◎国は核兵器禁止条約への署名・批准を1日も早く/ 国は「黒い雨」被爆者救済を速やかに行うこと
◎旧元町小学校利活用整備計画は、区民要望に沿うものに
◎元町公園は、区文化財保護審議会の意見を仰ぎ文化財に
◎女性の自殺者急増問題について、生理の貧困問題について
◎デルタ株への、学校・幼稚園の夏休み明けの対応について
◎少人数学級の早期実現を、老朽化が著しい特別教室改修を急いで
◎環状3号線は、区議会決議に基づき都に廃止を求めること
◎行政のデジタル化問題について
国は核兵器禁止条約への署名・批准を1日も早く/ 国は「黒い雨」被爆者救済を速やかに行うこと
(関川けさ子区議)
初めに、核兵器禁止条約等の問題で伺います。
広島、長崎への原爆投下から76年目の歳月が流れました。今年の1月核兵器禁止条約が発効し、核兵器は国際法上初めて違法化されました。
核兵器禁止条約は、現在、国連加盟国193ヵ国の半数に迫る86ヵ国が署名し、55ヵ国が批准しています。禁止条約には、核保有9ヵ国や各依存国は未参加であり、唯一の戦争被爆国である日本が批准に背を向けていることが、核兵器廃絶の足かせになっています。来年3月に開催される同条約第1回締約国会議に参加するよう国に求めるべきです。伺います。
日本で、核兵器禁止条約に「参加すべきだ」という人は71%(東京新聞8月1日などで報じられた日本世論調査会の世論調査)にもなっています。今年の平和式典でも広島、長崎両市長とも国に核兵器禁止条約に署名、批准するよう求めています。平和首長会議に参加し、「核兵器禁止条約」の早期締結を求めている署名に積極的に参加している文京区として、日本政府に対して一日も早く核兵器禁止条約に署名・批准するよう強力に求めていくべきです。伺います。
また、広島への原爆投下直後に降った「黒い雨」を浴びて健康被害を受けた原告84人を被爆者と認めた広島高等裁判所判決を受けて国は、上告を断念し原告全員に被爆者健康手帳を交付しました。長い間の関係者の苦労が実ったものです。今後、国に対して、「黒い雨」被爆者に対するこれまでの援護行政のあり方を基本的に見直し、審査基準を改定する等、「黒い雨」被爆者を速やかに救済するよう国に求めていくべきです。伺います。
コロナ禍でコロナ対策に全力をあげなければならない時に、菅首相はコロナ後に「改憲に挑戦したい」とし、改定国民投票法を強行、緊急事態条項などコロナに便乗した改憲を画策しています。国に改憲をやめるよう求めていくべきです。伺います。
(区長答弁)
最初に、核兵器禁止条約等についてのご質問にお答えします。
区は、これまでも平和首長会議の一員として、核兵器禁止条約の早期締結に向けた活動を行ってまいりました。
核兵器禁止条約締約国会議への参加、条約への署名・批准について、区として個別に国に働きかける考えはございませんが、いずれも、平和首長会議において、批准50か国の達成を機に、昨年11月に、内閣総理大臣に対し、要請を行っております。なお、被爆者救済及び憲法改正については、国において議論がなされるべきものであり、区として意見を申し上げる考えはございません。
旧元町小学校利活用整備計画は、区民要望に沿うものに
(関川けさ子区議)
次に、旧元町小学校利活用整備計画と元町公園整備計画について伺います。
旧元町小学校の区と順天堂グループによる利活用事業計画と、元町公園整備計画についての説明会は、昨年の12月13日に行われ、今年の7月10日には、旧元町小学校西側と北側の校舎解体説明会が行われました。
この中では、北側、西側新築棟については、図書館等、区民がもっと自由に使える地域施設が少ないことは問題であり、区民スペースをもっと拡大することや、西側棟地下2階に計画されている体育館については、区民がいつでも使える体育館とすること、認定こども園の園庭開放を行うこと等、今の段階になっても、様々な意見が出されていました。これらの意見について現段階での区の見解を伺います。そして、この計画の区の総費用はいくらになるのか、区の費用負担の内訳を伺います。区の求めている公共機能部分は、これは区の費用で床を買い、区に引き渡してもらうのですから、区民の要望に添うように買い取り部分を増やすことの検討を求め、伺います。尚、順天堂グループが主体となる(仮称)元町ウェルネスパーク事業の総事業費を伺います。
