◎安倍9条改憲ストップ・退陣求める幅広い国民の共同を
◎区民アンケートに寄せられた切実な声に応え、福祉最優先の区政を
◎安全で平等・最善の教育環境へ、特別教室や職員室の改修を/学校改修と改築の中長期計画を示して教育条件の整備促進を
◎待機児ゼロ実現と保育の質確保へ、問われる区の役割
◎国の社会保障改悪に対し、区はくらし守る役割発揮を
◎駒込・大塚病院など都立病院は独法化でなく、都立のままで充実を
◎だれもが生きやすい社会へ、LGBT条例制定を
◎中小企業振興条例や公契約条例つくり地域経済振興を
◎「差額ベッド料不要」の厚労省新通知を区民に周知し活用を
安倍9条改憲ストップ・退陣求める幅広い国民の共同を
(金子てるよし区議)
安倍首相は、森友・加計学園疑惑とセクハラ不祥事にまみれ、内政・外交ともにボロボロになりながら、9条改憲だけはあきらめようとしていません。これを捨てたら、とたんに内閣が瓦解する、だから必死にしがみついていると言えます。安倍政権による9条改憲を許さない、この一点で政権もろとも葬り去る国民の共同が必要と考えますが、区長の見解を伺います。
(区長答弁)
最初に、国の政策に関するご質問にお答えします。
まず、憲法改正についてのお尋ねですが、憲法改正は、国において十分な議論や手続きを経て行われるべきものと考えております。
区民アンケートに寄せられた切実な声に応え、福祉最優先の区政を
(金子てるよし区議)
政府の平成29年度版 厚生労働白書では、高齢世代向けの社会保障について「手厚い構造になってきた」などと評価しながら、さらに抑制を強いる「全世代型社会保障改革」なるものを提起しています。
これは国民に「痛み」を押しつけ、自己責任や相互扶助にゆだね、国民に社会保障には消費税増税が必要と迫り、社会保障を大企業の投資の場に開放していくなど、大変な「改悪」です。
こうしたなかで区民の暮らしは、本当に大変です。共産党区議団が5月から配布している区民アンケートは、今迄に810通を超える回答が寄せられています。
80歳自営業の男性は「年金などの給付は減り、取られるものは増えている。半強制的に徴収しておきながら…詐欺的である」とし、50歳のパート女性は「配偶者控除もなくなり、社会保険料も住民税もものすごく高いです。子どもの塾代を考えたら破産レベルです。」と訴えています。
国の社会保障切り捨てが区民に押し寄せているとき、福祉の増進を最優先するために国に声をあげることが求められていますが、認識を伺います。
子どもの貧困対策として、小中学校の入学支度金の前倒し支給や給付型奨学金制度の創設、就学援助の費目拡大など、この間の要望が実現できたことは大事な前進です。2年目となる宅食プロジェクトは対象も予算も拡大されますが、区として、今の政治の中での貧困の現状、どうしたら貧困が解決するのかを分析し対応することが最も大事ではないでしょうか。市民からの寄付や民間などとの相互扶助に頼るだけでは区民への責務を果たせないと考えます。併せて伺います。
首都大学東京の阿部彩(あや)教授は、所得基準に加えて、電気料金や家賃、などの滞納、また海水浴や誕生日を祝うなど、子どもの体験や所有物の欠如、これらの要素から「相対的 はく奪指標」を調査し生活困難層を把握し、東京では生活困難層が20%を超えるとしています。都は首都大学東京の「子ども・若者貧困研究センター」に委託し豊島、墨田、調布、日野で子ども実態調査を実施し、大田、北、足立、荒川などでは区の独自の調査をしています。
文京区でも至急調査すべきです。2月定例議会では「今後とも調査・研究を行ってまいります」と述べましたが、その後の検討も併せて伺います。
(区長答弁)
次に、社会保障政策についてのお尋ねですが、社会保障制度については、その持続可能性が課題となっており、その中でも、現役世代の各方面にわたる所得向上支援や、全世代型の社会保障への転換を推進することが必要であると認識しております。
また、制度全般については、国において十分な議論が進められておりますので、その動向を注視するとともに、区長会等を通じて、様々な施策に関する要望をしているところです。
次に、子どもの貧困対策についてのご質問にお答えします。
