◎「地域防災計画」は想定外をつくらないことを最大の目標に!
◎過去最大の区税収入は、高齢者含む区民の暮らし、福祉に活用を
◎介護施設の存続には大規模改修に耐えられる財政支援が必要
◎シビックより老朽化する公衆トイレなど区民施設の改修を急いで
◎小日向台町小学校の改築は敷地外の仮校舎の活用で工期の短縮を
◎学校給食費の無償化に続き、教材費の無償化を!
◎竹早公園・小石川図書館の一体的整備後の管理運営は「直営」で
◎保育士の配置基準の拡充と処遇改善は喫緊の課題
◎手話言語条例に基づき、障がい当事者参加で施策の具体化を
◎「平和外交」と「ガザ攻撃中止」を国に求めよ
「地域防災計画」は想定外をつくらないことを最大の目標に!
(小林れい子区議)
能登半島地震から1カ月以上が経ち、死者数は241人(2月10日現在)となりました。お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に謹んでお見舞いを申し上げます。
日本共産党文京区議団は、発災直後から救援募金活動に取り組むほか、1月17日には区に「旧区立根津住宅の売却手続きを止め、広域避難者を受け入れること」などを求める緊急申し入れを行いました。区も、能登町に支援物資を届け、30日に「被災者の旧区立住宅への受入れを行う」と報道発表しました。元旦に、帰省先の北陸で被災した私からも感謝を申し上げます。
さて、この震災では阪神大震災から29年目の今なお解決しない課題が浮き彫りになり、新たな「想定外」も生じています。文京区地域防災計画を見直している今だからこそ、区民のいのちと暮らしを守るため、取り組むべき6つの課題について質問します。
被害想定の見直しについて伺います。文京区地域防災計画は、東京都の被害想定の見直しに合わせて修正していますが、震源の位置が変わったことにより、区内で想定される死者、負傷者、避難者数などの数字が縮小されています。区は、それに合わせて対策の縮小を行うことはないと言いますが、被害を過少に見積もることなく、計画では「想定外をつくらない」ことを最大の目標にするべきであり、そのためにあらゆる対策を強化するべきです、伺います。
区内の避難所はどこも入りきらない想定人数で、帰宅困難者は約14万人と想定されています。都立学校や寺院、ホテルなどを二次避難所として、大学の体育館や企業のホールなどを一時滞在施設として提供してもらえるよう、全力で確保すべきです、伺います。また、区外遠方の避難場所や子どもたちの集団避難の想定も必要です、あわせて伺います。
石川県では、公衆浴場つきの防災コミュニティセンターが避難所として活躍しました。区でも、福祉センター湯島などの入浴施設や区内5か所となった公衆浴場はなくさず維持し、地域活動センターや交流館などにも浴場を設置するべきです、伺います。
備蓄品も足りず、道路が寸断されたら、都からの支援物資は届きません。区の備蓄食料は2日分に増やし、避難所以外の空地などに防災倉庫をつくって分散して備蓄するべきです、伺います。さらに、帰宅困難者用の備蓄を確保すること、一時滞在施設となる企業等への支援も強化すること、伺います。
トイレの問題は深刻です。避難所のトイレは男女共用で、夜は暗く怖くて使えないなど、女性にとりわけつらい状況です。スフィア基準では、女性トイレの必要数は男性の3倍です。避難所におけるトイレの確保を急ぎ、トイレの前に目隠しを置くなどプライバシーを守ること、伺います。全公園・公衆トイレの洋式化を急ぎ、区有施設にマンホールトイレを設置すること、またその条件になる上下水道の耐震化率も伺います。簡易トイレは全戸配布し、各家庭での備蓄が進むよう周知啓発するべきです、あわせて伺います。
人口の7割以上が中高層マンション居住者である区のエレベーターでの閉じ込め被害の想定は534台に倍増しました。防災訓練を行うという条件をつけず、希望するマンションすべてに閉じ込め対策用品を配布し、閉じ込めの際にレスキューできるエレベーター保守会社との防災協定を結ぶべきです、伺います。
耐震強度が十分と思われる中高層マンションも、連続地震等が発生すれば居住不能になることもあり、停電でエレベーターが止まれば、上層階における孤立の可能性もあります。特に、避難行動要支援者の個別避難計画の策定を急ぎ、区の責任で家具転倒防止や備蓄など、在宅支援の強化を行うべきです、伺います。
志賀原発は、地震の揺れで変圧器が故障し、外部電力が一部使えなくなるなど様々なトラブルが発生しており、完全な復旧まで半年以上かかるとのことです。道路の寸断や津波のため、避難計画は実行できないことも明らかになりました。志賀原発を含め、全原発の再稼働は止めるべきだと、国に申し入れてください、伺います。
(成澤区長答弁)
最初に、地域防災計画の被害想定の見直し等に関するご質問にお答えします。
まず、防災対策の強化についてのお尋ねですが、区では、地域防災計画の修正を進めており、現在、計画の素案をお示ししたところです。計画の修正にあたっては、新たな被害想定のもと、これまで進めてきた取り組みに加え、社会環境の変化等により顕在化した課題に対応するため、在宅避難の推進や中高層建築物の防災対策など、7つの重点項目を掲げ、今後の防災対策の充実強化を図ってまいります。令和6年能登半島地震の状況やこれまでの災害の教訓等も踏まえ、今後、計画の修正に向け、更なる対策の強化等について検討してまいります。