また、避難所については、西側棟地下2階の体育館等を指定するとのことですが、以前の議論で区は、「民間機能として建ててもらう体育館部分ではあるが、災害時の協定等のような形で、必ず避難所としてスペースを確保できるよう求めていく」としているのですから、他の避難所と遜色ないようにすべきです。伺います。
旧元町小学校工事、新築工事に伴う周辺住民への騒音、振動、ほこり対策等への対応、工事車両の台数とルートについて伺います。工事車両のルートについては、周辺住民とよく検討するよう求め伺います。
区は、今年の10月に旧元町小学校利活用整備計画と、元町公園整備計画について説明するとのことですが、一部の区民だけにしか知らされなかった昨年12月の説明会を反省し、今年10月の説明会については区報や区の掲示板等で広く周知し、真摯に区民の意見を聞くよう求め伺います。
(区長答弁)
次に、旧元町小学校と元町公園との一体的活用事業に関するご質問にお答えします。
まず、西側、北側の建物に対する区の見解についてのお尋ねですが、事業者が事業用定期借地権により保有する西側及び北側の建物については、区が区分所有することで、認定こども園、多目的室・地域団体活動室を整備いたします。そのほか、投票所機能及び避難所機能を備えており、区が事業者公募時に求めた条件を満たした施設となっております。
今後、認定こども園の園庭については、園の活動時間外の活用方法を検討してまいります。
また、体育館についても、学生が利用すること等を踏まえ、一定の区民利用が可能となるよう、事業者と協議してまいります。
次に、事業費等についてのお尋ねですが、現在、建物の設計中であることから、工事費等を含めた総事業費については、確定しておりません。なお、先程もご答弁申し上げたとおり、本計画は、区が必要とする公共機能を満たしたものとなっており、さらに増やす予定はございません。
次に、避難所についてのお尋ねですが、多目的室・地域団体活動室、認定こども園の遊戯場等に加え、事業者からの提案により、体育館も使用できることから、想定避難者数に対応している避難スペースを確保した計画となっております。
次に、工事計画についてのお尋ねですが、工事に伴う騒音等の対策については、周辺への影響を低減させるよう、工法等を検討してまいります。なお、工事車両の台数やルートについては、現在、建物の設計中であることから、確定しておりません。
今後、周辺住民や関係者等と調整し、道路の交通状況を踏まえ、計画してまいります。
次に、説明会についてのお尋ねですが、区報、ホームページ等を活用し、広く周知するなど、丁寧に対応してまいります。
元町公園は、区文化財保護審議会の意見を仰ぎ文化財に
(関川けさ子区議)
区は、元町公園整備計画作成について、昨年から2か年の予定で(株)虹設計と契約し、基本計画、基本設計、実施設計まで行うとしています。
元町公園、旧元町小学校は、関東大震災後の復興事業により作られた52か所の小学校、公園の一体的施設のうち唯一現存するものです。特に元町公園については、2004年3月に東京都史跡等整備検討委員会が名勝指定すべき公園の筆頭にあげ、さらに、2006年7月には文化庁文化審議会名勝委員会が保存要望書を文化庁長官に提出したことに代表されるように、その文化財的価値は明確です。このことに関して、現時点での区長の見解を伺います。
区長は今年2月の日本共産党の本会議質問に、公園の文化財登録については、慎重との言葉が取れて「必要な改修等行った後検討していく」と、答弁が一歩前進しましたが、いつ検討していくのか、伺います。区長は、改めて文化財としての価値を調査・検証する考えはないとしていますが、本当に文化財に指定する気があるのならば、今すぐに造園等の専門家も入っている文京区文化財保護審議委員会に公園の設計図を示し、文化財としての価値を残す公園の復元的修復整備について判断を仰ぐべきです。元町公園の整備は、創建当時の施設・植栽等の復元整備を基本とし、文化財に指定される改修とすべきです。併せて伺います。
(区長答弁)
次に、元町公園についてのお尋ねですが、文化財的価値については、これまでに、有識者も含めた会議において、その価値の検証等を行っていると認識しており、文化財登録については、必要な改修等を行った後、検討してまいります。