本区では、関連する法律や「子どもの貧困対策に関する大綱」の基本理念を踏まえ、既に顕在化している課題にいち早く対応するため、各種事業に取り組んでいるところです。
子どもの貧困とは、親の貧困であり、その現状を分析することは容易ではありません。今後、これまでの事業実績を検証するとともに、子ども宅食の利用者アンケートの結果を参考にしてまいります。なお、実態調査については、これら本区の取り組み状況に合わせ、今後とも研究を行ってまいります。
安全で平等・最善の教育環境へ、特別教室や職員室の改修を/学校改修と改築の中長期計画を示して教育条件の整備促進を
(金子てるよし区議)
次に安全で平等、そして最善の教育環境を求め、伺います。
わが党区議団は23年前の阪神大震災直後に、区施設の耐震化を提起したのを契機に、学校施設の調査に取り組み、雨漏りの一掃、全教室のエアコン設置やトイレの洋式化等を求め、学校間格差のない平等で快適な学校環境を求めてきました。
今年は5月から小学校17校、中学校10校、幼稚園6園の計33校園の施設を調査しました。
2015年度から始まった「快適化」工事が終了した学校では、昇降口や廊下、教室の内装は一新され、教室も廊下も明るくなり「よかったね」と言う声が寄せられ、トイレ完全洋式化によってトイレ環境は一新され、トイレの鏡の前を、学校紹介の場所に生徒が選んだ中学校もありました。
今後、実施される快適化工事に加え、改築対象校と幼稚園を含むトイレ完全洋式化は、安全・平等の教育環境の確保と学校間格差解消につながってゆく評価し、歓迎するものです。
しかし、明るくなった普通教室や廊下から、理科室、図工室・美術室、音楽室等改修されていない特別教室に入ると、その「落差」に愕然とします。
ある小学校(根津小)では音楽室の木製の棚は塗装が剥げ、背板が抜けており、図工室の流しは、絵具の汚れがひどく「ここは使えません」と表示されていました。
また、ある中学校(文林中)の美術室の机は傷や絵具の跡がひどく残っています。
三中の理科室の机は天板がテープで補修されているのに対して、改築された音羽中の理科室は全く傷の無い机で平等・最善の教育環境についての責任が問われています。
18学校対象に始まった50億円、3か年の計画が2年延長しましたが、汐見小・湯島小学校のフルスペック快適化と40の全ての区立幼稚園、小中学校トイレの洋式化・ドライ化まで実施することになり、総額62億1千万円となります。2017年度末に学校施設整備基金に積み立てた42億円を有効に活用し、毎年、教育委員会が行っている学校からの聞き取りや快適化工事の経験を存分に活かし、「特別教室・職員室」等の快適化について途切れのない実施を求め伺います。
特別教室の備品の更新は、教室改修に先立って行えるはずです。旧式の炊飯器やガスコンロなどが残る家庭科室を始め、特別教室の備品の更新も一気に行うことを求め、伺います。
同時に快適化は老朽化した学校施設の緊急改修事業であり、今後、体育館・学校の60年改築の原則にのっとって、10年を待たず改築すべき施設であります。先発している誠之小、明化小や柳町小の3校のスケジュールとともに、築70年の千駄木小、小日向台町小、加えて築50年を超える本郷台中など10校の改築を一体の「中長期計画」として区民に示すべきです。そのうえで策定した計画を「実施3か年計画」に落とし込んでいくのか提起すべきです。伺います。
訪問した学校では児童数が増える中で、不足する普通教室を確保するために、算数などの少人数教室、パソコン教室対策、視聴覚教室の使い方、有効活用など心配する声を多く聞きました。この間の児童数の増加、今後の推移、対策はどうか、伺います。
他にも喫緊の課題があります。礫川小では校舎の雨漏りや根津小体育館では、壁からの雨漏りで床が黒く変色している箇所もみられました。
湯島小ではトイレ配管からの悪臭や教室を間仕切る稼働式の壁が変形していました。
柳町小の体育館では閉まらない窓があるため、大雨の際はマットが濡れてしまう等、すぐに手を打つ必要があります。
青柳小では遊具が一部使用禁止になっており、指ケ谷小では放送設備が不良です。
こうした課題は、快適化や改築工事とは別に、独自に早期の対応が必要です。区の対応方針を伺います。
