◎物価高と円安、年金削減と低賃金など国の無為無策から生活守れ
◎シビック改修より、特別教室と暗くて怖い公園トイレ改修優先を
◎個人情報保護において区条例が掲げる基本的人権擁護は継承すべき
◎学校の全トイレ洋式化と給食無償を、教職員が元気に働ける環境を
◎文京区の保育予算は全額文京区の子どものために使うべき
◎第2のb-labと育成室増室・過密化解消を早く
◎新型コロナの早期発見・治療の体制と介護保険改悪中止を求める
◎地域経済担う商店・中小企業へ固定費支援や制度融資減免を求める
◎年をとっても文京で住み続けたいという切実な区民の声に応えよ
◎宝生ハイツ建替え現プランの公開空地は、公開空地の名に値せず
物価高と円安、年金削減と低賃金など国の無為無策から生活守れ
(金子てるよし区議)
政府はアベノミクスの金融緩和から転換できず、円安と物価高に無為無策。年金削減と低賃金は暮らしを壊し続けています。こんな時こそ、暮らしを守り福祉増進を役割とする自治体の役割が問われます。
区長は75歳以上が世帯主の1万1千世帯と住民税均等割のみの2,200世帯へ3万円を給付する臨時給付金を実施します。わが党区議団は、9月議会で住民税均等割の5千人へ給付を求めましたが、なぜ、均等割り世帯と75歳以上の世帯主を対象としたのか理由を伺います。
9月には円安で輸入物価が前年比48%上がり、10月は食品6,500品目が上がり、11月は乳製品等765品目が値上げされました。よって、幅広い支援が必要です。
生活支援臨時給付金の対象を年収200万円の世帯に広げるよう求め、伺います。また、区長は高齢者への給付は8割近くが仕事からリタイアする75歳以上の世帯主を対象としますが、物価高に加え年金削減が直撃する65歳の世帯主まで広げるよう求め伺います。
消費税の5%への減税を国が決断すれば全国民への支援となります。既に100カ国が消費減税に踏み出しています。フリーランスや中小業者に打撃となるインボイス制度導入の中止と消費税減税を国に求めて下さい、伺います。
(区長答弁)
最初に、臨時給付金についてのご質問にお答えします。
国の重点交付金活用の推奨事業メニューにも、住民税非課税世帯以外の世帯を含む低所得世帯を対象とした、物価高騰による負担を軽減するための支援が示されていることから、今回の給付金については、すべての年代の、住民税均等割のみ課税世帯と、労働力人口が減り、主に年金のみの生活者の割合が増える世帯主が75歳以上の世帯等を対象としました。
年収200万円の世帯や65歳の世帯主まで支給対象を広げることに関しては、現時点では考えておりませんが、引き続き、社会状況や国の動向を注視してまいります。
次に、インボイス制度と消費税減税についてのご質問にお答えします。
インボイス制度導入及び消費税等の税制については、国において議論がなされるべきものであり、国に対し意見を申し上げる考えはございません。
シビック改修より、特別教室と暗くて怖い公園トイレ改修優先を
(金子てるよし区議)
文京区はシビックセンターを建設し、わずか27年間で1,370億円を投じました。当初の建設関連費が850億円、建設借入の利子33億円、維持費が26年間で360億円かかり、改修工事には既に128億円を投入しました。シビックには1年あたり毎年約50億円を投じ続けてきたことになり、コロナ禍と建設資材高騰の最中にも改修は粛々と進められています。
一方、小中学校の理科室・家庭科室・美術室など18校の特別教室202教室について、区は2年前に古くて改修が必要と判断したのに、やっと今度の冬休みに1教室の改修を行うだけです。区長が明言してきた「シビック改修より区民施設優先」との方針は撤回したのと同然ですが、明確にお答えください。
学校の教育環境だけではありません。2017年度に区長は公衆・公園トイレ53箇所が老朽化で改修が必要だと認めています。それから6年、今も21か所のトイレが古く汚いままです。
これは千駄木公園のトイレで、これは浅嘉町公衆トイレです。私は千駄木公園で遊ぶ小学生から「暗くて怖くておしっこに行きたいけど我慢する」と言う声を聞いています。シビックセンターには10年で改修工事を行う立派な計画があり、11年目以降の「将来工事」もやると宣言している一方、子どもが遊ぶ公園のトイレをいつまでにきれいにするのか、日程は白紙のままではありませんか。シビック地下2階の2か所のトイレはLED電球で明るくなりました。床のドライ化は長尺シートでなく、60センチ角の黒い自然石風のタイル張りなのと対照的です。
区長、今ここで快適な公園トイレに、いつまでに直すとスケジュールを示し約束してください、伺います。
(区長答弁)
次に、施設等の改修の考え方に関するご質問にお答えします。まず、「シビックセンター改修基本計画」についてのお尋ねですが、本計画では、区民施設改修の優先のほか、改修経費の平準化や、社会情勢等への配慮を基本としております。
今後も引き続き、こうした考え方に基づき、計画的に区民施設の改修等を進めてまいります。
次に、公衆・公園トイレについてのお尋ねですが、老朽化した公衆・公園トイレの整備については、白鳥橋の整備など、都の事業も含め改修時期が未定の箇所もあるため、全体的なスケジュールはお示しできませんが、個々の状況を踏まえ、公園再整備工事等の機会に着実に実施してまいります。
個人情報保護において区条例が掲げる基本的人権擁護は継承すべき
(金子てるよし区議)
国はデジタル改革と称して自治体の個人情報を企業に開放し「儲けのタネ」にさせる狙いで、データ流通の支障となる自治体の個人情報保護条例を廃止し、国の個人情報保護法の施行条例の制定を自治体に求めています。この個人情報保護法1条は「個人の権利利益の保護」について「配慮」するだけとなっています。