また、公園の設計等は、地域の方々や学識経験者からご意見を伺いながら進めており、歴史性を継承しつつ、安全性、防犯性を高めるとともに、バリアフリー化や明るく開放的な空間の創出などにより、魅力ある公園となるよう整備してまいります。
女性の自殺者急増問題について、生理の貧困問題について
(関川けさ子区議)
次に、女性の自殺急増問題等で伺います。
コロナ禍を経て、女性の自殺者数が顕著に増えています。厚労省によると、全国で第2波時には女性の自殺率が37%上昇して男性の約5倍に、昨年10月の女性の自殺者数は前年同月比で8割増加、特に20代は倍増するなど、雇用を失った若い女性の自殺が目立ちます。
コロナにより、区内の自殺者数と、そのうちの男女比、年齢層にどのような特徴や変化があったのか、さらに区は現状をどのようにとらえているのか伺います。また、区では「自殺対策計画」が策定されていますが、コロナ禍における計画の実施と現状について、合わせて伺います。
CU(コミュニティユニオン)文京支部では、女性からの労働相談が9割近くを占め、「シフトをカットされた」「休業手当を払ってもらえない」「賃金が安い」など、主に非正規雇用の相談が相次いでいるそうです。現在、のべ6,000件の申請を受け付けている文京区社会福祉協議会の「特例貸付」にも、非正規雇用の女性、若者、外国人など、生活保護とは年齢層が違う若い世代からの申請が多く、なかでもコロナで収入減となったインストラクターなど、フリーランス契約の人たちの相談が目立っているとのことです。
NHKの番組「首都圏ナビ」では、コロナの影響が長期化し、収入が減ったままの人が多いなか、「貸付終了後、1カ月ほとんど何も食べていない」という人に食料支援をするケースも生じていると、文京区社会福祉協議会の取り組みが紹介されました。
特例貸付は11月末まで申請受付期間が延長され、返済猶予も来年3月に伸びましたが、現時点での特例貸付総数と総額、そのうち返済があった件数、非課税世帯で返済免除が決定した件数を伺います。総合支援資金の再貸付が終了した方を対象にした「新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金」の申請受付が始まりましたが、現時点での申請数も伺います。
総合支援資金再貸付相談の後に、更にその後の生活再建などの相談にどのように関われているのか、実態を伺います。
今回の特例貸付を通じて、「こんなことを行政に相談してもいい」と初めて知った若い女性たちにとって、区への相談や生活保護は依然としてハードルが高いままです。つながった新たな層の人たちがより相談しやすいよう、女性相談員を増やしたり、休日や夜間の相談を受けられるようにするなど、体制を強化すべきです、伺います。また、非正規雇用者にとって、コロナに感染した際の2週間の自粛期間中に働けないことは死活問題であり、保障や支援が必要です、伺います。
次に、生理の貧困について伺います。コロナ禍において、生理用品の購入に困窮している女性たちの存在が明るみになりました。生涯で約80万円かかると言われる生理用品ですが、買えない理由は貧困だけではなく、D
Vやネグレクト、父子家庭なども原因となっています。
都では災害備蓄品の生理用品の無料提供を行ない、区においても保健室などでの配布が実施されましたが、コロナ禍における一時的な措置ではなく、恒常的な困窮者支援として行っていくべきです、伺います。
今年4月、文部科学省が「提供場所を保健室の他に設けたりするなど、必要とする児童・生徒が安心して入手できるよう、提供場所や配置場所等の工夫などをご検討いただきたい」という事務連絡を出しています。小中学校、公共施設のトイレや公衆トイレに常備し、児童生徒や女性たちが使いたい時に使えるようにするべきです、伺います。さらに配布の際、相談窓口を明記したチラシやシールを添えるなどの工夫をし、支援につなげるべきです、伺います。
(区長答弁)
次に、コロナ禍における自殺に関するご質問にお答えします。
まず、区内の自殺者数等についてのお尋ねですが、本区の、人口10万人当たりの自殺者数を示す自殺死亡率の数値は、平成12年の32.3をピークに減少傾向であり、昨年は9.3と、全国の16.6、都の16.1を下回っております。
一方で、昨年は、例年と比較して、男女比に大きな変化は見受けられませんが、30歳代までの若い世代の自殺者数が増加しており、全体に占める割合は、男女共に高くなっております。