次に、帰宅困難者等についてのお尋ねですが、東京都帰宅困難者対策条例により、都立学校等は一時滞在施設としての役割を担いますが、区においても、区内の事業所等との協定により、二次的な避難所や帰宅困難者の一時滞在施設の確保に取り組んでおります。引き続き、区内の事業所や大学、ホテル等との協議を進め、更なる受け入れ先の確保に努めてまいります。
次に、区域外への避難等についてのお尋ねですが、区では、複数の自治体と、相互協力に関する協定を締結しております。平時から各種施策等について相互協力を行うとともに、災害時においても、必要な支援を行うものとして、日頃から顔の見える関係の構築に努めているところです。
本区が被災し、高齢者や子どもの区外への避難等が必要な場合の、協定締結自治体における具体的な受け入れ場所は定めておりませんが、今後、関係自治体との連絡会を行うなど、災害の規模に応じ、適切な支援要請ができるよう取り組んでまいります。
次に、浴場の設置についてのお尋ねですが、公衆浴場は、平時のみならず、災害時における公衆衛生を確保する観点からも重要な施設であると認識しております。災害時においては、公衆浴場の営業状況等を把握し、避難者に対し情報提供を行うことで、既存の公衆浴場等を活用した衛生確保の支援を行ってまいります。なお、議員ご指摘の他の公共施設は、施設本来の用途に応じた設備を整備しており、災害時の利用を想定し、新たに浴場を設置する考えはございません。
次に、備蓄の拡充や防災倉庫の設置についてのお尋ねですが、食料については、都と連携し、被害想定における避難者数の3日分を備蓄しております。現在、都と区の備蓄割合について協議を進めておりますが、区では、各避難所に避難者数の1日分の備蓄を行うとともに、地域の拠点倉庫への備蓄にも努めているところです。また、新たな拠点倉庫の整備については、地域のバランスや各避難所の倉庫の容量等にも考慮しつつ、検討してまいります。
次に、帰宅困難者用の備蓄の確保等についてのお尋ねですが、区では、帰宅困難者の一時滞在施設の確保に努めており、一部の施設では、事業者による帰宅困難者用の備蓄を行っていると聞いております。なお、事業者が備蓄を行う際は、都の補助金を案内していることから、現時点で、区として、備蓄への更なる支援を行う考えはございません。
次に、避難所におけるトイレの確保についてのお尋ねですが、区では、避難所にマンホールトイレを整備するとともに、簡易トイレを備蓄しており、避難者の想定人数の3日分を備蓄目標とし、備蓄の拡充に取り組んでいるところです。
また、簡易トイレ用のパーソナルテントも避難所に備蓄しており、プライバシーの確保が可能な環境を整備しております。なお、このたびの被災地の状況から、避難所等でのトイレの衛生環境の維持などが、今後の課題と捉えております。
次に、公園・公衆トイレの洋式化等についてのお尋ねですが、公園・公衆トイレの洋式化については、公園再整備工事等の機会を捉え実施するとともに、小規模な公園等のトイレについては、便器の交換工事も含め、整備方法を研究してまいります。
また、区有施設のマンホールトイレについては、新たな施設整備の機会を捉え、設置を推進してまいります。なお、上水道及び下水道の耐震化率については把握しておりませんが、各施設を管理する都において、適宜、更新や補修等を計画的に実施していると聞いております。
次に、簡易トイレの全戸配布についてのお尋ねですが、在宅避難において、災害用トイレの備蓄は必要不可欠なものと考えております。区では、防災ガイドやリーフレット等により、在宅避難に必要な携帯トイレ等の備蓄について周知するほか、「防災用品あっせん事業」においてもトイレ用品を紹介するなど、災害用トイレの備蓄の必要性について啓発に取り組んでおります。
また、来年度の重点施策として、「防災アドバイザー派遣事業」に在宅避難の訓練メニューを追加し、訓練に参加した方に携帯トイレを配付することで、各家庭での備蓄の契機とするなど、啓発効果の高い取り組みを行ってまいります。現時点で、簡易トイレの全戸配布の予定はございませんが、今後も、様々な機会を捉え、災害用トイレの備蓄の必要性について、周知啓発に努めてまいります。
次に、エレベーター閉じ込め対策についてのお尋ねですが、エレベーター閉じ込め対策費用助成金 については、マンション防災対策に取り組むきっかけとして、防災訓練の実施を条件としております。防災訓練の内容についても、管理組合等の集会の際に閉じ込め対策物資の使用方法を確認するなど、マンションの実情にあわせた形式で実施いただいているところです。
また、地震によりエレベーターの閉じ込めが発生した場合は、建物管理者や所有者が契約するエレベーター保守事業者が対応することとなっており、閉じ込めが発生している建物を最優先に復旧するものと聞いております。
次に、避難行動要支援者への支援等についてのお尋ねですが、区では、避難行動要支援者の個別避難計画の作成を進め、地域の支援者の協力のもと、災害時の安否確認や避難誘導等の支援体制の整備に取り組んでおります。
また、避難行動要支援者名簿の登録時には、登録情報の外部提供について、同意をお願いするとともに、高齢者あんしん相談センターにおいても、個別避難計画の作成について周知しております。
さらに、災害時でも住み慣れた自宅で避難ができるよう、名簿登録の通知の際に家具転倒防止器具設置助成事業のご案内を同封するなど、周知に努めているところです。
次に、原子力発電所の再稼働の中止についてのお尋ねですが、原子力行政は、国が行うべきものと考えており、区として国へ要望する考えはございません。
過去最大の区税収入は、高齢者含む区民の暮らし、福祉に活用を
