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日本共産党文京区議会議員団は、区民のための区政を目指します

〒112-0003 東京都文京区春日1-16-21 文京区議会内

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議会報告Congress report

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2022年文京区議会2月定例議会
代表質問 小林れい子区議     2022年2月14日

コロナ禍で過去最高の歳入を見込む文京区財政の予算案について
 /査定・調整で削減された総額65億円以上の事業の今後について

コロナ第6波でひっ迫する保健所の現状と早急な体制強化を
子どもの施設での感染急拡大の現状と緊急対応を急ぐこと
急増する「自宅療養者」への対応の遅れと改善策について
区民が殺到する「無料PCR検査」を急ぎ拡充すること
コロナの影響を受ける保育園での「指導検査」の現状について
育成室の待機児童対策と保育の質と安全の確保について
地下鉄における痴漢問題と女性専用車両の導入について
千川増強幹線工事の3年の遅れと完成までの豪雨対策について


コロナ禍で過去最高の歳入を見込む文京区財政の予算案について
/査定・調整で削減された総額65億円以上の事業の今後について

(小林れい子区議)
 先月31日に発表された、来年度予算案について伺います。
 2022度予算案の一般会計予算は、今年度の4.1%増で過去最大の1,123億6千9百万円となりました。その大きな要因は特別区税、特別区交付金の伸びです。特別区税は今年度比で2.6%増、特別区交付金も13.2%の増です。この増収の理由を伺います。
 2021年度の特別区税は約350億円で、前年度・当初予算比で0.2%の減収を見込みました。昨年の予算案審議ではその要因を、「新型コロナウイルス感染症等の影響による生産年齢人口の流出に伴う納税義務者の減少や賃金動向、徴収率等…の影響を受けるものと分析」していました。
 同じく特別区財政調整交付金の今年度予算は189億円、「市町村民税法人分の減収見込みの影響を受ける」と前年比で13億円、6.4%もの減収を見込みました。
今議会の2月補正案で特別区税、特別区交付金の補正額と補正後の見込み額はいくらになるのか。また、当初の想定との乖離の原因について、現時点でのこれらの収入額は、過去の予算額・決算見込みと比べてどのような水準か、併せて伺います。
 コロナ禍の中で、高齢者や子育て世帯など区民のくらしや中小零細事業者の営業は大変厳しくなっているにも関わらず、資本金10億円以上の大企業内に蓄積された「内部留保金」は2020年度、過去最高の484兆円に達しました。東京23区でもとりわけ住民税法人分が伸びていると言われていますが、今年度の都区財政調整の再調整額と、来年度の財政調整の今年度対比での金額と率の伸びを伺います。

 区は21年度、都側に都区協議の中で減収補填対策として住民税法人分の減収分に係る減収補填債の発行も働き掛け、協力を求めた経緯がありました。また20年の決算委員会では、「令和2年度以降については、新型コロナウイルス感染症の影響により企業業績が悪化していることから、リーマンショック時と同等、又はそれ以上の減収になると想定しております」と答弁をしていました。リーマンショック後、東日本大震災後に20数億円の特別区交付金が減ったことを例に挙げて、危機感を振りまいたのではないか。区長は、21年度の予算編成当時を含めこの間の財政分析をどのように認識しているのでしょうか。併せて伺います。
 また21年度は、たとえば家具転倒防止器具設置助成事業で4,001万円の所管の要求額に対し75%、3,000万円を削減するなど、直接暮らしに係る事業を含めて、各所管課からの予算要求に対し、高齢者福祉事業費や生活保護費など例年と桁違いの総額65億円以上が「査定」、「調整」という名で削減されています。こうした判断によって、必要でありながら削除された事業があるのではないか、併せて伺います。
 2022年度予算編成方針では、「これまでのような特別区民税の伸びを期待することが 難しくなっている。また、都区財政調整交付金は…依然として新型コロナウイルス感染症が経済に与える影響を見通すことは困難であり、予断を許さない」と記されていますが、今年度の実績に立って、この方針は撤回、見直しをすべきです。伺います。そして、なによりも感染急拡大をしている新型コロナ感染症の感染予防対策と地域経済を回復させる施策をはじめとした、区民の命と暮らしを守る予算案にすることを求め、伺います。
(区長答弁)
 最初に、予算に関するご質問にお答えします。
 まず、令和4年度当初予算における特別区税等についてのお尋ねですが、特別区税は、納税義務者の増や徴収実績等により、特別区財政調整交付金は、企業収益の堅調な推移による市町村民税法人分の増収が示されたことなどにより、それぞれ増収を込んでおります。
 次に、2月補正予算についてのお尋ねですが、特別区税については、約12億円の増額を行い、補正後の予算額は、約362億8,700万円となります。3年度決算見込額は、徴収実績により、当初予算額に対して、3.4%の増となり、過去3年間とほぼ変わらない水準となっております。
 また、特別区財政調整交付金については、39億8,200万円の増額を行い、補正後の予算額は、228億8,200万円となります。調整税等の増収が示されたことなどから、当初予算額に対して、21.1%の増となり、過去3年間の平均である6.3%の増と比較し、大幅な増となっております。

