◎基金の活用で区民負担軽減、学校給食無償化や医療費無料化拡充を
◎業務委託、指定管理者制度の検証と抜本的見直しを
◎快適・最善の教育環境を追求し、普通教室を増やす抜本策をつくれ
◎体育館のエアコンは災害級の暑さに対処できる機器に一気に交換を
◎保育園待機児解消、幼児教育無償化について
◎私立保育園の指導検査で驚く実態明らか。直ちに全73園検査を
◎一兆円の公費投入で、高すぎる国保料の引き下げを
◎特養ホームの待機者の解消のため、さらなる増設を
◎中小企業振興条例、公契約条例制定を
◎早急にB−ぐる新路線等の具体化を
基金の活用で区民負担軽減、学校給食無償化や医療費無料化拡充を
(島元雅夫区議)
政府の来年度予算案は、消費税の10%増税、過去最高額の5兆3千億円の防衛費、医療保険料の大幅値上げや年金給付の減額などが計上されています。しかも、予算案の審議の前提を揺るがす毎月勤労統計での不正事態までが起こっています。
区民からは、「なにが景気回復の暖かい風≠セ」など怒りが噴出しています。区長はこうした国の予算案に対する評価と自治体への影響をどう見ているのか。住民に負担をしい、ウソと隠ぺいを重ね、民意にそむく政治に、地方自治体が従うばかりでいいのか。
こうした政治のもとでも、「住民の福祉の増進」を使命とする地方自治体は住民の意思を尊重し、くらしを守る防波堤の役割を果たすべきではないか、その認識を併せて伺います。
文京区の来年度予算案は、一般会計は過去最大の1022億円。基金残高は昨年度末で過去最高額の679億円です。勤労統計の偽装を補正すると昨年の実質賃金はマイナスになる可能性も出ているなか、また全国の自治体の「ため込み金」が、平成19年対比の10年間で1.72倍のところ、文京区では2.2倍と大きく上回るなど、現区政の11年間で実に380億円の基金を増やす、まさに異常なため込みです。
多くの保護者が望み、保育士の安定確保にもなる区立保育園は平成15年以来14年間建設されず、認可保育園に入れない児童は2年連続で700人を超えています。
シルバーピアも平成16年以来つくられていません。特養ホームは昨年13年ぶりに増設されましたが、都バス大塚支所跡地には子育て支援施設は設置するものの、住民が望んでいた特養ホームや公的住宅はついぞ盛り込みませんでした。
特養待機の現状は、文京区内外、住所地特例者などを含めて1000人以上が入所待ちしています。区長はいったいこうした現状をどう認識しているのか、伺います。
区民への負担はどうか。受益者負担の適正化なる使用料などの改定は、この6年で2倍になった幼稚園保育料、2.5倍になった育成室保育料、さらに12倍になった自転車駐輪場などで、区民に約6億2千万円の負担増となりました。即刻見直し、値上げ前に戻すことを求めます、伺います。こうした区政運営が、11年で基金を約380億円増やし過去最高の679億円をため込む結果となったのではないのか、伺います。
区政にとって今大事なことは、この豊かな財政を有効活用し、文字通り、いのちと暮らしを守る予算編成をすることです。
総務省は予算編成における留意事項として、「基金については、その規模や管理などについて十分検討を行った上で…優先的に取り組むべき事業への活用を図る」こと求めています。
今議会にわが党は、6年間の「受益者負担の適正化」による値上げを元に戻すこと、小中学校の学校給食の無償化、18歳までの医療費無料化などを行うことを条例提案しています。区としての実施を求めます。
春日後楽園駅前再開発事業への今年度の68億円に続く来年度73億円の税金投入は再検討し、議員提出議案などを総務省がいう「優先的に取り組む事業」に位置付けるべきではないか、併せて伺います。
(区長答弁)
最初に、国の予算案についてのご質問にお答えします。
予算案については、国において十分な議論がなされるべきものと認識しており、国の動向等を注視し、自治体へ影響が及ぶ場合には、適時適切に対応してまいります。
また、自治体と国は、それぞれの立場から、住民の意思を尊重し、くらしを守る役割を担っているものと認識しております。
次に、区の来年度予算に関するご質問にお答えします。
まず、基金等についてのお尋ねですが、区はこれまでも、当初予算編成において、重点施策を始め必要な事業を予算化しており、補正予算においても緊急性のある事業等について、予算化を図ってきたところです。