これでは現行の条例が掲げる「基本的人権の擁護」がどうなるのか心配です。「基本的人権の擁護」との文言を今後制定する条例に明記すべきです、伺います。尚、区が制定した個人情報保護条例を廃止することは、地方自治の侵害で認められません、見解を伺います。
自民党が反社会的団体である統一協会と今年の参院選で選挙協力していた事実が、次から次へ明らかになっています。これは、議会制民主主義を壊すものであり看過できません。区として第3者委員会を作り、区や区教育委員会、統一協会との関係の有無を調査するよう求め、伺います。
(区長答弁)
次に、個人情報の保護に関する法律施行条例についてのご質問にお答えします。
この度、「個人情報の保護に関する法律」が改正され、地方公共団体に直接適用されることに伴い、地方公共団体は、基本的には改正後の同法の規定に基づいて制度を運用いたします。
その上で、同法において条例によって規定することが想定されている事項や、同法と運用が異なる事項などを法律施行条例に規定するものです。したがいまして、「基本的人権の擁護」を法律施行条例に記載する予定はございませんが、個人情報の取扱いに当たっては、同法の目的及び基本理念等も踏まえ、適切に対応してまいります。なお、同法の施行に伴い、新たに法律施行条例を制定することは、地方公共団体としての責務であると考えております。
次に、旧統一教会についてのご質問にお答えします。
昨今、関連団体として多数の団体等の名前が挙がっておりますので、過去の実績について更に調査を進めているところですが、当該団体等に関連すると思われる事例は、現在確認しておりません。なお、区として第三者委員会を設置する考えはございません。
学校の全トイレ洋式化と給食無償を、教職員が元気に働ける環境を
(金子てるよし区議)
最善、平等の教育環境の保障を求めて伺います。
一つは、「快適性向上事業」の一環で進めたトイレの改修です。トイレの洋式化率と、未改修の学校、箇所数を伺います。今年改定された「学校施設整備指針」には、ニーズや衛生環境改善の観点から洋式便器、ドライ化を明記しています。来年度に改修し、洋式化100%を求め伺います。
二つは、学校給食の無償化です。党区議団はこの間、「義務教育は無償」を定めた憲法26条に則して、国が「学校給食費も無償化することが理想」と述べていたことも示し、完全無償化を求めてきました。学校給食の保護者負担金への国庫負担の内容と金額、また今年度、約8.6億円の学校給食事業費に対する国、都の支出金の額と率の過去3年分を、併せて伺います。
学校給食法は保護者負担とされている食材費について、自治体が全額補助することを否定していないと国会審議で答弁しています。来年度から23区で初めて葛飾区で完全無償化が実施されます。区は決算委員会で、現状においては「山積する課題を優先」と無償化自体は否定しませんでした。給食費保護者負担は、小・中学校9年間で一人50万円を超えます。文京区の場合は約7億円で完全無償化ができるのですから、国に無償化を求め財源を要望してください。632億円に達した基金の活用で、区独自に実施することも求め、併せて伺います。
次に、教員不足問題と教員の健康と働き方について伺います。教員不足が社会問題になっています。昨年4月、国では2,558人の教員不足が、都内の公立小学校でも約50校で教員が定数を満たしていませんでした。文京区では今年4月で、小学校で1名の定数割れが起きています。「文の京」の名折れではありませんか。その原因と対応、今後の対応策を伺います。教員不足のため、教員養成課程をもつ区内大学と連携して教員を目指す学生を積極的に区として雇用し、本採用を支援するなどプロジェクトを提案し、伺います。
教員不足の背景は、学校での異常な働かせ方にあります。「教員の長時間労働や土日の出勤」、「専門職としての自主性が尊重されない」など切実な声が上がっています。区立小中学校で残業が月100時間を超える先生方は、6月が27人でしたが8、9月の状況を伺います。また長期に休職する教員数、休職理由の内訳とメンタルヘルス疾患を併せて伺います。
教職員が元気に子どもたちに向き合える環境をつくるために労働安全衛生委委員会は極めて大事です。ところが、教職員が50人を超える13校には安全衛生委員会があるものが17校では委員会が無く、副校長が衛生推進者を担うにとどまります。それぞれ週一回の学校の巡視、月一回の会議の開催、産業医の配置、区教委の実態把握の状況を伺います。各校の課題を共有し統一的に対応し全体を統括する安全衛生委員会の廃止は誤りです。再設置を求め伺います。
文京区立図書館8館、2室の半径1q圏内に含まれない唯一の地域が白山1丁目地域です。
現在、育成室として活用している白山東会館隣地の土地は、今後、長年の願いになっている図書館を含む施設を開設し、図書館空白の克服を図ることを求め、伺います。
(教育長答弁)
はじめに、トイレの改修についてのお尋ねですが、トイレの洋式化率は95.4パーセントです。また、和式トイレの数は、小学校7校で26器、中学校7校で36器となります。プールの横など使用頻度が低いトイレを除いては、洋式化を完了しております。今後も、トイレの利用状況等も考慮しながら、内装改修工事やその他の工事と併せ改修を進めてまいります。
次に、学校給食の保護者負担金に対する国庫負担等についてのお尋ねですが、令和3年度の学校給食費に係る国庫負担は、牛乳1本あたりの供給価格に対して7銭、合計で約16万円の直接補助が行われています。なお、学校給食運営維持費や学校給食調理業務委託費などの学校給食事業費に対しては、国や都からの補助はありません。
