◎安倍政治に対する区長の認識と見解について/ 区民負担増とサービス切り捨てをやめ、基金活用で暮らし支援を
◎区立保育園増設で保育園待機児の解消を
◎都バス車庫跡地保育園には、必ず園庭を/ 都バス車庫跡地建物は49m・31mの絶対高さ制限内に
◎本社経費の妥当性など指定管理者制度は検証すること
◎相次ぐ災害を受けて、区の備蓄食料を3日分に
◎北海道地震の教訓から、避難所に太陽光発電備えよ
◎2階以上にある学校体育館にはエレベーター設置を
安倍政治に対する区長の認識と見解について/区民負担増とサービス切り捨てをやめ、基金活用で暮らし支援を
(いたくら美千代区議)
開会中の臨時国会の所信表明で安倍首相が触れた消費税増税、漁業法大改定、日米自由貿易協定、沖縄での米軍基地建設の推進など、重大な問題はいずれもまともな説明もないままに、大変危険な“毒”がちりばめられており、看過できません。
最大の危険は憲法の問題です。安倍首相が演説で、憲法審査会を動かし、そこで改憲案を提示して「合意を得ることが重要だ」、「それは国会議員の責任だ」とまで述べたことは、行政府の長である首相が、立法府の国会に介入・干渉し、憲法の三権分立を蹂躙する暴論です。「憲法を尊重し、擁護する義務」を認める区長は、安倍首相の「三権分立蹂躙」に抗議し、暴論の撤回を求めるべきです。伺います。
政治的中立を最も厳格に守るべき実力組織である自衛隊に、最高指揮官の首相が改憲の号令をかけたことは、自衛隊の最悪の政治利用であり、憲法の尊重・擁護を義務付けた憲法99条違反です。また、自民党改憲案を臨時国会に提出することに、各紙世論調査で「反対」多数の結果が出ているにもかかわらず、国民が望んでもいないのに、権力を握る政権与党が権力への制約を取り払う改憲論議を強引に推し進めることは、それ自体が立憲主義の乱暴な否定であり,「憲法の私物化」です。
安倍首相が狙う9条改憲は、海外での武力行使を無制限にするもので、「反対」をつらぬく私たちと、「憲法改正については、国において十分な議論や手続きを経て行われるもの」とする区長の立場に違いはありますが、こうした、まさに、無法なやり方で国会に憲法改定を押し付けることは、論外で、言語道断だという認識は一致できるのではありませんか。憲法を守らない首相に、憲法を語る資格はありません。首相に憲法99条遵守の立場を求めるべきで、併せて区長の見解を伺います。
(区長答弁)
最初に、日本国憲法の改正についてのご質問にお答えします。
日本国憲法は、改めて申し上げるまでもなく、わが国の最高法規として位置付けられており、憲法を尊重し、擁護することは、当然の義務であると認識しております。
憲法の改正については、国において多くの議論や手続きを経て行われるものと考えております。
区立保育園増設で保育園待機児の解消を
(いたくら美千代区議)
次にくらし壊しの区政から、住民本位の区政へ転換を求め伺います。
安倍政権のくらし破壊に真正面から立ち向かおうとしない区長が、2013年度から各種サービス料や施設使用料を一斉に引き上げ、この6年間で区民に6億2,100万円もの負担を押し付けたことは、重大です。区立幼稚園保育料は元の6,000円から1万2,000円に、同様育成室保育料も4,000円から1万円と、6年前の2倍〜2.5倍に、そして23区最高額となりました。
また2,000円から2万4,000円と12倍になった自転車駐輪場は、あまりの値上げに怒る高齢者が、結局自転車利用をあきらめざるを得なくなりました。各種サービス料や施設使用料も大幅値上げとなり、区民から「財政が苦しいわけではないのに、とんでもない」などとの、値下げを求める声があがっています。こうした区民の声をどのように認識しているのか、伺います。