また、基金については、適切な予算編成と執行により生じた財源を積み立て、大規模な学校施設整備等に対応するための特定目的基金繰入れや、歳入不足額を補填するための財政調整基金繰入れなど、有効活用を図ってまいりました。これまでの基金積み立ての財源については、納税義務者の増による特別区税収入の増や、各種交付金の増などによる一般財源の増加傾向等が大きな要因となっており、受益者負担の適正化による影響とは考えておりません。
次に、受益者負担の適正化についてのお尋ねですが、受益者負担の適正化は、財政状況に左右されるものではなく、受益者の方に適正な金額を負担していただくものであり、保育料や使用料を改定前の金額に戻す考えはございません。
次に18歳までの医療費助成についてのお尋ねですが、本区では、年少人口の増加や出生率の改善など、区の現状を踏まえ、限られた財源の中で優先順位をつけながら、様々な子育て支援事業を展開しております。そのため、医療費助成の対象を18歳まで拡大することについては考えておりません。
次に、優先的に取り組む事業の位置付けについてのお尋ねですが、予算編成においては、喫緊の課題や区民ニーズ等に的確に対応すべく、優先度の高い施策について、予算化しております。
業務委託、指定管理者制度の検証と抜本的見直しを
(島元雅夫区議)
区政運営では、業務委託の戸籍住民課の証明書発行業務では5年間で128人、指定管理された図書館では8年間で219人が離職しています。図書館は直営時には約90人体制でしたから、8年間で当該職員が2〜3回転したことになるわけです。業務・管理委託の抜本的な見直しなくして改善はありません。伺います。
東京ドーム・ミズノ共同企業体は引き続き事業者選定を受けるために、来年度収支計画で、これまで議会でも議論を重ねていた「本社経費」を、昨年実績の約2千万円を「0円」で提案しました。区は「0円」で了承した「本社経費」の定義を改めて明確にすべきです。
また、目白台運動公園の西武造園パートナーズの収支報告も間違いが判明、訂正されました。区は指定管理者に収支の確認をしていないのか。指定管理者制度の抜本的見直し、直営にもどすことも求め、併せて伺います。?
(区長答弁)
次に、区政運営に関するご質問にお答えします。
まず、業務委託等の見直しについてのお尋ねですが、多様化・複雑化する区民ニーズに的確に対応するため、区が実施すべきサービスについては、その水準を確保するために最も適した提供主体や手法を選択しております。今後とも、民間事業者の活用に適した業務については、指定管理者制度や業務委託を導入し、専門的な技術や知識等を活用するとともに、適切な管理・監督を行い、効率的で質の高いサービスを、区民に提供してまいります。
次に、指定管理者制度についてのお尋ねですが、本社経費については、「指定管理者制度運用ガイドライン」において、「指定管理業務の遂行に当たって発生する本社との間の必要経費」と定義しております。ご指摘の本社経費については、企業努力により、経費として計上することなく事業を運営するとの提案がなされ、内容を確認し了承したものです。また、指定管理者の収支状況については、評価検討会での一次評価において、評価報告書等を基に確認しております。今後も、報告書が適正に作成されるよう、事業者を指導してまいります。なお、先程ご答弁申し上げたとおり、民間事業者の専門的な技術や知識等を活用することで、区民に対する効率的で質の高いサービスの提供が実現できるものと考えており、直営に戻す考えはございません。
快適・最善の教育環境を追求し、普通教室を増やす抜本策をつくれ
(島元雅夫区議)
私は阪神淡路大震災直後に現地調査を行い、学校耐震化の必要性を痛感、以来、四半世紀にわたり安全・平等・快適な学校環境を求め、関係者の皆さんと力を尽くしてきました。この間、子ども達が喜ぶ、臭い和式便器や雨漏りを一掃した明るい校舎の実現や、すでに改築された六中に続き、誠之・柳町・明化小が改築へと進み、来年度は千駄木小と小日向台町小で新築の検討がスタートします。同時に児童数が増え、普通教室が不足し逼迫する事態も進行しています。