 次に、都区財政調整についてのお尋ねですが、特別区全体の3年度再調整額は、当初算定残額の362億5,800万円と、税収増による交付金の増の1,072億1,100万円を合わせて、1,434億6,900万円となっております。
 また、4年度当初では、1兆1,093億3,600万円と見込まれており、前年度より1,306億1,900万円、13.3%の増となっております。
 次に、3年度当初予算についてのお尋ねですが、新型コロナウイルス感染症による雇用環境や企業収益の悪化等が、各自治体の財政に影響を及ぼすことが懸念されたため、特別区税や特別区財政調整交付金の減収を想定した予算編成を行いました。その上で、感染症対策や経済対策に最優先で取り組むほか、「文の京」総合戦略に掲げる主要課題の解決に向け、戦略的な事業展開を図るための予算を編成しております。
 過去の執行実績や、事業の必要性・有効性を十分に勘案した上で経費を精査したものであり、必要でありながら予算を減額した事業はございません。
 次に、4年度予算編成方針等についてのお尋ねですが、4年度当初予算は、市町村民税法人分の一部国税化やふるさと納税による減収と、感染症の影響により、予断を許さない状況であることから、方針を見直すことなく予算編成を行ってまいりました。その中で、感染症の影響を受けている区民の健康と暮らしを守るとともに、感染症の拡大等に伴う様々な社会変革に適応しつつ、地域経済の復興を図るための予算を優先して編成いたしました。
 また、特別区税や特別区財政調整交付金の増収が見込まれたことから、財政調整基金からの繰入額を一定抑えられたため、より健全な財政運営につながるものと認識しております。


