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日本共産党文京区議会議員団は、区民のための区政を目指します

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議会報告Congress report

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2020年文京区議会11月定例議会
代表質問 小林れい子区議     2020年11月13日

日本学術会議の任命拒否と核兵器禁止条約の批准の問題について
来年度の予算編成は、区民のいのち暮らし最優先に
感染症に対応する保健所の体制拡充と保健師の増員を
高齢者、障がい者、子どもの施設におけるPCR検査の拡充を
都立病院の独法化の方針を撤回するよう都に求めよ
総額200億円のシビックセンター改修計画を見直すこと
まずは35人学級から、少人数学級の実現を
児童館等、中高生の居場所について
特別教室の改修を急ぎ、特別支援学級を全小中学校につくること
コロナ後のジェンダー平等について



日本学術会議の任命拒否と核兵器禁止条約の批准の問題について
(小林れい子区議)
 菅政権が9月16日、発足しました。外交やコロナ対応などで行き詰まった「安倍政治」をそのまま継承するとともに、「自助、共助、公助」を強調し、とりわけ国民に自己責任を押し付けています。
 発足直後明らかになった日本学術会議の会員候補6人の任命を拒否したことは、過去に例を見ない異常事態です。学術会議の推薦に基づき、首相が任命すると規定した日本学術会議法に反し、憲法が保障した学問の自由も踏みにじる違法・違憲の暴挙です。日本学術会議は、「科学の向上発達を図り、行政、産業及び国民生活に科学を反映浸透させる」という目的をもつため、「独立して職務を行う」機関です。科学者の立場から政府に勧告する権限も持っています。同会議の人事や運営に政権が介入することは、この独立性を根底から脅かすものです。政府に対して、一連の経緯や理由、だれが判断したのかなど説明責任をはたすこと同時に、任命拒否の撤回を求めるべきです、伺います。
 2017年7月、国連は加盟国の3分の2を占める国と政府の賛成で、初めて核兵器を違法と規定した禁止条約を採択し、84カ国による署名、そして批准国は10月24日、条約発効に必要な50カ国を超え、来年1月22日に発効することになりました。まさしく核兵器の『終わりの始まり』を刻むものです。しかし日本政府は、核保有国とともにこの条約制定のための議論にさえ加わらず、賛同することを拒否しています。区は、唯一の戦争被爆国として、被爆者と核兵器禁止の運動を続けてきた国民の声を真摯に聞き、核兵器禁止条約に署名するよう国に求めるべきです、伺います。
(区長答弁)
 最初に、国政に関するご質問にお答えします。
 まず、日本学術会議についてのお尋ねですが、会員の任命等については、国において議論がなされるべきものであり、国に対して意見を申し上げる考えはございません。
 次に、核兵器禁止条約についてのお尋ねですが、区は、これまでも平和首長会議の一員として、核兵器禁止条約の早期締結に向けた活動を行ってまいりました。
 なお、平和首長会議においては、批准50か国の達成を機に、核兵器廃絶に向けた取り組みの推進について、国に要請する予定でおります。


来年度の予算編成は、区民のいのち暮らし最優先に
(小林れい子区議)
 来年度の予算編成方針について伺います。
 新型コロナウイルス感染の拡大による解雇や雇止めが6万3千人を越え、深刻な事態となっています。区内のある飲食店では、花見もお祭りも中止で売上が激減、家族の賃金をゼロにし、人件費はアルバイト分だけで必死に営業を続けてきたにも関わらず、10月に国がGOTO事業に東京を入れると、客足が高級店に流れ売上が再び減ったといいます。内閣府の月例経済報告が主張する「景気の持ち直しの動き」といえる状況ではありません、区長の認識を伺います。
