2001年区議会第一回定例会


日本共産党区議団質問

日本共産党区議団の一般質問

質問者 小林 進 議員


日本共産党区議団の代表質問

質問者 こうだ久美子 議員

(答弁は省略)




二〇〇一年区議会第一回定例会での一般質問

質問者 小林 進 議員


 私は、日本共産党の一般質問として区内産業の振興、介護保険、教育基本法の見直し問題、文京区基本構想について、区長、教育長に伺います。
 いま、中小零細企業の貴重な掛け金をくいものにした、KSD中小企業経営者福祉事業団−汚職が大問題になっています。自民党と企業・団体のきたない「政治とカネ」のむすびつきは、これまでにも何度も明るみに出されましたが、KSD事件の悪質さは異常です。小山議員をはじめとする多額の資金提供問題や中小零細企業者が自分の労災に備えて共済制度に入ったのに、共済の掛け金の一部が党費として、自民党に数十億円もは入っていたなど前代未聞の事件です。区内の会員の方は、「中小企業がこんなに深刻な経営状況にあるのに全くゆるせない」と怒りを語っています。
 今回のような汚職・腐敗事件が後を絶たないのは、政党に対する企業・団体献金が野放しにされているからです。改めて、企業・団体献金の禁止を求めるものであります。
 そこで質問にはいります。

最初は、区内商店街振興策について伺います。
 商店街・商店は、町の防犯、消防団活動、お祭りなどで町の活性化やコミュニテイーを広げていく重要な役割を果たしてきましたし、今後も果たしていかなければなりません。我が国では、高齢者人口が、二〇一五年に人口の二五%強、二〇五〇年には三二・五%となり、そのうち五百二十万人が要介護者になると試算されています。文京区はさらに高齢化が進みます。このことからも、身近なところで安心して買い物ができる商店街や商店の役割は一層重要になってきます。しかし、現状はどうでしょうか。生鮮三品といわれる「八百屋、肉屋、魚屋」が町の中から次々となくなっているのが実態です。また現在、がんばっている商店でも「お客が減ってやっていけない」「子どもには、とても後を次いでほしいと言えない」など展望がまったく見えない状況になっています。さらに、政府等による規制緩和の影響をうけて「酒屋、米屋」さんでは、専門店だけでは営業ができなくなったり、閉店するところも出ています。
 こうした問題は、二十一世紀の地域のあり方、まちづくり、福祉問題としても緊急課題であると思います。事態は深刻であり、商店街の維持・復活問題として真剣に取り組んでいく必要があると思いますが区長の認識を伺います。また、私たちがこの間提案してきている「空き店舗対策」「高齢者等への宅配制度」「区が行っている施策の商品券への移行」などについても具体化を求めるものですが、区長の見解を伺います。
 クイーンズ伊勢丹の営業開始は、私たちの聞き取りによっても、周辺商店街への影響は予想以上に深刻です。柳町商店街では、人の流れが変わってしまい、売り上げの面でも深刻です。八百屋さんでは「私たちにはやめろということなのか」「個人では営業時間も含めとても太刀打ちできない」と不満をぶつけています。お総菜屋さんは「夕方になるとパタッとお客さんがこなくなる」。白山の魚屋さんでは「売り上げが五割減になった」と語っています。
 区長はこの間、私たちの一般質問に「説明会が数回にわたって行われ、その過程におきまして、消費者や地元小売業者の意見や要望を集約し、調整を図り理解を得たところであります」と答弁していますが、今回の伊勢丹の出店は、周辺商店街だけでなく、白山、千駄木、神保町など広い地域で影響が出ていることも明らかになっています。このままでは、食料品を扱っている商店などは存続の危機になってしまうのではないでしょうか。
 そこで、区長に伺います。
 少なくとも周辺商店街については影響実態調査を至急行うことを求めます。さらに、現在検討されている大型店等の「要綱」については、杉並の条例にも学んで現在の大型店の「店舗」にも適用できるような内容にすることと、要綱ではなく「条例化」を求めるものです。
 また、区内大型店やスーパーなどの「税金」が文京区には全く関係ない状況を見直し店舗所在区に税収が入るよう制度改正を求めていくべきではないでしょうか。