昨年5月、党区議団の学校施設調査でも、汐見小や根津小、籠町小、窪町小などで教室転用の話を伺いました。これらはH27年7月の小学校教室対策検討委員会で確認された「やむを得ない場合」による転用例ですが、来年度予算案は教室転用のため、1億4千万円を計上しています。「やむを得ない」という方針で今年度迄にランチルーム等の普通教室への転用数と来年度に予定する教室数を学校数と共に伺います。また、転用は教育の質の低下や新たな学校格差につながっているのではないか、伺います。
昨年3月に社人研が公表した文京区の年少人口推計のピークは2040年で、従来の推計を2561人も上回るとしています。今後20年間、児童が増え続ける推計を前に、既に大塚小では教室転用が限界で来年度から増築の検討が行われ、教室を増やしたばかりの本郷小ですら次の対策が必要になっています。直ちに教室を増やす抜本計画を作るべきです、人口推計への見解とあわせて伺います。
また、最善・平等の教育環境を確保するために、これまで実施が放置されてきた小中全学年での35人学級が実現できる教室整備計画をエレベーター設置と併せ検討し、区民に示すこと。図工室・理科室など特別教室と職員室の改修についても、普通教室の快適化工事に続いて途切れなく行い、学校内格差を一掃することを求め、併せて伺います。
さらに「文の京」を掲げる文京区としては30人学級を可能とする教室確保の計画も示すべきです、伺います。
(教育長答弁)
はじめに、学校給食費の無償化についてのお尋ねですが、本区では、学校給食法に基づき、給食に係る食材費等は保護者の負担としております。しかしながら、要保護・準要保護世帯については、生活保護や就学援助により、ひとり親家庭や特別支援学級の児童・生徒の保護者については、学校給食費の補助により、給食費は無償となっております。したがいまして、子育て家庭への負担軽減については一定程度なされているものと考えております。
次に、ランチルーム等の普通教室への転用についてのお尋ねですが、平成27年度から今年度までに、44室を普通教室に転用しております。なお、来年度の転用予定数は、今後の児童数の推計を受けて具体的に検討するため、現時点で明確に示すことはできませんが、今年度は8室を転用していることから、来年度も同程度の転用となるものと見込んでおります。また、普通教室への転用に当たっては、各校の教育の質の低下につながらないよう配慮しております。
次に、教室を増やす計画の策定と人口推計への見解についてのおたずねですが、文京区内の年少人口は、人口統計データから、今後も緩やかに上昇を続けていくものと考えており、教室対策は、重要な課題と認識しております。
一方で、学区域ごとに出生前の子どもの人口を推計することは難しいことから、今後も毎年度、年少人口の動向を把握するとともに、児童数及び必要な学級数の推計を行い、適切に対応してまいります。
次に、小中学校全学年を35人学級とする教室整備計画とエレベーターの設置についてのお尋ねですが、教室整備計画については、国及び都の動向に注視し、現行の基準に則り進めているところであり、小中学校全学年35人学級を想定した整備計画は、検討しておりません。なお、現在エレベーターが未設置の学校については、大規模改修等の機会を捉えて、設置を検討してまいります。
次に、特別教室等の改修についてのお尋ねですが、今後の学校施設の改築・改修に備え、平成30年度2月補正予算において、学校施設建設整備基金への新規積立てを計上させていただいており、特別教室等の改修についても、現在実施している学校施設快適性向上事業が終了した後に、引き続き計画的に実施できるよう、改修内容や時期等に関して学校と協議してまいります。
次に、小中学校全学年を30人学級とする教室整備計画についてのお尋ねですが、先程もご答弁いたしましたとおり、教室整備計画については、国及び都の動向に注視し、現行の基準に則り進めているところであり、30人学級を想定した整備計画は、検討しておりません。
体育館のエアコンは災害級の暑さに対処できる機器に一気に交換を
(島元雅夫区議)
災害級の暑さ対策について官房長官は「政府として責任もって2019年の夏までに対応する」とし、学校エアコンの設置費用と電気代を措置するとしています。さらに東京都は体育館のエアコンについて、国の補助が交付されない場合、都の支援を検討するとしています。