 地域経済には極めて厳しい状況が広がっており、今年度の不用額は喫緊の課題に直ちに活用すべきです。中でも5月補正予算で実施した、区独自の家賃助成の実績は422件、5200万円でした。財源には国の地方創生臨時交付金4500万円が充てられたので、区の独自財源からは700万円を支出しただけです。家賃助成の予算は8.1億円でしたから、8億円は残っていることになります。「30万円だけでも助かる」と申請件数の伸びが堅調な中小企業事業継続補助金を年末、年度末など、今年度中に複数回実施して地元経済支援に充てるべきです、伺います。
 区は来年度以降、大幅な減収により「極めて厳しい財政状況に陥る」と見込んでいますが、総務省は地方債計画の策定方針において「地方公共団体が地域に必要なサービスを確実に提供できるよう、地方財源の不足への対処」を行うとしています。(全国市議会旬報10/15付)そこで「大幅減収」の見込みと歳入対策を示し、区民サービスの削減は行わないことを宣言して、9月補正による12億円の留保金や基金636億円を活用し、いのち暮らし最優先の予算編成こそ行うべきです、それぞれ伺います。
(区長答弁)
 次に、予算編成に関するご質問にお答えします。
 まず、景気認識についてのお尋ねですが、国内の感染状況は、未だ収束の目途が立たず、引き続き、社会経済活動への影響は予断を許さない状況にあると認識しております。
 次に、執行見込みのない予算の活用等についてのお尋ねですが、これまでも、区民ニーズに的確に対応するため、喫緊の区政課題や優先度の高い施策については、積極的に予算化してまいりました。9月の補正予算では、新型コロナウイルス感染症対策の経費等を計上する一方、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催延期や、感染リスク回避のため中止となり不要となった事業経費の減額等を計上しました。加えて、今後の感染症拡大防止に向け、高齢者や障害者、子ども施設の利用者や職員等に対するPCR検査実施のための経費を11月補正予算で編成しております。
 また、現在実施している「中小企業事業継続支援補助事業」については、コロナ禍が長期化する状況を踏まえ、区内中小企業を幅広く支援するため、来年2月1日まで申請期限を延長したところです。今後も、感染症対策や経済対策等、喫緊の区政課題に対応するための予算は優先して配分してまいります。
 次に、財政状況や基金等の活用についてのお尋ねですが、新型コロナウイルス感染症の影響による企業業績や雇用環境の悪化に伴い、本年度第1四半期のGDPが大幅な落ち込みとなっていることから、特別区民税及び特別区財政調整交付金は、リーマンショック当時を超える減収になるものと想定しております。しかしながら、この先の経済の状況や人口の転出入の動向は不透明であり、景気動向や人口動態に大きく左右される区の今後の財政状況について、現時点で具体的に見込むことは困難であると考えております。なお、歳入の確保については、国や都の予算編成等を注視し、積極的に補助金等を確保してまいります。
 また、将来にわたって持続可能な財政運営を実現するためにも、引き続き、基金の確保に努めてまいりますが、必要な施策には優先して予算を配分し、財源に不足が生じる場合は、躊躇なく基金を活用してまいります。


感染症に対応する保健所の体制拡充と保健師の増員を
(小林れい子区議)
 いのち暮らし最優先の区政を実現するためには、保健所の体制拡充が必要です。公衆衛生学の専門家であるキングス・カレッジ・ロンドンの渋谷健司教授は、日本では第二波に備え「検査・追跡・保護で無症状者含めた対策」と、追跡調査で成果を出した「保健所機能の強化」が必要と指摘しています。感染拡大が続いた時期、文京保健所でも相談の電話が鳴りやまず「戦場のようだった」と言います。ところが、来年度の重点予算で保健衛生部の事業は900万円だけであり、体制強化は行われません。世田谷区は保健所に保健相談課を設置し、機動的に感染症対策業務を行うほか、地域保健課を新設し、課長に医師を配置、感染症対策部門と連携し「第2感染症対策課」としての機能を担うというように、保健所の体制強化に取り組んでいます。文京区では2000年に保健所を1か所に統廃合した時点から保健所費を7割減らし、保健所職員の非常勤率は3倍化、2割に達しました。保健所は2か所体制に戻し、医師・保健師・検査技師など確保すべきです、伺います。