 次に、地場産業である印刷・製本業の問題で伺います。
 現在検討されている基本構想の中でも、印刷・製本業については地場産業としての役割を明確にする方向ですが、問題は、それにふさわしくどう援助、取り組みを進めていくかということです。区内の印刷・製本業者は約千三百社、これに関連業種をくわえると二千二百七十社が集積し、地域経済をささえる重要な役割をになっています。
 私たちが聞取りしたところでは、ある社長さんは「お先真っ暗、先行きの展望が見えてこない」と語り、別の社長さんは「大手企業の今のやり方はひどい、中小・零細企業の仕事までとってしまう、単価の問題も深刻」だと大手企業の横暴ぶりに怒っています。
 〃ルールなき資本主義〃とよばれる異常なゆがみは、文京区内の中小零細企業に重大な影響をおよぼしてきています。区長は所信表明で「区内産業のおかれている状況は極めて厳しい」との認識を示しています。私は、大企業の横暴から下請けを守るルールづくりと、国の中小企業予算を抜本的に増額し「日本経済の主役にふさわしく」支援を行うことを求めるとともに、文京区としても予算を大幅に増やし印刷・製本業の営業と生活を守り、地場産業としてふさわしい支援を行うなど中小企業対策に取り組むことを求めるものであります。
 第一は、今回の出張所問題で、町会長宅を幹部職員が一気に回ったように、区内すべての産業の実態調査を区の幹部職員先頭に行うこと。
 第二に、大企業の価格ダンピングや買いたたき、単価の切り下げなどに、区としても必要なルールづくりと指導できる体制を検討すること。そのためにも、東京都の中小企業振興公社の位置付けを高め、区への出張所を設置するなど下請け取引の苦情相談体制を強化するよう都に求めていくこと。
 第三は、技術革新に対応する訓練・教育の場を積極的に設けていく問題です。小規模企業が多い印刷・製本業界では、企業でできる技術教育などは限られています。「地域活性化事業」などを活用して要望に応えるべきです。また、十二年度実施の「印刷・製本技術習得スクール」については、業界関係者からもっと最初の段階から相談してとりくんでほしかったとの要望をきいていますが、十三年度については、業界の意見を取り入れたとりくみとして一層充実すべきです。
 第四に、印刷・製本業者の仕事確保のうえで、区の仕事は「地元業者へ」の立場での発注にいっそう努力すること、さらに分離分割発注を徹底することをもとめます。また、東京都にもこのことを求めていくべきです。
 第五に、印刷・製本ブンネット会員について、なかなか会員が増えていかないのが現状だと思いますがなぜなのか、業界などからは、どのような要望が出されているのか、また、要望に応えた改善がないのか伺います。
 最後に、昨年の決算委員会でも提案したところですが、産業実態調査や旅館業の調査などにもとづいて総合的な産業振興計画を区として策定することを求めますが区長の見解を伺います。