また、教育条件の整備には少人数学級編成の方向も視野に入れる必要がありますし、今後も充実が求められる特別支援教育、学校図書室の拡充が求められますが、ハードソフト両面での学校づくりを求め、伺います。
2年目を迎えた小学校の「学びの教室」は各学校とも「教室スペース」の確保にご苦労のあとがみられました。パーテーションで空間を隠している学校やもあれば学びの教室の日だけ「教室」モードにする学校もありました。中学校は来年からスタートします。多感な中学生の学びの教室が、期待される成果があげられるよう、区としての支援を強めるべきですが、この間の経験をどう生かしていくのか、伺います。
学校図書室では、これまでになく子どもたちに活用されているなと感じうれしく思いました。この間、図書支援員の派遣時間が月2日、計8時間から、毎週4日、月64時間へ拡大し、読み聞かせ調べ学習に大きな力を発揮しているとのことです。
わが党は、全ての小中学校に常勤の学校司書を配置することを求めてきていますが、当面、司書派遣時間の充実、さらなる蔵書の充実を求め伺います。
さらに、職員室は、この間の内装改修からは取り残されています。根津小学校の職員室では普通教室からは一掃された木の床がそのままで、歩くと「ミシミシ」ときしむ音が至る所で鳴っていました。職員室の改修も必要で、今から計画的に改修に着手すべきです、伺います。
(教育長答弁)
「特別教室・職員室」等の快適化の実施についてのお尋ねですが、現在、計画的に実施している普通教室等の快適化工事が終了した後に、「特別教室・職員室」等について、改修の必要性等を検討した上で、改修内容や改修時期等に関して学校と協議し、計画化してまいります。
次に、特別教室の備品の更新についてのお尋ねですが、特別教室についても、施設改修や備品更新について、個別の学校の要望や緊急性等を踏まえ、全ての学校と協議し、現地を確認し、適切に対応しております。
次に、学校施設の改築について中長期計画を策定のうえ実施3か年計画に落とし込むべきとのお尋ねですが、老朽化した学校施設の改築・改修については、文京区公共施設等総合管理計画等を踏まえ、施設の状況や緊急度等を考慮した上で、基本構想実施計画に盛り込み、順次適切に実施しており、今後とも同様の考え方で取り組んでまいります。
次に、教室の確保と児童数の増加等についてのお尋ねですが、平成14年以降の文京区の児童数は増加傾向にあり、未就学児の人口動向を踏まえると、今後も児童数は増加していくと考えられます。このため、児童数の動向を注視しながら、必要な教室の確保に努めてまいります。
次に、学校施設の独自の課題に対する早期の対応についてのお尋ねですが、個別の学校の要望等を踏まえ、全ての学校と協議し、緊急性が高いと判断されるものについては迅速に対応しております。
次に、ハードソフト両面での学校づくりについてのお尋ねですが、教育条件の整備につきましては、各学校の施設等の状況を勘案し、適切に対応することで、良好な教育環境の確保に努めております。
また、少人数指導加配教員や特別支援教育における指導員、学校図書室の支援員等、人的な配置については、学校や関係機関、東京都教育委員会と連携して、対応しております。
次に、中学校の「学びの教室」についてのお尋ねですが、平成28年度に実施した小学校の「学びの教室」での経験を踏まえ、対象生徒の個々の状態に応じた適切な指導・支援ができる環境整備を行ってまいります。
さらに、小学校での「学びの教室」の成果である、学習面や生活面におけるきめ細かな指導を実施するとともに、適応力の向上を図ってまいります。
次に、学校図書館への司書派遣時間と蔵書の充実についてのお尋ねですが、学校図書館支援事業については、29年2月に小中学校へのアンケートを実施した結果、全ての学校が「支援内容について満足している」と回答しております。したがいまして、現時点では派遣時間の拡大は考えておりません。
また、蔵書については、各校とも、毎年新たな図書を購入し、その拡充に努めているところです。今後も、各校の図書購入の実績を勘案しながら、引き続き蔵書の充実に努めてまいります。