次に、学校給食費の無償化についてのお尋ねですが、就学援助や給食費補助の制度により、生活困窮世帯に対しては、経済的な負担の軽減は一定図られているものと認識しております。
また、全ての児童・生徒に対して、年間11回の「和食の日」給食において、1食100円の補助や、新米の現物支給などを行っているほか、今年度については、食材費の高騰を踏まえ、6月より、毎食10円の補助を行っております。これまで、第3子への補助拡大など給食費の負担軽減を図ってまいりましたが、給食費の無償化については、多額の費用を要することから、先ずは、学校の増改築、屋上防水や外壁・サッシ改修など、現状における課題の解消と、新たに進める特別教室の快適化を優先的に進めてまいります。なお、現在のところ、国に無償化を求め、財源を要望する考えはありませんが、引き続き他自治体の動向を注視してまいります。
次に、教員不足についてのお尋ねですが、今年4月に小学校で教員1名の欠員が生じた原因は、学級編成過程における、急な転入にともなう学級数の増加によるものです。区の費用で非常勤講師等の人材を配置するとともに、各教員の担当職務を学校全体で工夫することにより、担任配置への影響は生じないよう対応しております。今後とも、教員に欠員が生じないよう、都教育委員会と連携し、正規教員や臨時的任用教員等の配置に努めてまいります。
現在、各学校では通常より長期間、教育実習生を受け入れているほか、教員を目指す学生に区立学校を体験してもらう機会を設けています。また、区立学校の教員等が区内大学で講義を行い、学生に教員の魅力を伝えております。引き続き、区内大学との連携を強め、教員の確保に努めてまいります。なお、教員の採用は、都教育委員会の責任において行われるべきものであり、区独自で教員を採用する考えはございません。
次に、教員の長時間労働等についてのお尋ねですが、超過勤務が月100時間を超えた教員数については、8月は対象者なし、9月は8人となっております。これらの教員については、医師の面談指導を受けるよう勧奨を行っております。
また、本年10月31日現在の長期休職者数は12人で、休職理由は、身体的疾患が1人、メンタルヘルス疾患が11人です。メンタルヘルス疾患の再発防止のため、フォローアッププログラムへの参加を促すなど、引き続き都教育委員会と連携して職場復帰支援に努めてまいります。
次に、学校安全衛生委員会についてのお尋ねですが、教職員が50人未満の17校につきましては、各校において衛生推進者を選任し、施設・設備等の点検及び使用状況の確認や作業環境・作業方法の点検、健康診断及び健康の保持増進のための措置、衛生教育に関すること等、衛生に係る業務を行っております。
また、教職員が50人以上の13校につきましては、衛生推進者と同様の衛生に係る業務に加えて、安全衛生委員会の開催や、職場巡視を実施しております。いずれの場合にも、安全衛生に係る業務については、各学校において適切に実施されているものと認識しております。
教育委員会事務局に学校安全衛生委員会を再設置する考えはございませんが、共有すべき課題等につきましては、必要に応じ、合同校園長連絡会等で共有してまいります。
(区長答弁)
次に、白山東児童館隣地の活用についてのご質問にお答えします。
白山東児童館の隣地については、当該地域において育成室の需要があることから、引き続き、育成室の暫定的な活用を図ることといたしました。なお、中長期的な活用については、当該土地を含め、児童館建物と児童遊園との一体的な利活用による整備も視野に入れ、将来的な行政需要等を考慮しながら検討してまいります。
文京区の保育予算は全額文京区の子どものために使うべき
(金子てるよし区議)
株式会社が運営する認可保育所の運営費が、保育士の給与や子どもの保育材料費に十分回らず、高額な役員報酬や、企業の事業拡大の原資になっていることが大きな問題となっています。
国が2000年に株式会社の保育参入を認めたことに端を発しています。党区議団が入手した運営費の「取り崩し協議書」によると、21年度は20社が40園から、少なくとも5億3,372万円を本部経費として流用し、他自治体へ流用もされていました。国は都区部の保育士の給与を年間約440万円と見込んで運営費を支給しています。しかし、低いところは年間200万円台で、国の想定給与額と大きな開きがあります。
保育園の運営費を他の用途に使うことを「運営費の弾力運用」と呼び、この使途は、他自治体の保育所の運営や建設、また、他自治体の学童保育所の建設、さらに、他自治体の高齢者施設への補助など、文京以外多様な施設の建設・運営・本部経費に回っています。これらは文京区の子どものために支出された委託費です。そこで、文京区はこの弾力的運用の申請・協議・受理にどのように関与しているのか、弾力的運用に異議を申し立てたことはあるのか、伺います。
また、委託費がその園の子どもに使われていない経費があり、その額がいくらか、区と事業者は父母に知らせるべきであり、保護者は当然知る権利があるが、これまで知らせてきたのか、また、今後父母に開示すべきと考えるが、あわせて伺います。
さらに、2000年以降の弾力的運用によって、区内の他保育所に流用された金額と区外の保育所、その他に流用された額はいくらか、それぞれの内容、総額をお答えください。
運営費の弾力的運用は、民間参入を促すためにできた制度ですが、他園や他自治体、他事業に使用しないよう、区として国、都に申し入れるべきです、伺います。