(小林れい子区議)
区民生活と地域経済、新年度予算案について伺います。
日銀の昨年9月調査では「暮らしにゆとりが無い」世帯が57.6%で2年前から6割増えており、区の昨年9月の調査では、中小企業の経営上の問題点は製造業で「原材料高」、小売業で「売上減少」が1位でした。小売業では利益が「縮小」しているとの回答が2年間で最も高く34.8%です。区長、これらの結果から区民の暮らしと地域経済は厳しい状況が続いているとの認識はありますか、伺います。
一方、新年度予算案の一般会計の規模は1,275億円と過去最大となっています。特に区税は395億円で、2年続けて過去最高です。自治体の役割は福祉の増進にあるのですから、過去最高の区税収入は暮らしと地域経済を守り、格差を是正することを第一に使うことを求めますがいかがですか。また、国に物価高騰対応の交付金を新年度も続けるよう求めてください、併せて答弁を求めます。
東京都も新年度の都税収入は過去最大だった前年を1千億円上回り、2年続けて過去最大の6兆3千億円を見込んでいます。ところが、区への特別区交付金は前年から2億円、0.9%増える230億円に留まる見込みです。特別区交付金の見込みは少なすぎるのではありませんか、お答えください。
2月補正では特別区交付金を14億円増やしましたが、2021年度は補正総額55億円、決算では更に17億円上振れし、2022年度も同様に補正総額57億円に加え決算では6億円上振れしました。ですから過去最高の都税収入に向かう今年度末も更に上振れするのではありませんか、見通しを伺います。
年金が減らされ医療や介護の負担増が相次ぐ中、高齢者を含め区民のくらしを支える支援策が必要であり、高齢者向けの区独自給付金を実施すべきです、伺います。さらに、子どもの国保料均等割りの免除、75歳以上の非課税者への医療費窓口負担解消、20年間にわたり新設ゼロのシルバーピア新設の再開と高齢者やシングル世帯・若者・学生対象に家賃補助をするよう求め、それぞれ伺います。
(区長答弁)
次に、区民生活と地域経済、来年度予算に関するご質問にお答えします。
まず、区民の暮らしと地域経済についてのお尋ねですが、今月、国が発表した毎月勤労統計調査において、昨年の実質賃金指数が前年比で2.5%減少しており、物価高騰に対して賃金の上昇が追いついていない状況となっております。
また、本区が実施した区内中小企業を対象とする景況調査によると、業種ごとに様々な業況が見られます。これらのことから、物価高騰による影響が続いているものと認識しております。
次に、当初予算についてのお尋ねですが、令和6年度予算においては、区民一人ひとりが輝く明るい未来に力強く踏み出すため、すべての世代を支える施策を積極的に展開する予算編成を行っており、「文の京」総合戦略に掲げる主要課題の解決に向けた施策等を重点施策として積極的に推進するとともに、物価高騰や大規模な施設整備にも対応できていると認識しております。
また、昨年7月、区長会において、経済・生活対策の充実として、エネルギー・食料品等の物価高騰の影響を受けた中小企業や生活者に対し、各自治体が地域の実情に応じて実施する物価高騰対策などについて、財政的支援を行うことを要望しており、来年度の国の予算案においても、原油価格・物価高騰対策に係る経費が計上されているところです。引き続き、国や社会経済の動向に注視しながら、区民の暮らしと地域経済を守る施策を推進してまいります。
次に、令和6年度当初予算に係る特別区財政調整交付金の見込みについてのお尋ねですが、普通交付金については、5年度の再算定額から、6年度都区財政調整における当初見込額及び前倒し算定されていた都市計画交付金に係る地方債収入相当額等を考慮し、前年度と比べて2億円の増となる215億円を見込んだところです。
また、特別交付金は、過去の交付実績及びコロナ対策に要する関係経費などの減少分等を勘案し、前年度と同額の15億円を見込んでおります。引き続き、都区財政調整の協議内容に注視しながら、より確度の高い歳入見込みに努めてまいります。
次に、本年度の特別区財政調整交付金の見込みについてのお尋ねですが、令和5年度都区財政調整再調整方針において、特別区全体での最終財源超過額が約533億円となったため、約515億円が普通交付金で追加交付されるとともに、残りの約18億円についても、特別交付金に加算される再調整が行われております。
そのため、これまでの普通交付金における各区への配分割合の状況や、本区の特別交付金における申請状況などを勘案し、今年度の見込み額を予算計上しております。
次に、高齢者向けの区独自給付金についてのお尋ねですが、高齢者等に向けた支援については、限られた財源の中、それぞれの状況に応じた支援策を講ずることが効果的と捉えており、現時点では区独自の給付金制度を創設する考えはございません。
次に、国民健康保険料に係る子どもの均等割免除及び75歳以上の住民税非課税者の医療費無償化についてのお尋ねですが、国民健康保険制度における保険料賦課については、政令で定める基準に則り条例で定めており、また、後期高齢者医療制度における医療機関の窓口での一部負担金の負担割合は、法令に定められていることから、区独自でそれらを軽減する考えはございません。
次に、シルバーピアの新設及び高齢者等に対する家賃補助についてのお尋ねですが、現時点で、シルバーピアの新設や新たな家賃補助を実施する考えはございませんが、区では、高齢者に対する住まいの確保として、シルバーピア等の運営のほか、「文京すまいるプロジェクト」を実施し、高齢者等が住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、幅広い支援を行っております。今後も、本プロジェクトを推進することにより、高齢者等の居住の安定を図ってまいります。