次に、職員室の改修についてのお尋ねですが、改修の必要性等を検討した上で、改修内容や改修時期等に関して学校と協議し、計画化してまいります。
待機児ゼロ実現と保育の質確保へ、問われる区の役割
(金子てるよし区議)
子育て、待機児対策について伺います。
今年度の保育園入園状況は依然、大変深刻です。認可保育園に申し込んで入れなかった児童は717人であり、そのうち認可外保育所で保育されている児童や育児休業中の616人の児童は、「待機児」から除外され、区の待機児は101名と公表されました。
しかし、この待機児数は実態とかけ離れた数字の操作と言わねばなりません。少なくとも、保育を希望しながら認証保育もどんな保育も受けていない児童は270人おり、これは立派な待機児です。区は、育児休職中だが職場復帰意思が確認できていない方や、保育所に入れなかったために求職活動を断念した方を待機児から除外しましたが、入所できていれば働く意思があった方々ですから、待機児と数え、保育の実施義務があるのではありませんか、答えて下さい。
また、認可保育所を希望したのに入所できなかった児童は待機児童ですから、待機児は717人と公表すべきであり、不当に待機児を少なく見せるやり方は実態をゆがめ、実態に合った保育所づくりを妨げ、害悪になるだけと考えますが、区の見解を伺います。
区はこれまで3か年で1153人分の認可保育所を増設してきました。その努力を大きく評価します。2月議会で区長は31年度までに1471人分の保育サービスを確保すると答弁しました。その実現のためには、少なくとも来年4月には今年の待機児717人と新たな0歳児等の保育需要を満たす明確な計画を示すべきです。大塚3丁目都有地他2カ所以外の保育所建設計画、また、国・公有地活用での増設計画と区の決意を併せて伺います。
29年度から始めた、定期利用保育や春日臨時保育所、また、様々な無認可保育所の後は、5歳児までの認可保育園や幼稚園に100%移行できているのか、実態を具体的に伺います。
さて、大塚都バス車庫跡地の区活用も最終局面です。この間の都との協議での成果が問われます。車庫跡地の福祉活用を求める区民の請願署名は4700筆を超えています。保育所、特養ホームなどの福祉活用を求める請願採択については都に繰り返し訴え、交渉に当ってきたと再三報告されてきました。状況はいかがか、決意を含め、改めて伺います。
企業主導型保育所について伺います。
安倍内閣は、市区町村が関与しない企業主導型保育で5万人の受け皿を作るとし、今年3月には2597カ所59703人分の助成事業が決定し、30年度はさらに2万人分の対策を打ち出しています。文京区では、西片1丁目に「めばえ保育ルーム春日」や音羽の「繭の糸保育園」などありますが、全容は不明です。区には企業主導型保育所は何か所あり、年齢ごとに何人保育されているのか、伺います。
また、保育の質について懸念が指摘されている中、資格ある保育士は、保育にあたる人数の半分でいいという基準で、定員の50%以上を地域枠として児童を受入れる緩和がされ、区の待機児童の受け皿として保育される割合が高くなりました。区として、保育の内容や実態について他の保育所と同様に把握し巡回指導を行うこと、また、認可保育所と同様に加入対象となった災害給付制度に加入しているかどうか点検するよう求め、伺います。
児童相談所設置について伺います。
現在、特別区で児童相談所 移管準備 連絡調整会議を設置し、各区の設置準備を進めると同時に都からの事業移管について協議が進んでいる事と思います。2020年開所予定の世田谷、荒川、江戸川区等先行3区に続き、2021年度開所を目指し文京、新宿、港、板橋、豊島、中野区が続きます。今般、超党派で構成している文京区議会女性議員連盟が児童相談所開設にあたっての要望書を提出すると伺っています。わが党としても児童相談所の設置、事業移管が出来る限り速やかに、かつ、効果的に行われることを願い、質問いたします。
また、23区の児童相談所及び一時保護所の連携、人材育成について進捗状況と課題についての認識を伺います。更に、一時保護所からの受け皿づくりとして、里親、ファミリーホームの普及協力が不可欠ですが、里親普及のために養育家庭体験発表会を行うなど区民の皆さんに制度や児童相談所設置についての周知・啓発を行い理解と協力を求めるとともに、物理的受け皿として区内空き家や住宅のあっせんなどが急務ではないでしょうか、伺います。