区の今のスポットエアコンは「涼しくならない」とPTAからも寄せられている声を示して、国や都の財政措置の活用の交渉を行うことも含め、本格的なエアコンに一気に交換すべきです、伺います。
(教育長答弁)
最後に、体育館の空調設備についてのお尋ねですが、現在導入している空調機器は、スポットエアコンとして優れたものであり、4台設置していた学校は、昨年の記録的猛暑においても、効果を発揮していたと認識しております。
こうした効果も踏まえた上で、今年の夏に向けてスピード感を持った対応をすべく、現在スポットエアコンが2台設置の学校については、電気容量等、個々の学校の状況を考慮して、ガス空調機の増設やスポットエアコンの4台への増設等の整備を行ってまいります。
また、整備に当たっては、国や都の補助制度の活用について、情報収集を行いながら適切に対応してまいります。
保育園待機児解消、幼児教育無償化について
(島元雅夫区議)
認可保育園に入れなかった児童が2年連続で700人を超えるなど待機児童解消は喫緊の課題です。昨年2月、わが党の質問に「平成31年度までに1471人分の保育サービス量を新たに確保することで、保育所待機児童を解消できる見込み」と区長が答弁。その後今年の4月に向け新たに12園865人分を確保したとしています。今年4月時点での待機児解消について、また、31年度時点で1471人分の新たな保育が確保できるのか、伺います。増設された12園中園庭がある保育所は何園でどこか、また、公有地活用で出来る保育所園庭の他保育所の活用についても併せて伺います。
都バス大塚支所跡地など園庭・遊び場確保のために区は積極的に動くべきです。伺います。
3〜5歳の幼稚園、保育所、認定こども園を対象とする幼児教育無償化は、公立については全額自治体負担とされました。公立の幼、保、こども園それぞれ区の負担額が年間いくらになるのか、私立幼稚園や私立・認可外施設の無償化で区の負担額について併せて伺います。
保育所に申し込んでも入所できない家庭は、無償化からも除かれ二重に不公平です。全員入所の実現が無償化の前提と考えるが、区の認識・決意を重ねて伺います。
(区長答弁)
次に、保育施策に関するご質問にお答えします。
まず、待機児童解消についてのお尋ねですが、現時点では、平成31年4月時点での待機児童数は算出できませんが、30年度期中及び31年度当初において、私立認可保育所等を20施設開設することにより、合計で947人の定員を確保しております。あわせて、春日臨時保育所の運営期間の延長や、定期利用保育事業を実施いたします。引き続き、待機児童の解消に必要な保育サービス量の確保に向け、迅速に保育施設の整備を進めてまいります。
次に、保育所の園庭や遊び場についてのお尋ねですが、増設される私立認可保育所12園の内、園庭のある保育所は、「大空と大地のなーさりぃ茗荷谷園」及び「テンダーラビング保育園音羽」の2園となっております。また、そのほかの7園においても、水遊び場等のスペースを設置しております。なお、公有地を活用し31年度に開設する園の1つでは、園庭を近隣の保育所等の外遊びやプール遊びの場として使用し、園庭のない保育所等の外遊びの機会の確保に努めているところです。今後も、限られた環境の中でも新たな遊び場が確保できるよう、引き続き、関係部署や、民間施設等と協議を進めてまいります。
次に、幼児教育無償化についてのお尋ねですが、保育料が無償化されることに伴う影響額は、31年10月からの半年間で、区立幼稚園は5,636万円、区立保育園及び認定こども園は1億6,282万円の負担増を見込んでおります。
利用者数等を同条件として年間の影響額を試算すると、幼稚園は1億1,274万円、保育園及び認定こども園は3億4,476万円の負担増を見込んでおります。
また、私立幼稚園、私立認可保育所及び認可外保育施設等の無償化に伴う影響額は、31年度は5,980万円、32年度は3億522万円の負担増を見込んでおります。
次に、無償化と保育所の入所についてのお尋ねですが、国の方針では、無償化の範囲を認可保育所の他、認可外保育施設、幼稚園の預かり保育、一時預かり事業等としております。無償化の範囲については、国において、様々な角度から議論されるべきものと考えております。
区では、今後とも必要な保育サービス量の確保に向け、引き続き迅速に対応してまいります。
私立保育園の指導検査で驚く実態明らか。直ちに全73園検査を
(島元雅夫区議)