介護施設の存続には大規模改修に耐えられる財政支援が必要
(小林れい子区議)
社会福祉法人・福音会が特養ホーム「白山の郷」等、文京エリアでの全事業から2024年度末に撤退すると、昨年11月の厚生委員会で報告されました。報告の中で「9月に突然法人から申し出があった」としていますが、区としてもっと早く実態をつかんでいたのではないですか、伺います。
日本共産党文京区議団は、昨年12月15日に区長に対して緊急の申し入れを行い、福音会の継続運営を強く求めてきました。福音会が提出した10月11日付けの区長宛ての文書では、大規模改修時の入居者減、職員の配置転換に伴う大幅な介護報酬の減収により事業継続が困難であることや、文京区からの具体的な資金支援が見込めないこと等が記されていますが、撤退に至った理由は何なのか、また福音会から何らかの相談や支援の要請があったのか伺います。今後、白山の郷以外の撤退事業者を出さないためにも、撤退を承諾するに至るまでの検証をするべきです。伺います。
日本共産党は、大規模改修時の入所・利用者や事業者への負担は、区の対応いかんで回避できるはずであり、事業者の交代で更なる入所・利用者への負担をもたらすより、財政支援を強化するなどして、区が介護保険者としての責任をはたすべきことを求めてきましたが、撤退決定の前にできたことはなかったのか、支援はできなかったのか伺います。
区はその後、福音会の後継法人を選定するにあたってプロポーザル方式をやめて、一定の条件を付けて後継法人を選定するとしていますが、なぜこのような方針になったのか伺います。また、居ながら工事はやらないという改修工事の手法の判断の決定の経過、かつてみどりの郷が60床から29床になったようにベットの縮小はないのか、ユニット型を取り入れるのか、一旦他施設に移った方の対応はどのようにするのかあわせて伺います。
この間、区が、入所者や家族に対して開催した説明会では、利用者や家族からは、なぜ赤字になったのか、介護ケアが丁寧であり、長年、お世話になっている職員にケアを続けてほしい、福音会が作るスイーツや行事食がおいしい等の声が寄せられました。区として今後の施設運営を含め、これらの声に寄り添った対応が求められると思いますが伺います。
区は11月の日本共産党の本会議質問に対し、他の4特養についても、「物価高騰等に伴い、事業運営経費の負担が増えており、収支状況に影響を及ぼしている」と答弁がありました。「白山の郷」のようなことを繰り返さないために、区は直ちにこれらの施設の経営状況を把握し、介護施設の改修時の経営支援を含む区独自の財政支援や、介護従事者確保と賃金アップへの支援等、最大限の援助を行うよう求め伺います。
さらに、国に対して介護報酬の更なる引上げと、介護報酬とは別枠で公費で負担する処遇改善交付金を介護職員だけでなく、看護職員や事務職員などにも拡大して創設することや、改修時の補助金の創設を、都に対しては補助金の増額を求め伺います。
(区長答弁)
次に、特別養護老人ホーム文京白山の郷に関するご質問にお答えします。
まず、契約解除についてのお尋ねですが、文京白山の郷については、従前から、運営状況を踏まえ、区と運営法人とで、運営費補助の見直しや収益改善について協議を行ってまいりました。
この間、区としては、コロナ禍や物価高騰対策として、約2,800万円を給付するなど、時勢を捉えた支援を行ってきたところです。そして、本年度、運営法人からの改善要望を踏まえながら、大規模改修についての具体的な検討を進めていたところ、昨年9月下旬に契約解除の申出があり、10月11日付けで法人理事長からの通知が提出されました。
法人とのヒアリング等で、収支状況の改善の見込みがないことや、法人が運営する他施設の大規模改修との両立が難しい等の話を伺い、これらの説明等を受け、やむなく契約解除の申し出を承諾いたしました。これまで様々な協議を行ってきたところですが、今般の契約解除については、区としても突然の申し出でありました。
次に、後継法人の選定や大規模改修についてのお尋ねですが、突然の契約解除に対する入所者等の不安を早急に解消するため、残された期間を考慮し、円滑かつ可及的速やかに手続を行う必要があります。このため、後継法人については、区内において介護施設サービスの運営実績がある法人や、小日向二丁目国有地における特別養護老人ホーム等の整備・運営事業者公募に応募いただいた法人の中から、実績等を踏まえて選定することとし、法人の意向を確認の上、選定を進めてまいります。
また、改修工事の手法については、基礎調査を実施し、施設の構造及び必要となる工事の範囲から、居ながら工事を実施することが困難との結果に基づき判断いたしました。改修にあたっては、多床室を維持した上で、後継法人の意見を伺いながら、改修内容について検討してまいります。
入所者については、個別に意向を伺い、より丁寧に対応してまいります。なお、今後の施設運営や事業引継ぎ等については、入所者等の意見も踏まえながら、事業者選定後に協議してまいります。
次に、介護施設への財政支援についてのお尋ねですが、旧区立特別養護老人ホーム等の収支状況については、各法人より毎年度報告を受け、運営上の課題についても共有しており、施設改修についても、運営法人と協議しながら進めております。介護従事者確保については、介護職員などに対し、介護施設従事職員住宅費補助、介護職員等宿舎借上げ支援事業補助を実施しており、引き続き、支援を行ってまいります。