史上最高額の基金679億円の実に55.96%、380億円は、現区長が11年間に貯め込んだものです。毎年、渋って、使わず、貯め込んできた「35億円」を本気で区民の暮らし・福祉に活用すべきです。区の平成31年度重点施策として、直近の「決算審査」で要望が強かった乳がん検診の無料化が実現しますが、新たに、@障害者、高齢者妊産婦にB−ぐる無料パスの発行、AB−ぐるの15分に1本の運行と新路線や逆ルート新設、B75歳以上の高齢者と16〜18歳までの医療費無料化、C小中学校給食の無償化、D店舗・住宅リフォーム助成等の施策は区にやる気があればすぐに実行できるものではありませんか。以上提案し、要望します。
さらに潤沢な税収と史上最高額679億円の基金活用をはかりながら、区政喫緊の子育て、高齢者・障害者、住まい等の4課題に真正面から取り組み区民の期待に応える区政をつくることが可能だと考えます。
第1に、18〜19年度中に「1,471人の保育定員増」を実現するために、区立をはじめホンキで認可保育園増設すること。第2に、区内外で1,000人超が入所待ちしている特養ホームを抜本増設すること。第3に、高齢者・障害者・子育て層向け住宅の確保をはかること。第4に、人命を守ることを第一の「予防を原則」に据えた防災対策の強化をはかることです。明快な答弁を求めるものです。
保育園待機児問題については、冒頭にお聞きしましたが、改めて園庭確保とともに伺います。
11月8日から来年4月の保育園入所受付が始まり、保護者は必死の「保活」の日々が始まります。
今年4月1日、認可保育園に入れなかった子どもは717人、昨年は782人でしたから若干改善したものの、依然として深刻な事態が続いています。それに先立つ2月定例議会でのわが党の質問に、区長は「2018,19年度で1,471人分の保育サービス量を新たに確保することで、保育所待機児童を解消できる見込みです」と答弁していました。1,471人分のうち、小規模保育・家庭的保育・事業所内保育を除くとこれまでに何か所何人分を整備したのか、区の解消見込み人数はあと何人で、どのように確保する計画か、お答え下さい。
小規模保育所や家庭的保育事業に頼らず、今こそ公有地はもちろん共同印刷敷地など民有地も活用しながら、区立保育園の増設で待機児解消を進めるべきです。区の決意も含めてお答えください。
(区長答弁)
次に、区政運営に関するご質問にお答えします。
まず、保育料及び施設使用料についてのお尋ねですが、これまでの改定の中で見えてきた課題の整理や、消費税率の引上げ等の社会情勢の見極めが必要となるため、次回改定の具体的な時期や内容について、現在検討しているところです。
また、幼稚園及び育成室保育料については、子ども・子育て会議等において幅広くご意見をいただきながら検討を進めてまいります。
なお、国の幼児教育無償化の動きを踏まえ、本年度は、幼稚園保育料を据え置いたところです。
また、自転車駐車場使用料については、登録手数料を使用料に変更し、激変緩和措置を取り入れながら改定を行ったものであり、その結果として、利用頻度の高い方にご利用いただくようになる等、区民のニーズに沿った利用につながっているものと認識しております。
次に、待機児童対策についてのお尋ねですが、平成30年度期中及び31年度当初において、区内に認可保育所12施設を新たに開設し、合計865人の定員を確保できる見込みとなっております。さらに、小規模保育事業4施設、家庭的保育事業3施設、事業所内保育事業1施設の開設により、82人の定員を加えると、合計で947人の定員を確保できる見込みとなります。
今後も待機児童を解消するために必要な保育サービス量の確保に向け、個別の計画を着実に開設に結びつけることで、迅速に整備を進めてまいります。
また、引き続き、公有地や民有地の活用についても適時検討し、小規模保育事業等の地域型保育事業も含め、保育施設の整備を推進してまいります。
なお、本区では、これまでも良好な事業者から保育所開設の事業提案をいただいており、今後も、「子ども・子育て支援事業計画」に基づき、私立認可保育所の整備を中心にスピード感をもって待機児童対策を進めていくこととしております。そのため、新たな区立保育園の設置は考えておりません。
次に、特別養護老人ホームの整備についてのお尋ねですが、これまで、「東京都長期ビジョン」の整備方針等を踏まえ、「高齢者・介護保険事業計画」に基づき、着実に整備を進めてきたところです。