コロナ第6波でひっ迫する保健所の現状と早急な体制強化を
(小林れい子区議)
 新型コロナ対策について伺います。
 新型コロナの第6波、オミクロン株感染者は、1月に入ってから急激に増え、2月5日時点で、全国で1日10万5,627人、東京都2万1,122人、文京区356人と感染者は増え、全国で重症者も1,099人を数えました。
 1月末には「オミクロン株」の変異株「BA・2」型が見つかり、その感染力はさらに強いとされ、第6波の感染が長引く懸念も出てきました。
 こうした事態にも関わらず、区の2022年度の重点施策には、コロナ感染対策としての保健所体制等の強化策が全くなく、区民の命を守る自治体としてあまりに無責任と言わねばなりません。区長、なぜ、重点施策にコロナ感染対策がないのか、伺います。また、コロナ感染に伴う、区のいのち・くらし・経営を守る施策が今程必要とされているときはありません。区長の区民生活、区内商工業についての現状認識を改めて伺います。
 日本は、コロナワクチンの3回目接種を終了した人が1月27日現在わずか2.5%で、イギリス54%、ドイツ・韓国51%、アメリカ26%と比べても大変遅れた水準にあります。
 そうした中、ワクチン2回接種後半年もたたない1月21日に新型コロナを発症し、38、39度の発熱を5日も繰り返し、自宅療養をやむなくさせられたある区民の方は、小学生の子ども、配偶者も感染しており、発症していない家族を含め、一家全員が自宅で隔離生活を強いられる状況になりました。
 区からパルスオキシメーターが届いたのは、発症から5日目でした。それまで血中酸素濃度も測れないまま、区から送付された書類の記入を求められ、厚労省のコロナ感染者の情報把握、管理支援システム(ハーシス)に苦しい症状を入力していたのです。厚労省は、入力された情報は「保健所へ反映・共有されるため、状態を迅速に把握し、適切なフォローが可能になります」と謳っていますが、感染して4日経過しても保健所から何の連絡もないので自ら問い合わせたところ、何と、保健所が1月24日に初回の健康観察の連絡を入れているのは、1月19日と20日に陽性確認された分で、その時点ですでに5日遅れであり、翌日からはさらに6日遅れとなるという話でした。対応が極めて遅い、驚くような文京区の実態が分かったのです。
 区長は令和4年度の施政方針で新型コロナ感染症対策について、「酸素濃縮器の配送やパルスオキシメーターの貸与を行うほか、保健師等による電話連絡や国の患者把握・管理システムを活用した健康観察を行ってまいります」と述べていますが、区の現実は、酸素濃縮器もパルスオキシメーターも、電話連絡もあまりに遅い。保健師からの連絡どころか、職員流動体制で保健所に派遣された一般職員から、発症後1週間近くたって初めて連絡が来るという有様です。何もかも間に合わず、放置状態になっているのです。このような区保健所の現状についての区長の認識、その原因はどこにあると考えどう改善を図るのか、新年度から保健所の感染症担当主査を4人から6人に増員するとしていますが、これで“流動に頼らない体制”になるのか、今後の恒常的人員体制とするのか、区長の見解を伺います。また、結核などの感染症が減ったことを理由に、全国の保健所を半分以下に削減した国の政策の見直しを求めること、我が党が再三求めている様に、今後も繰り返し起こると言われている世界的感染症流行などに対応でき、区民の命を守る保健所2カ所体制を改めて構築することが今こそ求められているのではありませんか、以上、お答えください。
(区長答弁)
 次に、新型コロナウイルス感染症対策に関するご質問にお答えします。
 まず、重点施策についてのお尋ねですが、重点施策は、予算編成過程の透明性を高めることなどを目的に、当初予算に先立ち、施策の検討や公表を行うものです。4年度の重点施策選定時には、新型コロナウイルスワクチンの3回目接種等の詳細が未定であったほか、感染症を取り巻く状況が刻々と変化しており、そのため、重点施策ではなく、4年度当初予算において、お示ししたものです。
 感染症対策については、これまでも、必要な事業を実施するため適宜予算化してきたところであり、引き続き、時勢を捉えた施策を柔軟かつ適切に推進してまいります。
 次に、区民生活や区内経済等についてのお尋ねですが、様々な地域活動が縮小や中止となるなど、感染症は区民生活に甚大な影響を及ぼしていると認識しており、区民生活の回復に向け、経済的に困窮する世帯への支援や、地域活動・文化活動等の再開・活性化の後押しなどに取り組んでまいります。
 また、感染症の影響により区内企業や商店は依然として厳しい経営状況にあり、経済活動への影響は長期化することが想定されます。区としては、区内企業や商店の事業継続を支援するとともに、企業力の向上につながる施策を推進してまいります。
 次に、患者への連絡等についてのお尋ねですが、保健所では、医療機関から発生届を受理することで患者の存在を把握することになりますが、現在、医療機関の受診や検査等に日数を要しているため、保健所が発生届を受理する前の段階で、既に発症から数日が経過しているという状況があります。そうした中でも、保健所では、発生届を受理し次第、その内容から、中等度以上のリスクのある方を抽出し、体調確認や積極的疫学調査等を優先的に実施するなど、先月中旬から区内患者数が急激に増加している状況においても、適切に対応しているところです。
 なお、パルスオキシメーターについては、特にリスクが高い方に対しては、直接自宅へ届けることとしており、それ以外の方についても、発生届受理の翌々日までには発送しております。
次に、保健所の人員体制についてのお尋ねですが、本年4月より、課務担当主査のほか、保健所職員も増員することで、感染症対応に取り組む体制を強化いたします。
しかしながら、感染症の流行予測は困難であることから、恒常的な人員体制とすることは実態に合わないものと認識しております。そのため、「保健・医療提供体制確保計画」を基本としつつ、感染状況に応じ、柔軟に体制強化を図れるよう、引き続き、全庁的な支援も含めて対応してまいります。
 次に、保健所体制についてのお尋ねですが、保健所では、先程ご答弁申し上げたとおり、柔軟に体制強化を図りながら、感染症対策を含め、様々な保健施策に対応する健康危機管理体制を構築しております。
 また、区民に身近な保健サービスについては、本郷支所を含む2か所の保健サービスセンターにおいて適切に提供できていることから、保健所を2か所体制にする考えはございません。なお、同様の理由から、国の政策について見直しを求める考えもございません。