さらに、児童相談所の建設、運営に児童相談所創設を予定している練馬区以外の22区はどのように国、都に財源措置を求めるのか、基本的考えと協議の状況、区長の決意を伺います。
(区長答弁)
次に、保育所待機児童対策に関するご質問にお答えします。
まず、待機児童数についてのお尋ねですが、待機児童数の把握については、国の基準に基づき算定しており、待機児童の捉え方を見直す考えはございません。引き続き、一人ひとりの状況の把握に努め、保育所等に入所できた時に復職の意思のある方等を含めた待機児童数の算定を行ってまいります。
次に、今後の保育所整備計画についてのお尋ねですが、平成31年4月の開設予定については、大塚三丁目都有地を含めた3件の公有地における整備計画に加え、私立認可保育所の分園を開設するほか、複数の事業者と認可保育所等の開設に向けた具体的な協議を行っているところです。今後も、待機児童解消に向けて必要な保育サービスの拡充に取り組んでまいります。
次に、定期利用保育等の利用後の受け皿についてのお尋ねですが、定期利用保育や春日臨時保育所については、当該施設を6ヶ月以上利用することで、入園選考時の調整指数の加算を行っております。その他の認可外保育所においても、同様の加算を行っているため、認可保育所等への入園につながっているものと考えております。
次に、都バス大塚支所跡地の利活用についてのお尋ねですが、都交通局とは、区議会で採択された請願の内容をしっかりと伝えた上で、福祉インフラの整備を含めて、継続的に協議を行っております。協議内容については、公募要項が公開されたのちに、お示しいたします。
次に、企業主導型保育事業所についてのご質問にお答えします。
現在、区内に5施設あり、定員総数は134人となっておりますが、受入年齢は施設ごとに異なり、詳細については承知しておりません。また、適正な保育内容や保育環境を確保するため、公益財団法人児童育成協会が、原則として年1回、立入調査による指導・監査を実施しており、災害共済給付制度の加入状況についても確認を行っております。このほか、都による認可外保育施設に対する巡回指導も、区職員の立ち会いのもとで実施しております。今後も、関係機関と十分に連携し、保育の質の確保に努めてまいります。
次に、児童相談所の設置に関するご質問にお答えします。
まず、特別区間の連携や人材育成についてのお尋ねですが、一時保護所については、現在、相互利用を実施する方向で、具体的な検討を進めております。
また、人材育成については、専門職の計画的な採用と、児童相談所への派遣研修を実施しております。なお、都の児童相談所だけでは受入可能な職員数に限りがあることから、近隣の自治体への派遣も行っているところです。さらに、特別区職員研修所における、児童福祉司の法定研修や課題別研修についても、積極的な活用を図ってまいります。
次に、里親制度の普及等についてのお尋ねですが、これまで区は、都との共催事業として「養育家庭体験発表会」を実施しており、大変ご好評をいただいております。また、「東京都養育家庭の会」との連携のもと、これまで以上に、区民に対して社会的養護についての理解促進を図ってまいります。さらに、養育家庭の基本要件となっている住宅事情等によっては、里親登録が難しい場合もあることから、その支援のあり方について研究してまいります。
次に、児童相談所における財源措置についてのお尋ねですが、 現在、特別区においては、移管に伴う財源に関することなどについて、課題を整理し、対応策の検討を進めているところです。
昨年度は、児童相談所関連経費の都から区への財源委譲方法等に関して、特別区の方針に基づき、都区財政調整協議の中で協議を行っております。 また、区長会からは、国に対して、児童相談所設置に関する支援期間延長の確実な履行や、建設用地取得費や整備費の国庫補助など、財政支援等の拡充について要望してまいりました。
今後とも、国や都に対して必要な財源措置を求めてまいります。
国の社会保障改悪に対し、区はくらし守る役割発揮を
(金子てるよし区議)