 区は新型コロナ感染症拡大の下、地域福祉保健計画を見直すにあたり「多様化、複雑化する福祉保健ニーズに対応するため、保健師が活躍できる場を広げてまいります」としています。この計画の趣旨に則るならば、保健所の抜本的強化の柱として保健師の増員を位置づけるべきです、伺います。
 自治体労働者でつくる自治労連の保健所実態調査において、江東区の保健師が「応援職員や兼務、人材派遣では継続的に感染源をみる力」には限界があると言い、正規の専門職員が地区担当制で配置されることでこそ、地区の特性を把握し、点と点を結び感染拡大の予兆を見逃さずクラスター発生を予防する目を育成することができると語っています。保健所を減らした結果、自治体の保健師をめざす学生が減りました。また、精神、母子、高齢者、虐待、職員の健康など分野ごとに保健師が分散配置されたため、感染症を経験した保健師も減り、今回のようなパンデミックや災害時の疫学調査が困難となり、区民の健康を保障する体制が脆弱になっているとも述べています。この間、文京区では、新型コロナウイルス感染症に対応する保健師を、4名から12名まで増やし、現在も9名の応援体制を継続していますが、今後、感染が拡大した場合、感染症に対応する保健師を何名まで増員するつもりか、感染が拡大した時に慌てないためにも、抜本的な保健師の増員を行うべきです、あわせて伺います。
 新型インフルエンザを総括した2010年の政府報告書では「国立感染症研究所や検疫所、地方自治体の保健所や地方衛生研究所を含めた感染症対策に関わる危機管理を専門に担う組織や人員体制の大幅な強化」が提言されましたが、実際には、公務員削減を優先し、正反対のことが行われてきました。国に2010年の原点に立ち返り、保健所費を大幅に増額するよう求め伺います。
(区長答弁)
 次に、保健所の体制に関するご質問にお答えします。
 まず、保健所の体制と保健師等の増員についてのお尋ねですが、現在、保健所では、感染症対策のほか、地域住民の健康保持や衛生等、様々な保健政策の課題に対して、迅速かつ正確に対応しているところです。また、区民に身近な保健サービスについては、本郷支所を含む2か所のサービスセンターにおいて適切に提供できており、2か所の保健所に体制を戻す考えはございません。なお、保健師については、地域の健康課題や新たな健康施策の展開、福祉保健ニーズへの対応などに合わせて、適切な人数を確保してきたところです。さらに、今般の新型コロナウイルス感染症対策では、「新型インフルエンザ等対策行動計画」に基づく応援体制等により、増加する感染症対策業務に柔軟に対応しております。
 今後も、こうした取り組みを前提に、長期にわたる健康危機管理体制に対応できるよう、引き続き適切な人員確保に努めてまいります。
 次に、保健所費についてのお尋ねですが、普通会計における保健所費として、保健所に係る人件費、施設の整備費及び運営費等、毎年度の予算に適切に計上しております。
 なお、保健所費の財源は、諸収入と一般財源で構成されており、国の負担はございませんが、新型コロナウイルス感染症対策で増加した経費については、引き続き、区長会を通じ、国や都に財政支援を要望してまいります。


高齢者、障がい者、子どもの施設におけるPCR検査の拡充を
(小林れい子区議)
 PCR検査の拡充について伺います。
 新型コロナウイルス感染症は、東京をはじめ市中感染が続き、収束にはほど遠い状況であり、昨日12日には、全国で確認された感染者は1,631人となり、過去最多を更新しました。検査と医療体制の抜本的な拡充等による感染防止は、国民の命と健康を守る最優先課題です。