次に、介護保険問題で伺います。
 介護保険制度が発足して、十一ヵ月が経過しようとしています。介護の社会化といって創設された介護保険制度が、さまざまな矛盾に直面し介護を希望する高齢者が安心して利用できる制度になっていないことは、文京区だけでなく全国の例をみても明らかです。
日本共産党文京区議団は、議会ごとに介護保険制度の改善について質問してきましたが、今回は二点にしぼって質問いたします。
第一は、介護保険料と利用料の軽減措置についてです。
 保険料や利用料の軽減措置や助成は、すでに全国三百を越える自治体に広がっています。二十三区では千代田区が困っている人に対する助成は当たり前として、介護保険料・利用料の軽減という思い切った施策を打ち出しています。区内の高齢者世帯の方は、一ヵ月六千六百円の保険料は年金暮らしの身に大変重い、お互いにいたわり合って生きていますが、「夫は脳梗塞の後遺症、私は膝関節痛で、ひとつまちがったら恐ろしい、もう少し安心して暮らしたい」と語っています。また、母親が要介護四の認定を受けた方は、「家庭での介護はできず、さりとて、特養ホームなど施設が少なく入所できません。利用できない介護保険はいりません。」など苦悩に満ちた声を寄せています。
文京区は、六十五歳以上で介護を受ける人は当初四千七百人と予想していましたが、介護認定を受けて実際にサービスを受けている人は、昨年十月末で三千七十七人であり、当初予想の約六割です。区はこの結果をどう分析し、利用者拡大に取り組もうとしているのか。また昨年十二月、二千三百人余りの利用者を対象に介護保険の満足度調査を行いましたが、その結果はどのようになっているのか、区長に伺います。
 昨年の予算委員会で、わが党の関川議員は、年収が百七十三万円までの六十五歳以上の方の介護保険料が国民健康保険料の二倍になっていることを指摘し、低所得者への介護保険料の助成を強く求めてきました。区長は、昨年の第四回定例会で保険料について、「三年後に五段階を六段階に広げ、高所得者の負担を増やし低所得者の負担を軽くするという、いわゆる横浜方式を検討する」と言っていますが、保険料区分第一段階の生活保護受給者を除く方々の保険料を免除した場合、区の試算では、年間わずか百三十八万円で可能です。緊急対策としてすぐ実施すべきです。
また、利用料の問題では、武蔵野市でデイサービスなど三事業の利用料を所得制限なしで本人負担を三%に軽減したところ、平均利用率は六三%となり、東京都の平均利用率より十三%も高くなりました。この間、杉並、品川、墨田などでも利用料軽減を二〇〇一年度から実施します。
 文京区でも安心して介護を受けるために保険料第一段階、第二段階の高齢者の在宅サービス利用料を三%に軽減する措置を急いで行うべきと思います。区の試算でも約五千万円があれば実現できます。十二年度最終補正予算では、介護経費約十八億円も減額しています。このことからも、区独自の軽減策は十分に可能です。
 私たち区議団は、今定例会に保険料と利用料の助成に関する条例提案をしています。区長は、保険料や利用料は全国一律の基準でという、お決まりの答弁はやめて、保険料や利用料の助成に思い切って踏み切るべきであります。区長の決断を求めます。
第二は特別養護老人ホームの増設計画についてです。
いよいよ今年の四月に第四特養ホームがオープンします。定員百名に対して三倍もの申し込みがあり、入所できない人が二百人を超える状態になっています。先日、私が相談を受けた方は、要介護三の夫を介護している奥さんが腰痛で入院しなければならなくなり、「緊急のショートステイを利用したいと、あちこちの施設をあたってみたが近くで空いている所がなく、途方にくれた」という訴えでした。
 区長は、昨年の第四回定例会で、わが党の佐藤議員の質問に答え、「今後の区立特養老人ホーム建設計画については、新たな区民負担を伴うことから区民の意向を踏まえて検討する」としています。
 第四特養老人ホームの年間の運営経費は、約二億六千二百万円となっていますが、この場合六十五歳以上の介護保険料に、どの位はね返るのか、明らかにしていただきたいと思います。区民にとって老人ホームの増設は緊急で切実な要求です。直ちに区として、第五の特養老人ホームの建設計画に着手すべきですが、区長の決断を求めます。