また、国においては、処遇改善を図る支援補助金の実施に加え、来年度には、介護報酬の改定が予定されており、都においても、民間特別養護老人ホーム大規模改修費に対する補助の増額に加え、来年度より介護職員・介護支援専門員居住支援特別手当事業を開始することなどから、国や都に対し、さらなる制度拡充等を要望することは考えておりません。
シビックより老朽化する公衆トイレなど区民施設の改修を急いで
(小林れい子区議)
現在作成中の公共施設総合管理計画は、今後10年間の区有施設の更新や改修にかかる総額を1,510億円としています。その際、1平米あたりの単価を81万8千円としていますが、これは青柳保育園、六義公園・運動場の管理棟、児童相談所、誠之小、柳町小、明化小の新築の工事費から算出したものです。しかも、区民文化施設、社会教育施設、産業施設、行政施設、その他施設にもこの単価を使っています。立地環境や機能が異なるのですから無理があると考えますが認識を伺います。また、今回、公共施設総合管理計画作成にあたり、比較・検討した単価および、それらの単価を使って計算した今後10年間の更新費用をそれぞれお答えください。
文京区が保有する区有施設の総延床面積約45万平米のうち、シビックセンター全体の延床面積は約8万平米で17%を占めます。今後10年間で更新等にかかるという1,510億円のうち、シビックセンターはいくらなのか、伺います。
シビックセンターは建設費も含めて1,390億円が投入され、その後大規模改修が粛々と進む一方、公共施設総合管理計画では、老朽化が進んでいる白山・千駄木交流館は「2034年以降に建替え」と先送りされ、駒込公園内公衆トイレには区民から「この臭いは何か?今の時代にまだあるのはなぜか?」というもっともな指摘が寄せられています。しかしそれでも改修時期すら示されていません。猫又橋際、浅嘉町公衆トイレなどの古い公衆トイレとともに老朽化している区民施設は今すぐ改修をするべきです。伺います。
経済の振興のために伺います。
区の調査では、小売業の家電家庭用機械事業者の25%が「経営上の問題点」としてあげたのが「販売納入先からの値下げ要請」でした。区は価格転嫁の相談については専門の窓口は設置せず、新橋や立川にある国の「価格転嫁サポート窓口」につなぐとしていますが、ここの相談件数は増えており「すぐに予約が取れない状況」です。文京区でも価格転嫁の専用相談窓口も設置すべきです、伺います。
民間の調査では、2023年に休業・廃業、解散した企業は4年ぶりに急増し、前年に比べ10%増え5万9,105件に達し、今後「物価高騰と人手不足による人件費の上昇など、引き続き厳しい経営環境に晒されている中小企業は少なくない」「2024年も休廃業・解散は高水準」と分析しています。
区内でも創業110年の花屋が廃業しました。関東大震災や東京大空襲を乗り越えた地域の商店が、コロナ禍と物価高騰で廃業に至っているという厳しい実態を直視し、区の中小企業事業継続補助金の第2弾の支給、固定費補助などを行うこと。またプレミアム付き商品券は復活し、キャッシュレス決済ポイント還元は冬だけでなく夏も行うべきです。伺います。
(区長答弁)
次に、公共施設等総合管理計画に関するご質問にお答えします。
まず、更新や改修に係る試算単価についてのお尋ねですが、現行計画で用いた一般財団法人自治総合センターが示す単価は、平成23年に示されたものから更新がされていないことや、本区の実情を踏まえたものではないことから、実績と乖離したものとなっております。
計画の改定にあたっては、この間の物価高騰や地域の実情を踏まえ、本区において、令和元年度以降に実施した大規模工事の実績により算定した単価としております。現時点においては、本区の実情を踏まえた最適なものと捉えておりますが、引き続き、物価上昇の影響や今後の工事実績等に注視しながら、中間見直し等の時期を捉えて、適宜更新してまいります。
次に、比較検討した試算単価及びそれぞれの試算額についてのお尋ねですが、試算単価の設定にあたっては、区実績単価のほか、3つの試算単価について検討しております。現行計画で用いた単価は、1u当たり、更新が33万円から40万円、大規模改修が17万円から25万円となっております。
これに物価上昇率等を反映した単価は、更新が39万6千円から48万円、大規模改修が20万4千円から30万円となっております。
また、国の建築着工統計に基づく単価は、更新が31万3千円から57万7千円、大規模改修が18万8千円から34万6千円となっております。これらは、いずれも区の実績単価と大きく乖離したものであることから、区の実績単価を用いた算定を行ったものです。なお、それぞれの単価を用いた費用の試算は行っておりません。
次に、シビックセンターに係る費用についてのお尋ねですが、計画の改定において試算した、今後10年間の更新等に係る費用約1,510億円のうち、シビックセンターに係る費用については約271億円となりますが、一定の条件に基づき試算したものであり、今後のシビックセンター改修工事に要する費用をお示しするものではございません。
次に、区民施設と公衆トイレの改修についてのお尋ねですが、本区ではこれまでも、施設を安全に使用できるよう、多くの区民が利用する施設を中心に、適宜、改修や更新を進めてきたところです。
