◎平和都市宣伝の区として憲法9条を守る立場に立つべき
◎消費税10%を中止し所得、資産等、税公平化を国に求めること
◎2018年度決算について 決算の余剰金等で区民要求実現を
◎受益者負担の適正化を改め、区民施設、学童保育料等の値下げを
◎保育所待機児童問題、教育、保育の無償化について
◎園庭問題、認可保育園指導監督・調査問題、企業主導型保育問題
◎国保料の引き下げ問題、区独自で国保料の子どもの均等割り廃止を
◎熱中症対策について
◎無料低額診療について
◎元町公園、旧元町小学校の保存問題、元町公園は文化財に
平和都市宣伝の区として憲法9条を守る立場に立つべき
(関川けさ子区議)
参議院選挙が終わり、自民、公明、維新などの改憲勢力が、改憲発議に必要な3分の2を割りました。このことの決定的役割を果たしたのが、安倍政権が進める憲法9条「改定」に反対する等、13項目の政策で一致した「市民と野党の共闘」であり、全国32ある1人区での野党の獲得議席が10議席へと躍進したことです。それにも関わらず安倍首相の側近中の側近萩生田光一自民党幹事長代行は、「有力な方を議長に置いて憲法改正シフトを国会が行っていくのが極めて大事」と発言しました。これは、日本国憲法が定めた三権分立を無視した行政府から立法府に対する乱暴な介入であり、断じて許されません。参議院選挙後の朝日新聞の世論調査でも「憲法改正」は、僅か3%です。昭和54年に平和都市宣言を行っている文京区として、国に対して抗議の声をあげていくべきです。伺います。
文京区は今年、平和都市宣言から40年を迎えます。区は今年の12月に記念行事を行うとしていますが、9条を守る取り組みに特に力を入れていくべきです。伺います。また、広島の副市長から文京区に対して、中高校生に広島に来てほしいと要請があったことをお聞きしましたが、広島市、長崎市が主催する平和式典に、小中学生を派遣することや、高齢化する被爆者に被害と加害の事実を聞き取り継承する事業等を進めることを求め、伺います。また、平和市長会に参加している区として、現在、25カ国が批准、70か国が署名している核兵器禁止条約の署名、批准を行うよう国に求めていくべきです。伺います。
(区長答弁)
最初に、憲法改正や平和事業に関するご質問にお答えします。
まず、憲法改正についてのお尋ねですが、日本国憲法を尊重し、擁護することは、自治体の長として当然の義務であると認識しております。
憲法改正については、国において十分な議論や手続を経て行われるべきものと考えております。
次に、平和事業についてのお尋ねですが、区民に、平和の尊さや戦争の悲惨さを伝えることは大変重要であり、区では「戦災・原爆資料展」や「巡回原爆写真展」等を毎年開催し、戦争体験を含め、収集した様々な資料を展示するなど、周知・啓発に努めております。なお、今後の平和事業については、総合的に検討してまいります。
次に、核兵器禁止条約についてのお尋ねですが、条約は、国の専管事項であり、国において、多くの議論や国内外の情勢等を踏まえ、対応していくものと認識しております。
核兵器のない世界の実現は、人類共通の願いであり、本区は平和宣言と非核平和都市宣言を行っている自治体として、毎年平和事業を開催するほか、平和首長会議の一員として、平和事業の際に、核兵器禁止条約の実現に向けた市民署名活動を行い、平和首長会議に送付しております。
消費税10%を中止し所得、資産等、税公平化を国に求めること
(関川けさ子区議)
6月29日に通常国会が終了しました。自民、公明の与党は、参議院の予算委員会を拒否し続け、2000万円の年金問題で、日本共産党など野党5党派は、安倍内閣不信任決議案を共同提出しました。また、消費税10%増税は、景気動向指数が「悪化」となる下での増税であり、歴史的にも前例のない愚行です。消費税の10%への引き上げを中止し、所得、資産、法人の各分野における総合的な税制の公平化を図ることを国に求めていくべきです。伺います。
(区長答弁)
次に、行財政運営に関するご質問にお答えします。
まず、消費税率の改定についてのお尋ねですが、消費税等の税制については、国において議論がなされるべきものであり、国に対し意見を申し上げる考えはございません。
2018年度決算について 決算の余剰金等で区民要求実現を
(関川けさ子区議)