 次に、教育基本法見直し問題などについて伺います。
 首相の私的諮問機関である教育改革国民会議は、昨年十二月、十七項目の提案からなる最終報告を森首相に提出し、文部科学省が二〇〇一年を「教育新生元年」として、「二十一世紀教育新生プラン」を一月二十五日に発表しました。この内容は、教育改革国民会議の最終報告の具体化を示した計画書ともいえるものです。
 教育改革国民会議での教育基本法見直しの論議はわずか三時間、今なぜ教育基本法を変えなければならないのか異論も多く出されていたようです。朝日新聞の社説でも「教育基本法を見直すことが今の教育の改革に本当に必要か」と疑問を投げかけ、「戦後の教育は、むしろ基本法を形骸化した歴史だ」と論じています。また、教育に関わる専門家の間でも「基本法」見直しに問題ありと指摘しています。
 教育基本法は、その前文で、「日本国憲法に則り、教育の目的を明示して、新しい日本の教育の基本を確立するため、この法律を制定する」としているように準憲法的性格をもつものです。教育基本法では教育の目的として「人格の完成」といっています。このことは、一人ひとりの成長・発達・個性をはぐくむ教育をすすめ、主権者としてしっかり育てることが教育基本法の大事な理念であることを示しています。
 教育改革国民会議の最終報告のなかで、今日の教育危機ともいえる深刻な現状をあげ、「日本の教育は、戦後五十年以上にわたって教育基本法のもとですすめられてきた」と指摘し、あたかも基本法のせいであるかのように言っていますが、むしろ教育基本法を形骸化し、ないがしろにしてきたことに根本的原因があるのではないでしょうか。
 いま必要なのは、戦後五十年たって時代に合わなくなったという改憲論と一体となった教育基本法「見直し」ではなく、教育基本法の精神にしっかり立って教育改革をすすめることであります。教育長の見解を伺います。 教育改革国民会議の最終報告で、教育基本法の見直しとともに示された重点施策の一つに、「奉仕活動を全員が行うようにする」と「奉仕活動」を義務付けるために、「小中学校で二週間、高校では一カ月、共同生活などによる奉仕活動を行う」とし、「満十八歳後の青年の一定期間の奉仕活動の実施」など求めています。これを受けて、政府は「関連法案」を今国会に提出する予定です。
 「奉仕活動」の義務化については、日本ペンクラブやボランティア団体などから「徴兵制の地ならし」「兵役に類する義務」ではないか、との批判もあるなかで、最終報告では、中間報告にあった十八歳の「国民すべてに一年間」という文言を削りました。
 ところが、町村文部科学大臣は報道陣との懇談で、大学入学を九月にして高校卒業後に三、四カ月の奉仕活動にあてるという考えを示し、「自衛隊の人に聞くと、三カ月で間違いなく変わる。しゃきっとする。昔は軍隊がおとなへの通過儀式だった」とのべ、小中学校でも「授業でやることは強制だ。強制的でもやれば効果がある」との考えを示しています。教育改革国民会議の曽野綾子委員は「奉仕活動はボランテイアではない。国家に対する義務」といい、他の委員からも、審議の場では「飼い馴らし、訓練し、たたき直すことが学校の本質」などの発言が出されていました。
 「奉仕」とは、奉り仕える上下関係です。国民会議の公聴会でも「奉仕の義務化ではなく、幅広い社会参加活動やボランティア学習を進めてほしい」という意見がほとんどだと聞いています。「奉仕の強制」とは、上から強制して、力づくで子どもを押さえつけようという貧しい発想から出てくるものです。このような「奉仕活動の義務化」はあまりにも時代錯誤であり強行すべきではなく、社会参加活動、体験学習、ボランテイア活動を自発的意志で取り組めるようにすべきと思いますが、教育長の考えを伺います。
  
 最後に、文京区基本構想の問題で伺います。
 新しい基本構想の制定に向けて、審議会委員のみなさんによる熱心な議論がおこなわれ、「素案」がまとめられました。議会にも基本問題特別委員会が設置され、独自の議論が
されています。
 いうまでもなく、基本構想は自治体の憲法ともいうべきものであります。したがって、この構想が示す精神と行政の指針は、もちろん区民も今日から明日に向けての文京区をつくりあげていく主権者として、自治にたいする積極的な参加がなければならないものです。同時に、改めて言うまでもなく、基本構想の骨格をなす支柱は日本国の憲法であり、地方自治法そのものにあるということであります。
 さて現在の基本構想が策定されて、今年で二十三年になります。当時の基本構想審議会は、東洋大学学長の磯村英一氏を会長に、一年を経て基本構想素案を区民に公表し、「区民の意見を聞く会」での意見聴取、それにもとづく素案の修正などを行ったあと、審議会発足から一年二カ月後の一九七八年九月に答申を区長に提出したのであります。
 その基本構想では、理念に三つのテーマ、すなわち人間性の尊重、婦人の参加、地域性の重視をかかげ、そのもとに目標、視点、まちづくりの基本方向を示しています。二十三年を経た、現在の基本構想の三つのテーマについて、それぞれが行政上どのように進展してきたか、また、その達成度について、区長の評価をお聞きしたいのであります。さらに、まちづくりの基本的方向として、住環境の保全、災害対策を重視していますが、これらについての達成度はいかがでしょうか。
 現在の基本構想は、本来、自治体のもつ役割について、きわめて重要な方向を示しています。長い年月を経た基本構想でありながら、今日にも引き継がれるべき根元的な内容を明らかにしていると思います。「健康としあわせを誇れるまちづくり」の項では、社会福祉のなかで、まず最初に低所得者福祉の充実をかかげています。また、高齢者福祉の充実として「生きがいのある老後の生活を保障するため、経済的基盤の確立を図る」ことを掲げ、児童福祉の充実では「児童が心身ともにすこやかに成長するための環境と施設の整備に努める」としています。これらは、「住民に最も身近な政府」としての自治体にとって、今後とも普遍的な課題となるものではないでしょうか。区長は、こうした課題についても、達成度をどのように判断されているでしょうか。
 次は、新しい基本構想についてですが、文教のまちとして可能性に富んだこの地を、新たな洗練と成熟へと発展させていく都市自治の姿を「文(ふみ)の京(みやこ)」と呼ぶとした文京区の新しい基本構想については、策定過程でもあり、ここでは論評いたしませんが、今後の区の行政上、いまから検討していかなければならない問題点についてだけ質問いたします。
 そのひとつは、新構想の位置づけとして、「個別行政計画の制御」という問題が示されています。新しい基本構想が策定された場合、現在、総合計画、実施計画をはじめ、さまざ
まな個別計画がありますが、これらの計画は、どのような検討と変更がなされていくので
しょうか伺います。
 また、新構想が描く「文(ふみ)の京(みやこ)」としての文京区について、その歴史と伝統をもつ都市としての文京区の位置づけには同意できつつも、このまちをつくり、このまちに生きる区民の暮らしと福祉、住民と滞在者の安全と健康を守るという地方自治法の本旨については、正しい二本の柱となって行政に貫かれなければならないと考えます。さらにこの間、区政に起こった「不祥事」など、すべての不正、不条理を正し、平和と幸福を区民にあたえていくことこそ、行政としてとるべき姿勢であると思いますが、新しい基本構想制定を決意された区長としてのお考えを、お聞きするものであります。
 以上で質問は終わりますが、答弁いかんでは再質問を留保します。
 ご清聴ありがとうございました。 