 文京区は当初、PCR検査について帰国者・接触者外来だけで間に合っているとしてきましたが、この間、区民の世論も高まり、私たち区議団も度重なる質問と要望で検査の拡充を訴えてきました。区は、さらなる感染拡大に備えて、5か所の医療機関への委託と後楽公園のPCRセンターを設置することで、1週間に165件の検査が可能になりましたが、委託件数と区のセンターの検査数はそれぞれ何件か伺います。これから冬に向かうに当たって感染が拡大した場合、今の体制でPCR検査は何件まで可能か伺います。
 区はこの度、高齢者、障害者、子どもの各施設で陽性者が発生した場合、濃厚接触者以外にも検査体制を広げる等の方針を示したことは評価いたします。しかし、定期検査については、介護、高齢者施設等の入所施設に限られています。PCR検査の抜本的な拡充抜きには、感染の再燃は避けられません。濃厚接触が避けられない区内保育所や幼稚園を初め、入所施設を除く介護、高齢者施設、障害者施設、小中学校、児童館、育成室の職員にも検査対象を広げて、安心して働く環境を整えていくべきです。今回の実施に当たり、対象人数は何人で予算はどのくらいか、伺います。また、介護や障害者施設等入所者全員に検査を定期的に行うよう求め、併せて伺います。
 都は9月補正予算で、PCR検査の拡充について、30億円の補正を組んでいますが、区への都補助金はいくらになるのか伺います。社会的検査を拡大していくためにも、国庫補助、都補助金を増額していくよう国や都に求めていくべきです、伺います。
(区長答弁)
 次に、PCR検査に関するご質問にお答えします。
 まず、PCR検査数についてのお尋ねですが、現在、委託契約で確保している1週間あたりの検査数165件のうち、5か所の医療機関での検査数が105件、医師会の協力により区で実施する検査数が60件となっております。
 集団感染の発生や感染状況等により、一時的に多くの検査が必要となった場合には、医療機関は検査数、医師会は検査時間等を拡充して対応することとしており、柔軟な検査体制を整備しております。
 次に、福祉施設等のPCR検査についてのお尋ねですが、福祉施設等におけるPCR検査については、新型コロナウイルス感染症の発生や拡大による、生命や健康を損なうリスクを回避し、施設運営や区民生活が安定的に継続できるよう、施設の利用者や職員等に対して実施するものです。
 各施設の利用形態に応じた検査内容としておりますが、特に、介護・高齢者施設や障害者施設のうち入所施設については、生活の場を共有することによる感染のリスクが高いことから、集団感染の発生を未然に防止するため、施設の職員に対し、定期的な検査を実施するものです。そのため、現在のところ、他の施設において定期検査を実施する考えはございません。
 また、高齢者・障害者施設の入所者に対しては、新規入所時及び体調不良時等の随時検査を実施することで、適時適切に対応してまいります。なお、11月の補正予算では、およそ6,700人を対象に、約2億6,400万円の事業費を計上しております。
 次に、高齢者・障害者施設等のPCR検査に係る都の補助金についてのお尋ねですが、現在、都と協議調整中であるため、補助額をお示しすることはできませんが、今後も、国や都の動向を注視し、感染状況等を見極めながら補助金を確保し、必要に応じて国や都へ財政支援を要望してまいります。


都立病院の独法化の方針を撤回するよう都に求めよ
(小林れい子区議)
 都立病院は2〜3月の感染拡大期に、コロナ病床を15床から121床に、4月には441床へと、当初の約30倍に増やし感染症医療を提供しました。加えて大塚病院では準夜間の小児救急医療が実施され、駒込病院では今後、病児・病後児保育が区民に提供されます。ところが都知事はいのちよりも採算優先で、都立病院を民営に近い「独立行政法人」にする方針で、区長も容認する発言を繰り返しています。区長は駒込、大塚病院の感染症医療や小児医療が文京区民の健康を支えるかけがえのない役割を果たしているという認識はないのですか、伺います。