このような中、2018年度の決算総括が出され、今回も45億円が実質収支額となっています。45億円となった主な要因は何か伺います。不用額のところで、受託事業者に育成室運営委託費が支払われていなかったことが明らかになりましたが、なぜこのようなことがおきたのか伺います。
2018年度の当初予算は、966億4700万円となり、2018年度末には1041億円をこえました。特別区税収入は、過去最高額の328億円にもなっています。特別区交付金は前年より7億円多い171億円が計上されました。文京区の財政は非常に潤沢です。2018年度の都区財政調整協議では、区が児童相談所関連経費について、基準財政需要額で算定することや、都区間の財源配分割合を変更することなど協議を重ねているようですが、どこまで進んだのか伺います。また、来年4月に児童相談所をオープンする江戸川区では、児童心理司等145名の職員を確保したとのことですが、文京区の職員配置の準備状況はどうか伺います。
全国の自治体の「ため込み金」が、2019年対比の10年間で1、72倍のところ、文京区では2、2倍と大きく上回っています。区民一人あたりの基金総額は30万5000円で、23区中多い方から5番目との昨年の議会でのお答えでしたが、今もその現状は、変わらないのか伺います。2018年度決算が出された下での年度末の基金は、いくらになるのか伺います。
一方、区民からは、国保料は毎年値上げされ、充分な介護が受けられないのに介護保険料は上がっていき払いきれない、また、総合体育館等を使っている方々からは、使用料が高くてサークルの存続もままならないなどの苦しい状況が、議員団に寄せられています。さらに、先日、私が相談を受けた方は、生活が苦しくてたまっていた所得税をやっとの思いで払い終え、今度は区民税を払うため、税務課の窓口を訪れ、毎月支払う金額を引き下げてほしいと要望したにも関わらず受け入れられなかったと、苦しい胸の内を話して下さいました。また、福祉作業所を利用している方からは、交通機関を利用しなければ通所することが困難な方に交通費の助成があったが、来年3月で廃止するとの説明があったことをお聞きしました。この助成を受けている方は何人で補助金はいくらになるのか、伺います。
(教育長答弁)
育成室運営委託料の未払いについてのお尋ねですが、先ずは、不適切な事務執行により、区民の皆様に多大なるご迷惑、ご心配をお掛けしたことを、深くお詫び申し上げます。
この度、育成室の運営を受託している事業者のうち、1事業者に対し、委託料の支払いがなされていなかったことから、平成30年度の決算において、多額の不用額が発生しました。
この事は、担当職員間で、職務分担に関する認識の齟齬があったこと及び、節目節目における予算の執行状況確認が徹底されていなかったことにより生じたものと認識しております。
今後は、業務におけるダブルチェック・トリプルチェックの徹底はもとより、財務会計システムを改修し、支払い状況や予算の執行状況を定期的に確認することで、再発防止の徹底を図ってまいります。
(区長答弁)
次に、平成30年度決算の実質収支額についてのお尋ねですが、30年度決算については、2月補正予算において、各事業の執行状況に応じた減額補正を行うとともに、一般財源の増収を見込み、基金の取り崩しを抑制するなど、財源の有効活用を図ったところです。しかしながら、特別区税や特別区財政調整交付金等の一般財源が、想定を上回る増収となったことから、予算現額との間に乖離が生じたものと認識しております。
次に、都区財政調整協議における児童相談所関連経費についてのお尋ねですが、これまでの協議では合意には至っておりません。今後、児童相談所関連経費については、基準財政需要額で算定した上で、移管される事務の規模に応じた配分割合に変更するなど、特別区の財政需要の的確な算定となるよう、協議に臨んでまいります。
次に、児童相談所の職員配置の準備状況についてのお尋ねですが、本年3月に策定した基本計画では、開設時に必要な職員数を84人としております。開設に向け、29年度から段階的に、子ども家庭支援センターの職員数を増員するとともに、都や近隣自治体の児童相談所へ職員を派遣し、育成を図っており、現在の職員数は40人となっております。
今後、児童相談所経験者の採用枠を活用するなど、開設当初から万全の体制で運営できるよう職員の確保に努めてまいります。