二〇〇一年区議会第一回定例会での代表質問

  質問者 こうだ久美子 議員


 第一回定例会にあたり、私は日本共産党文京区議団を代表して、男女平等参画社会実現について、サッカーくじ実施について、十三年度予算案について、文京区行財政改革について、都市計画について、区長並びに教育長に質問いたします。
 まず新しい世紀の始まりに、区財政困難を理由にして、男女平等参画社会の政策的要であり、国民的課題である「子育て支援」に背を向けるかのように、行財政改革推進計画に
おいて区立保育園の保育士を十七名定数削減する提案を行った、煙山区長の真意を伺いたいと存じます。
 私は、区に寄せられた「行財政改革推進計画に関する区民意見」をつぶさに読みましたが、四百を越える意見の四割が保育士定数削減についてであり、他の問題については意見のばらつきがあるのに、保育士削減に賛成だとする意見はただの一通もありませんでした。また、「文京区経営改善懇談会」でも、保育士の一七名定員削減には異論が続出しています。区長はこの区民の意見にどうこたえるつもりでしょうか。また十三年四月実施などと、反対も強く論議も不十分で合意も形成されていないのに、なぜ実施を急ぐのか。十分な検討を続けるべきです。「意見はいくらでも聞きますが、区の方針は変更しません。」というのが区長の区民参画を標榜する民主主義の考えではないと信じて、答弁を求めます。
 国の保育士配置基準は最低限の基準です。どんな母親でも出来得ない、ゼロ歳児六人を一人の保育士が見るなどという途方もない基準を未だに掲げて恥じない国の姿勢は、人間が人間として育つ条件を理解しない、教育など語る以前の問題です。美濃部革新都政の時代に、東京都がゼロ歳児に三対一の保育士の配置をするなど独自の基準を定め、さらに保育充実のための過配措置をしたことは、子育てを教育と位置付けた、先見の明をもったものでした。
 今回削られようとしている「二階建て加算」の保育士は、文京区の特例保育が八〇パーセントという、二三区内でも高い割合を示している実態や、ゼロ歳児特例わくの拡大、全園での育児相談の実施、一六園での七時過ぎまでの延長保育、土曜行事の導入によるローテーションなどで、通常保育に組み込まれた欠かせない人員となっているのです。十三年度のみ、削減する保育士のかわりに非常勤職員を配置するようですが、これではあくまでコスト削減を貫く姿勢に変わりありません。
 いま、青少年の凶悪犯罪・親による子どもの虐待の続発に見られるように、子育てに不安が増し、子どもの発達上の問題、保護者の育児の悩みなど、深刻化している実態は文京区でも例外ではありません。保育士からも、「保育現場では子どもにも、親にも、より密接な対応が求められている。量も質も大変になってきていて、十年前の比ではない。」という声が圧倒的です。こうした現場の声を区長はどのように把握し、認識しておられるのかお答え下さい。
 また、子ども一人一人について話合い、その都度保育方針を決める職員会議への出席も無く、父母との連絡ノート記入にも携わることのない非常勤職員で、あるいは一七名の定員削減をして保育士に過重な労働を強いて、保育の質が低下しないと本気で考えているのでしょうか。たとえ他の区が削っても「文京」としての独自性をもって、名称を変えてでも加配措置を継続すべきと考えます。お答え下さい。
 さらに、十三年度中に、待機児解消策を含む保育の充実方と、保育士の配置等について抜本的に検討するために、区当局・父母・保育士・区民・学識経験者から構成する組織を立ち上げるべきと考えますが、お考えを聞かせてください。
 男女平等社会実現の視点から、特に母子家庭の問題について伺います。
 社会的な偏見も含め、日本の女性がおかれている地位や経済的差別の矛盾が象徴的に反映しているのが母子家庭です。そして母子家庭は今、不況と社会保障の改悪の二重の困難の元におかれています。統計によりますと、年間所得は平均二百四十七万円で、一般家庭の四割以下、半数近くが二百万円以下と言う低所得者です。仕事も三割以上が臨時、パートなど不安定就労です。
 ところが政府は、こうした母子家庭に冷水を浴びせかけるように、一九九八年、「離婚の増加」を理由に母子家庭の〃命綱〃とも言える児童扶養手当の所得制限を引き下げてしまったのです。それによって、六万件を超える母子家庭が、収入が増えていないにもかかわらず児童手当の支給を打ち切られ、同時に医療費助成と水道料の基本料金の免除、そして都営交通の無料パスの交付も打ち切られました。これらの制度は、女性の低い賃金を補うものとしてなくてはならないものでした。
 私が聞いた、ひとり親の女性の多くが「児童扶養手当を打ち切られて以降、二つの仕事をもって昼も夜も働かざるを得なくなり、子どもたちだけで夜をすごさなければならなくなった」と話してくれました。またこうした中で、「健康の不安をかかえながら働いている、医療費の助成打ち切りはつらい」と話します。
 そこで、区長に伺います。
一、児童扶養手当の所得制限をただちに元に戻すことと支給額の増額など、制度のいっそうの充実を早急に国に 要求すべきと考えます。そして、病気が即収入減となる母子家庭の医療費助成も、せめて文京区が所得制限を 元に戻すべきです。区長のお考えを聞かせてください。
一、ひとり親家庭の家計に占める住居費・教育費の割合は突出しています。都心の文京区でも安心して住める借 り上げ住宅や区営住宅が必要です。その充実策はどうお考えでしょうか。              
一、母親が安定した仕事につけるよう、職業訓練所の利用促進をはかり、企業に対しては、母子家庭を理由にし た不採用を止めさせるなど、国や自治体、企業の責任で、母子家庭の母親の雇用の促進を図るべきと考えます がいかがでしょうか。
一、母子家庭の問題解決のためにも、男女平等、女性の地位向上の前進が重要です。文京区における母子家庭の 実態に関しての調査は、昭和五十三年を最後に行われていません。深刻な実態があるわけですから、女性の実 態を調査し、女性白書を早急に作成することを要求します。区長の見解を求めます。