社会保障の改悪について伺います。
安倍政権はこれまで6年間で計1兆6千億円も社会保障費を削減し、さらに大幅削減する議論を進めています。
生活保護では、2013年の最大10%削減に続き、今年から3年間で最大5%削減する方針が出され、7割の利用者が対象となることが明らかになっています。2013年の削減で、区内で減額にされた世帯は、1869世帯にもなりましたが、今回、何世帯が減額となるのか、また、その金額はいくらになるのか、伺います。
今回、国は生活保護の削減で47の低所得者向けの施策に影響が出るとしていますが、具体的な影響について伺います。
国に対し生保基準の引き下げにより他の施策に影響を及ぼさないよう要望すること、また、文京区として生保世帯への入浴券の配布を復活させる等、独自支援を行うことを求め併せて伺います。
介護保険では、10月から、ホームヘルパーが高齢者の調理や掃除をおこなう「生活援助」を一定回数以上利用する場合、ケアマネジャーに市区町村への届け出を義務づけ、それをチェックし、ケアプランの是正を促す介護保険制度の改悪を行いました。区内では何人が影響を受けると想定しているのか、伺います。
介護保険サービスを多く利用することは、認知症や、独居の人を在宅サービスが支えていることを示すもので、介護保険の理念に沿ったものです。介護給付費削減を撤回するよう国に求めるべきです。伺います。
障害者の介護保険利用では 障害者が65歳になると介護保険の利用が優先され、無料で福祉サービスを利用してきた低所得者にも1割負担が発生することから、償還払い制度が設けられました。しかし、総合事業は負担軽減の対象とならず、要支援の場合、利用料の負担が発生します。障害支援区分と要介護認定には乖離があり、障害者区分3の34%、区分4の12%、区分5でも6、7%が要支援となっていますが、区の実態はどうか、伺います。
全身まひで電動車いす使用する人が、介護保険では要支援2にしかならないなど、要支援に該当する人が多い中、総合事業も負担軽減の対象とするよう国に求めていくべきです。伺います。
(区長答弁)
次に、生活保護基準の改定に関するご質問にお答えします。
まず、生活保護受給世帯への影響についてのお尋ねですが、今回の基準改定については、一般低所得世帯の消費実態との均衡を図るための生活扶助基準の見直しに加え、子どもの健全育成に必要な費用等を検証し、母子加算等に必要な見直しを行うことが大きな柱となっております。しかしながら、現時点で国から詳細な内容が示されていないため、具体的に影響を受ける世帯数や金額は算定できません。
なお、このたびの改定を踏まえ、受給世帯への就学援助等については、準要保護世帯への区独自の対応等の関係も含め、研究してまいります。
次に、低所得者向け施策への影響についてのお尋ねですが、国では、生活保護基準額が減額となる場合に、それぞれの制度の趣旨や目的、実態を考慮しながら、できる限り、その影響が及ばないよう対応することを基本的な考え方としております。
区においても、国の考え方を踏まえ、低所得者向け施策に影響のないよう対応することとしておりますので、改めて、国に対して要望する考えはございません。なお、生活保護法制定時より、生活扶助費に入浴料が含まれていることから、入浴券配布事業を再開する考えはございません。
次に、介護保険制度の生活援助についてのご質問にお答えします。
区内の居宅介護支援事業所では、一人ひとりの高齢者の実態に合わせて、アセスメントに基づき適正な給付を行っていると認識しており、このたびの届出義務による影響はないものと考えております。区としては、基準以上の利用の届出について、一律に利用を制限するのではなく、適切なサービス内容であることを確認し、対応してまいります。こうしたことから、国に対して基準の撤回を求める考えはございません。
次に、介護予防・日常生活支援総合事業における、障害者の負担軽減についてのご質問にお答えします。
現在、障害区分3以上の方の中で、要支援に該当する方は1人となっております。また、総合事業の負担軽減については、今後、国において必要な議論を行うとされていることから、現時点において、国に要望する考えはございません。