今後、計画の改定において示した方針に基づき、工事時期が集中することがないよう調整を図りながら、中長期的な視点で計画的に改修や更新を進めてまいります。なお、猫又橋際、浅嘉町公衆便所については、道路の拡幅予定があることや、土地の面積が狭いことなどの理由により、現時点では整備を行う予定はありませんが、駒込公園内公衆便所については公園再整備工事において整備してまいります。
次に、経済振興に関するご質問にお答えします。
まず、価格転嫁相談窓口の設置についてのお尋ねですが、区では、東京商工会議所と連携した窓口相談や中小企業支援員による訪問相談により、価格転嫁を含む区内中小企業の課題やニーズを把握するとともに、経営に関する助言や支援事業の紹介を行っております。
区として価格転嫁の専用窓口を設ける考えはございませんが、専門性の高い相談については、東京都よろず拠点の「価格転嫁サポート窓口」のほか、中小企業庁の「下請かけこみ寺」などの関係機関につないでまいります。
次に、中小企業事業継続支援補助金等の実施についてのお尋ねですが、中小企業事業継続支援補助金、固定費補助、プレミアム付き商品券について実施する考えはございませんが、今後も、社会情勢や経済状況を勘案し、必要に応じた支援を検討してまいります。なお、キャッシュレス決済ポイント還元事業については、国・都の動向や、経済情勢を踏まえるとともに、事業主体である文京区商店街連合会と協議し、事業の規模、効果等を鑑みながら、適切な支援を実施してまいります。
小日向台町小学校の改築は敷地外の仮校舎の活用で工期の短縮を
(小林れい子区議)
私たち日本共産党は、「住民が地方自治の主人公」という観点から「小日向二丁目国有地を小日向台町小の仮校舎用地に」との住民要望を受け、昨年12月15日、「町会等地域住民に早期に情報提供し、説明会を開催すること」を区長に求めました。
その際口頭で、跡見学園テニスコートや旧鹿島小日向アパートなど学校周辺の活用の可能性のある何か所かの土地について早急に交渉するよう、また仮校舎建設場所として音羽中学校グラウンドをと提案してきました。
この度、小日向台町小学校に近接した「茗荷谷研修所」(以前は第一勧業銀行茗荷谷研修所)を改修し、小日向台町幼稚園・児童館・育成室の仮園舎等として活用する方針が示されましたが、これによりどれくらい工期短縮できるのか伺います。
子どもたちの最善の利益、地域の方々の要望を追求した場合、小学校と幼稚園等を一体化する「小日向台町小学校等改築基本構想」をバージョンアップさせ、仮園舎としてではなく本格的に移転させるために、土地を購入する交渉をすべきと考えます。それにより、一定の校庭等も確保でき、騒音・振動への負担も軽減させることができるのではないでしょうか。そして、仮校舎用地確保のために引き続き区として尽力し、併せて国有地の暫定利用も視野に入れた検討も行うよう求めます、お答えください。
小日向台町小学校は、今日までの85年間、約15m高さ・3階建ての現校舎として存在してきましたが、現在、校舎の立地場所は「第一種低層住居専用地域」で「高さの限度は10m」とされています。この条件で、地域の方々の理解を得られるような設計は可能でしょうか、お答えください。
学校統廃合をしないという決断をした時から校舎の改築計画を持つべきでした。今、児童数の増加と35人学級への対応が必要になり教室不足で増築棟や仮設校舎が必要となる学校が次々と生じていますが、説明不足から住民要望との不一致が問題になっています。そうした事態を生じさせないためにも早い時期から仮校舎用地の確保を積極的に模索し、住民の方々との合意を図れる話し合いを重ねるべきです。伺います。
(教育長答弁)
教育に関するご質問にお答えします。
はじめに、小日向台町小学校等の改築についてのお尋ねですが、幼稚園、児童館及び育成室を茗荷谷研修所に一時移転することにより、これらの代替施設を学校敷地内に建設する必要がなくなります。そのため、一定程度の工期短縮につながると考えております。具体的な工期については、設計業務の中で検討を進めてまいります。
当該建物につきましては、所有者の意向により、定期建物賃貸借契約を締結する予定であり、土地建物の購入は考えておりません。なお、小日向二丁目国有地につきましては、特別養護老人ホーム、地域密着型サービスと育成室を複合した施設とすることとしております。
建築基準法等の法令を始め、様々な条例や要綱への適合、建物の防火や避難等の安全面の確保など、対応が必要なことから、現在計画している特養等の面積を確保したうえで、仮設校舎の建設に必要となる面積を確保することは難しいと考えております。
小日向台町小学校等の設計に当たっては、学校所在地における建築基準法等の諸条件の制約の中で、できうる限り敷地を有効活用し、多様な学習内容、学習形態に対応できる学校施設としてまいります。
また、地域への開放や避難所機能の強化等、地域福祉の向上にも資する施設となるよう、検討を進めてまいります。
次に、学校改築における地域との合意形成についてのお尋ねですが、学校改築の際には、これまでも改築基本構想検討委員会を開催し、PTA・近隣町会等、様々な関係者に参画していただき、公開の場にて改築の方向性を検討してまいりました。今後とも、地域の特色を活かした学校づくりとなるよう、広く意見を集約する方法等について、更に検討してまいります。なお、現在、区内には仮設校舎を建設できる適地はありませんが、適地が見つかった場合には、活用の可能性について、様々な角度から調査を行ってまいります。
学校給食費の無償化に続き、教材費の無償化を!