 次に、サッカーくじ問題でお伺いいたします。
 プロサッカー・Jリーグを賭けの対象にする「サッカーくじ」が、三月から全国販売されるのを前に、昨年テスト販売された静岡県の県議会本会議で、全国実施を懸念する意見書が全会一致で採択されました。
 この意見書では、テスト販売を二回実施した結果を踏まえ、「スポーツ観戦の健全な高揚感を損ね」「十九歳未満への販売禁止措置が十分徹底されていたとは言い難く、青少年への悪影響が危惧されている」と指摘しています。
 私たちは、文京区内で、子どもたちが日常出入りするクイーンズ伊勢丹の二階にある、ビデオショプマルチメデァ館アイ信白山店が、「サッカーくじ」販売を予定していることを知り、区内女性団体などと供に「アイ信白山店」と文部省の外郭団体である日本体育・学校健康センター、そして文京区教育長に「文京の子どもたちをギャンブルから守ってほしい」と、販売中止を求めて申し入れを行いました。
 青少年の相次ぐ凶悪事件が続いているなかで、「百円で一億円のチャンス」と射幸心をあおり、健全なスポーツのサッカーがギャンブルになることの危惧ははかりしれません。販売予定の店の近くには、柳町、指ヶ谷、礫川小学校そして第三中学校があります。取り組みに参加した方々は、「サッカーくじは町中のどこでも買えてしまう。〃文化の香り高いまち〃をギャンブルのまちにさせたくない」と語っています。
 文京区としても、ただちに他の販売予定地を把握し、区内での販売中止を求めるなどの積極的対策を講じる必要があると考えますが、いかがでしょうか。また、国に対しても「サッカーくじ」の販売中止を求めるべきと思いますが、教育長の見解を求めます。