次に都立病院の独立行政法人化についてのご質問にお答えします。
都が策定した「都立病院新改革実行プラン2018」の中では、行政的医療の安定的かつ継続的な提供や、地域医療の充実への貢献が示されております。このことも含め、都立病院の経営形態のあり方については、都において、十分な議論がなされるものと認識しており、都に働きかけを行う考えはございません。
駒込・大塚病院など都立病院は独法化でなく、都立のままで充実を
(金子てるよし区議)
次に、駒込病院や大塚病院等、都立病院の独立行政法人化について、伺います。
都立病院は、都直営だからこそ、救急、小児、周産期、精神、難病、感染症医療など「行政的医療」を担い、地域医療の中核として運営されてきました。独法化され、独立採算が求められ、交付金が削減されたら「行政的医療」が担えなくなってしまいます。
平成25年3月に都の病院経営本部が、都民2300人から回答を得た都立病院に関する世論調査では、都民の98%は都立病院への税金投入を必要と考えており、独立採算にすることなど、全く求めていないことが明らかになっています。
区民の健康を守り、地域医療を担っている駒込病院、大塚病院を守るため、文京区として東京都に対して、駒込病院をはじめとする都立病院の独法化の検討は止め、直営で充実をはかるよう求めるべきです。伺います。
(区長答弁)
次に都立病院の独立行政法人化についてのご質問にお答えします。
都が策定した「都立病院新改革実行プラン2018」の中では、行政的医療の安定的かつ継続的な提供や、地域医療の充実への貢献が示されております。このことも含め、都立病院の経営形態のあり方については、都において、十分な議論がなされるものと認識しており、都に働きかけを行う考えはございません。
だれもが生きやすい社会へ、LGBT条例制定を
(金子てるよし区議)
次に、人権の保障としてのLGBT当事者の支援を求め伺います。
各種調査で、人口の7、8%が性的マイノリティであることが分かり、差別の解消や権利の保障を目指す動きが、国内外で大きく広がっています。私たち議員団も当事者の方にお話しを聞く機会がありました。
文京区ではダイバシティ課が担当の部署ですが、現在の取り組みはどのようになっているのか、LGBT当事者の人権を保障する心の相談、医学的な相談、法的な相談を含め、相談窓口設置を求め、伺います。
LGBTの理解のために、文京区独自のパンフレットの作成、渋谷区や世田谷区のように条例を制定するよう求め、伺います。
(区長答弁)
次に、LGBT当事者への支援に関するご質問にお答えします。
まず、現在の取り組みについてのお尋ねですが、昨年度は、性自認及び性的指向に関する対応研修を、区職員や教職員のほか、区に関連する事業者向けにも実施いたしました。
そのほか、「文京SOGIにじいろサロン」の実施や、区の発注工事等における契約書類に、性自認及び性的指向に起因する差別の禁止を明記するなど、様々な取り組みを実施しております。
また、男女平等センター相談室等において、当事者からの個別相談を行っております。
次に、理解促進についてのお尋ねですが、独自のパンフレットを作成する予定はありませんが、区民向けに、トランスジェンダーの方を主人公とした映画の上映会を8月に実施し、啓発に努めてまいります。
また、男女平等参画推進条例を制定し、性自認及び性的指向に起因する差別の禁止を明記するとともに、区職員や教職員のための対応指針を策定し、庁内に限らず、民間企業等にも活用を推進するなど、当事者理解の促進に努めております。これらのことから、新たな条例を制定する考えはございません。
中小企業振興条例や公契約条例つくり地域経済振興を
(金子てるよし区議)
次に、地域経済振興について伺います。
昨年度、「女性のエンパワーメント原則 推進事業所 登録事業実施要項」の施行で、区の総合評価方式が一部改正されました。平成24年度から試行され、6年が経過した現在の評価と課題、今後のあり方について、伺います。
国が、社会保険への加入徹底の観点で、「平成30年3月から適用する」「公共工事設計 労務単価」を決定したことで、区は、技能労働者の適切な賃金水準を確保する 特例措置を決定しました。対象工事は、平成30年3月1日以降に契約を行った工事のうち、旧労務単価を適用して予定価格を積算しているものですが、現時点での対象事業数、これから予想される事業、影響額はどうか。お答えください。