 都知事は都立病院を支える年間400億円の予算削減を狙い独法化を進めています。しかし、東京都が独立行政法人にした板橋区の健康長寿医療センターでは、ベッドが161床減り、最高2万6千円かかる個室が4分の1を占め、都立にはない入院保証金10万円を払う仕組みになっただけでなく、退職した医師14人の補充もままならず2年連続で10億円の赤字になっています。大塚病院の小児初期救急平日夜間診療への影響も考えられますが、区の事業予算に対する都の事業補助額について伺います。区長は2つの都立病院の医療提供体制に関わる文京区の首長として独法化方針撤回を都知事に求めるべきです、伺います。
(区長答弁)
 次に、都立病院についてのご質問にお答えします。
 駒込病院と大塚病院は、地域の中核病院として区民の健康の保持増進に大きな役割を担っていると認識しており、それは独立行政法人化された後も、行政的医療の提供及び地域医療の充実への貢献として引き継がれていくものと考えております。
 また、都立病院の独立行政法人化については、都が策定した「新たな病院運営改革ビジョン」に基づき実施されるもので、都立病院の運営形態のあり方については都で十分に検討されているものと認識しており、区として撤回を求める考えはございません。なお、昨年度の、大塚病院における小児初期救急平日夜間診療事業に係る都の補助額は、918,000円となっております。


総額200億円のシビックセンター改修計画を見直すこと
(小林れい子区議)
 特養、シルバーピア、障害者住宅等、住まいの確保は極めて切実です。そこで、小日向2丁目の国有地活用による特養計画を早く具体化させると共に、小石川税務署跡や白山4丁目の国有地は区として福祉活用する方針を確立し、さらに大塚地活跡、白山東会館隣地、旧アカデミー向丘の敷地活用も、住まい・介護・障害福祉・公衆浴場・図書館・児童福祉など、暮らし最優先で福祉活用の計画を示すべきです、伺います。
 総額で少なくとも200億円かかるシビックセンターとシビックホール改修計画は、歳入減への対策として凍結し精査を急ぐべきです。例えば当初計画で総額77億円を費やす2023年度からの第2期の期間を倍の10年にすれば、年間の費用負担は半減しますが、検討求め伺います。また2018〜2019年度に費やした額と2020年度以降の予定総額をそれぞれ伺います。
 コロナ禍で一番大変なのは区民の暮らしと営業です。政府ですら消費税10%増税の1年前から景気が後退局面に入っていたことを認めた今こそ、消費税は緊急に5%に減税するよう国に求めるべきです、伺います。
 また、法人税収が消費税の半分しかないことにマスコミですら「企業優遇 個人が穴埋め」(東京)との指摘をしています。富裕層や高収益の大企業に税負担を求める公平な税制改正とコロナ対策費確保のために、韓国でも行っている軍事費削減を国に求めるべきです、あわせて伺います。
(区長答弁)
 次に、公有地等の活用についてのご質問にお答えします。
 小日向二丁目の国有地については、予定している特別養護老人ホーム以外の活用に関する検討とあわせ、定期借地による貸付の開始時期等について国と協議を進めているところです。なお、小石川税務署跡地及び白山四丁目の国有地は、国において利用方針の検討が進められていることから、引き続き、国の動向を注視してまいります。
 また、大塚地域活動センター移転後の跡地など他の公有地については、将来的な行政需要を考慮しながら、活用等を総合的に検討してまいります。
 次に、シビックセンター改修についてのご質問にお答えします。
 改修基本計画では、当初より、経費の平準化や社会情勢に配慮し、年度ごとに検討した上で工事内容を決定することとしております。そのため、コロナ禍の影響が見通せない中で、直ちに計画期間の変更を行う考えはございません。なお、平成30年度から2年間の工事費は、約7億5,000万円であり、本年度以降の改修基本計画による工事費総額は、概算で約166億5,000万円となります。
 次に、税制等についてのご質問にお答えします。
 消費税の減税などの税制等については、国において議論がなされるべきものであり、国に対して意見を申し上げる考えはございません。


まずは35人学級から、少人数学級の実現を
(小林れい子区議)
 少人数学級について伺います