子どもの施設での感染急拡大の現状と緊急対応を急ぐこと
(小林れい子区議)
 我が党議員団に寄せられた情報では、区内のある私立幼稚園で園児41名・職員1名が、1月21日現在保健所から陽性と判定されるという、極めて大規模な集団感染が発生したとのことです。このケースは区のどこにカウントされ、公表されたのか、その後の経緯と園児の家族への感染状況はどうだったのか、伺います。さらに、区内小中学校、幼稚園、保育所、高齢者施設等での感染者数と対策の現状、課題を伺います。
 区内保育園では、感染児童・職員の急増で濃厚接触者の特定が遅れ、休園が続くなか、保護者たちは混乱や窮地に追い込まれています。こうした中、なんとか保育活動を続けようと、感染対策や保育活動に従事するみなさんのご尽力に感謝と敬意を表します。医療関係者、エッセンシャルワーカーをはじめ、社会機能維持者として働く保護者が多い文京区では、現在の検査能力を保育所や重症化リスクの高い高齢者施設等に重点的にあてることが必要ではないでしょうか。コロナ感染者が発生し保育園が休園になり、発症していない子どもが検査されないままで親が出勤できなくなる状況は、医療逼迫の原因にもなっています。抗原検査を活用し、陰性が確認された場合に健常児は預かる体制をとり、保育園を再開させるべきです、また、保育料の日割り減免や休業補償などの支援をすること、以上、緊急の対応策を打つべきです、伺います。
(区長答弁)
 次に、私立幼稚園における集団感染についてのお尋ねですが、当該園については、保健所が、積極的疫学調査や、陽性となった園児とその家族等への対応を行っており、区民で陽性となった方については、区の陽性者数にカウントしております。
 私立幼稚園は、直接区が運営に関与する施設ではないため、ホームページ等で感染状況を公表しておりませんが、本事例も含め、区内施設における集団感染については、定期的に集計し、都へ報告しております。
 次に、保育施設や高齢者施設等における感染者数等についてのお尋ねですが、昨年11月から本年1月までの感染者数は、保育施設で314人、高齢者施設等で45人となっております。
 保育施設においては、乳幼児との接触が密になることや、園児のマスク着用が困難なケースがあることなどが課題となっております。その中でも、手指 (しゅし)消毒や黙食の徹底、施設内の定期的な換気等の基本的な感染症対策に加え、保育の単位を小さくし、できる限り子どもたちが密集する状態を作らない工夫をするなど、様々な対策を講じております。
 また、高齢者施設等においては、陽性者の入院が困難な場合に、入所施設内での療養が必要となることなどが課題となっております。感染症対策として、衛生管理や、利用者及び職員の健康管理を徹底し、入所施設の職員への定期的なPCR検査等を実施しているほか、ワクチンの3回目接種を進めているところです。今般のオミクロン株による感染拡大では、感染速度が速く、施設内で感染が広がりやすいことから、引き続き、感染症対策を徹底するとともに、陽性者が発生した際には、迅速に濃厚接触者を特定するなど、サービスの継続や再開につながるよう努めてまいります。
 次に、保育施設や高齢者施設等への重点的な検査等についてのお尋ねですが、保健所では、陽性者の発生に伴う調査から把握した濃厚接触者を対象にPCR検査を行っており、濃厚接触者以外の方に対して検査を行う考えはございません。なお、高齢者施設等については、先程ご答弁申し上げたとおり、入所施設の職員に対する定期的なPCR検査等が実施されているところです。
 また、保育施設については、検査結果ではなく、濃厚接触者を特定することで、園の再開を判断しております。そのため、抗原検査を活用する考えはございません。
 次に、保育料の還付等についてのお尋ねですが、区では、保育園が臨時休園となった際、休業補償を行う予定はございませんが、保育料の日割還付は既に実施しております。
 また、先月下旬より、家庭保育の協力要請を再開し、協力いただいた家庭に対しても、保育料の日割還付を行うこととしております。
 次に、ワクチンの3回目接種についてのお尋ねですが、現在、18歳以上の全ての3回目接種対象者に対し、「2回目接種完了後、6か月の経過」で追加接種できるよう、前倒しでのワクチン接種を実施しているところです。18歳から64歳以下の一般の方の接種については、土曜日、日曜日及び祝日に加え、複数の曜日で夜間の予約枠も設定してまいります。
 また、追加接種を一層加速させる取り組みの一つとして、接種券の送付時期を更に前倒しし、2回目接種の完了から5か月を経過した方にも送付することで、自衛隊の大規模接種会場での接種にも対応しております。なお、本年3月から、初回接種と同様、東京ドームにおいて、本区を含む複数区合同の集団接種会場を開設する予定であり、希望の多い土曜日及び日曜日の接種も実施してまいります。
(教育長答弁)
 教育に関するご質問にお答えします。
 はじめに、区立小・中学校及び幼稚園における感染者数と対策等についてのお尋ねですが、小・中学校及び園の感染者数は、昨年11月から本年1月末までの期間で約360名となっております。
 感染対策については、マスクの着用や3つの密の回避、換気など、基本的な感染症対策を再度徹底するとともに、可能な限りの対策を講じても、感染リスクが高いと判断される教育活動については、実施を控えております。
 また、児童・生徒等の感染が確認された場合には、国や都のガイドラインを踏まえ、学級閉鎖等の措置を適切に講じるとともに、任意のPCR検査を実施し、感染拡大の防止に努めております。
 課題は、複数の教員に感染や濃厚接触が確認された際に、児童・生徒の学びを継続できるようにすることであり、教員が自宅から行うオンライン授業の実施に向けた体制づくりなどを進め、引き続き、学びの保障に努めてまいります。