いまや家庭的保育を含め73カ所に増えた私立保育所の全園検査は急務です。昨年11月、わが党の求めに、区は否定的でした。しかし、29年4件、30年度9件実施した「指導検査結果通知書」に書かれた驚くべき実態が、全園検査の緊急性・必要性を如実に示しているではありませんか。ある園では、29年度に系列施設に3461万6923円貸付けし返金されていない、また委託費収入の60.8%を使わず貯め込んだままなので「適切な執行を行うこと」と指摘されており、公費である委託費が正当な保育事業に使われていないのではと疑わざるを得ない実態が明らかにされています。どう解決したのか伺います。
また、別の園は、本部と施設の事業会計の区別がなく保育所独自の収支報告がない、無資格者を保育士と保護者に紹介している、30日以上の治療を要する重篤な事故について報告もなかった、宿舎借り上げの補助金を受けながら初期費用等を保育士等に負担させていたなど11項目も指摘を受けています。改善されたか伺います。
他にも週案、日案など指導計画が作られていない、保育士配置が基準に満たない、会計帳簿が作成されてないので「経理状態が全く把握でき」ない等、30年度は検査した9施設すべてで11項目、8項目等多数の重大な問題が指摘されています。これらの指摘の改善とその確認はどうはかられているのか、伺います。
これは氷山の一角です。練馬区のベビールームや中央区の乳児の死亡事故、世田谷での企業主導型保育の突然の閉園などの問題が起きている下で、全園検査を先延ばしすることは危険すぎます。まだ調査されていない60件の保育施設の指導検査を19年度中に一気に実施すべきです。伺います。改善されなければ被害を受けるのは子ども達であり、生命、発達、心の形成に関係する重大な事態です。先延ばしは許されません。直ちに来年度、他自治体では実施されている全園での指導検査実施の体制をとるべきです。区長の責任ある答弁を求めます。
また、退職園長の訪問指導とともに、さらなる保育士の待遇改善と質の向上が急務です。具体策を答えて下さい。
(区長答弁)
次に、私立認可保育所等に対する指導検査結果の改善状況についてのお尋ねですが、会計経理の面で指摘を行った施設については、その後、提出された改善状況報告書において、改善の方策・時期を確認しております。29年度中に貸付金の補填が行われていなかった指摘事項については、30年度決算時に修正予定であり、今後は当該年度に補填を行う旨の報告を受けております。また、当期末支払資金残高が、委託費収入の60%を超えて保有していた指摘事項については、当該園のシステムエラーに起因するものであり、委託費は適正に執行されていた旨の報告を受けております。なお、11項目の指摘を行った園については、既に改善状況報告書及び改善計画書の提出があり、11項目中7項目が改善済みで、年度内にすべての指摘事項が適切に改善される見込みです。
文書指摘を行った施設については、指導検査後、改善状況報告書又は改善計画書による報告を受け、適宜、改善状況を確認しております。あわせて、巡回指導の際に、指導員が改善策についての具体的なアドバイスを行っており、安全な保育環境の整備に努めております。
次に、来年度の指導体制及び保育士の処遇改善についてのお尋ねですが、認可保育所等が大幅に増えている状況等を踏まえ、来年度は専任の担当を新たに設け、指導検査の実施回数を増やしてまいります。全園を対象に実施している巡回指導とあわせ、指導体制の更なる強化を図り、保育の質の向上に努めてまいります。
また、保育従事者の処遇については、技能・経験に応じて人件費を加算する「処遇改善等加算U」の導入や「保育士等キャリアアップ補助金」、「保育従事職員宿舎借り上げ支援事業補助金」の活用により改善を図っております。今後も、国や都の補助制度を積極的に活用しながら、保育従事者の処遇改善に取り組んでまいります。
一兆円の公費投入で、高すぎる国保料の引き下げを
(島元雅夫区議)
「高すぎる国保料」への批判が大きく広がっています。
給与所得400万円、4人家族という23区モデルケースの国民健康保険料は42万円を超え、協会けんぽの1、3倍、組合けんぽの1、7倍の高さです。高齢者など所得が低い層がほとんどを占めている国保財政の構造的問題があるとはいえ、あまりにも高すぎます。そのうえ東京都の国保運営協議会は来年度も、国保都道府県化前のH28年度比で、31、7%アップ、現在より6760円以上も上げようとしています。文京区の来年度の保険料はいくらになるのか伺います。