次に、基金の状況についてのお尋ねですが、区民1人当たりの基金総額を、30年度普通会計決算の速報値で比較すると、本区は約29万4千円で、23区では多い方から5番目となっております。また、30年度末の基金残高は、約672億円となります。
次に、区立福祉作業所利用者の交通費助成についてのお尋ねですが、30年度の実績は、小石川と大塚の福祉作業所を合わせて7人で、助成総額は40万4,277円です。
受益者負担の適正化を改め、区民施設、学童保育料等の値下げを
(関川けさ子区議)
潤沢な財政状況の下で、「春日後楽園駅前再開発」には、2018年度は67億円、2019年度は72億円の税金が投入される一方で、区民税の滞納者には取り立てを迫り、福祉作業所の通所者にはわずかな補助金まで削るこんなことが「住民の福祉の増進」を謳う自治体のやる事でしょうか。再開発への補助金投入は見直し、区民の苦境に寄り添いため込まれた基金は、区民のために使うべきです。伺います。
また、受益者負担の適正化の考えを改め、45億円の決算剰余金の一部を使うなどして、区民施設の使用料、学童保育の保育料、自転車駐輪場使用料を値上げ前に戻すこと、18歳までの医療費無料化、75歳以上の高齢者の非課税世帯の医療費無償化、都も補助金を出し区市町村が介護人材対策への支援を行う介護人材緊急確保対策事業を行うこと、65歳以上の高齢者のインフルエンザ予防接種の無料化、65歳以上の高齢者の無料入浴券の近隣区での使用を認めること、難聴の方への補聴器購入補助等、区民要望が多い項目から優先的に実施するよう求め伺います。
(区長答弁)
次に、優先的な事業の実施等についてのお尋ねですが、再開発事業は、防災性の向上など公共性の高い都市計画事業であり、良好な市街地環境や災害に強い市街地形成につながるため、引き続き、必要な事業費に対し、補助金を交付してまいります。
また、受益者負担の適正化については、財政状況に左右されるものではなく、受益者の方に適正な金額を負担していただくものであり、施設使用料等を見直す考えはございません。
なお、これまでも、当初予算編成において、重点施策をはじめ、必要な事業を予算化するとともに、補正予算においても緊急性のある事業等の予算化を図ってきたところです。今後とも、区民ニーズ等に的確に対応するため、喫緊の課題や優先度の高い施策について、適切に予算化してまいります。
保育所待機児童問題、教育、保育の無償化について
(関川けさ子区議)
保育所待機児童問題・教育・保育の無償化等について伺います。
昨年度から今年4月までに新たに拡充した保育サービスは、認可保育園、小規模保育園、保育ママ、事業所内合わせて947人、その他、新設園の5歳児室活用含め995人の対策を行ったと6月の本会議で答弁されました。待機児童数が大きく減少したことを評価します。しかし、認可保育所を希望して入れなかった児童は4月時点で依然として587人もおり、国・都に待機児童数46人と報告しているのは実態と大きなかい離があります。新基準の待機児数46人を除く541人は、認可外施設に一時的に入所するか育児休職を取らざるを得なくなった所謂「隠れ待機児童」で、本来は認可保育所で保育すべき子ども達であり、依然として認可保育園の不足は深刻な状況ではありませんか。区の認識を伺います。
区は2019年度から2020年度の2か年で、1471人の待機児童対策を行い、待機児童解消を図るとしてきましたが、人口流入の増えている文京区でその数では足りないことが明らかです。2020年4月までに、さらに保育需要に見合った1471人以上の対策をすべきです。伺います。何カ所、何人の対策を行う計画か。決まっているもの、進行中のものを含め、目標数を保育種別に答えて下さい。
保育の無償化について伺います。無償化が認可外施設でも可能となることから、例えば認可をとらない劣悪な状況(保育士数、面積、保育内容等)でも補助を受けられることで、保育の質棚上げの危険が指摘されています。無償化により保育所整備や処遇改善が停滞することが起きかねません。江戸川区や世田谷・杉並区などは独自条件を付していますが、「5年間」の「猶予期間」中に認可が取れるよう、区として支給1年半後までに認可計画を出すことを義務づける等、保育条件の改善を図るテコとするなど、認可外施設の保育条件向上のため指導監督強化をすべきです、調査人員増を図る事も含め伺います。