また、これまで、自殺の原因や動機では、健康問題が一番多く、特にうつ病等の精神疾患を抱えている方が多数を占めております。
次に、「自殺対策計画」の取り組み状況についてのお尋ねですが、講演会等による自殺対策の周知・啓発やゲートキーパーの育成を行うほか、関係機関等とのネットワーク強化や、相談支援体制の充実を図っております。今後とも、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指し、自殺対策を総合的に推進してまいります。
次に、生活困窮者に関するご質問にお答えします。
まず、生活福祉資金の特例貸付についてのお尋ねですが、社会福祉協議会で実施している生活福祉資金の特例貸付の実績については、令和2年3月から本年8月末までで、緊急小口資金が2,494件、総合支援資金が1,859件となっております。
償還については、開始時期が令和4年4月以降に繰り延べとなったことから、償還免除の申請時期等は決定しておりません。
また、支給決定は東京都社会福祉協議会が行っていることから、総額については、承知しておりません。
次に、「新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金」の申請数についてのお尋ねですが、8月末日時点で、申請数は170件となっております。
次に、総合支援資金の再貸付後の相談についてのお尋ねですが、再貸付の申請の際に、自立相談支援機関へ相談を行うこととなっており、社会福祉協議会と申請者に係る情報を共有し、生活困窮者に寄り添った相談支援を行っております。
また、8月までに再貸付を終了する全世帯に対し、「新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金」の申請についての案内を送付しており、申請期限の延長に伴い、拡大した対象者に向けて、追加で制度の案内も送付してまいります。コロナ禍により生活に困窮している世帯に対し、適切に生活保護制度の利用や自立相談支援機関の相談につながるよう、案内を継続してまいります。
次に、区の相談体制に関するお尋ねですが、休日や夜間の相談については考えておりませんが、昨今の相談数の増加に対応するため、昨年度から、女性の面接相談員を増員し、適切に、自立支援機関等の関係機関と連携しているところです。
次に、新型コロナウイルス感染症に感染した非正規雇用者の保障等についてのお尋ねですが、非正規雇用者が多く加入する国民健康保険において、給与等の支払いを受けている被用者が、新型コロナウイルス感染症により、労務に服することができなくなった場合に、休みやすい環境を整えるため、国の特例的な財政支援に基づき、傷病手当金の支給を行っております。
次に、生理の貧困についてのお尋ねですが、区でも、都の災害備蓄品の生理用品の提供を行ったところであり、支援につなぐ工夫など、他自治体の事例も含め、今後、研究してまいります。
(教育長答弁)
教育に関するご質問にお答えします。
はじめに、生理の貧困についてのお尋ねですが、小中学校では、保健室に生理用品を置いており、一部の学校では誰でもトイレや保健室近くのトイレにも常備しております。
今後も、養護教諭が中心となり、児童・生徒が相談しやすい環境作りに努めてまいります。
デルタ株への、学校・幼稚園の夏休み明けの対応について
(関川けさ子区議)
次に、デルタ株のもとでの学校・幼稚園の感染対策について伺います。
2学期が始まりましたが、子どもの感染状況が1学期と大きく変わっています。陽性者が分かった時の、希望者対象の安心・安全検査や濃厚接触者が判明しない時の休校措置に加え、以下の取り組みを提案します。
第1に、デルタ株は従来の半分の時間で感染すると言われており、教室での空気感染防止のため教室を4か所開けで常時換気をし、全教室にCO2モニターを設置すること。教職員と子ども全員の不織布マスク使用を重視し、不織布マスクの必要性を成長段階に応じて説明すると共に、区が子ども用サイズの不織布マスクを用意し、使用するよう呼びかけること。
第2に教職員や子どもに陽性者が出たときは濃厚接触者をせまく見ず学級・学年・全体を対象に無料PCR検査を行うこと。感染が深刻な時は、ドイツでの事例に学び自宅でできる週2回の迅速抗原検査を実施すること。