急増する「自宅療養者」への対応の遅れと改善策について
(小林れい子区議)
 このように、第五波、第六波と保健所も医療も対応しきれない事態が繰り返し起きていますが、この「感染爆発」というべき状況下で、墨田区の対策が再び注目されています。1月28日「赤旗」に墨田区保健所長が登場し、同区では高齢者のワクチン接種を前倒しで実施し、2月中旬に終える予定とのこと。さらに、コロナ専用病床を第5波の1.5倍に増床し、中等症以上の患者増対策として野戦病院のような最大200床のコロナ専門病院を開設すること等も検討していると言います。また、「自宅療養支援拠点」を庁舎内に置き、区職員170人体制で、診断した翌日までに自宅療養者に1回目の連絡をする、医師会の協力で自宅療養者の家族の検査をする、さらに、33の「自宅療養支援薬局」が発症から数日以内に投与が必要とされる、経口抗ウイルス薬や中和抗体薬を自宅に届けるなどの体制を整備してきたと言います。文京区でもワクチン3回目接種の加速化をすべきですがその方針と体制、また、自宅療養者対応の改善を早急に図るよう求め、具体策を伺います。
 東京都の「自宅療養サポートセンター」では、先日、基礎疾患のない50才未満の軽症・無症状者には、健康観察を患者本人に委ねる体制に切り替えると発表しました。これは、もう”対策放棄“としか言いようがないと思いますが、この方針転換について区長の考えを伺います。
(区長答弁)
 次に、自宅療養者への支援についてのお尋ねですが、区は、発生届を受理した後、自宅療養者にパルスオキシメーターを送付し、国の健康観察ツールを活用して、病状の推移を適切に把握しております。
 先程ご答弁申し上げたとおり、発生届の内容から、中等度以上のリスクのある方を抽出して優先的に対応しており、自宅療養中に病状が悪化した場合には、医師会や薬剤師会等との連携のもと、オンライン診療や往診、薬剤の配送や訪問看護等、必要な支援を実施しております。
 次に、自宅療養サポートセンターについてのお尋ねですが、都の自宅療養者フォローアップセンターは中等度のリスクの方を、自宅療養サポートセンターはリスクの低い方をそれぞれ対象とし、自宅療養者の体調が悪化した場合に、適切な医療につなげる役割を担います。このことにより、保健所は、重症化リスクの高い自宅療養者の健康観察を重点的に行うことができます。
 自宅療養サポートセンターの開設は、オミクロン株により感染が急拡大する中でも、患者の症状や重症化リスク等に応じて適切に医療を提供できるよう、都が実施したものであり、適切な対応であると考えております。


区民が殺到する「無料PCR検査」を急ぎ拡充すること
(小林れい子区議)
 これ以上の感染を抑制するためには、検査数を増やし、感染者を早く隔離し感染を広げないことが自治体に強く求められています。ワクチンの3回目接種が遅れているもとで、検査拡充が急務です。世田谷区では昨年9月に小中学校に抗原検査キットを10万キット配布、11月には高齢者施設・障害者施設の職員に14万キット、12月には保育園・幼稚園の園児と家族に7万キット、今年1月には公園等で区民向けに4万キット、2月には薬局で区民に9万キット配布するなど系統的に 抗原検査キットを配布し、検査体制を積極的に拡充してきました。2月からはPCRの無料検査車両を公園に配置すると言います。
 そこで伺います。文京区の令和2年度・3年度で行ったPCR検査数、抗原検査数とその評価を伺います。また、区の無料PCR・抗原検査を拡充し、無症状者対象の無料検査をすぐに受けられる体制をつくり、抜本的に検査数を引き上げるよう提案し、伺います。東京都が年末から始めた無料検査は、文京区では2カ所、1日わずか20名分に満たない非常に少ない現状ですが、大幅な拡充を都に求めるべきです、以上、伺います。
 コロナ禍の収束も見通せない中、今年秋からの老人医療費の窓口負担の倍増や、病床削減を推進する法案、東京都の都立・公社病院の独立行政法人化は許されるものではありません。特にコロナ病床確保数をみると、全国2,287病院の中で都立多摩総合医療センターは245床を確保しており1位、都立駒込病院は181床確保で5位、都立大塚病院は120床確保で11位と、11カ所の都立・公社病院が日本のコロナ医療のトップ11を占めているのです。コロナ危機の渦中にコロナ医療の中心を担う都立・公社病院を廃止するなど許されません。区長、今こそ都立・公社病院の独立行政法人化反対の立場を明確にするべきではありませんか、伺います。
(区長答弁)
 次に、検査数とその評価についてのお尋ねですが、保健所では、昨年度は4,942件、本年度は1月末時点で5,720件のPCR検査を実施しており、濃厚接触者に対して、必要な検査が適切に実施できていると考えております。なお、抗原検査は実施しておりません。
 次に、濃厚接触者以外に対する検査についてのお尋ねですが、区では、学校や育成室、保育園等において陽性者が発生した際に、濃厚接触者以外の児童等を対象に発生時検査を実施するなど、個々のケースに応じ、適切に検査を実施してまいりました。
 一方、感染に不安を感じる無症状の方に対する無料のPCR検査や抗原定性検査については、国の方針に基づき、都の責任において実施されるものと考えております。
 オミクロン株による感染拡大により、検査キットが一時的に不足し、希望する方が速やかに受検できないケースも生じていると認識しておりますが、国からメーカーに対して増産を要請していることもあり、検査キットの不足は段階的に解消されるものと考えます。
 また、区の働きかけにより、本日、東京ドームシティ内に新たな検査場が開設されたところであり、検査数が増加するものと見込んでおります。