また、認可保育園の指導監督・調査については今年度の進捗状況を伺うと共に、島元質問で指摘したように基準違反を繰り返す保育所に対して、全部改善されたのか、指導検査はどうなったのか、悪質な場合は給付対象としての取り消しを可能とする対策も講じるべきと思いますが、伺います。
さらに、幼児教育・保育の「無償化」の影響については、保育所への入所ニーズを喚起し、待機児童の増加に拍車をかけるのではないかと言われていますが、見解を伺います。国・自治体の待機児童施策、保育士処遇改善など保育施策の停滞・後退が危惧されています。保育職員の処遇改善のため、宿舎借り上げ制度の拡大や賃金助成を区として行なうことを求めます。区長会として国に意見を挙げるべきではありませんか、伺います。
今回の保育の無償化では、公立保育園の場合は区が全額負担することになりますが、その分貧困対策がおろそかになることがあってはなりません。さらなるこどもの貧困対策充実を求め、伺います。
(区長答弁)
次に、保育所待機児童対策についてのご質問にお答えします。
これまで、様々な方策により保育所の定員拡充を図ってまいりましたが、依然として待機児童が生じていることから、引き続き、私立認可保育所の開設を中心とした施設整備が必要であると認識しております。
本年度期中及び来年4月においては、認可保育所5施設の開設と2施設の定員拡充により、合計387人の定員を確保できる見込みです。
また、これらの計画以外にも、複数の事業者と来年4月の開設に向けた具体的な協議を行っているところであり、引き続き、待機児童の解消に向け、保育施設の整備を進めてまいります。
次に、幼児教育・保育の無償化の影響等に関するご質問にお答えします。
まず、認可外保育施設の保育の質の向上についてのお尋ねですが、無償化に伴い、対象となる施設への指導監督の必要性が高くなると認識しており、今後、認可外保育施設を含め、保育内容等の確認を進めてまいります。また、専門職の配置等、指導監督体制の強化についても検討してまいります。
次に、認可保育所の指導検査状況等についてのお尋ねですが、本年度は、8月末までに認可保育所を対象に4件の指導検査を実施いたしました。
また、昨年度の指導検査において文書指摘を行った全ての園より、既に改善状況報告及び改善計画書が提出されており、本年度の指導検査において、改善状況を確認してまいります。
指導検査等の結果、虚偽又は不正な手段により、加算の認定等を受けていることが認められた場合には、既に支給された加算相当分の額の全部又は一部の返還措置を講じてまいります。なお、本区において、これまでに、このような事例はございません。
次に、保育ニーズへの影響についてのお尋ねですが、現在、無償化に関する保護者からの問い合わせの多くが、既に在園している児童の手続きに関するものであり、現時点において、保育ニーズへの影響を見極めることは困難です。
本制度については、周知が始まって間もないため、引き続き、保護者の意向を聴取し、丁寧な対応を行いながら、ニーズの把握に努めてまいります。
次に、保育士の処遇改善についてのお尋ねですが、本区では、宿舎借り上げ制度について、国が定める対象者の範囲を拡大して補助を実施しているところです。また、賃金助成については、技能・経験に応じて人件費を加算する「処遇改善等加算U」の導入や「保育士等キャリアアップ補助金」の拡充等を行っております。
なお、保育士の更なる処遇改善等については、全国市長会を通じて、国に要望しております。
次に、子どもの貧困対策についてのお尋ねですが、区では「子どもの貧困対策庁内連絡会」を設置し、これまで、平成29年度と30年度の重点施策として、事業を拡大してきたところです。また、現在策定中の「(仮称)文の京総合戦略」及び「子育て支援計画」にも、子どもの貧困対策を位置づけることを検討しております。
園庭問題、認可保育園指導監督・調査問題、企業主導型保育問題
(関川けさ子区議)
