を整理するとともに、限られた敷地を有効活用する手法の一つとして、立体都市公園制度の活用も含めた更なる議論が必要と考えております。
 一方、既存の都市公園に立体都市公園制度を適用する場合は、原則として地下を利用することや、公園の機能・効用の低下は望ましくないことが国の運用指針で示されております。建設的な議論を行うにあたっては、施設整備に関連するこうした様々な法規制や条件等について、区民の皆様と共有した上で議論を深めることが重要と考えております。
 現在、パネル展示型の説明会の開催と、中間のまとめに対するご意見を募集しているところですが、寄せられたご意見も踏まえながら、今後、勉強会やワークショップ形式で議論を深めるなど、区民参画による検討を進め、基本計画をまとめてまいります。なお、中間のまとめについての説明は、勉強会やワークショップの中でも、実施してまいります。
 次に、竹早テニスコートの時間外利用等についてのお尋ねですが、早朝の周辺美化活動にボランティアとしてご協力いただいていた団体に対し、ボランティア活動終了後、午前8時までの1時間程度、有料でご利用いただいていたものです。指定管理者制度導入時から、指定管理者と協議の上、有料での時間外利用を認めてきたものと認識しておりますが、現在は、対象団体と協議の上、利用を中止しております。
 また、過去の事実確認については、文書等、可能な限り調査しましたが、新たな情報は得られないため、これまでのご答弁以上に報告する内容はございません。


音漏れが中学生から指摘され、公平性を欠くESATJは中止を
(金子てるよし区議)
 東京都は、保護者や生徒からの不安や疑問の声を無視し、2023年11月に2度目の英語スピーキングテスト「ESATJ」を実施し、結果を都立高入試の合否判定に使いました。文京区の受験生から「音漏れがあった」という声が寄せられていますが、各中学校においてそうした事実の確認を行っているのかどうか、教育委員会として生徒に聞取りやアンケートなどを行い、都の教育委員会に報告し改善を求めるべきです、伺います。
 また、ESATJの結果を入試直前の1月に受け、進路変更を余儀なくされるなど混乱はなかったのか、都立高受験者でESATJの不受験者は何人か、更にスピーキング力向上のため、ESATJを中学校や都立高校でどう活かしているのか、伺います。
 1月から、区内の中学1、2年生に導入された「ESATJーYEAR1、YEAR2」についてもトラブルが発生していると、声が上がっています。試験は、各中学校で異なる日程で行われる上、各学校の実施日において試験用のタブレット、ヘッドセット等の機材が足りず、生徒の人数の半分しか届かないため一斉にテストを行うことができず、試験問題の漏洩のリスクがあります。
 また、本番のESATJと同様、「音漏れ」があると生徒たちの声があります。試験結果は、年度をまたぎ3〜4か月後の5月中旬以降に返却されるため、生徒が内容を覚えておらず、担当の先生も変わっている場合もあります。これで、スピーキング力向上のために活かせるのでしょうか、実態を伺います。都に「YEAR1、YEAR2」の検証を行い、実施を見直すことを求めるべきで伺います。
 今年度は43億円、6年で210億円もの莫大な税金を事業者に支払う事業でありながら、入試で一番大事な公平性・透明性を欠く英語スピーキングテストESATJは、きっぱり中止すべきだと、都に申入れするべきです、伺います。
(教育長答弁)
 次に、英語スピーキングテストに関するいくつかのご質問にお答えいたします。
 まず、「ESAT−J」における実施上の課題についてのお尋ねですが、アンケート等は実施しておりませんが、各学校において直接生徒への聞き取りを行い、把握した課題等については、都教育委員会に報告し、改善を求めております。
 次に、進路変更などへの影響等についてのお尋ねですが、都教育委員会では、リーフレットやホームページを活用し、実施内容について、事前に広く周知しております。また、各中学校においても、個別に説明会を開催するなど、生徒や保護者に混乱が生じないよう、年度当初から十分な説明を行うよう努めております。なお、不受験者数は、都教育委員会において把握しており、適正な入試が実施されているものと認識しております。
 次に、「ESAT−J」の活用についてのお尋ねですが、生徒個人の課題が明確になることで、フォローアップの方策について検討することができるほか、授業改善にもつながっており、テストの結果は、有効に活用されているものと認識しております。
 最後に、「YEAR1・YEAR2」の検証・見直し等についてのお尋ねですが、先程ご答弁差し上げたとおり、学校現場の声については、都教育委員会にお伝えしており、このことを踏まえた、改善がなされるものと認識しております。なお、英語スピーキングテスト「ESAT−J」は、都立高等学校の入学選抜として実施されているものであり、都教育委員会に中止を求める考えはございません。