今後とも、各施設の年度別整備計画等については、利用状況やニーズ等を勘案し、適宜見直すこととしております。
次に、住宅の確保についてのお尋ねですが、高齢者等の住宅確保要配慮者の住まいについては、「文京すまいるプロジェクト」における住宅登録事業により、住宅の確保に努めております。
次に、防災対策の強化についてのお尋ねですが、地震等の発災時の対応として、初動体制を整えることで被害を最小限にすることや、平常時から自助・共助を含めた総合的な対策が重要であると考えております。そのため、「地域防災計画」において、「人的被害の減少」という減災目標を設定し、建物の耐震化や家具類の転倒防止対策の推進など、予防を原則とした防災対策の取り組みを着実に進めております。
次に、園庭確保等に関するご質問にお答えします。
まず、保育所の園庭確保についてのお尋ねですが、園庭のある保育所は28園、園庭のない保育所は38園となっています。
都市化が進んだ本区では、新たに園庭の整備が可能な物件を見つけることが、非常に難しい状況にあります。そうした中で、学校の校庭やスポーツ施設等の区有施設の開放、公有地に新設する保育園の園庭の活用など、様々な方策に取り組んでおります。限られた環境の中でも新たな遊び場が確保できるよう、引き続き、関係部署や民間施設等と協議を進めてまいります。
また、園児の体作りや、体力増進に外遊び等の運動が重要なことは、区としても認識しているところです。認可保育所等への指導実績がある園長等、経験職員による巡回において、子どもたちの発達に資する指導やアドバイスを行うことで、園児の成長・発達を最大限に促す工夫をしてまいります。
都バス車庫跡地保育園には、必ず園庭を/都バス車庫跡地建物は49m・31mの絶対高さ制限内に
(いたくら美千代区議)
都バス車庫跡地の公募期間が終了し、12月下旬には事業者が決定します。区が都バス車庫跡地の利活用に対する要望の「施設に関する基本条件」で、100人規模の保育所として550u、40人程度の育成室110u、10人程度の一時保育所110uで、少なくとも150人の子どもたちが毎日この施設で生活することになり、子どもたちの健やかな発達と成長を保障する環境を整えることが重要です。そのための園庭については、区も必要性を認めているにも関わらず、また、広大な都有地なのに、なぜ基本条件の中に園庭を作るよう求めなかったのか、理由を伺います。
都バス車庫跡地利活用の「基本条件」で区は、「保育園を春日通の背後の位置に設置し」「建物の避難上の安全性の観点からも、1階にすることが望ましい」としています。南側の敷地はかなり不整形で、私道との段差も大きく、活用が難しい、いわゆるデッドスペースが生まれることも考えられます。こうした場所を子どもたちの遊び場として開放できるよう整備するなど、今からでもできる工夫はあるのではないでしょうか。これらに配慮できる事業者を選定するよう、都交通局に要請すべきです。そうすればアトラスタワー茗荷谷内にある私立認可保育園児も利用できるようになるのではないでしょうか。併せて、伺います。
園庭の問題では、今年度までに新設された保育園も含め園庭を持つ保育所、持たない保育所はそれぞれ何か所か、お答えください。
保育園を考える親の会の「100都市保育力充実度チェック」によると、文京区の認可園の園庭保有率は、16年度20.4%、17年度は18.3%で、今や10%台となり、2年連続ワーストワンを記録しています。ワースト2の港区は24.1%、ワースト3の中央区は27.9%ですから、ダントツに低いのです。この結果をどのよう受け止めているのか、伺います。