保育所の園庭について伺います。同じ子どもの育つ施設ですが、幼稚園と異なり保育所は園庭設置が義務付けられていません。文京区の保育所は関東地域で園庭の無い率ワースト1です。区立と私立認可保育所で、園庭のある保育所とない保育園の数をそれぞれ伺います。今後新設する保育園には園庭を設けるよう極力働きかけ、対策をとる必要があります。答えて下さい。また、百カ所にも増えた保育所の不足する遊び場の確保は、従来の公園や児童遊園だけでは足りず、増やす必要があると考えます。新たな土地を確保し、公園・児童遊園を増やす対策を講じるべきです。財源は、先日の文教委員会で保育の無償化による国からの公定価格の入りの結果として、4億円経費が圧縮され国や都から財源がくるという答弁がされました。このことを踏まえ、公園・児童遊園の新たな土地確保と整備を求め、それぞれ伺います。また、保育の無償化の財政支援を2年目以降も国の責任で継続するよう強く求めていくべきですが、決意を伺います。
次に、「企業主導型保育事業」についてですが、8月11日、14日の東京新聞に、福岡市のコンサルタント会社が助成金の交付審査を担当する(公財)「児童育成協会」に虚偽の工事請負契約を提出し、総額5億9千万円をだまし取るという事件が報道されました。この事業は、助成金を狙った詐欺事件やずさんな計画で保育所を開けないなどの問題が発生しており、申請受付け、審査、決定、助成金支給などの実務を委託されている児童育成協会と内閣府の責任が問われる事態になっています。文京区にも企業主導型保育は5施設あり区民のお子さんも 保育されていますが、区として保育状況の調査を行うとともに、国に対し指導監督強化と保育状況の点検を行い、子どもの安全と権利を守るよう要請することを求めます。答えて下さい。
大塚バス車庫跡地に出来る文京区の保育所整備について伺います。わが党の要求や区団体の運動、そして請願採択を受けて車庫跡地に100名規模の保育所や子育て支援施設が出来ることが決まり、建設について中央大学と文京区の協議が進んでいます。わが党は、大規模保育所と小学生などが過ごす施設には、何としても園庭と遊び場が必要だと繰り返し要望してきました。大学生等が行き交う中での安全性も担保される必要があります。夏のプールや日常の外遊びが出来る園庭と「遊び場」空間の確保について、交渉回数、交渉経過、要望している広さや内容、可能性について具体的に明らかにすることを求め、伺います。
(区長答弁)
次に、保育所の運営等に関するご質問にお答えします。
まず、園庭についてのお尋ねですが、本年4月時点で、区立保育園において園庭のある保育所は18園、園庭のない保育所は1園であり、私立認可保育所では園庭のある保育所は12園、園庭のない保育所は46園となっております。
都市化が進んだ本区では、園庭整備が可能な物件を見つけることが困難な状況にありますが、新設する保育所においても、可能な限り園庭を確保できるよう、計画段階から運営事業者と協議を行っており、今後も、事業者に働きかけてまいります。
次に、新たな土地の確保による公園等の整備についてのお尋ねですが、既存の区有地の活用だけでは、多様な行政需要に対応できない場合、中長期的な視点から有効活用が可能と判断できる土地等があるときには、土地の取得や定期借地制度を活用した貸付け等について検討してまいります。
次に、保育の無償化の財政支援についてのお尋ねですが、無償化に係る地方負担分の初年度経費については、全額を国が負担することが示されておりますが、来年度以降も、引き続き国の責任において、無償化に必要な全ての財源を確保するよう、区長会において要望したところです。
次に、企業主導型保育事業に対する指導についてのお尋ねですが、企業主導型を含む認可外保育施設に対して、保育内容等の確認を行うとともに、児童育成協会との連携を図り、保育の質の確保に努めてまいります。
次に、都バス大塚支所跡地への保育所整備についてのお尋ねですが、本年4月以降、事業主体である大学とは、概ね月2回程度、地域活動センターや保育所等、区が要望した施設に関する設計の協議を行っております。
現時点では、協議が継続中でもあり、相互の信頼維持の観点から、詳細な協議内容をお示しすることはできませんが、限られた環境の中で、園児などの遊び場や安全性の確保についても、引き続き協議を進めてまいります。
国保料の引き下げ問題、区独自で国保料の子どもの均等割り廃止を
(関川けさ子区議)
次に、高すぎる国民健康保険料の引下げについて伺います。
国保加入者は約3割が非正規雇用、4割が年金生活者など無職です。加入世帯の平均所得は2016年には138万円という、低所得者が多く加入する医療保険です。ところが、平均保険料は4人世帯の場合、同じ年収のサラリーマンの健康保険料の2倍にもなります。しかも、昨年度からの「国保の都道府県化」によって、国民健康保険料の負担がさらに引き上げられました。