 次に、都立病院・公社病院の地方独立行政法人化についてのお尋ねですが、都議会において、昨年10月に「地方独立行政法人東京都立病院機構定款」が可決され、現在、本年7月の独立行政法人化を目指し、準備が進められております。
 また、都が策定した「新たな病院運営改革ビジョン」の中では、独立行政法人化後も新興感染症などへの体制を充実し、新たな課題にも着実に対応していくことが示されていることから、区として反対する考えはございません。


コロナの影響を受ける保育園での「指導検査」の現状について
(小林れい子区議)
 コロナの影響を受ける「保育園」の状況について伺います。
 2022年度4月保育園の入所募集が行われています。コロナが保護者たちに与えた影響について、仕事を失った、育休延長を行った、在宅ワークになったなど、保護者たちをとりまく状況の変化と、そのことが応募状況に与えた影響、および待機児童解消の見込みについて伺います。
 厚労省は、新型コロナ感染対策として書面などによる検査を求める自治体からの提案を受け、実地検査の義務づけを施行令から削除する改正を検討しています。
 2020年、2021年度に、指導検査ができた園数と検査の形式について、検査で判明した課題とその後の改善はきちんと行われていたのか、あわせて伺います。
 また、書面のみの指導検査で、保育の質と安全が確保できるのか、区の認識を伺います。コロナ禍で暫定的に書面にて指導検査を行うことと、法令を変えて規制緩和することは意味合いが違います、改正を行わないよう国に申し入れるべきです、伺います。
 かねてから党区議団は、待機児童対策のための私立認可保育園の急増の中で、保育委託費の弾力的運用の中止や低い人件費率の改善を要求し、保育の質と安全を確保するための「私立認可園指導課」を立ち上げるべきだと訴えてきましたが、今こそ必要ではないか、伺います。
(区長答弁)
 次に、保育園に関するご質問にお答えします。
 まず、新型コロナウイルス感染症が保護者に与えた影響等についてのお尋ねですが、昨年9月に実施した、入所保留中の家庭を対象としたアンケート調査では、感染症の影響に関する質問について、育児休業取得中の方の4割以上が「育児休業を延長した」または「新型コロナウイルスの影響を考慮した期間を設定した」と回答しております。
 また、本年4月の保育園の申込人数は3年連続の減少となり、応募状況にも感染症の影響が一定程度生じていることが推測されます。なお、待機児童解消の見込みについては、現在、入園選考を行っているところです。
 次に、指導検査についてのお尋ねですが、昨年度は16園、本年度は1月末時点で31園に対して、指導検査を実施しております。
 昨年度の検査では、「避難訓練等を実施していない月があった」などの課題が見受けられましたが、文書指摘を行った全ての施設について、報告書等により改善内容を確認いたしました。また、本年度の検査については、報告書等の確認を順次進めているところです。なお、区では、昨年度から、感染防止のため、書類に基づく聞き取りでの検査を庁舎内で実施しており、実地での検査が困難な状況においても、保育の質と安全の確保に努めております。
 区としては、感染状況等を踏まえながら、実地を中心とした検査を行うこととしており、施行令の改正について、国に対し意見を申し上げる考えはございません。
 次に、指導に関する組織についてのお尋ねですが、私立認可保育所等に対する指導については、幼児保育課において適切に実施しており、現時点で、新しい課を設置する予定はございません。
 来年度からは、幼児保育課に課務担当主査を新たに設置し、指導検査業務と巡回指導等の業務を切り分け、各業務をより機動的に実施する体制を構築いたします。今後も、指導検査と巡回指導を両輪とした指導体制の強化を図り、保育の質の向上に取り組んでまいります。