(区長答弁)
次に、委託費の弾力運用についてのご質問にお答えします。
弾力運用の協議については、事業者から提出された協議書等を都に送付する事務を担っており、これまでに異議を申し立てたことはございません。昨年度の委託費の弾力運用は、当初の協議総額で約8億4,000万円となっており、保育園は適切に運営されていることから、区は弾力運用に関する保護者説明を行っておりませんし、今後も行う考えはございません。また、事業者が保護者に対して説明を行うかどうかは、事業者において判断するものと考えております。
弾力運用先の内訳については、文書が保存されている平成29年度から昨年度までの合計で、区内の保育園については約4,000万円、区外の保育園については運営経費に約1億1,000万円、施設整備費に約5億9,000万円、その他については約4,000万円となっております。なお、委託費の弾力運用は、適切な施設運営が確保されていることを前提に認められている国の制度であり、他の事業等に使用することのないよう、国及び都に申し入れる考えはございません。
第2のb-labと育成室増室・過密化解消を早く
(金子てるよし区議)
b-labは出来てから8年、この間、すべての会派から早く第2のb-labをという要望が出されています。
区の統計資料で区立中のコロナ以前のb-labの学校別来館人数は、約1キロ圏内と近い第6中が2,694人と本郷台中学1,807人、他の文林中、十中、九中など8校は306人〜24人と大きな利用差が生まれています。これでは放課後活動に区が格差を持ち込んでいることに他なりません。
後者の学校はb-labから3Km程の距離があり、それ自体バリアです。第2のb-labを大塚地域活動センタ―跡地を活用して、早く作るべきです。新施設の新たな特徴、計画、規模、完成時期を伺います。
次に育成室についてですが、2001年に初めて利用料が3,000円と有料化され、今や月1万円と大変高額になりました。全国でも最高レベルと言われた文京の学童保育ですが、育成室の40人定員は覆され、40人〜49人が25室、50人以上が16室という超過密で、これでは子どもの発達に見合った指導が困難です。特別配慮が必要な児童が落ち着いて生活することも困難です。現状についての認識を伺います。
区の「子育て支援計画」によると7カ所の育成室を整備する予定ですが、待機児解消できるのか、41室に及ぶ40人以上、50人以上の過密学童保育の解消もできるのか、伺います。増設をさらに急ぎ、40人以上の育成室をなくすよう強く求め、伺います。
また柳町小育成室は、ワンフロアに4つの育成室を併設し、結局子ども達が入り乱れて、160人規模の育成室のような、大規模育成室と同じようになってしまうのではないでしょうか。同フロアに複数配置しないようすべきです。伺います。また、独立性を担保して、場所を他所に確保するとか、計画の見直しを求め、区の考えと具体策を伺います。
かねてから我が会派は、児童相談所の設置に合わせて「子どもの権利条例」をつくるよう区に求めてきましたが、これまで「研究課題」とされていました。江戸川区や中野区では、児童相談所設置にあわせて子どもの権利条例を制定し、子どもの声や権利を大切にした区政を目指しています。文京区で、2025年度にいよいよ児童相談所が開設されます。設置に合わせ、今こそ子どもの権利条例を定めるよう求め、伺います。
(区長答弁)
次に、大塚地域活動センター跡地の活用についてのご質問にお答えします。
大塚地域活動センター周辺は、教育施設が多く集積していることから、議員ご指摘の施設も含めて、将来的な行政需要や区民ニーズを考慮しながら、活用等を総合的に検討してまいります。
(教育長答弁)
次に、育成室の定員等についてのお尋ねですが、これまでも「子育て支援計画」に基づき、育成室の増設を進めてきたところですが、地域偏在もあり、おおむね40人が適正とされる定員を超える育成室があることについては、課題であると認識しております。引き続き、同計画に基づき、育成室の整備を進め、定員の適正化が図れるよう努めてまいります。
また、柳町小学校改築にともなう育成室整備については、4つの育成室それぞれに所定の放課後児童支援員を配置し、保育にあたるとともに、児童館のホールやプレイヤードなどの利用についても、利用時間をずらすなど、各育成室間で連携・調整し、安全面に考慮しながら運営を行ってまいります。これらの対応を行うことから、計画を見直す予定はございません。
(区長答弁)
次に、子どもの権利条例の制定についてのご質問にお答えします。
本区では、子どもの権利条約の精神に則り、「子どもの最善の利益の実現」を果たすべく、子育て支援計画を策定するとともに、子どもの人権に係る普及啓発に取り組んでおります。
令和6年4月施行の改正児童福祉法において、子どもの権利擁護体制として、子どもの意見聴取等の措置、意見表明等支援事業について整備が求められており、詳細は今後国から示される予定です。こうした動向も踏まえ、条例制定について、引き続き、研究してまいります。
新型コロナの早期発見・治療の体制と介護保険改悪中止を求める
(金子てるよし区議)
国は、新型コロナ感染症の全数把握を廃止し、重症化リスクの高い高齢者などに限定した保健医療体制へとコロナ対応を後退させました。9月26日より、発生届対象外となる感染者は希望する人のみ陽性者登録を行うことになりましたが、対象外の方にどう周知しているのか、今までの区民の登録人数は何人か、そもそも新型コロナ感染の状況の実態がわからなくなるのではないか、伺います。