今年も区の窓口に、「保険料が昨年より高い」「減免制度を教えてほしい」「均等割りの軽減について『国保の便り』に記載してほしい」…などの声があがっているとのことですが、保険料通知が始まった7月17日以降の住民からの問合せ件数と内容の内訳、その対応を伺います。
「国保の都道府県化」で国は、自治体独自の保険料の軽減をやめさせ、その分を住民の負担増に転嫁させるために「標準保険料率」というしくみを導入しました。国も都も、「赤字解消計画」などと法定外繰り入れをやめ、文京区も、「法定外繰入の将来的な解消を見据え、対応していく」と回答しています。「広域化」による保険料への影響はどうなるのか。国が定める「標準保険料率」への区の対応と、法定外繰り入れをすべて廃止した場合、年収400万円の親子4人家族のケースでは、現状で比較すると保険料はどう変わるのか、併せて伺います。
国保料決定の権限は自治体にあります。政府も、「標準保険料率」は「参考値」で、「自治体に従う義務はない」との見解です。国保は社会保障制度です。国へ全国知事会も求める1兆円の公費繰り入れの要望をすること、政府の地方自治を侵す国保料の値上げ押し付けを区民とともに抗議すること、併せて伺います。また区として独自の繰り入れを継続して、保険料値上げを抑えることを求め伺います。
国保料が他の被用者保険と比べて、著しく高くしている大きな要因は、世帯員の数に応じてかかる「均等割」という、他の医療保険にはない国保独自の保険算定によります。そのため地方6団体も昨年11月、「子どもの均等割りの軽減」を政府に要望しています。文京区も「特別区長会として国及び都に制度の見直し及び財政支援について引き続き要望してまいります」と答えていましたが、その後の区の対応の経過を伺います。区議団は、文京区としても独自に、都内でも5市で実施している均等割りへの減免措置をとること求め、条例を提案しました。区としての実施を求め伺います。
高すぎる保険料のために、保険料を滞納せざるを得ない加入者が増え、文京区でも5千余りの世帯が滞納しています。過去3年間の短期証、資格証発行世帯と差押件数の平均数を伺います。訪問調査などにより、こうした被保険者と家族の健康状態や病気の有無など実態把握と対応をとることが求めます。また、法に基づく医療費一部負担金の減額、免除申請制度の周知徹底を図ることが大事です。併せて伺います。昨年度から保険料滞納世帯への延滞金徴収が始まりました。昨年度の延滞金発生件数、額とともに、滞納者への命に係わるようなさらなる徴収強化を改めることを求め、伺います。
(区長答弁)
次に、国民健康保険に関するご質問にお答えします。
まず、保険料に関する問い合わせについてのお尋ねですが、本年度の保険料の当初発付に関する問い合わせ件数は、7月31日までに401件あり、主な内訳は、保険料に関することが255件、通知書に関することが54件、支払い方法に関することが31件、国保だよりに関することが8件などとなっております。なお、問い合わせに対しては、制度概要を説明し、丁寧に対応しております。
次に、広域化による保険料への影響等についてのお尋ねですが、国民健康保険制度の広域化は、安定的な財政基盤のもと、持続的な医療保険制度の確立を目指したものであり、広域化に伴う保険料率への影響を緩和するため、国費による激変緩和措置等が行われていることから、大きな影響はないものと認識しております。
また、特別区では、国が定める標準保険料率等を参考とした、統一保険料方式を採用しており、区としては、引き続き統一保険料率を適用してまいります。
なお、法定外繰入を全て廃止した場合の保険料への影響額は、ご指摘のケースでは、およそ2万円程度の増額になるものと捉えております。
次に、国に対する公費繰入の要望等についてのお尋ねですが、保険者への更なる財政支援と被保険者の保険料負担軽減策の拡充等については、区長会として国に引き続き要望しております。
次に、区独自の繰り入れについてのお尋ねですが、法定外繰入により保険料の引き下げを行うことは、国民健康保険加入者以外の方との負担の公平性の観点からも、望ましいものとは言えないため、被保険者の保険料負担の状況を見極めながら、法定外繰入の将来的な解消を見据え、対応していくべきものと考えております。