育成室の待機児童対策と保育の質と安全の確保について
(小林れい子区議)
 「育成室」の待機児童対策と質の確保について伺います。
 2021年度の育成室の待機児童は45名に増加し、待機児童解消のための育成室の新設は喫緊の課題ですが、「民間活力を生かした手法による施設整備」を取り入れる際、物件の確保を盛り込んだ運営提案をプロポーザル方式で行うことで、提案事業者優先になってしまうことはないのか、事業者間の競争性や保育の質、安全の確保はできるのか、伺います。
 育成室不足を補うように、都型学童、民間学童などの選択肢が広がっていますが、先日、党区議団に「文京区放課後児童健全育成事業」という看板を掲げる民間学童とのトラブルについて、区民から相談が寄せられました。区として、都型学童や民間学童に対しても、保育の環境や職員体制などを確認する「実態調査」を行うべきではないか、伺います。
(教育長答弁)
 次に、育成室の待機児童対策についてのお尋ねですが、プロポーザル方式による育成室運営事業者の選定については、指定地域内において整備物件の候補を探すことを条件に、運営内容等を審査するものであり、事業者間の競争性は担保されているものと認識しております。民間活力を生かし、必要な地域にスピーディーに整備するために取り組んでいるものです。
 物件については、区が育成室に求める基準を備えたものを提案することを要件としており、保育の質や安全性についても審査の中で適切に確認してまいります。
 次に、都型学童や民間学童に対する実態調査についてのお尋ねですが、都型学童クラブについては、区の育成室に準じた設備を備えることや、運営に係る基準を順守することを前提に区からの補助が行われている事業であり、地区館長の巡回指導に加え、毎年の補助手続きの中で、運営実態を定期的に把握できているものと考えております。
 一方、いわゆる民間学童については、児童福祉法に基づく事業ではなく、運営には、特別な資格や届出を必要としません。また、区には指導権限や指導基準等もないことから、民間学童に対する実態調査を行う予定はございません。なお、区の事業と誤認されかねない表現については、正しい表現に改めるよう事業者に注意しております。
 最後に、生理の貧困についてのお尋ねですが、現在、小中学校では、養護教諭が中心となって、児童・生徒が相談しやすい環境作りを進めるとともに、気兼ねなく生理用品を使用できるよう様々な工夫をしております。
 引き続き、各学校における利用状況を見極めながら、更なる対応について検討してまいります。
 また、生理用品の配備については、現在の予算の範囲の中で、継続的に対応できるものと考えておりますが、国や都からの支援があった場合には有効に活用してまいります。


地下鉄における痴漢問題と女性専用車両の導入について
(小林れい子区議)
 地下鉄における痴漢問題と女性専用車両の導入について伺います。
 今まさに受験シーズン真っ只中ですが、「試験を控える受験生なら痴漢されても泣き寝入り」など、受験生を狙う電車内の痴漢行為を煽る投稿がネット上でなされています。
 わが党の福手ゆう子都議が、昨年秋の都議会で「痴漢問題」について質問したところ、都は「痴漢は犯罪行為である」との認識を示しました。
 学校が多く、地下鉄等を利用して通学する児童、生徒、学生が多い区としての対応が迫られ、痴漢撲滅のための支援を強化すべきと考えるが、区長の認識を伺います。
 5月14日から8両編成が開始となる都営三田線に女性専用車両を導入すること、加えて都営大江戸線、東京メトロ南北線についても、区として導入を働きかけるべきです、伺います。
 「生理の貧困」について伺います。文京区では災害備蓄品の生理用品の提供があり、小中学校の保健室および一部の保健室近くのトイレにも生理用品を置いたとのことですが、児童生徒たちが気兼ねなく使えるようトイレに常備すること、臨時的措置ではなく今後も継続させていくため、区独自の予算措置とともに、国や都からの支援も求めること、青少年プラザや男女平等センターなど、公共施設への配備も含めた拡充を求めます、伺います。
 国立市では、男性職員にも生理の知識をということで職員研修が行われ、生理の貧困だけではなく、女性職員の生理休暇の取得についての活発な意見交換にもつながったそうです。区職員や教職員への生理の知識を周知する研修等を行うべきです、伺います。
(区長答弁)
 次に、地下鉄における痴漢行為等についてのご質問にお答えします。
 痴漢行為は、犯罪であるとともに、性暴力の一種であると認識しております。区としては、講座の実施やポスターの掲示、チラシの配布等により、様々な性暴力の防止に向けた周知啓発を、引き続き行ってまいります。なお、都営地下鉄や東京メトロにおける女性専用車両の導入については、それぞれの交通事業者において検討されるべきものと考えております。
 次に、生理の貧困等に関するご質問にお答えします。
 まず、生理の貧困支援の拡充についてのお尋ねですが、区では、都の災害備蓄品の生理用品を学校等へ配備しており、他の公共施設への配備については、引き続き研究してまいります。
 次に、職員への研修等についてのお尋ねですが、生理に関する知識の習得や、理解の促進は、安心して働きやすい職場環境の実現につながるものと認識しており、今後、職層研修のカリキュラムに組み入れることなどを検討しております。