第8波は、インフルエンザとの同時流行が懸念されます。医療逼迫を起こさないためにも早期発見、早期治療が重要であり、ワクチンだけでは感染拡大が抑えられないからこそ「いつでも、誰でも、何度でも、無料で」大規模検査を行うことが大切ですが、伺います。国や都に検査体制の確保を求め、区でも駅や薬局での検査の実施や検査キットの配布を行い、無症状でも検査できるようにすべきです、伺います。
第7波では、職員の流動体制を解消するため、外部委託業務、看護職の人材派遣、都からの長期にわたる業務応援等が必要でした。決算委員会で、保健所の正規職員の増員を求めたことに対し「所管課と相談の上、必要な人員体制を整えたい」との答弁でしたが、この答弁で「保健所が必要とする人員」とは何人で、次年度に向けて何人の増員を求めたのか、伺います。偽装請負を回避するため、むしろ負担増となる委託に頼るのではなく、保健師等の正規職員を増やし、保健所を2か所体制に戻すべきです、伺います。
国はマイナンバーカードに健康保険証を一体化させ、2024年に保険証を廃止すると打ち出しました。高齢者から、5年おきのマイナンバーカードの暗証番号の更新ができず期限切れになってしまったという相談が寄せられました。高齢者にとって、保険証廃止はさらなる混乱を招きます。国に中止にするよう申し入れるべきです、伺います。
国保料について、次年度には都道府県化による激変緩和措置がなくなるため大幅な値上がりが予想されますが、コロナ禍の今こそ国保料を引き下げ、均等割は未就学児の半額に止まらず18歳まで無料にすべきです、伺います。国に法定外繰入廃止の指示を止めるよう申し入れ、区としても継続するよう、あわせて伺います。
介護保険では、2015年に総合事業がスタートしましたが、この間、要支援1、2で介護保険から外された方は何人で、どんな影響があったのかを伺います。また、要介護1、2の保険外しが実施されたら、介護サービスを受けられない人は何人になるのか、あわせて人数をお答えください。安心できる介護制度にするため、これ以上の改悪はやめるよう国に申し入れるべきです、伺います。
(区長答弁)
次に、新型コロナウイルス感染症対策に関するご質問にお答えします。
まず、感染者の状況についてのお尋ねですが、高齢者等、重症化リスクの高い方を守るため、本年9月26日から全国一律で、感染症法に基づく医師の届出の対象を4類型に限定し、保健医療体制の強化・重点化を進めることとなりました。これ以降、区内の医療機関で陽性と診断された患者の総数は、医療機関からの報告により把握しております。
また、届出対象外の陽性者については、医療機関での説明や区ホームページにより、都の陽性者登録センターへの登録方法等を周知しており、10月31日までに登録した区民は、1,415人です。発生届が提出された方については、これまで同様、毎日の健康観察や入院調整等を保健所が行っており、発生届対象外の方も、都の陽性者登録センターの登録の有無にかかわらず、患者や関係機関等から相談があれば、保健所は継続的に支援を行い、必要に応じて入院調整等にも対応しております。
次に、大規模検査の実施についてのお尋ねですが、区においては、発熱等の症状がある方は診療・検査医療機関を受診し、無症状の濃厚接触者は区の検査センターで検査が受けられる体制となっております。
都は、症状がある方や濃厚接触者に抗原定性検査キットを無料で配布しているほか、無症状の方にはPCR等検査を無料で実施しております。また、高齢者・障害者等の入所施設の従事者に対する定期的な検査も実施しており、検査体制は整っていると考えております。したがいまして、区において、薬局等での検査や検査キットの配布などを実施する考えはございません。なお、区長会では国に対して、医療体制の整備、入院病床や宿泊療養施設の確保、検査体制の強化等について要望しております。
次に、来年度の保健所の人員配置等についてのお尋ねですが、保健所も含めた来年度の職員数については、多様化・複雑化する行政課題や区民ニーズに的確に対応するため、現在、必要な人員配置等を検討しているところです。
次に、保健所の体制についてのお尋ねですが、本年度も保健師等の正規職員を増員し、対応しておりますが、感染症の流行予測は困難であること、感染拡大の状況に併せて国や都の対応が随時変更されることなどから、柔軟に体制強化を図ることができるよう、人材派遣や業務委託も活用しております。なお、保健所では、柔軟に体制強化を図りながら、感染症対策を含め、様々な保健施策に対応する健康危機管理体制を構築しており、区民に身近な保健サービスについては、本郷支所を含む2か所の保健サービスセンターにおいて適切に提供できていることから、保健所を2か所体制にする考えはございません。
次に、国民健康保険等に関するご質問にお答えします。
まず、健康保険証とマイナンバーカードとの一本化についてのお尋ねですが、マイナンバーカードの保険証利用は、利用できる医療機関や薬局の数が少ないこと、マイナンバーカードを持たない方の保険診療など課題もある一方、健診結果や診療状況などに基づく受診や薬の処方が受けられるなど、医療の質の向上が期待できるものと認識しております。なお、一本化に向けた詳細については、国において検討すべき事項であり、国に対し中止を求める考えはございません。
次に、国民健康保険料についてのお尋ねですが、保険料率については、今後、区長会において様々な角度から議論を重ね、検討することとなっております。