「親の会」は、「園庭の役割として、ただ子どもが遊べる広い場所があればいいというわけではなく、様々な観点から子どもの発達に適した環境が揃ったところであり、自然と触れ合ったり、遊具や砂場を使って自ら遊びを考えたり、子ども同士のコミュニケーションを育むなど、園庭を舞台に子供たちも成長していきます。また、早稲田大学の前橋明教授(日本幼児体育学会会長)の調査では、園庭の有無によって、園児の運動量に差があることが明らかになっています。園庭のある園では1日約6,300歩、園庭のない園では1日約5,000歩と1,000歩以上の差が出ること。運動量が増えることで、子どもの健康な体作りや体力増進にも良い影響を与えるでしょう」としていますが、区はこのことを承知しているのか、これをどう受け止めるのか、伺います。
都バス車庫跡地に隣接する「アトラスタワー茗荷谷」は、2011年、再開発により高さ96.5m、延べ床面積36000uの高層建物となりました。建設に当たり近隣住民から懸念された風害は、心配された通り、吹きおろし風となって自転車も倒れてしまいます。13年に導入された区の絶対高さ制限でこの区域は、46mと31mの2通りの高度地区に指定されました。今でも絶対高さ制限が高すぎるといわれている中で、これ以上風害や日照阻害する高い建物はいらないという声が上がっていますが当然です。
区は、区の施設も入る新たな事業用ビルが、絶対高さ制限の特例を用いることなく、少なくとも46m・31m以内に抑え、周辺地域の環境に配慮した建物となるよう要請すべきです。お答えください。
(区長答弁)
次に、都営バス大塚支所跡地の利活用についてのお尋ねですが、保育所整備の要望にあたっては、保育所設備・運営基準等を示し、外遊びの場の必要性等について説明しております。
都交通局の公募における保育所に関する基本条件では、園庭の関係規定を明示し、その遵守を求めております。
さらに、公募要項に関する事業者からの質問に対しても、関係規定の趣旨を踏まえた上で、規定に基づき、適切に対応するよう求めております。
都交通局では、応募書類の内容と募集条件との整合性、応募者の信用力、提案月額賃料等を総合的に審査した上で、借地人を決定するとしておりますので、現段階で要請等を行う考えはありません。
次に、当該跡地の施設整備の条件等についてのお尋ねですが、都交通局では、用途地域、容積率、高度地区や地区計画の条件、整備・運営にあたり遵守すべき法令等を公募要項において明示しております。
したがって、現段階での要請は考えておりませんが、今後、借地人の整備計画が明らかになった際には、周辺地域の環境への配慮等について確認し、必要な協議等を行ってまいります。
本社経費の妥当性など指定管理者制度は検証すること
(いたくら美千代区議)
次に、指定管理者事業等の課題と制度見直しについて伺います。その一つは、指定管理・業務委託した事業現場での離職者問題です。
戸籍住民課の証明書発行業務委託は、今年で5年目です。受託事業者の職員の離職者が、業務委託開始の2014年からの5年間で156人にも上っています。年間平均で30人以上です。しかも、あってはならない証明書の誤送付も発生しています。一昨年、私たち区議団は、寄せられた情報をもとに誤送付問題の指摘をしたにも関わらず、昨年6月に発行請求に対する郵送での誤送付が起きました。業務委託開始以来、誤った発行や送付は何件あったのか、また利用者の個人情報は大丈夫だったのか。さらにその原因について、また離職者が絶えないような職員体制の不安定さに起因しているのではないか。併せて伺います。
離職対策として区は一昨年11月、「現在、事業者の選定を行っているところですが、評価項目の一つに従事職員の安定した雇用を掲げ、事業者が提案する処遇改善などの具体的な内容を、総合的に評価することで、安定的な運営を図ってまいります」と答えていますが、現事業者の「提案内容」とは何だったのか。どのように生かされているのか、また今後の改善方向についての区の見解を伺います。
2010年、真砂中央館を除く7館3室の区立図書館は2社の指定管理事業者が管理運営することになりました。2社によるこの9年間の離職者総数は241人です。8年間の経年の離職者数、その評価・分析と、指定管理者への現在の対応を伺います。