 文科省は、来年度予算の概算要求に、小中学校の学級規模を段階的に小さくしていくための経費を、金額を示さない「事項要求」として盛り込んでいます。10月26日の財政制度等審議会の作業部会では、財務省から「学級規模の縮小が学力に与える効果はないか、あっても小さいことを示す研究が多い」との主張がありましたが、萩生田光一文科相は「少人数学級を実施している自治体から意味がないという声はただの一つもない」と反論しました。
 たとえば、平成16年度より独自に少人数教育を取り入れている福井県では、子どもたちの学力向上とその維持に寄与した大きな成果があらわれ、いじめや不登校の減少にも一定の効果が認められたと発表しています。不登校の出現率が高い文京区では、一人一人に目が届きやすく、きめ細かい教育活動が行える少人数学級の実現は喫緊の課題です。
 新型コロナウイルスの感染拡大防止の上でも、教室内での密を避けることが必要であり、今回のコロナ対応をきっかけにして、少人数学級へと大きく転換していくべきときです。
 文京区においては、35人学級であれば、普通教室への転用をするなどして可能とのことですから、急ぎ実現すべきです、伺います。また、35人学級を実現するのに必要な教員の人数加配および予算はいくらになるのか、合わせて伺います。
 教員に関しては、長時間労働と教員不足の問題を解決していくことが重要です。非正規雇用の教員に頼るのではなく、法改正により基礎定数を改善して少人数学級を実現するよう、国に求めるべきです、伺います。
(教育長答弁)
 教育に関するご質問にお答えします。
 はじめに、少人数学級についてのお尋ねですが、現在、国において「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」の見直しを含め、検討を行っているところであり、その動向を注視してまいります。
 35人学級を実施する場合に必要とされる教員数については、小学校で20名以上、中学校で10名程度と想定されます。
 学級担任となる教員の給与については、都において経験年数等に応じて積算しており、35人学級の実施に必要な人件費について、区としてお示しすることは困難です。なお、法整備による少人数学級の実現については、「全国都市教育長協議会」を通じて国に要望しているところであり、改めて要望する考えはございません。


児童館等、中高生の居場所について
(小林れい子区議)
 児童館等、中高生の居場所について伺います。
 コロナ禍において、学校再開後も中高生は児童館の利用を制限されるなど、居場所の確保が困難になっていました。b−ラボを利用するように案内が出ていたものの、自主的な活動を応援する施設のため、特に配慮が必要なお子さんにとってはハードルが高く、居場所がなくなったとの声があがっていました。
 今は、民間の力で、学校になじめない若者のコミュニティである「サンカクシャ」や、ボランティアで運営される学習支援など、中高生の居場所や支援にも広がりが出てきています。しかし、介護施設を活動室として利用し、食事の提供も同時に行っていた学習支援では、コロナの影響で施設の利用ができなくなり、学習スペースの確保が困難になっている事例もありました。
 中学生になると、家庭にも学校にも居場所がないケースが多くなります。だからこそ、児童館をはじめ、b−ラボなどの居場所がとても重要です。児童館での中高生の利用を再開し、拡充していくべきです、伺います。また、湯島に一つしかないb−ラボについて、2つ目、3つ目のb−ラボもつくるべきです、合わせて伺います。さらに、小石川図書館建替え時に学習スペースや活動室を設けたり、スポーツ施設や男女平等センターのロビーなどに中高生向けのコーナーをつくるなど、小規模でも多様な居場所の整備が必要だと考えますが、伺います。
(教育長答弁)
 次に、中高生の居場所についてのお尋ねですが、現在、育成室の3密対策のため、育成室併設の児童館においては中高生の利用を制限しておりますが、感染の収束状況に応じ、適宜、見直しを行ってまいります。
 青少年プラザ(b-lab)については、「文の京総合戦略」にも記載しているとおり、地域バランスを考慮し拡充を検討してまいります。