また、国民健康保険制度の保険料負担については、国の責任において、共通の考え方により実施されるべきものと認識しており、18歳までの均等割廃止を区独自で行う考えはございません。なお、法定外繰入による保険料引き下げは、国民健康保険加入者以外の方との負担の公平性の観点からも望ましくはなく、将来的な法定外繰入の解消を見据え、検討していくべきものと考えており、国に法定外繰入の継続を求める考えはございません。
次に、介護予防・日常生活支援総合事業についてのご質問にお答えします。
介護保険の要支援者は、昨年度末時点で2,199人おり、本人の状態や希望に応じて、総合サービス事業や、介護予防サービスを提供しております。
総合サービス事業導入後も継続的にサービスを利用できていることから、利用者への影響はないものと考えております。なお、昨年度末時点の要介護1及び2の認定者は3,534人ですが、総合サービス事業への移行については、今後、国において議論される予定であり、その動向を注視してまいりますので、国に意見を申し入れる考えはございません。
地域経済担う商店・中小企業へ固定費支援や制度融資減免を求める
(金子てるよし区議)
中小企業支援について伺います。
区内のある旅館からは「観光客は戻ってきたが、ビジネス客や修学旅行の利用は戻らない。コロナ関連の支援金がなくなり、借金しながら経営を行わなければならない」との声が届いています。国や都に、中小企業への支援金の再開を求めるとともに、区として固定費補助を行うべきです、伺います。都議会では共産党の質問に対し「制度融資の債権放棄は可能」との答弁がありました。この答弁に則り、区でも中小企業に寄り添った対応をすべきです、伺います。
キャッシュレスポイント還元では高齢者等が置き去りになりがちなところ、プレミアム商品券の併用が23区中16区に広がっています。区でも、区商連への支援を強化して行うべきです、伺います。
(区長答弁)
次に、中小企業支援に関するご質問にお答えします。
まず、中小企業支援金等についてのお尋ねですが、国及び都が実施した支援金等の事業については、それぞれにおいて適切に検討、実施されているものと認識しており、区として再開を要望することは考えておりません。
また、固定費に係る給付金については、実施する考えはございません。引き続き、区内経済の状況等を鑑み、企業の事業継続と企業力の向上に資する支援を行ってまいります。なお、融資あっせんについては、必要に応じて、各事業者が金融機関と返済期間等の条件の変更を協議するものと認識しておりますが、区としては、企業の実情に即した伴走型の経営相談や設備投資等への補助等を通じて、区内中小企業の経営基盤の強化や企業力の向上を図ってまいります。
次に、プレミアム付きお買物券についてのお尋ねですが、実施主体である文京区商店街連合会との協議を踏まえ、キャッシュレス決済ポイント還元事業を実施するものであり、プレミアム付きお買物券を実施する予定はございません。キャッシュレス決済に馴染みの薄い高齢者等への周知と説明を丁寧に行うなど、より多くの方にご利用いただけるよう、意を用いてまいります。
年をとっても文京で住み続けたいという切実な区民の声に応えよ
(金子てるよし区議)
10月1日から75歳以上で一定の所得がある高齢者の医療費窓口負担の2倍化が強行されました。6月から年金支給額が減らされた上、異常な物価高騰が高齢者の命を脅かしています。
国は2025年9月末迄は、2割負担となった人に、口座登録すれば外来の負担が月3,000円を超えた分を戻すとしています。対象数、登録者数、そして未登録者へのフォロー体制、漏れずに受け取れる対策を求め、それぞれ伺います。
長生きへのペナルティーとも言える負担増ではなく、やるべきは医療費負担をなくすことです。私たちは予算修正提案しましたが、住民税非課税世帯の医療費無料化は7億5千万円でできます、決断を求め、答弁ください。
区長は、b-lab制作の冊子「Cha! Cha! Cha!」vol18で、中高生に区長を目指した理由について「地上げで祖母の友達の高齢者たちが友達もいない郊外へ引っ越して、亡くなっていく、そういうまちづくりでいいのか」と中学生のころに怒りを覚えたと語っています。その言葉そのままに、高齢者が住み慣れたところで住み続けたいと願う、その思いに応えるのが区長の役割ではないですか。お答えください。
そのためには、2004年に区立シルバーピア湯島の建設を最後に18年間1戸も増やさなかったシルバーピアの増設こそ進めるべきです。19〜21年度の単身世帯・世帯向けそれぞれの応募数と入居できた数をお答え下さい。
旧アカデミー向丘での育成室は、来年、誠之小新校舎に移れば、跡地活用できるので、シルバーピアや区設の銭湯をつくり、マンション等の空き室借上げで公営住宅を確保し、又、シルバーピア並みの家賃負担となる助成制度も創設すべきです、それぞれ答弁下さい。
現状の住宅政策は、区立住宅等の供給や家賃補助を謳う住宅基本条例を蔑ろにして「ストックの活用」と言いつつ、なぜ区立根津住宅を売却するのか、区の方針にも反するのではないか。売却で見込まれる金額とどう活用するのか、伺います。
児童相談所職員等の住宅の確保が必要です。売却方針を撤回して、区の住宅として活用することを強く求めます。伺います。
区内特養ホーム定員は633人、待機は10月1日で370人ですが、多摩地域の文京区民を受け入れる施設への入所希望者や、介護保険の住所地特例の方はそれぞれ何人か、お答えください。
東京都長期ビジョンでは、2025年までの区の特養整備目標は740人分です。遅れている小日向2丁目の財務省跡地への100人分が整備されても足りません。新たな整備地を早急に確保すべきですが、現状はどうなっているのか、お答えください。