文京区はこの10年間で国保料を10万円も値上げしました。昨年、後期高齢医療に移行した私の場合、保険料が一気に10万円値上がりしました。こうした国保の構造的問題は、国保の都道府県化では解消しません。伺います。
全国知事会は「国保料の負担が重くなる要因は、均等割加算にあり、均等割に見合う国費を投入して協会けんぽ並みの保険料にすべきだ」と提言。全国市長会でも、国庫負担割合の引き上げ等様々な財政支援の方策を講じるよう国に要望しています。区長もこの立場にたち、公費投入の実現まで頑張りぬくよう求め、伺います。
国のいう通りに法定外繰り入れを解消するなどは、財政が豊かな区が行うべきことではありません。多子世帯の均等割の軽減等を行い、国保料を引き下げるよう全力をあげるべきです。伺います。
(区長答弁)
次に、国民健康保険に関するご質問にお答えします。
まず、来年度の保険料についてのお尋ねですが、平成31年度保険料については、都から示された納付金等に基づき、現在、特別区における基準保険料率の算定を行っており、協議が整い次第、お示しいたします。
次に、国民健康保険制度についてのお尋ねですが、この度の国民健康保険制度の広域化は、安定的な財政基盤のもと、持続的な医療保険制度の確立を目指したものであります。そのため、更なる改革については、今後、国の社会保障制度改革の中で議論されるべきものと考えております。
次に、財政支援に係る国への対応についてのお尋ねですが、これまでも特別区長会として国に要望してきたところであり、今後も、引き続き要望してまいります。
次に、保険料の負担軽減についてのお尋ねですが、法定外繰入により保険料の引き下げを行うことは、国保加入者以外の区民の方との負担の公平性の観点からも望ましいものとは言えないため、被保険者の保険料負担の状況を見極めながら、法定外繰入の将来的な解消を見据え、対応していくべきものと考えております。
また、多子世帯の均等割の軽減等については、子育て世帯の経済的負担軽減のため、特別区長会として国及び都に制度の見直し及び財政支援について引き続き要望してまいります。
特養ホームの待機者の解消のため、さらなる増設を
(島元雅夫区議)
国が要支援に次いで介護1・2の方の介護保険外し(市町村の事業化)、利用料の2倍化など、「保険あって介護なし」路線を強行するもとで、区による特養ホーム増設は焦眉の課題です。679億円のため込み金を有効に活用し、1000人を超える待機者の解消にふさわしい施設の増設を行うよう求めます。
都の長期ビジョンに合わせた740床の整備目標で良しとする区の姿勢を改め、実態に即した計画に変更すべきです。伺います。?
(区長答弁)
次に、特別養護老人ホームについてのご質問にお答えします。
これまでも「高齢者・介護保険事業計画」に基づき、着実に整備を進めてきたところです。今後とも、「東京都長期ビジョン」の整備方針や高齢者人口の動向等を踏まえ、計画期間ごとに、利用状況やニーズ等を勘案し、必要に応じ検討してまいります。
中小企業振興条例、公契約条例制定を
(島元雅夫区議)
昨年11月の地域振興特別委員会の研究会で、東洋大学の新雅史先生が、「文京区では平成6年から26年にかけて事業所数で53%、販売額で60%と大激減している、商業施策を真剣に考える必要がある、深刻だ」と、強い警告付きの報告をしました。店舗数や販売額の激減はどのような形で表れたのか、また、どう対策をとってきたのか、こうした“警鐘”があるにも関わらず、来年度予算の産経費はさらに減らされ、対策を講じているとは思えないが、区の認識を伺います。
党区議団は、かねてより印刷・製本・医科器械や観光・商業の振興策を区民参加で練り上げられる、中小企業振興条例の制定を求めてきました。区が「制定の考えはない」と繰り返えしている間に、23区では17区が、昨年末にはついに東京都が「中小企業・小規模企業振興条例」を制定しました。都が示す基本的な考え方に学び「経営基盤の強化や事業継承の円滑化、創業や販路開拓の促進」「金融機関や大学にも協力を求める」方向で、今度こそ区独自の「条例制定」に踏み出すべきです。伺います。