次に、子どもの均等割の軽減についてのお尋ねですが、本年度においては、区長会として都への要望を行っておりませんが、国に対しては、多子世帯などの子育て世帯の経済的負担軽減のため、制度の見直しについて、引き続き要望しております。
また、均等割の減免措置は、国の責任において実施されるものと認識しており、区独自で実施する考えはございません。
次に、短期証等の状況についてのお尋ねですが、過去3年間の年平均では、短期証は197世帯、資格証は1,215世帯、差押件数は62件です。
次に、滞納者への対応等についてのお尋ねですが、滞納世帯に対しては、世帯の状況把握に努め、きめ細かな納付相談を行っており、法令に基づき適切に対応しております。加えて、短期証の発行等により納付相談の機会を確保し、生活困窮者や多重債務問題を抱えている滞納者に対しては、関係機関等と連携し、適切な支援につなげております。
また、一部負担金の減額または免除申請制度については、毎年4月に全ての被保険者世帯に送付する「国保便利帳」に掲載し、周知を図っているところです。なお、平成30年度の延滞金は105件で、21万3,000円となっております。
熱中症対策について
(関川けさ子区議)
熱中症対策について伺います。
この夏も梅雨明けとともに「災害級」の猛暑がおそい、23区内の熱中症による死者数は、東京監察医務院の統計で7月以降8月18日までに101人に達しました。亡くなった方のうち65歳以上が91人。また屋内で亡くなったケースは94人、クーラーが設置されていた40人のうちが38人は未使用、48人はクーラーがなかったそうです。報道によれば区内でも8月4日、82歳の男性が自宅で亡くなりました。エアコンや扇風機が設置されておらず、台所の窓がわずかに開いていただけでした。
区議団は8月9日、緊急の熱中症対策を区に申し入れました。昨年は国の特別対策が取られましたが、継続した対策が求められています。昨年の生活保護世帯へのエアコン設置助成の実績、現在の区の熱中症対策の取り組み状況を伺います。
さらに、@高齢者・障害者など「熱中症弱者」含む必要な対象世帯には、区の責任で可及的速やかにエアコンを設置すること。A荒川区が行っている、65歳以上の高齢者世帯、障害者世帯、要介護4以上の認定を受けている方がいる世帯等へのエアコン設置助成事業を参考に、文京区でも実施すること。B社会福祉協議会の行っている「生活福祉資金」貸し付けを利用してエアコンを設置した生活保護利用者へは、今後の返済は区が代位弁済すること。C生活保護利用者等の夏季のエアコン利用による電気代相当額を、法外援護費として支援すること。D区内37か所の「涼み処」は、利用者から会場が「暑い」「暗い」などの声も上がっています。適正な対処と、事業を検証し改善すること。以上伺います。
(区長答弁)
次に、熱中症対策に関するご質問にお答えします。
まず、取り組み状況についてのお尋ねですが、区では、7月の熱中症予防強化月間に先立ち、区報やホームページ、区設掲示板等により、子どもから高齢者までの幅広い対象に向け、熱中症予防の啓発を行っております。
また、熱中症にかかるリスクが高い高齢者と乳幼児については、高齢者あんしん相談センターによる予防講座や戸別訪問の実施、母子保健事業及び保育施設を通じたリーフレットの配付など、様々な機会を捉えて注意喚起に努めているところです。
なお、平成30年度の生活保護受給世帯への冷房器具購入費用の支給実績は10世帯となっております。
次に、冷房器具設置等の支援についてのお尋ねですが、生活福祉資金は、大きな負担とならない範囲で貸し付けを受けており、その返済や、冷房器具の電気料金については、支給された生活扶助費の中から負担することができるものと考えております。
また、区独自で、生活保護受給世帯以外を対象とした冷房器具設置費用等助成事業を行う考えはございませんが、引き続き、熱中症予防に関する啓発活動や注意喚起に取り組んでまいります。
次に、「ぶんきょう涼み処」についてのお尋ねですが、区では昨年度より、夏場の外出時における熱中症を予防するため、区内施設に「ぶんきょう涼み処」を開設しております。
各施設の状況に応じて、涼めるスペースを設置しておりますが、今後も利用者や各施設からの意見を参考に、良好な環境整備に努めてまいります。
無料低額診療について
(関川けさ子区議)