難聴症状は、65歳以上で1,500万人と推定されます。難聴を医療のカテゴリーととらえ、補聴器購入の保険適用を国に求めるとともに、認知症予防につながることから区の補助を13万7千円の港区並みに引き上げること、お答えください。
B-ぐる料金は、高齢者や障害者、妊産婦等について無料化し、まず千石・白山、大塚坂下通りに新ルートを、次いで根津・中山道、または神田川沿いの目白台を通す拡充ルートを検討すること。運行ダイヤの見直しや逆回りルート、15分間隔運行とシルバーパスを使えるようにすること、以上お答えください。
(区長答弁)
次に、高齢者の医療費負担等に関するご質問にお答えします。
まず、負担軽減措置についてのお尋ねですが、東京都後期高齢者医療広域連合の速報値では、本区の10月1日現在の2割負担対象者は5,175人です。そのうち、高額療養費支給用の口座が登録されていない約2,500人の方へは、広域連合から事前申請書が送付されており、来月2日が申請期限となっております。なお、事前に口座登録申請をされなかった方に対しては、最初に返還金が発生する診療を受けた月から最短で4か月後に、広域連合から申請書を送付することとなっております。
次に、住民税非課税世帯の医療費無償化についてのお尋ねですが、医療機関の窓口における一部負担金については、法により、受診した際の負担が規定されております。
また、後期高齢者医療保険制度は、公費負担や現役世代からの支援金等、被保険者以外の負担により支えられています。一部負担金については、国において十分な検討や議論がなされており、区独自で住民税非課税世帯の医療費を無償化する考えはございません。
次に、シルバーピアの増設等についてのお尋ねですが、単身用の応募数については、令和元年度65人、2年度67人、3年度83人で、入居数は、元年度10人、2年度15人、3年度22人です。世帯用の応募数については、元年度19世帯、2年度16世帯、3年度22世帯で、入居数は、元年度2世帯、2年度2世帯、3年度3世帯となっております。
区では、高齢者に対する住まいの確保として、シルバーピア等の運営のほか、「文京すまいるプロジェクト」を実施し、高齢者が住み慣れた地域で安心して居住できるよう、幅広い支援を行っており、今後も、高齢者の居住の安定を図ってまいります。したがいまして、現時点で、シルバーピアや公営住宅の増設、及び家賃助成の拡充は考えておりません。
また、区は公衆浴場の経営支援を行っており、直接、浴場を設置する考えはございません。
次に、区立住宅等についてのお尋ねですが、区立住宅が、事業終了後も一般の住宅ストックとして流通していくことは、区の政策の方針に沿うものと捉えております。
売却額は、1戸当たり6,000万円程度と見込んでおり、その費用は当該建物内にある区有施設の維持管理費等に充当することとしております。
また、職員住宅は、平成27年度から防災職員住宅へ移行しており、防災職員住宅以外の福利厚生のための住宅を検討する考えはございません。
次に、特別養護老人ホームの入所希望者等についてのお尋ねですが、多摩地域の特別養護老人ホームについては、現在6か所で受け入れており、10月1日現在、18人が入所を希望しております。
また、10月末現在、区外の特別養護老人ホームに入所され、住所地特例が適用されている方は72人となっております。
次に、特別養護老人ホームの整備についてのお尋ねですが、特別養護老人ホームについては、「高齢者・介護保険事業計画」に基づき、公有地等の活用により、着実に整備を進めてきたところです。入所が必要な高齢者の増加に対応するため、小日向二丁目国有地への特別養護老人ホームの整備に向けて、国と協議を進めております。引き続き、介護が必要な高齢者がご自身の過ごす場所を選択できるよう、計画期間ごとに、施設の利用状況やニーズ等を勘案し、必要に応じ見直してまいります。
次に、高齢者の補聴器購入についてのお尋ねですが、高齢期における聴力の低下は、良好なコミュニケーション確保の妨げになるとともに、認知症の発症を招く大きなリスク要因になると認識しております。そのため、区では、補聴器購入費用助成事業を実施し、区報やホームページ等を活用して、より多くの方に補聴器を安全にご利用いただけるよう、普及啓発の強化に取り組んでいるところです。したがいまして、現時点では、助成金額を拡大する考えはございません。
また、療養費の支給対象は、治療用装具に限られているため、保険適用を国に求める考えはございません。
次に、Bーぐるについてのご質問にお答えします。
公共交通不便地域の解消については、社会情勢や交通システムの進展等を踏まえた上で、コミュニティバスを含め様々な公共交通サービスを総合的に検討していくべきものと考えており、ご指摘の新ルートや拡充ルートを直ちに検討する考えはございません。
また、逆回りルートについては、公共交通不便地域の解消につながらないことや、公益性と経済性のバランスや採算性にも配慮する必要があることから、実現は難しいものと考えております。さらに、料金については、一律100円と設定しており、高齢者等への無料化やシルバーパスの適用は考えておりません。なお、本年度は、Bーぐる全3路線の利用実態調査を実施しており、運行ダイヤや運行間隔を含め、既存路線の利便性向上に向けた取り組みについて研究を進めているところです。
宝生ハイツ建替え現プランの公開空地は、公開空地の名に値せず
(金子てるよし区議)
宝生ハイツ建替え問題で伺います。