総合評価方式だけでは、すべての工事の労務単価の設定ができない等の限界がある、また、官製ワーキングプアをなくすためにも賃金の下限が設定できる公契約条例が必要 という要求が広がっています。適正な人件費の積算のためにも、公契約条例を早期に制定すべきです。伺います。
私たち区議団は、中小企業振興基本条例制定を度々求めてきましたが、区は必要なしとの答弁に終始しています。
地域産業の空洞化は深刻です。私が参加した中小企業家同友会文京支部の学習会で、新宿区等いくつかの自治体での「基本条例」の制定に関わった慶応大学の植田浩史教授は、「自治体は10年前と同じことをやっていては成り立たない。先を見据えた新しい視点と『基本条例』を制定し、中小企業を軸に産業振興を進めるべき」と提言されていました。
区内中小業者や市民参加型の「中小企業振興対策会議」をたちあげることで、現場のニーズに沿った施策が可能となるとともに、若手産業人の育成など次代を担う人材育成の場ともなりえます。中小企業振興基本条例を早期に制定するよう強く求めます。お答えください。
(区長答弁)
次に、地域経済振興に関するご質問にお答えします。
まず、契約制度についてのご質問にお答えします。総合評価落札方式については、平成24年度からの6年間で42件の工事案件に対し、そのうち4件で、入札金額2位以下の事業者が落札しております。今後は、これまでの実績等を勘案し、総合評価落札方式の方向性等について検討してまいります。
また、新労務単価の運用に係る特例措置については、17件の工事が対象となっており、これまでに3件の工事について、合計145万8千円の増額変更を行いました。なお、公契約条例については、その自治体のみに適用されることから、効率性や、有効性に課題があるものと認識しておりますが、工事契約等における労働条件モニタリングのモデル実施の結果等を踏まえ、条例制定の必要性について検討してまいります。
次に、中小企業振興基本条例の制定についてのお尋ねですが、本区では産業振興を図るための各種事業を「基本構想実施計画」で計画化し、実施していることから、条例を制定する考えはございません。
「差額ベッド料不要」の厚労省新通知を区民に周知し活用を
(金子てるよし区議)
最後に、保険のきかない「差額ベッド料」について伺います。
先日、区内の病院に入院した方から25日分の差額ベッド代、129万6千円の請求と電信払いの振込用紙が届いたが、半年分の収入に匹敵する支払いはできない、どうすればいいかと相談がありました。病院側は入院の際、「ここしか空いていません」と言い、家族はやむなく同意書にサインし、その後も「差額ベッド代がかからない部屋はありませんか」と再三相談したものの回答は無いままだったそうです。
厚労省は2018年3月5日に新たな通知を出し「差額ベッド代を求めてはならない場合」について、同意書による確認を行っていない場合、治療上の必要で差額ベッド代がかかる部屋に入院した場合、「大部屋が一杯」など患者の選択によらない場合、と3つのケースを示して差額ベッド代は「請求してはならない」としています。この通知を示して病院に相談すると、請求書と電信払いの振込用紙はその場で回収・撤回され、数日後には「差額ベッド代は払わなくていい」と連絡があったそうです。
この通知が広く周知されてゆけば、お金のことが心配で、入院をためらったり、あきらめたりするケースを無くすことにつながってゆきます。区としてこの通知の内容を区民に周知することを求め、伺います。以上で質問を終わりますが、答弁の如何で再質問を留保します。
(区長答弁)
最後に、差額ベッド代についてのご質問にお答えします。
差額ベッド代に関する国からの通知は、都道府県に向けたものであることから、都における周知が基本と考えておりますが、すべての保険者に共通することから、区としても、ホームページ等で周知してまいります。
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