後楽再開発は小石川後楽園の植生や景観にどんな影響を与えるのか
(金子てるよし区議)
 いま神宮外苑では、公園内に高層ビルを建てる再開発が進められ、大問題となっています。都議会の共産党都議団の質疑で、都が「公園まちづくり制度を利用して、開発に制限がかかる都市計画公園の区域から外し、高層ビルが建てられるようにする」などの特別な配慮を三井不動産に行っていたことが判明しました。
 また、今年4月に「築地地区まちづくり事業」の事業者に三井不動産、読売新聞グループなどが決まり、野球を含むスポーツやコンサートで5万人収容の施設建設が提案されていると報道されました。区民から「東京ドームは築地に移転するのか」、「跡地に高層マンションが建つのは本当か?」等、関心が寄せられています。この地域は都市マスタープランで「都市核」され、東京ドーム周辺は区のまちづくりとの関係でも大きな影響があります。区長および区は、東京ドーム周辺の今後について、関係機関から何らかの情報提供がなされているのか、区との関わりはどうなるのか、伺います。
 神宮外苑の再開発を通じ、都市計画決定手続きにおける住民参加の形骸化と不十分さが露呈し、プロセスの透明化や構想段階からの住民参加がより強く求められています。区でも、今後の再開発はすべて、早期からの情報提供と利害関係者だけではない住民参加によるオープンな議論、合意形成ができる制度をつくるべきです、伺います。

 後楽二丁目南地区の再開発は高さ170m・30万平米で、区内最大のビル計画です。「9割が事務所」の計画で、隣接する千代田で4か所、新宿で1か所の再開発が進んでおり、飯田橋周辺には高層ビルが乱立することになります。
 最近は、再開発によるビルの大量供給の結果、春日後楽園駅前再開発ビルも含め、オフィス需要は頭打ちでテナントが埋まらない現状があります。物価高騰でもある今、区内最大の高層ビルである必要はないのではないか、多額の税金を投入することになる再開発は、よりコンパクトに縮小するべきです、伺います。
 2023年11月に出された、事業者への「都知事意見」によれば「小石川後楽園の植物・植生に影響を及ぼすおそれについて調査するよう」求め、景観についても「小石川後楽園の園路上の複数地点から、冬期の落葉期を含め、回遊景観全体に対する調査を行うよう」求めています。それぞれどんな影響が考えられるのか、具体的にお示しください。
 なお、区は1991年にシビックセンターの建設工事が文化財保護法違反で一時ストップした反省を教訓に、文化や歴史を踏みにじる計画にならないよう事業者に求めるべきです、伺います。
 さらに、全ての区有施設の床面積の合計と同じ30万uの高層ビルからの二酸化炭素排出量はどのくらいか、伺います。2050年CO2ゼロに向け、気候変動対策にも多額の予算をかけなければいけない今、高層ビル建設は時代にそぐわないのではないか、伺います。
(区長答弁)
 次に、区内の再開発に関するご質問にお答えします。
 まず、東京ドーム周辺の今後についてのお尋ねですが、東京ドーム周辺は、都市マスタープランにおいて都市核の一部に位置付け、区の中心的な役割を果たす地区としてのまちづくりを目指しているところです。現在のところ、事業者からは報道発表されている以上の情報はないと聞いておりますが、今後、整備計画の方向性等の新たな情報が示された際には、都とも連携しながら協議をしてまいります。
 次に、今後の再開発における合意形成についてのお尋ねですが、区はこれまでも、再開発事業等のまちづくりを進める際には、権利者だけでなく、町会や地域住民で構成された協議会等で検討を行ったうえで、さらに事業区域周辺を対象に加えて説明会を開催するなど、丁寧な合意形成を図ってまいりました。今後も再開発などを進める際には、同様の手続きを行うことで、広く住民等の意見を聞き、合意形成を図ってまいります。

 最後に、後楽二丁目南地区の再開発に関するご質問にお答えします。
 まず、本再開発計画を縮小すべきというお尋ねですが、本地区を含む飯田橋エリアは、都において、国際的な経済活動の中心地としての集積・魅力をさらに伸ばす「国際ビジネス交流ゾーン」に位置付けられており、「後楽二丁目地区まちづくり整備指針」では、飯田橋駅に近い交通利便性の高さを生かして業務機能を集積させ、ゆとり空間を備えた良質なオフィス環境の創出を目指すこととしております。現在、再開発準備組合が検討している計画は、交通結節機能の強化と土地の高度利用を図り、国際ビジネス交流ゾーンにふさわしい高度なビジネス機能の集積を図るものであることから、適切な規模の計画であると考えております。
 次に、環境影響評価調査計画書における都知事意見についてのお尋ねですが、環境影響評価の手続きにつきましては、都条例に基づき、再開発準備組合が調査計画書を都に提出し、都知事より審査意見書が公表されたところです。
 意見書での生物・生態系や景観、史跡・文化財に関する意見については、再開発準備組合がそれらを勘案して、環境影響評価の項目及び調査等の手法を選定し、環境性能評価書案を作成するものと認識しております。引き続き、再開発準備組合に対し、環境影響評価や文化財に関する手続きなどについて、適切に対応するよう求めてまいります。
 次に、再開発ビルの二酸化炭素排出量の想定についてのお尋ねですが、二酸化炭素排出量については、現在、再開発準備組合において計画内容の検討を進めており、想定できる段階ではないと聞いております。区としては、再開発準備組合に対し、効率的な設備システムの導入等により、二酸化炭素排出量抑制に効果的な施設計画とするなど、本地区にふさわしいまちづくりとなるよう求めてまいります。



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