 次に、来年度当初予算案についてお伺いします。
 長期化する不況はまったく打開の道が見えません。
 倒産・廃業が跡を絶たない建設業界は言うに及ばず、文京区の地場産業といわれる印刷・製本関連の中小零細企業でも、区内商店街や商店でも、生活と営業は深刻な事態になっています。一月からの医療費の一割の定率負担に加え、十月からの介護保険料の全額徴収など、高齢者からはまさに悲鳴の声があがっています。
 このように中小業者や区民が大変な事態におかれているだけに、「住民福祉の向上」をかかげる文京区政のはたす役割はますます重要になっています。
 ところが煙山区長が編成した予算案では、事務事業の見直しや新「行革」による人員削減などで二十億九千九百万円を削減し、商工振興費、道路補修経費、保育園・育成室などの運営経費や行事費、学校などの施設改修費、高齢者や障害者の行事費など、あらゆる分野で施策を縮小し切り捨てる内容になっており、住民の区政にたいする期待に沿うものではありません。
 「財政がきびしい」ことを理由に組まれた予算では、保育園卒園児への贈り物、小学校
入学祝い品、小中学校の卒業アルバム代補助や学校給食の牛乳代補助、八千人の高齢者への敬老祝品を廃止し、さらに重度心身障害者(児)の福祉タクシー代二千百二十二万円や高齢者・障害者への福祉電話貸与費三百六十二万円、原爆被爆者への見舞金四十六万円の削減までがなされようとしており、「何故ここまで削減するのか」と、多くの区民から疑問と不満の声があがっています。
 シビックセンター建設の際、区民の「豪華な庁舎はいらない」、「あとで区財政が大変になる、超高層の庁舎は見直しを」との声に、区は「区民には迷惑をかけない」「福祉、教育は後退させない」と約束したはずです。煙山区長も、区議会議員当時、その推進を主張してきた当事者の一人ではありませんか。シビック建設の「ツケ」をこんな形で区民に押しつけるやり方は許されません。
 前区長時代の昭和五十年に区財政危機が起きた時、予算計上した事業の一部を翌年度以降に繰り延べせざるをえませんでしたが、その時、当時の区長は「しかしこの場合でも区民生活に密着するような事業は対象外」との立場をとることを明らかにしました。これが実際に守られたかどうかは別にして、区としてこうした姿勢を堅持することは大事ではないでしょうか。区長の答弁を求めます。
 区当局は、区民には、「財政再建団体になったら大変」、だから我慢をと言わんばかりの説明をしています。しかし、さきの区議会では日本共産党の質問に対して、区の財政状況は「他区のような『財政危機宣言』をするほどではない」と述べております。東京都の税収が、十二年度で三千六百億円、十三年度で四千八百億円の増収になり、文京区にも普通交付金として十四億円が入ってきます。また現在区には少ないとはいえ百五十億円の基金があります。これらを有効に活用すれば、不況に苦しむ区民のくらしや福祉・教育を支えつつ、来年度予算を編成し、かつ区の財政再建を図る道を選択できるのです。ところが区は、介護保険の保険料や利用料の減免助成など切実な区民要望に応じることなく、交付金の大半を減債基金などに積立て、数々の福祉切り捨てを行おうとしているのであります。これでは区民に冷たい予算編成と言われても仕方がないと思いますが、区長の答弁を求めます。
 今日の財政難の原因を、区長は景気回復の遅れや国の減税政策の影響などによる、区税収入の落ち込みにあるといっています。しかし年間の予算規模が七百億円の文京区で、八百十六億円をシビックセンター建設に投入したのです。区は、基金などを活用してきたので、区財政に影響がないと言っていますが、その基金も区民の税金です。しかも一般財源から百四十一億円を投入し、シビック建設の起債・百十九億円を含む起債償還費や二十五億円余の毎年のシビック関連の維持管理費、運営経費、OA経費など後年度負担を考えるなら、今日の財政悪化の原因がどこにあるかは明瞭です。
 自治体の果たすべき役割は、くらし、福祉、教育などの向上を図ることです。したがって、予算編成に際しては、重すぎる介護保険料や利用料の軽減助成、過去の融資を一本化し、低利な融資に借り換える制度の創設、保育園の待機児の解消対策や区施設の耐震補強工事、またPCB使用の蛍光灯の交換工事の前倒し、住宅リフォーム資金助成の実施による区内業者の仕事確保、共通買物券発行による商店振興などの緊急課題を盛り込むべきです。さらに、事業経費や維持管理経費などの一五%カットや使用料の減免規定の廃止、一七名の保育士削減を含む「新行革」計画の見直しが求められます。
 そのためにも、電柱などの道路占用料の引き上げや議員期末手当傾斜配分の廃止など区政の浪費をなくし不要不急の経費を見直すべきです。こうした立場から、わが党は今議会に十三年度予算案への「修正動議」を提出する準備をしています。議会での熱心かつ真剣な検討をお願いいたします。
 この項の最後に、財源対策の一つとして区長が実現へ意欲を示した「勝馬投票券発売税」について述べます。日本共産党は、昨年の六月議会の島元議員の質問や十三年度予算への緊急要望でも、「地方分権に見合った税財源の移譲・確保を国に要求するとともに法定外普通税の検討など区独自の意欲的な財源確保策」を区長に求めてきました。今回の「勝馬投票券発売税」構想について、わが党は注目し検討に値すると考えるものです。しかし、わが党は公営ギャンブルを容認するものではなく、後楽園競輪復活に絶対反対し、大井
競馬場外馬券売り場(後楽園オフト)や中央競馬場外馬券売り場の撤去を求める立場は不変であります。今回の新税は、今日まで射幸心をあおり続けてきた、これらギャンブルにたいする厳しいペナルティとしての一面をもつ新税として考え、一刻も早い公営ギャンブルの廃止につながるようにすべきと考えております。区長は新税を構想するこの機会に後楽園競輪復活反対を明確に表明すべきです。答弁を求めます。