茨城県守谷市は、2016年度から指定管理者制度を採用してきた市立図書館の運営を、来年度から市の直営に戻す方針を決めました。民間だと経費削減を優先して、専門知識を持つスタッフを十分に確保できず、良質なサービスを提供できない、と判断したためです。文京区でも同じ状況が8年間続いているのでなはいですか。伺います。
指定管理事業や業務委託で増える退職者について、これらに共通する要因をどう分析しているのでしょうか。改善が進まないのなら、速やかに直営にもどすべきです、伺います。
次に、指定管理料と利益還元の問題です。
体育館と運動施設は東京ドーム・ミズノ共同企業体が指定管理者となって今年で10年目になります。新築直後からの総合体育館のサビ、カビが発生し今だ根本的な問題は未解決であったり、最近ではプールの底面のヌメリも指摘されています。
指定管理事業者は昨年度までの9年間の収支決算で、区への収益還元を除いても約3億7千万円の収益を上げていることが判明しました。
まずは指定管理料の妥当性です。今年度の事業評価から、支出項目として「一般管理費・事務費」から「本社経費」が分けられました。しかし、この「本社経費」の内容の詳細が明らかでありません。「本社経費」の定義と、具体的に認められる項目を明らかにすべきです。荒川区の「制度運用方針」では、「本社経費」は、「内容を明確にした上で」、「検証可能なものに限られる」と、支出内容、算出方法、算出根拠が資料により明らかにできることを条件としています。中野区でも今年3月、監査委員会から「本社経費」の「算出根拠や支出内容を明らかにしていくことが適当」と指摘を受けています。文京区では事業者とどういう取り決めの下、経費として認めているのか、明らかにして下さい。
また、「本社経費」という支出項目も、事業者によってまちまちです。東京ドームグループや目白台運動公園の西武パートナーズも「本社経費」とひとくくりですが、交流館のワーカーズコープは「本部労務管理費」「本部システム使用料」「直轄本部労務管理費」など分けられています。事業所の形態にもよるものの、統一した支出項目も比較対象のために必要です。伺います。
「文京区指定管理者制度運用ガイドライン」では、「指定管理料は、指定事業に係る人件費、事業運営費、施設維持管理費、物品費、事務費、一般管理費等の指定管理者が行う施設の管理運営に直接的・間接的に必要があると見込まれる総費用に、見込まれる利用料金収入額、指定事業の実施により、利用者から徴収する実費相当の料金を充当しても、なお不足する金額」としてます。妥当な支出計画額と利用収入見込みが精査されてこそ、正確な指定管理料が決まります。人件費に指定事業と自主事業の重複はないか、「その他」経費の内訳は何かなど明らかにして、指定管理料の算定について検討すべきと考えますが、伺います。
区への利益還元の妥当性についても検討すべきです。文京区の場合は、自販機利益の70%のほか、利用料金収入額が、指定管理者の見込んだ当該年度の利用料金収入額の1.1
倍を超えた時に、その半額を、また、「自主事業」の利益の半分を還元することになっています。しかし、同じ東京ドームが受託する豊島区では収支差額の1/2を区に成果配分として納付することなど、大きく違うことも判明しました。豊島方式なら29年度の東京ドームグループからの区への還元は約4千6百万円、現状の約4倍となります。なぜ豊島区とこんなに違うのか、なぜ区は、現在の還元率で甘んじているのか、併せて伺います。
平成15年の自治法改定によりスタートした指定管理者制度も、15年が経過しました。顕在化した、職員の異常退職や施設管理のずさんさ、さらに区の施設を使っての利潤の追求など問題だらけの指定管理、業務委託はすぐ検証して問題点を明らかにし、直営に戻すことを求めて伺います。
(区長答弁)
次に、指定管理者制度と業務委託に関するご質問にお答えします。
まず、証明発行業務委託についてのお尋ねですが、委託事業者による誤交付の件数は、委託開始以降の約5年間で6件あり、いずれの事案も、事実判明後、直ちに誤った書類を回収し、正しい証明書類をお渡ししております。同時に、該当の方に対しお詫び申し上げ、ご理解をいただいております。