公契約条例でも動きがあります。新宿区長が昨年11月の議会で、「公契約条例の制定を進める」と答弁。区の現在、300近い事業所に公共サービスの調達に向け必要な、労働者の適正な労働環境の確保や事業者の人材確保、地域経済の活性化など、ヒアリング等を行っている。
先行する世田谷区では、労働報酬の下限額が、今年4月から引き上げられる方向です。特に、公共工事における重層構造の建設産業などでの対応が急務であり、文京区でも公契約条例を早急に制定することを求めます。伺います。
(区長答弁)
次に、産業振興に関するご質問にお答えします。
まず、商店街振興についてのお尋ねですが、商店街の発展は、地域の活性化やまちの安全にとって欠かせないものであると認識しており、これまでも、店舗の増加促進策として、新規開業者を対象とした創業支援セミナーやチャレンジショップ支援事業を実施するほか、商店街のイベントや環境整備等の補助を実施し、商店会加入に向けた支援に努めてまいりました。
さらに、来年度は、商店主の高齢化や後継者不足など商店街が直面する課題に対応するため、商店街活動の担い手となる若手商店主の育成やネットワークづくりを推進してまいります。なお、産業経済費の減についてですが、融資事業費が、契約利率の低下や融資実績により減少となったことが主な要因となっております。一方、商工振興費は中小企業支援や商店街振興事業の拡充により増額しており、今後も活気ある商店街に向け支援を行ってまいります。
次に、中小企業振興条例についてのお尋ねですが、産業振興を図るための各種事業を「基本構想実施計画」で計画化し、中小企業の振興に関する施策を推進していることから、中小企業振興条例を制定する考えはございません。
次に、公契約条例についてのご質問にお答えします。公契約条例については、その自治体のみに適用されることから、効率性や有効性に課題があるものと認識しておりますが、現在、工事請負契約等において労働条件モニタリングの試行を実施しておりますので、その実施結果等を踏まえ、条例制定の必要性について検討してまいります。
早急にB−ぐる新路線等の具体化を
(島元雅夫区議)
Bーぐるについて、昨年9月議会で区長は、「路線の最適化や運行間隔の見直し等については、「Bーぐる課題等分析委託報告書」に基づく検討を行い、また、交通管理者等の関係機関と今後の検討の進め方等について協議している」との答弁でした。現在の進行状況、また、Bーぐる沿線協議会からの意見はどうか、伺います。
来年度予算案では、今年度より約2700万円増となっているが、要望の強い湯島・大塚坂下・千石方面への新路線や運行間隔、逆回りも含め、どう具体化されるのか、伺います。
273億円もの税金が投入される春日後楽園駅前再開発事業で販売されるマンションの最多販売価格帯は1億2000万円台、最高額は3億6000万円と言われています。その一方で、区立シルバーピアは15年間1戸もつくらないなど、区の公的住宅確保政策は全く後景に追いやられています。高齢者、ひとり親家庭等に対し、民間住宅を区が借り上げて家賃補助制度を創設するなど低廉な住宅の供給をすべきです。伺います。
(区長答弁)
次に、B−ぐるについてのご質問にお答えします。
現在、「B−ぐる課題等分析委託報告書」で整理された路線の最適化や運行間隔の見直し等の課題について、交通不便地域の解消や収支率等の観点から検討を行うとともに、コミュニティバス運行に伴う交通規制等について、関係機関との協議を続けているところです。
また、B−ぐる沿線協議会からは、Wi-Fi環境の活用方法等、B−ぐるの利便性の向上や安定的運営等に関する事項について、様々なご意見をいただいております。今後、課題に対する方向性が定まり次第、詳細なニーズ調査を行い、具体化に向け取り組んでまいります。
最後に、住宅の供給策についてのご質問にお答えします。
高齢者等の住宅確保要配慮者の住まいについては、「文京すまいるプロジェクト」において、引き続き民間賃貸住宅を活用した住宅の確保に努めてまいります。
また、立ち退き等の転居の際に、転居前後の家賃差額等を助成するほか、すみかえサポート事業を実施し、住み慣れた地域の中で安心して居住できるように支援してまいります。
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