 その他の施設については、利用の可能性を所管と協議してまいります。なお、小石川図書館の改築にあたっては、学習スペースの設置も含め、検討してまいります。


特別教室の改修を急ぎ、特別支援学級を全小中学校につくること
(小林れい子区議)
 特別教室の改修について伺います。
 今年度計上された3,200万円の予算で、特別教室の調査が行われていますが、進捗について伺います。新型コロナの影響のもとでも、学校改修に関しては何よりも優先し、スピード感を持って取り組むべきと考えますが、伺います。
 特別支援学級について伺います。
 今や「10人に1人が発達障害を抱えている」と言われています。文京区においても、発達障害を含めた障害や生きづらさを抱えた子どもたちが特別支援学級や通級で教育を受けており、地元で教育を受け続けたいと希望することは当然のことであり、権利でもあります。障害を抱える子どもたちが「一般的な教育制度から排除されないこと、自己の生活する地域において初等中等教育の機会が与えられること、個人に必要な合理的配慮が提供されること」などは、障害者権利条約で示された理念であり、区はそれに基づいた環境整備を行わなくてはなりません。たとえ進学希望者が定員に満たなくても、障害を抱える子どもたちが希望する地域で学びを続けられるよう、区内の全小中学校で特別支援学級をつくるべきと考えますが、伺います。
(教育長答弁)
 次に、特別教室の改修についてのお尋ねですが、現在、改修の対象となる特別教室の基礎調査を行っており、今年度末までに完了する予定です。
 当該調査の結果を踏まえ、改修内容・時期等について学校等と協議のうえ、工事中の学校運営に十分配慮し、計画的に進めてまいります。
 次に、特別支援学級についてのお尋ねですが、新たな特別支援学級の設置については、児童・生徒の入学状況や、学級数と、その増減にともなう教員配置数の変動、施設状況など、区全体の状況を踏まえ、総合的に判断しております。引き続き、「文の京」にふさわしい質の高い教育環境を整備してまいります。


コロナ後のジェンダー平等について
(小林れい子区議)
 コロナ後のジェンダー平等について伺います。
 新型コロナウイルスの感染拡大は、とりわけ女性に深刻な影響を与えました。
2020年7月時点で、1月にくらべ約107万人の非正規労働者が職を失っていますが、うち8割以上を占める約90万人が女性です。また、コロナ最前線で働く医療、福祉従事者の7割以上が女性であり、そうしたエッセンシャルワーカーの賃金は、労働者平均より月10万円も低い実態があります。さらに、休校中の子どもの世話や家族の介護も担い、家庭内でのDVや虐待の危険が高まっていたのは、文京区においても相談件数の増加から明らかでした。
 「UN women」は、各国政府に対し「コロナ対策が女性を取り残していないか」と問いかけ、「ジェンダーの視点にたった対策は女性のみならず社会のすべての構成員に良い結果をもたらす」と訴えました。
 コロナ禍において、真っ先に解雇や雇い止めなど、切り捨ての対象となった女性の労働条件の改善は、ジェンダーギャップ指数が過去最低の121位に後退した日本における緊急の課題です。男女の賃金格差や昇進昇級差別をなくすこと、解雇や雇い止めを抑止すること、介護や福祉などの分野における労働者の国による補助で月10万円の賃上げを目指すことなど、今こそ国に強く訴えるべきです、伺います。また、区として改善すべきことは何なのか、合わせて伺います。
 文京区においては、図書館司書や戸籍証明書発行業務など、指定管理や委託における相次ぐ離職の問題も深刻です。それぞれ、業務開始以来これまでの離職人数と、令和元年度における女性の人数および割合を伺います。特に、図書館司書については専門職であり、育児や介護休暇の制度もありながら、離職が止まりません。原因究明のための調査を行い、処遇改善を行うなど、区が事業者の目標として掲げる「女性のエンパワメント原則」を自らが率先して推進すべきと考えるが、伺います。