誤交付発生の主な要因は、請求時に同姓同名など対象者の特定や、送付書類封入作業の確認が不徹底であったことによるものであり、事業者の人員体制により生じたものではないと考えております。
また、事業者選定時において、「事業者による業務レベルに応じた賃金制度と昇給制度」や「従事者一人一人に対してのケア」などの導入の提案を受けております。
これらの取り組みにより、退職者数は減少傾向となっております。なお、業務委託導入以降、区民からも一定の評価をいただいており、今後も事業者とともに、個人情報保護を徹底し、引き続き正確な証明発行に努めてまいります。
次に、退職者についてのお尋ねですが、離職については、個人的な理由も含め様々な事情があるものと認識しております。
区では、指定管理者や受託事業者等に対する社会保険労務士による労働条件モニタリングを実施し、労働環境等の改善に向けた取り組みを行っているところであり、直営に戻す考えはございません。
次に、本社経費についてのお尋ねですが、「指定管理者制度運用ガイドライン」において、本社経費を、「指定管理業務の遂行にあたって発生する本社との間の必要経費」と定義しております。
また、内訳として、本社事務管理費や通信費等を記載するよう指示しており、今後も、経費の内訳がより明確になるよう指導に努めてまいります。
なお、本社経費については、各事業者が法人として作成する決算書の勘定科目に違いがあるため、どの支出科目に統一できるのか、今後検討してまいります。
次に、指定管理料の算定についてのお尋ねですが、選定の際に提出を求めている収支計算書や、毎年度、指定管理者が作成する事業計画関係書や事業報告関係書における収支状況を確認することで、指定管理料の妥当性を判断しています。
今後も、内容の的確性や正当性の観点を踏まえ、指定管理料を算定してまいります。
次に、指定管理者からの利益還元についてのお尋ねですが、指定管理者による利用料金制の特徴は、利用料などが指定管理者の収入となり経営に直接反映できるため、指定管理者の創意工夫の余地が広がるとともに、コスト面の効率化やサービスの向上につながることにあります。
そのため、利益還元については、指定管理者のインセンティブを削ぐことのないように定める必要があり、区としては、この考えのもと、適正に利益還元の基準を定めております。
なお、利益還元率の最低基準を定めておりますが、指定管理者の選定にあたり、応募事業者が基準を上回る利益還元率を提案した場合は、評価点に加算しております。
次に、直営化についてのお尋ねですが、多様化・複雑化する区民ニーズに的確に対応するため、区が実施すべきサービスについては、その水準を確保するために最も適した提供主体や手法を選択しております。
今後とも、民間事業者の活用に適した業務については、指定管理者制度や業務委託を導入することで、専門的な技術や知識等を活用するとともに、適切な管理・監督を行い、効率的で質の高いサービスを、区民に安定的に提供してまいります。
(教育長答弁)
教育に関するご質問にお答えします。
はじめに、区立図書館の指定管理者に関するいくつかのご質問にお答えします。
まず、指定管理者制度を導入した区立図書館における経年の離職者数、その評価・分析と、指定管理者への現在の対応についてのお尋ねですが、経年の離職者数は、平成22年度が28名、以降は13名、15名、36名、40名、43名、33名、23名、今年度は現在までで10名となっており、減少傾向にあると認識しております。
指定管理者に対しては、業務要求水準書において、長期的な雇用を図るため良好な待遇確保に努めるよう求めており、要求どおり履行されていると認識しております。また、区職員によるモニタリングを定期的に実施するなど、指導を強化しております。
なお、離職につきましては、個人的な理由も含め様々な事情があるものと認識しております。
次に、民間の良質なサービス提供についてのお尋ねですが、指定管理者に対しては、業務要求水準書において、司書等を全従事者の5割以上配置するよう求めており、制度導入後、一貫して要求水準を上回っております。