第3に感染状況に合わせた分散登校や登校見合わせを広く認め、休んだ子への学び・成長への支援を行うこととし、昨年、行ったオンラインでのホームルームや教材作成の到達を踏まえたタブレットパソコン活用も含め、これらを柔軟に組み合わせて対応する準備をすること。また、休校するときには、希望者に学校給食を提供すること。また、ICT支援員を全小中学校に配置し、教員負担を軽減して、教職員が感染対策の最新の到達を学び討議できる時間を保障すること。
以上、3点に渡る提案ですが、見解を全て示してください。
2023年の都立高校入試から民間資格検定であるESAT-J(イーサット・ジェイ)の導入に対応するため、中学英語のスピーキングプレテストが2学期に実施される予定です。このテストの入試活用には「試験対策ばかりに関心が向き、英語スピーキング教育がゆがめられる」「塾での訓練で差がつきやすく経済的な格差が入試に影響しやすくなる」「採点が民間によりフィリピンで行われることから公平性・客観性に加え、透明性が担保できない」などの懸念が示されています。更に、中学校でのプレテストは室内で生徒が一斉に話す状況を作ります。感染防止の点でもとても心配です。
中学英語スピーキングテストの高校入試への活用は中止するよう都に求めると共に、コロナ禍のもと少なくとも、今年度のプレテストの実施は中止し、来年度以降のスケジュールも延期すべきです、併せて伺います。
英語教育の4技能習得を子どもに保障するために、必要なことは中学校の少人数学級を20人程度の規模を目指して都独自に早急に実現することです伺います。
(教育長答弁)
次に、学校等における感染症対策についてのお尋ねですが、換気については、4方向に限らず、施設の状況に応じ、可能な限り、効率良く換気できるよう、対角線の窓開けなど空気の流れを考慮した工夫を行ってまいります。
また、CO2の濃度を測る機器については、すでに一部の小学校で活用しており、他の学校・園においても活用を進める方向で検討しております。
不織布マスクの有効性については、承知しておりますが、かぶれなど不織布が肌になじまない児童・生徒もいることから、一律に着用を求めることは考えておりません。そのため、区で不織布マスクを用意し、使用するよう呼び掛ける考えはありません。
マスクについては、着用方法により効果が大きく異なるとの知見もあることから、不織布マスクの有効性とあわせ、正しい着用方法を周知・徹底してまいります。
次に、陽性者が発生した場合の教職員へのPCR検査等についてのお尋ねですが、小中学校及び幼稚園においては、新型コロナウイルス感染症罹患者が発生した際に、濃厚接触者以外にも対象範囲を拡大してPCR検査を行う「発生時検査」を実施してまいります。なお、現時点において、自宅における抗原検査を実施する予定はございません。
次に、分散登校についてのお尋ねですが、学校における対面での教育活動は、子どもたちの社会性を育むうえで欠かせないものと考えております。子ども同士が共に学び合うことで得られる気付きや、互いに協力し問題を解決することによる達成感は、学習することの意欲にもつながり、様々な効果が期待できます。
分散登校は、保護者の就労状況等によっては、新たな負担が懸念されること、学習進度の遅れや、子どもたちの心身への影響などが心配されることから、現時点において、実施する予定はございません。
感染症対策を徹底した上で、学校において教育活動を進めることが基本と考えております。臨時休業等の措置が必要となった場合には、オンラインを活用した授業に切り替えることで、子どもたちの学びを継続してまいります。
また、感染症への不安を理由に登校を控える児童・生徒には、自宅からオンラインで授業等を受けられるよう学習環境を整え、学びの機会の保障に努めてまいります。
次に、臨時休業中における給食の提供についてのお尋ねですが、休業中に、学校給食を提供することは考えておりませんが、休業期間がある程度継続する場合には、要保護・準要保護及び、給食費補助世帯については、家計負担に配慮し、昼食代として定額の補助を行ってまいります。
次に、ICT支援員についてのお尋ねですが、ICT支援員は、令和2年度より全小中学校に配置しており、ICT機器を効果的に活用した授業が進められております。