(小林れい子区議)
学校給食無償化に続き、教材費無償化を求め伺います。9月の決算総括質問で教材費については「小学校6年間で42,000円、中学校3年間で37,000円」と判明しました。憲法26条1項には教育を受ける権利、2項には「義務教育は無償とする」と明記されています。中野区に続き、品川区でも就学援助の所得制限を外すことで、学用品費の無償化を実現します。文京区ではいくらあれば実現できますか、伺います。
さらに、給食費無償化の財源については都が学校給食費補助の1/2を負担することを明らかにしましたが、日本共産党が昨年6月議会で要求していたように、都や国が全額負担するように求めてください、伺います。
(教育長答弁)
次に、教材費及び学校給食の無償化についてのお尋ねですが、区では、小・中学校に在籍する児童・生徒に対する給食費の支援や、児童手当の対象外となっている子育て世帯、並びに高校生世代に対する区独自の給付金の支給等、様々な子育て支援メニューを用意し、広く支援を行っているところです。こうしたことから、教材費の無償化については予定しておりませんが、子育て世帯への支援全体の枠組の中で検討すべき課題と認識しております。なお、現時点において、実施の予定はないことから、無償化にかかる経費の試算は行っておりません。
また、義務教育段階における学校給食の無償化については、国の財政負担による恒久的な制度として早期に実現するよう、すでに特別区教育長会から要望を行っております。
竹早公園・小石川図書館の一体的整備後の管理運営は「直営」で
(小林れい子区議)
「竹早公園・小石川図書館」の「一体的整備基本計画(中間のまとめ)」が出されました。限られた敷地の中、高低差を生かした土地利用で公園スペースを拡充し、共有部分等を有効に活用することは重要です。引き続き、区民の声に基づき、区民の理解を得ながら計画を策定していくことを求め、伺います。
そして、今後は管理運営が課題です。現在、竹早公園は直営、図書館とテニスコートは別々の指定管理者ですが、計画には「指定管理者による一体的な運営が望ましい」とあります。すべての管理を一つの指定管理者に任せるつもりですか、伺います。
この間、目白台運動公園は、区も「いくつかの課題がある」と認識しているとおり、指定管理者の杜撰な管理で樹林地や芝が荒れ、産業廃棄物の不法投棄もありました。肥後細川庭園は事業者の応募がなく、直営に戻ります。こうした指定管理の現状を踏まえ、今回の整備をきっかけに、小石川図書館の指定管理は直営に戻し、真砂図書館と並ぶ本館機能を持たせたうえ、公園やテニスコートも合わせた管理運営および区民サービスを充実させるべきです、伺います。
2020年に文教委員会で視察を行った「ゆいの森あらかわ」は、図書館や子どもひろばなど、3つの機能が一体となった融合施設となっており、区が直営で管理をしています。1日の来館者は約2,000人、乳幼児や高齢者も多く来館する施設だからこそ、避難施設としての機能も兼ね備え、備蓄倉庫に粉ミルクや離乳食の保存もしており、図書館前の広場にはトイレを設置するなど、災害時の防災拠点として整備されています。区でも同様に、図書館および公園の防災機能も充実させるべきです、伺います。
(教育長答弁)
次に、竹早公園・小石川図書館の一体的整備計画策定にあたっての区民の意見や理解についてのお尋ねですが、これまでも、アンケートやワークショップなどを通じて、竹早公園やテニスコート、小石川図書館の利用者や、地域の声を丁寧に伺い、限られたスペースの中で、導入する機能やサービスについて検討してまいりました。 引き続き、多様な人々が交流し、賑わいのあるコミュニティの場となるよう、施設利用者や地域の声を伺い、一体的整備の基本計画をまとめてまいります。
最後に、小石川図書館等の管理運営体制についてのお尋ねですが、一体的整備では、現在点在している建物の集約や複合化により、効率的な施設整備を行うこととしております。また、テニスコートと図書館の機能更新に加え、共有部分を介した各施設の機能連携を図ることで、一体的整備のコンセプトである、「多様な人が交流する賑わいのある空間の創出」を目指してまいります。
管理運営につきましては、一体的整備の効果を最大限に発揮できるよう、民間事業者のノウハウを生かした、指定管理者による敷地全体の一体的な管理運営体制が望ましいと考えております。なお、小石川図書館は、指定管理者制度により、民間事業者のノウハウと司書の専門性等を生かした創意工夫がなされ、適切に運営されていることから、区直営とする考えはございません。
(区長答弁)
次に、竹早公園・小石川図書館一体的整備における防災機能についてのご質問にお答えします。
防災機能の向上については、竹早公園・小石川図書館一体的整備の整備コンセプトの一つとなっており、今後、基本計画の策定や設計を進めていく中で、必要な防災機能について検討してまいります。
保育士の配置基準の拡充と処遇改善は喫緊の課題
(小林れい子区議)
最善・平等の保育環境を求め伺います。
この間、保育園の待機児童解消が課題となり、保育経費を余らせ貯めて保育以外の事業にも「流用」できる保育委託費の弾力化など、規制緩和で多くの企業立の保育園ができ園庭が無い、パート保育士で配置基準を辛うじて満たすなど、保育環境の劣化が起きています。仕事の大変さに賃金が合わず保育士が辞めてしまう実態もあり、保育士を雇うため紹介企業に100万円払った園もあるそうです。保育士の処遇改善が急務です。公定価格を増額し保育士の賃金を月5万円引上げ全産業平均並みにすると共に、賃金の上昇が11年で頭打ちの国基準を見直し、経験年数に応じ賃金が上昇するよう合わせて国に求めて下さい、伺います。
この実態を変えようと「子どもたちにもうひとり保育士を」という運動が国を動かし、76年ぶりに4・5歳児の保育士の配置基準が変わりました。しかし、国は先送りできるよう「経過措置」を設けるといいます。そこで、区内の保育所では新基準を新年度から実施すると共に、国に経過措置は3年で終了するよう求めるべきです。また、0〜2歳の保育士配置基準も拡充するよう国に要求してください、それぞれ伺います。
保育士の配置基準が拡充されたといっても4・5歳児25人、3歳児15人あたり保育士1人という基準では「おしっこに行きたい」という子どもに対応している間、他の子どもは放置され我慢を強いられることになります。職員会議も開けず、保育士の有給休暇や生理休暇を保障することも困難です。配置基準の保育士だけで園の運営は成立ちません。
そこで、区立園で最大規模の向丘保育園と千石保育園における認可基準の保育職員と認可基準外の保育職員の人数を職能ごとにお示しください。同様に、地域型保育を除いた私立認可保育園77園の保育士の総数について、必要とされる基準による保育士数とそれを上回る保育士数の内訳を示してください。なお、必要とされる基準の職員のみの園数も伺います。