また、民間事業者の柔軟な発想等により多様な行事が実施され、充実したサービスを展開し、利用者アンケート等においても高い満足度が得られております。
相次ぐ災害を受けて、区の備蓄食料を3日分に
(いたくら美千代区議)
最後に、区民の命を守るための災害対策について伺います。
今年は、大阪北部地震、西日本豪雨災害に続き、台風による高潮や強風被害、震度7を記録した北海道胆振東部地震など全国的に大災害に襲われ、多数の犠牲者、甚大な被害をもたらしました。
東京では、首都直下地震や南海トラフ地震の確率は、今後30年以内に70〜80%とされており、専門家は、明日起きてもおかしくないと警鐘を鳴らしています。区民のいのちを守るうえで、ブロック塀や建物等の耐震強化策は待ったなしです。
大阪北部地震により、倒壊したブロック塀で女子児童が亡くなるという痛苦の教訓を踏まえ、わが区でも文林中、一中、林町小、柳町子どもの森で、撤去を含む緊急対応がとられました。ブロック塀や万年塀は、他の学校施設の外構にも多く設置されており、倒壊の危険を回避するためにも、撤去や軽いフェンスに交換すべきと考えます。これからどのような対策をとるのか、また、学校敷地内のブロック塀や万年塀の総延長は、何メートルか、併せて伺います。
新宿区では、今年9月から擁壁、がけ改修等の工事費の助成対象と助成金額を拡充しました。事業説明では、「擁壁等が崩落・転倒することにより、近接する家屋に居住する方の生命や財産に危害を及ぼすことがないよう安全性の確保や耐震化を進めています」としています。2種類の区分があり、一般の通行する道に近接する擁壁等が助成対象で、1.5m以上から5m以上と4段階あり上限200万円から1,200万円となっています。また、それ以外も4段階で100万円から300万円の補助で、改修工事も対象です。区民の命と財産を守るという観点に立つならば、わが区も補修も対象とするとともに、補助額を大幅に引き上げるべきです。お答えください。
そして、防火地域内の木造非耐震建築物の調査を行うとともに、耐震補強工事の助成を行うよう改めて求めます。お答えください。
災害時の備蓄食料は区が1日分、都が2日分とされていますが、昨今の災害状況から、区として独自に3日分の食料確保が必要となってきています。そのためには、避難所となる学校施設等で別棟の備蓄倉庫を確保することを検討すべきです。お答えください
災害時、福祉避難所の役割は非常に重要ですが、福祉避難所となる意思があっても施設内に備蓄倉庫を確保できないため、指定されないという話を伺いました。備蓄倉庫を当該建物以外に設置するための場所の確保等を区が支援して福祉避難所を増やすとともに、福祉避難所の場所を区民に周知すべきです。併せて、お答えください。
(区長答弁)
最後に、災害対策に関するご質問にお答えします。
まず、がけ整備資金助成事業についてのお尋ねですが、がけの維持管理は、所有者が適切に行うべきものと認識しております。
しかしながら、土砂災害警戒区域は、急傾斜地の崩壊等が発生した場合に、住民等の生命又は身体に危害が生じるおそれがあるとして指定を受けたものであることから、当該区域における必要な対策として、現行のがけ整備資金助成事業の見直し等を検討してまいります。
次に、防火地域内の木造建築物の調査及び耐震化促進事業についてのお尋ねですが、災害に強いまちづくりに向けて、「耐震改修促進計画」を策定し、区内全ての建築物の耐震化を推進しております。
防火地域において、耐火性能を備えていない木造住宅を残すことは、趣旨に合致しないことから、耐震化助成の対象にしておりません。したがって、防火地域のみを対象とした木造建築物の調査を行うことは、考えておりません。
なお、防火地域内の木造住宅については、耐震シェルターの助成を、引き続き行ってまいります。
次に、避難所における備蓄倉庫の更なる確保についてのお尋ねですが、発災時の備蓄食料は、区が1日目、都が2日目及び3日目の食料を確保するなど、役割分担を行う計画としているため、避難所に別棟の備蓄倉庫を増設する予定はありません。