また、児童・生徒に一人1台貸与したタブレット端末を有効に活用し、質の高い授業につなげるため、本年度、更なる増員を行っております。これらのICT支援員を活用することで、教職員の負担軽減を図るとともに、「主体的・対話的で深い学び」の実現や個に応じた指導を充実してまいります。
次に、中学校スピーキングテスト等についてのお尋ねですが、スピーキングテストの結果は、授業の充実・改善に活用することが期待でき、生徒の英語力向上に資するものと考えております。
スピーキングテストの高校入試への活用については、都教育委員会が決定すべきものであり、中止を求める考えはございません。
プレテストについては、通常の感染症対策に加え、使用機器の除菌、イヤーマフ及び、マイク付きイヤホンの共有回避など、感染症対策を徹底した上で実施することとしており、次年度以降も継続する予定です。なお、学級規模については、いわゆる義務教育標準法に基づき適切に対応すべきものであり、英語教育のために20人程度の少人数学級を都に要望する考えはございません。
少人数学級の早期実現を、老朽化が著しい特別教室改修を急いで
(関川けさ子区議)
次に、少人数学級の早期実現を求め伺います。
今年3月、40年ぶりに小学校の学級規模を40人から35人に引下げる義務教育標準法の改正が全会一致で成立しました。
保護者や教職員の「30人学級」や「ゆきとどいた教育」を求める全国署名は32年間で累計4億6千万人分に達し、加えて昨年6月にコロナ感染リスクを減らすために行った分散登校が少人数学級の良さを体感させ、大きな力となりました。予算措置でなく法改正で35人学級が前進したことは大きな成果です。
しかし、35人学級は毎年1学年ずつ前進するため、小学校6年で実施されるのは2025年度であり、2021年度の小学3年生は40人学級のまま卒業を迎えることになります。こんな格差を放置することは許されません。国に35人学級を速やかに小中学校全学年で実施するよう求めるべきです、あわせて伺います。
自治体で独自にできることもあります。
義務教育標準法に基づく教員には、学級数によって決められる正規教員数の他に、都道府県が国に申請して配置される加配定数と呼ばれる非正規の教員があります。この加配定数による教員の内、多くを占める指導方法工夫改善加配として配置される教員は、正規の教員と同じようにクラス担任をもって勤務してもらうことは制度上、可能だと6月の文教委員会で区側も認めています。
2019年度に加配定数で勤務する教員は小中学校合わせ45人で、うち小学校20人と中学校16人は指導方法工夫改善加配により配置されています。この加配定数の教員を一部活用すれば、区独自で35人学級の前倒し実施ができるのではありませんか、伺います。あわせて、都に対し来年度の加配定数の申請の目的に少人数学級の実施を加え国に申請するよう要求すべきです、伺います。
特別教室の改修工事は待ったなしです。
PTAの要望やわが党区議団の学校施設調査に基づいた学校改修を求める要求に対し、教育委員会は2015年度から小中学校17校で快適化工事を行いました。次いで2020年度には小中学校18校で理科室や音楽室、準備室等、計204の特別教室の改修基礎調査を行い、教室ごとに床・壁・天井の3項目について劣化度を判定しました。劣化度1〜2は改修不要ですが、劣化度3は「大きな劣化あり」で改修必要、劣化度4は「破損・汚損」とされています。そこで、劣化度3と4の判定が1つでもついた教室の数を学校ごとに、お答えください。
基礎調査では劣化度が2〜4の部分について改修工事を行う場合、概算費用が小中学校18校で約34億円としています。2020年度の決算剰余金は史上最高の80億円に達していますが、最善の教育環境の整備に対する区の本気度が問われています。劣化度3以上の評価がついた全ての特別教室の改修を決断し、直ちに着手すべきです、伺います。あわせて、汐見小学校を特別教室改修の調査から外した理由を伺います。
学校快適化改修や特別教室の改修基礎調査のいずれの対象にもなっていないのが千駄木小学校と小日向台町小学校です。次期、改築対象の為ですが、コロナ禍で昨年度も今年度も改築検討会が開かれていません。仮に今年度に改築検討会を開始できたとしても、新しい校舎が完成するまでには検討委員会で1年、設計者プロポーザルと基本設計・実施設計で2年、工事に足掛け4〜5年かかり、早くて7〜8年かかることが想定されます。来年度入学の1年生でも現在の校舎で6年間を過ごすことになるのです。