 「男性育休義務化」についても、義務化は企業に対する制度周知などの義務づけとはいえ、国や都の育休実施企業への支援制度がありながら、7割以上の中小企業が反対していることが、日本商工会議所の調査で明らかになりました。
 その理由と現状について区内で調査するとともに、中小企業においても育休がとれるよう具体的な支援策を実施すべきと考えるが、伺います。
 真のジェンダー平等の実現のためには、子どもたちへの教育に力を入れること、特に若い女性に被害者の多い性暴力から守り、救済することが急務です。文京区に拠点を置く「UN women」とともに学校教育における協働を深め、啓発活動を行うこと、性暴力の相談支援・実態調査などを行っている「NPO法人ぱっぷす」とともに若年化している性暴力への対策を強化することを求め、伺います。加えて、2017年に改正された刑法性犯罪について、被害の実態に即したものになるよう、規定の見直しを国に訴えるべきと考えますが、伺います。
(区長答弁)
 最後に、ジェンダー平等に関するご質問にお答えします。
 まず、女性の労働条件の改善についてのお尋ねですが、区では、UN Womenが提唱する、男女同一賃金の確保や出産後の社員に対する復職支援、パートナーの出産休暇制度などの「女性のエンパワーメントの原則」に賛同し、「女性のエンパワーメント原則推進事業所登録制度」を通じ、あらゆる場面での女性の活躍を推進する企業の普及を進めております。
 また、登録した企業を優遇する支援金制度を設け、区内中小企業を資金調達の面で支援しております。なお、女性の労働条件の改善について、国に対して求める考えはございませんが、引き続き「女性のエンパワーメント原則」等を周知することで、女性にとって働きやすい環境等の整備を促進してまいります。
 次に、戸籍住民課証明書発行業務における離職者数についてのお尋ねですが、平成25年12月の業務委託開始から令和2年9月末までの離職者数は214人になります。
 また、当該業務の従事者の95%が女性であり、令和元年度に離職した28人のうち、女性は26人、離職者全体の93%となります。
 次に、男性の育児休業義務化についてのお尋ねですが、区内中小企業に対し、男性の育児休業義務化についての調査を実施する考えはございませんが、育児休業取得者に代わる人材の確保や、育児休業を奨励する職場環境の構築など、様々な課題が考えられることから、セミナーや広報誌など、様々な機会を活用し、周知や啓発に努めるとともに、育児休業取得を支援する施策を研究してまいります。
 次に、ジェンダー平等と性暴力等への対策の強化についてのお尋ねですが、暴力は、誰に対してでも、また、いかなる理由があろうとも決して許されるものではありません。
 区では、平成27年から議会等の協力も得ながら、UN Women日本事務所等と協働による「女性に対する暴力撤廃の文京オレンジデー」を通じて、広く暴力撤廃を訴えております。また、学校教育では、UN Women日本事務所と協働した出前講座において、児童・生徒のジェンダー平等に関する理解を深めております。さらに、性暴力等から女性を守るためには、子どもの段階から被害に遭わないための知識や対処法について理解することが重要であるため、昨年度、議員のお尋ねにあるNPO法人と協働し、小中高生やその保護者を対象とした被害防止セミナーを開催したところです。なお、性犯罪に関する刑法の見直しについては、本年3月に国に設置された検討会において、既に検討が進められており、今後、動向を注視してまいります。
(教育長答弁)
 最後に、図書館における離職者数等についてのお尋ねですが、指定管理業務開始から令和2年9月末までの離職者数は286人です。また、令和元年度に離職した25人のうち女性は20人、離職者全体の80%でしたが、当該業務に従事する職員の約84%は女性となっております。
 退職理由は様々ですが、生活環境の変化や転職によるものが比較的多いと聞いております。各事業者には、育児や介護のための休暇制度の拡充や利用の促進、長期的雇用に向けた処遇の改善などについて働きかけを行っております。


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