「無料低額診療事業」が都内でも広がっています。社会福祉法の規定により、生計困難者が、経済的な理由により必要な医療を受ける機会を制限されることのないよう、医療機関が独自に無料又は低額で診療を行う事業で、失業中、ホームレス、ネットカフェ難民、DV被害者、外国人の方などが対象です。区内での動向と、事業受理は都道府県ですが区としても事業を積極的に支援することを求め伺います。
(区長答弁)
次に、無料低額診療事業についてのご質問にお答えします。
本区における、昨年度の無料低額診療の希望者は3人となっており、引き続き必要とする方からの相談があった場合には、適切な対応を行ってまいります。
元町公園、旧元町小学校の保存問題、元町公園は文化財に
(関川けさ子区議)
(関川けさ子区議)
元町公園、旧元町小学校の保存、整備問題について伺います。
旧元町小学校、元町公園は、昭和2(1927)年に関東大震災の帝都復興事業における復興小学校として、復興公園である元町公園とともに建設整備されました。その後、旧元町小学校は平成10年に閉校していますが、建設整備されてから90年以上が経過した今日も、復興小学校と復興公園が一体となった建設当時の姿をとどめています。
文京区は、これまで有識者による検討会議等を行い、2018年8月に「旧元町小学校の保全・有効活用整備方針」を策定しました。その後、区は、2019年3月から、旧元町小学校の整備と元町公園との一体的活用事業事業者公募型プロポーザル募集要項に基づき事業者の募集を行い、事業提案書の受付けの終了が9月中旬となっていますが、応募があった事業者の提案の概要を公開し、パブリックコメントを行うよう求め伺います。また、プロポーザル募集要項では、区民から要望が出されていた病後児保育がありませんが、病後児保育の扱いはどのようになるのか伺います。さらに、元町公園にいつも人の眼が行き届くよう多目的室等にカフェや図書コーナー等の設置を提案し伺います。
プロポーザル募集要項では、元町公園については、応募事業者から提案がされた旧元町小学校との一体的活用プランを参考とし、区が設計、施工をするとしていますが、2004年3月に都の史跡等整備検討委員会が報告書を提出し、その中に近代遺産の保護が急務であり、名勝の部の公園、庭園において詳細調査を実施すべき物件として元町公園をあげ、2004年9月と2005年4月に区は都との協議を行っているにも関わらず、区は文化財保護審議会にもかけず断ってしまったという大変残念な経緯があります。極めて歴史的に価値のある公園であることは証明されているのですから、原形を保ち整備後は区として文化財に指定をしていくべきです。なぜ文化財に指定しないのですか、伺います。
(区長答弁)
最後に、旧元町小学校及び元町公園の保全・有効活用に関するご質問にお答えします。
まず、プロポ―ザルによる事業者選定についてのお尋ねですが、区では、これまで有識者や区民等から、幅広くご意見を伺いながら整備方針を策定し、それを踏まえた募集要項により公募を実施しております。
事業者の適正な競争を確保する観点から、選定過程における提案内容の公開や、パブリックコメントの実施等は、プロポーザルの手続き上、想定しておりません。
なお、選定にあたっては、学識経験者や地域の代表の方にも委員として加わっていただき、事業コンセプトに沿った、より効果的な提案を採用してまいります。
次に、病後児保育所についてのお尋ねですが、事業委託先の学校法人とは、契約期間終了後、本郷キャンパス又は当該キャンパスの周辺において、病後児保育事業を継続的に実施することについて、覚書を交わしており、今後の継続方法については、当該学校法人と協議を進めているところです。
次に、カフェ等の設置についてのお尋ねですが、募集要項では、旧元町小学校と元町公園の一体的な屋外空間を形成している特徴を生かしつつ、賑わいやコミュニティ向上を図るための提案を求めており、事業者からは、それを踏まえた具体的な提案を受けることとなっております。
次に、元町公園の整備等についてのお尋ねですが、元町公園は、地域住民等のご意見も伺いながら、公園内の特徴的な意匠を残し、安全性を高め、魅力ある公園としてまいります。文化財登録については、必要な改修等を行った後、慎重に検討してまいります。
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