よって、千駄木小学校と小日向台町小学校は、他の老朽校舎と同じように快適化工事を直ちに実施し、学校間格差を解消すべきです、伺います。改築検討会はコロナ禍であっても感染防止対策をしっかりとれば開催できます。速やかな検討開始を求め伺います。
(教育長答弁)
次に、35人学級の実現についてのお尋ねですが、先程ご答弁したとおり、学級規模については、いわゆる義務教育標準法に基づき適切に対応すべきものであり、ご指摘のような方法での35人学級の実現を国に要望する考えはございません。
また、加配された教員については、指導方法工夫改善など、都が活用方法を定めており、その目的と異なる活用を区が独自に行うことはできません。
都教育委員会には、小学校の学級編制標準の引き下げにあたり、指導方法工夫改善等に係る加配定数を削減することなく、必要な教職員定数を別途確保するよう要望しており、加配定数の申請目的に少人数学級を加えるよう求める考えはございません。
次に、特別教室の改修等についてのお尋ねですが、基礎調査の結果、劣化度に3または4が一つでもあった特別教室及び準備室の数は、
礫川小学校9室
指ヶ谷小学校8室
林町小学校9室
青柳小学校9室
関口台町小学校10室
金富小学校9室
大塚小学校9室
湯島小学校11室
根津小学校9室
駒本小学校9室
駕籠町小学校9室
第一中学校15室
第三中学校14室
第八中学校14室
第九中学校16室
第十中学校16室
文林中学校12室
本郷台中学校14室となります。
なお、これらの数には、部分的な補修等により対応可能なものも含まれております。
特別教室を含む、学校施設の改修につきましては、「文の京」総合戦略に基づき、教育活動に支障が無いように配慮しながら進めてまいりました。今後の施設改修にあたっては、区の財政状況を踏まえた令和4年度の予算編成方針において示されているように、財政状況等の動向を注視しながら、慎重に判断する必要があります。そのため、緊急度、重要度及び優先度などを見極めながら、より一層計画的に工事を実施してまいります。
次に、汐見小学校を特別教室の調査から除外した理由についてのお尋ねですが、特別教室改修の調査は、「学校施設等の快適性向上事業」を行った学校を対象としており、汐見小学校は、現時点において同事業を行っていないため対象としておりません。
今後、汐見小学校において同事業を進める際には、特別教室の調査も行ってまいります。
最後に、千駄木小学校と小日向台町小学校についてのお尋ねですが、現在、両校において、快適化工事を実施する予定はありませんが、学校の状況を常に確認し、改修や修繕が必要となった場合には、教育活動に支障が無いよう、適切に対応してまいります。
また、改築基本構想検討委員会の開催につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響や、先ほどご答弁申し上げたとおり、厳しい財政状況などを総合的に勘案し、検討してまいります。
環状3号線は、区議会決議に基づき都に廃止を求めること
(関川けさ子区議)
次に、環状3号線問題について伺います。
環状3号線について、8月福手ゆう子都議会議員とともに東京都建設局課長から聞き取りをしたところ、2025年までの事業化に向け、春日通りと目白通りを結ぶ約900mの区間の3か所で地質・地下水位調査のボーリングを行い、幅員や橋梁、トンネル、掘割(切通し)などの工法を検討し、道路構造物の形式を概略設計にして今年度中にまとめる予定だとしています。
2月12日のわが党の本会議質問に区長は、「環3の影響は極めて大きい」と認めているのに、「理解が得られる計画にしていくよう都に強く申し入れている」、「慎重に対応すべき」と矛盾した答弁をしていますが、環3は1946年に計画され、74年に都市計画決定されましたが、「立ち退きで大きな犠牲となる」という区民の反対運動があり、1980(昭和55)年10月、文京区議会は全議員が名を連ね、東京都知事と建設大臣に計画廃止を求める意見書を提出、81年には当時の区長が都知事あてに要望書を出すなど、議会・区民あげての「反対」の意思表示は現在も継続しており、区長も同じ立場に立ち反対すべきです。お答えください。
約900mの区間にある住宅数と人数について1980年当時と現在の数字を示してください、また、公有地は何か所あるのか、お答えください。