宝生ハイツ建替えについて、「朝日」「東京」が取り上げ、TBSの「噂の東京マガジン」も報道し、計画変更を求める署名は2万筆を超え広がっています。区議会には桜蔭学園から8月31日に「学校に日陰を落とす建築計画にしないことの請願」が、9月に入ると都議会には「宝生ハイツの建て替えにより想定される学校法人桜蔭学園の教育環境等に関する請願」が出され、継続審議のままになっています。
今回の建設地である本郷1丁目は絶対高さ46mと定められており、容積率は400%のはずです。ところが公開空地の設置等により、600%に緩和され、高さ70mにする計画です。
今、この公開空地についていくつもの疑問が住民から出されています。
一つは急勾配の忠弥坂に大量の土を盛り、拡幅する「歩行者空間」が安全なのかという点、二つには地上3階の能楽堂の屋上が公開空地というのですが、急な長い階段や坂道を上らなければならず高齢者や障害のある方は使えないのではないかとの声、三つには1階の能楽堂のエントランスのメインアプローチ部分も公開空地としていますが、現在でも毎日複数の車が駐車しており、車を止めない公開空地になるのか疑問が出ています。
区の障害福祉課でさえ「建物入口から約76メートルを移動するのにスロープやエレベーターを導入するよう」要請し、幼児保育課も「かけっこやボール遊びなどが可能な場所として使用可能なスペースを確保してほしい」と要請しています。しかし、いずれも拒否しています。地上から公開空地と称する屋上までは、いったい何メートルの高さで階段は何段になるのですか、伺います。
日建ハウジングの計画がいう「公開空地」とは、「公開空地」の名に値するのか疑問がつきません。「公開空地」による容積率の緩和は認められないと都に主張すべきです。伺います。
宝生ハイツ管理組合が区と行った大型建築物の協議で、日建ハウジングシステムのプランに対し、アカデミー推進課は何ひとつ要請しなかったのはなぜか伺います。大型建築物の協議後、障害福祉課や幼児保育課の要請事項は何ら実現していないのに、アカデミー推進課は「本計画の検討を進めて下さい」と回答した理由を伺います。公開空地に値せず公益は増進しないのですから、容積は少なくとも本則の400%に留めるべきです。伺います。
また、今年の8月30日に東京都総合設計制度に係る許可申請についての都知事からの意見照会に対して、これだけの反対の世論があり、公開空地への区の要望が拒否されたのに、なぜ問題ない旨の回答をしたのか、また、東京都市街地建築部長から区都市計画部長への許可申請の照会にも、都市計画上、特段の意見はございませんと、回答していますが、区長、都市計画部長双方の照会内容の撤回と大型建築物の協議のやり直しを要望し伺います。
桜蔭学園からは、屋上の公開空地から校舎がのぞき見できる高さとなると不安の声が出ています。こうした桜蔭学園の教育環境保全を求める声に対して、区は決算委員会で私学の教育環境は所管外であるかの答弁をしました。とんでもありません。撤回を求め伺います。
昭和52年に9月に学校法人桜蔭学園と、住友建設株式会社及び社団法人宝生会の間で、「現在の高さ(位置及び容積を含む)を超えては、将来とも一切建築物を設置せず」との覚書を結んでいます。覚書は民間同士で取り交わされたものですが、9月議会のわが党の本会議質問に対して区は、事業者に対して丁寧な対応に努めるとしているのですから、覚書に対して約束を守るよう宝生会及び施工者に対して指導すべきではないのでしょうか。伺います。
(区長答弁)
最後に、本郷一丁目のマンション建替え計画に関するご質問にお答えします。
まず、建替え計画についてのお尋ねですが、事業者が、都に提出した総合設計制度の許可申請書によると、公開空地のうち、歩道状空地、坂下の広場状空地及びピロティ等空地は、道路とほぼ段差がない形状となっております。
また、能楽堂上部の広場状空地は、忠弥坂上入口からの高さは1メートル未満で、坂下の敷地からの高さはおよそ8メートルであり、階段の段数は、法令の基準等を満たすよう今後設計されるものと認識しております。
次に、公開空地による容積率の緩和についてのお尋ねですが、公開空地による容積率の緩和については、現在、都において、適切に審査されているものと認識しており、都に意見を申し上げる考えはございません。
次に、大型建築物等事前協議などについてのお尋ねですが、本件事前協議における区からの要請を行うより以前に、貴重な文化資源である宝生能楽堂の存続について宝生ハイツ管理組合へ依頼しているため、その後、改めて同様の要請は行わなかったものです。
次に、容積率に関してのお尋ねですが、先ほどご答弁申し上げたとおり、公開空地による容積率の緩和については、現在、都において、適切に審査されているものと認識しております。
次に、都からの意見照会などについてのお尋ねですが、本計画について、近隣住民等から、様々なご意見が寄せられていることは承知しておりますが、当事者間の話し合いにより解決すべき問題と考えております。そのため、総合設計の許可等の審査に係る意見を都へ伝える考えはなく、回答の撤回や、大型建築物等事前協議のやり直しを行う考えはございません。
次に、覚書についてのお尋ねですが、覚書は、取り交わした関係者間で誠意をもって解決するべきものと認識しております。
都においては、あっせんの機会などを通じて話し合いが円滑に進むよう努めるとしており、本区からも事業者に対して、地元住民等への丁寧な対応に努めるよう要望しております。
(教育長答弁)
最後に、私立学校の教育環境についてのお尋ねですが、個別の事案に関しては、区教育委員会として見解を述べる立場にはないものと認識しております。
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