(区長答弁)
次に、保育環境に関するご質問にお答えします。
まず、保育士の処遇改善についてのお尋ねですが、公定価格は、国家公務員給与の改定状況や物価動向等を踏まえ国が決定するものであり、国への申し入れは考えておりません。
次に、保育士配置基準の改正についてのお尋ねですが、国の基準の改正を受け、区においても、保育士配置基準に係る条例を改正する予定です。
新たな配置基準に係る経過措置については、基準に見合う保育士を確保できず、改正された配置基準に基づいた保育の提供が困難となる保育施設が出る可能性もあることから、国の基準と同様に設ける予定です。経過措置期間の終期については、国に意見を申し入れる考えはございませんが、保育施設が保育士を安定的に確保できるよう、保育士の処遇改善に要する財源について、引き続き区長会を通して、国に対し要望してまいります。なお、0歳から2歳児の保育士配置基準については、国の「こども未来戦略」において、1歳児の配置基準の改善が示されていることから、国に改正を求める考えはございません。
次に、向丘保育園及び千石保育園の職員数についてのお尋ねですが、現在の国の保育士配置基準では、向丘保育園は14人、千石保育園は15人の保育士の配置が必要となりますが、本年度の正規職員はそれぞれ19人、21人を配置しております。
また、保育士以外の基準職員については、両園とも施設長、嘱託医及び調理員3人相当の配置に加え、必置とされていない看護師1人、栄養士1人、用務員2人を配置し、様々な職種の職員が連携して園運営を行っているところです。
次に、私立認可保育所の職員数についてのお尋ねですが、令和5年4月1日時点の公定価格上の基準に基づき必要とされる常勤保育士は602人、基準を上回る常勤保育士を配置し、保育士雇用費の加算の対象となっている常勤保育士は294人、加算がついていない園は7園となっております。
手話言語条例に基づき、障がい当事者参加で施策の具体化を
(小林れい子区議)
手話言語条例および意思疎通促進条例について伺います。
文京区でもようやく手話言語条例が制定されることになりました。手話は言語であるという認識の下、手話言語を獲得する権利、手話言語で学ぶ権利等5つの基本理念が入ったことは、長年の関係者の努力のたまものであると思います。この間行われたパブリックコメントには94件の意見が寄せられ、@災害時、緊急時の聴覚に障害を持つ人々への情報の伝達と、支援を呼びかける手段の対応を行うことA施策の具体化を検討する場を設けていただき、その際、多様な障害を持つ方も参加させてほしいB手話言語と音声言語が対等なものであることを改めて確認してほしい等の意見が出されています。これらの具体化について伺います。また、意思疎通促進条例制定を契機に、区有施設にヒアリングループ(磁気誘導ループ)の設置他、補聴器購入補助の対象年齢の拡大や所得制限撤廃と補助額の増額、区が主催する聴力検査を自治体健診に追加すること、区の各種講座における文字通訳の全体投影等の具体化をはかって下さい。伺います。
これらの施策を行うためにも、東京都の手話言語条例第15条にあるように、財政上の措置について条例上明確にするよう求め伺います。
(区長答弁)
次に、「手話言語条例」及び「障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通の促進に関する条例」についてのご質問にお答えします。
パブリックコメントにおける様々なご意見をはじめ、手話言語を必要とする方にとっての課題や、障害のある方の意思疎通等を促進する上での課題を解決するための具体的な施策については、条例を制定する趣旨を踏まえ、当事者団体から意見を聴取する機会等を通じて、議員ご指摘の課題等を含めて検討してまいります。
なお、条例の規定に関わらず、必要な施策については、適切に予算措置してまいります。
「平和外交」と「ガザ攻撃中止」を国に求めよ
(小林れい子区議)
暮らしの支援や能登半島の被災地復興に切実な願いが募る中、自民党の派閥パーティーの裏金事件に国民の怒りと不信が広がっています。問題は派閥ではなく裏金であり派閥解散より、裏金がどうつくられ、何に使ったのか真相を解明し、再発防止のために企業団体献金を禁止すること必要ですが、認識を伺います。あわせて、大阪万博を中止し能登半島の被災地救援に全力を挙げるよう国に求めてください、お答えください。
平和への願いも切実なのに、政府は5年で43兆円の軍事費という大軍拡を進め、首相は9月迄の憲法改悪を公言しています。しかし、東南アジアのASEANでは加盟国が年1,500回の対話を積み重ね平和と安定を追求しています。国際紛争を武力や戦争など軍事力で解決することを放棄した憲法9条を持つ日本が進むべきは、集団的自衛権行使容認と敵基地攻撃能力保有を撤回し、憲法9条を活かした平和外交で、ASEANの流れを北東アジアに広げ戦争の心配のない平和な地域にしていくことにあると考えますが、区長に見解を伺います。
11月議会で、共産党区議団が提案した「ガザ攻撃中止」を求める意見書は、意見書小委員会委員長の報告によると「既に外務省が民間人への攻撃中止を求めている」との理由で却下されました。しかし、ガザの犠牲者は2万5千人を超えました。そして、200を超える地方議会でガザ攻撃中止の意見書が採択されています。全ての議員の皆さん!今議会で「ストップ・ガザジェノサイド」の意見書を採択することを呼びかけたいと思います。そして、区長からも国にイスラエルによるガザへの攻撃中止を求めて頂きたいと思いますが、見解を伺います。
(区長答弁)
次に、国の政治資金をめぐる問題についてのご質問にお答えします。
政治資金や企業団体献金に関わる問題については、国において議論されるべきものと認識しており、区として意見を申し上げる考えはございません。
次に、被災地支援についてのご質問にお答えします。
広域の被災地復興支援については、国が取り組んでいるものと認識しており、区として国に働きかける考えはございません。
最後に、平和外交及び国際情勢などについてのご質問にお答えします。
本区では、平和宣言及び非核平和都市宣言を行った自治体として、平和事業を推進するとともに、平和首長会議の一員として活動するなど、国際平和を願う立場は従前から変わりありません。
中東・アジア諸国における国際紛争の解決に関しては、現在、国において取り組んでいるものと認識しており、区として意見を申し上げる考えはございません。
〒112-0003
東京都文京区春日1-16-21
文京区議会内
TEL.03-5803-1317
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