小日向台町小学校は、現在の体育館の一部が環3計画に入っており、学校建て替え計画にも重大な影響を及ぼし、また住宅地を道路が貫通すれば、騒音や環境汚染、平穏な市民生活・コミュニティを破壊します。地元意見を聞かないまま一方的に設計図を作り、なし崩し的に進めることは容認できません。環3計画は廃止するよう強く東京都に求めるべきです。伺います。
(区長答弁)
次に、環状第3号線についてのご質問にお答えします。
春日通りと目白通りの間において、都市計画道路の計画区域内にある区の公有地は5か所ございますが、住宅数と人数に関しては、把握しておりません。なお、環状第3号線については、本区への影響も極めて大きいことから、地域と区民の理解が得られる計画にしていくよう、強く都に申し入れているところであり、区として慎重に対応すべきもの、との考えは変わりません。
行政のデジタル化問題について
(関川けさ子区議)
最後に、行政のデジタル化ついて伺います。
政府は、個人情報を「競争力の源泉」とし、行政自身が最大のプラットフォームになることが、産業競争力と社会全体の生産性向上に「直結する」と述べています。つまり、企業が儲けるために国内最大の個人情報を持つ政府・自治体のデジタル化が必要だと言っているのです。
そのために2015年と2020年の2度に渡り、本人同意を得ず行政が持つ個人情報を匿名や仮名にして、行政が外部に販売・提供できる制度が導入されました。
今後、これらの制度に合わせるため、区の個人保護条例等、変更が迫られます。その際、住民がどんな自己情報を集められているかを知り、不当に使われないよう関与する権利、自己情報コントロール権を保障する枠組みを独自に用意すべきです、伺います。
また、国や自治体のシステム共同化・集約化と称し、国の基準に適ったシステム利用が義務化されました。富山県上市町や滋賀県湖南市では、議会で「子どもの国保料免除」や「重度障害者の医療費免除」を提案したところ、今の事務システムでも改造が不可能だとか、コストがかかる等を理由に拒否する事態が既に起きています。システムの共同・集約は自治の多様性を奪い、自治体の住民自治・団体自治と「福祉増進」という自治体の根幹を侵害することになります、見解を伺います。
デジタル技術を使える人と使えない人の間で格差があってはなりません。IT大臣ですら「紙の手続きをなくすわけではない」「無理やりデジタル化を考えているわけではない」、対面の「相談業務をおろそかにする方向で考えているものではない」と答弁しています。住民の多様なニーズに応え、デジタルと併せ、対面サービスを拡充し、住民の選択肢を増やすことでこそ福祉の増進を図ることができるのです、伺います。
(区長答弁)
最後に、行政のデジタル化に関するご質問にお答えします。
まず、自己情報コントロール権を保障する枠組みについてのお尋ねですが、本区では、「個人情報の保護に関する条例」において、各種の請求権を規定し、自己情報コントロール権を保障しております。
地方公共団体の個人情報の取り扱いについては、今後、全国的な共通ルールによる運用が始まる予定であり、令和4年春頃に国から示される予定のガイドラインを参考に、検討を進めてまいります。
次に、自治体の情報システムの標準化・共通化についてのお尋ねですが、標準化・共通化については、「地方公共団体情報システム標準化に関する法律」において、自治体の責務とされております。
また、手続きのワンストップ化、ワンスオンリー化など利便性の高いサービスの実現や法改正などに対応するシステム改修コストの削減等の効果が期待できると捉えております。なお、標準化・共通化とは、事務の効率化等を目指すものであり、各自治体それぞれのニーズに合わせたサービス提供までを妨げるものではないと認識しております。
次に、デジタル格差についてのお尋ねですが、区では、電子申請や施設予約など、スマートフォン、パソコン等を利用して、時間や場所を問わず、行政サービスを利用できるよう取り組んでまいりました。
今後も、利用者のデジタル・デバイドにも配慮しながら、行政手続きのオンライン化を進めていく一方で、引き続き対面により窓口業務、紙媒体による受付も継続する等、区民の多様なニーズに合ったサービスの提供に取り組んでまいります。
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