千川増強幹線工事の3年の遅れと完成までの豪雨対策について
(小林れい子区議)
 世界各地で異常な豪雨、台風、猛暑、森林火災などが問題となり、気候危機と呼ぶべき非常事態が起こっています。気候危機に向き合い、温暖化対策に取り組む決意を示す「気候非常事態宣言」を出した自治体が昨年11月末時点で80自治体になり、この1年間で3倍を超えて増えています。
 港区では、都内最多のCO2排出の汚名を返上すべく、区有施設で使用する電力をすべて再生可能エネルギーでまかなうようにすると発表しました。
 区も、「2050年までに、二酸化炭素排出量を実質ゼロとするゼロカーボンシティ」を目指すとのことですが、そのためには「2030年度までに28%削減」という目標値を抜本的に引き上げることが必要です、伺います。また、気候危機打開の緊急性を鑑み、「気候非常事態宣言」を行い、実現へのロードマップをレベルアップさせなければならないと考えるが、区長の認識を合わせて伺います。
 春日後楽園駅前再開発の完了が近づいていますが、建物の総床面積は何平米で、排出される二酸化炭素量はいくらになると推測されているのか伺います。
 東京一極集中と大型開発によるまちづくりの見直しを図るべきとの世論が広がっている中、後楽2丁目地区では、再開発を含む新たな開発計画が進みだしました。
 コロナ禍の影響で事業所の床面積の需要も下がる一方である現実をふまえ、高層化ではなく、地球環境に配慮したまちづくりとなるよう、区は助言・支援するべきです、伺います。
 平成25年の集中豪雨で甚大な浸水被害が発生した千川地域では、都の下水道局による総工費50億円を超える75ミリの「千川増強幹線工事」がスタートしていますが、本来ならば東京オリパラ開催にあわせた2020年に完成させる予定が、シールド工事で大量の礫がでたことにより3年の遅れが生じています。
 板橋区では、新たな下水道幹線の工事の完成までには時間を要することから、早期に浸水被害の軽減を図るため、雨水の流れをよくするための新たなバイパス管の整備や一部完成した施設を暫定貯留管として稼働させるなどの取り組みを進めています。
 都水道局に、完成までの三年の間に豪雨が起きた場合の対策を要望すること、また区としても対策を行うよう求め、伺います。
(区長答弁)
 最後に、環境保全に関するご質問にお答えします。
 まず、二酸化炭素排出量の削減目標等についてのお尋ねですが、令和2年3月に改定した「地球温暖化対策地域推進計画」では、計画の最終到達点として脱炭素社会の構築を目指しております。このため、直ちに削減目標を見直すのではなく、国や都の動向を踏まえながら、計画の進捗状況の確認を進めてまいります。
 また、本計画では、区の地球温暖化及び気候変動への警戒を促すとともに、適応策を示しており、現時点では、気候非常事態宣言を行う予定はございませんが、脱炭素社会に向けた機運を醸成する取り組み等により、区民、事業者等の各主体とともに、地球温暖化対策を推進してまいります。
 次に、再開発事業についてのお尋ねですが、春日・後楽園駅前地区の建物の総床面積は、約18万平方メートルです。排出される二酸化炭素量は、設備の省エネルギー化等により、商業・事務所部分において、計画時点で年間約8,000トンであり、同規模の建築物に比べ、約20%削減できる試算となっております。
 また、後楽二丁目地区については、事業者に対し、環境に配慮したまちづくりとなるよう指導してまいります。
 次に、千川増強幹線工事についてのお尋ねですが、都下水道局からは、工事完了までの取り組みとして、既設の下水道管を結ぶ新たなバイパス管を整備し、過去に浸水被害が生じた地区の雨水を比較的余裕のある下水道管に流(りゅう)下(か)させるなどの浸水被害軽減対策を行っていると聞いております。
 また、区としては、できる限り早く千川増強幹線の効果が発揮されるよう要望しております。
 あわせて、区では、「神田川流域豪雨対策計画」に基づき、高台の区道における透水性舗装や雨水浸透桝の整備のほか、学校や公園等の公共施設や、民間の中高層建築物等への貯留浸透施設設置の推進等、流域対策としての雨水流出抑制を進めております。



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