次に、福祉避難所についてのお尋ねですが、施設等を福祉避難所として新規に指定する際には、備蓄倉庫の整備について事業者と十分に協議を図っております。
また、福祉避難所の設置・運営訓練を行う際には、地域の町会長や民生・児童委員、福祉関係事業者等に見学していただくことで、その内容等の周知を図っているところです。
(教育長答弁)
次に、学校施設のブロック塀等の対策及び総延長についてのお尋ねですが、学校敷地内にあるブロック塀等の総延長は、約3,000メートルで、今年度の緊急対応に引き続き、来年度以降も関係者との協議等を行い、フェンス等の安全なものに改修していく予定です。
次に、学校の太陽光発電設備等についてのお尋ねですが、現在、太陽光発電を導入している学校は3校あり、また、現在改築を進めている3校についても、同様に太陽光発電を導入することとしております。
しかしながら、蓄電が可能となる電力量を確保するには相当量の太陽光パネルを設置する必要があり、スペースの関係上困難であることから、いずれの学校も蓄電設備は備えておりません。発災時においては、軽油等を使用した発電機により対応してまいります。
北海道地震の教訓から、避難所に太陽光発電備えよ
(いたくら美千代区議)
北海道胆振東部地震では、道内全域に及ぶ停電「ブラックアウト」が起き、人々の暮らしや経済に深刻で重大な影響を及ぼしました。電気が生活や経済・産業に欠くことのできない重要なライフラインであることを改めて思い知らされました。
2011年の東日本大震災の発生当時、電力インフラがマヒして大停電し、避難所に逃れた方々を大きな不安に陥れました。そうした教訓から、被災各自治体は万一の際、避難所となる学校や公民館に太陽光発電設備を設置し、非常時の電源確保を行っています。区として、防災拠点である小中学校や地域活動センターなどに非常用電源を確保するために、太陽光発電の導入と蓄電するための設備設置を検討すべきと考えます。お答えください。
(区長答弁)
次に、太陽光発電の導入等についてのお尋ねですが、現在、停電時に備えて、避難所には発電機と燃料を備蓄しているところです。
お尋ねの、太陽光発電等については、供給電力量や初期費用、ランニングコストなどの課題もあるため、その導入効果を研究してまいります。
2階以上にある学校体育館にはエレベーター設置を
(いたくら美千代区議)
区内の指定避難所は江戸川橋体育館・旧元町小学校と全小中学校ですが、エレベーターが設置されているのは何か所ですか、お答えください。
金富小学校など、体育館が2階以上にある学校については、災害時、高齢者や障害者の方々には避難しづらくエレベーターの設置は必須です。建て替えを待たず、設置可能なところから検討を進めるべきです。伺います。
関口台町小学校は、校舎とは別棟で2階が体育館、1階にプールが設置されていますが、プールには陽が差さず、衛生面からも問題点があり、さらにプールの水を温める加温器が必要で、長年不自由を強いられていることから、この際体育館棟を建て替え、エレベーターも設置することを求めます。お答えください。
(区長答弁)
次に、避難所のエレベーターについてのお尋ねですが、避難所33か所のうち、12か所にエレベーターが設置されております。また、体育館が1階にない避難所15か所のうち、エレベーターが設置されているのは、8か所になります。
なお、エレベーターの有無にかかわらず、要配慮者には1階を優先的に利用していただくなど、適切な運営に努めてまいります。
(教育長答弁)
最後に、学校施設におけるエレベーターの設置等についてのお尋ねですが、体育館が2階以上にあり、エレベーターが未設置の学校については、大規模改修等の機会を捉えて設置を検討してまいります。
関口台町小学校の体育館棟の建て替え及びエレベーターの設置についても、計画的に学校改築等の機会を捉えて、検討してまいります。
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