次に、行財政改革の問題で質問します。
昨年十一月、区は「行財政改革推進計画」(中間のまとめ)で区内九カ所の出張所廃止や先程述べました区立保育園の保育士十七人の削減などを発表しました。この突然のやり方とその内容に対して、いま、多くの区民からきびしい批判の声があがっており、区の「行革」関係の反対署名は二万八千筆を超えて集まっていると聞いております。地域に密着した行政サービスの最前線として親しまれてきた出張所の全面廃止や、保育園の保育士削減などを、関係する区民や職員に事前に何の相談もなく、いきなり打ち出すとはあまりにも乱暴です。
 区長の言う「区民が主役」とか「区民参画」「職員参加」の区政と、どこに共通点があるのでしょうか。
「中間のまとめ」発表後、区は、区民意見の聴取に当たっていますが、区民からは「近くに出張所があってとても助かる。区役所は遠すぎる。バスを乗り換えて行くのは大変だ」など切実な訴えが数多く出されています。
 しかし、区はそうした意見に対しても「最終案」で、表現上での若干の変更は行うものの、最も問題になっている「廃止」や「削減」にはいっさい手を付けようとしません。これでは何のための区民意見の聴取なのかと疑問をもたざるを得ません。
 さらに、「中間のまとめ」については、「経営改善懇談会」で意見を聞きながら最終報告書にまとめていくとしていたはずが、実際には、「懇談会」での議論とは関係なく、来年度予算編成作業のなかですでに決まったも同然のものとして予算化されているのです。「懇談会」のなかで、使用料の免除規定廃止に関連して「大事な青少年育成のための集会開催などに『特例』を設けるべきではないか」との意見開陳がありましたが、既に「廃止」が区報に掲載されてしまっているのです。これでは「懇談会」での議論は何だったのかと疑わざるをえません。「推進計画」については、区民参加のもと十分な時間をかけて徹底した議論を行い見直すことを求めます。特に出張所は存続させ、区民のくらしを支える拠点、地域コミュニティの核として一層機能を拡充すべきであり、保育士削減はもちろんのこと施設使用料の免除規定廃止もやめるべきです。
 私は、五十年余もの歴史をもつ出張所の全面廃止という重大な施策の変更にあたっては、「住民投票」を実施して区民の判断をあおぐべきと考えます。区長の答弁を求めます。
 区長は、「行革」推進の根本理念として「新公共経営」をあげています。
 しかし、民間企業の経営理念や手法を大々的に自治体運営に導入することが、行政の本来の在り方でしょうか。地方自治体の役割は、「住民福祉の向上」、「住民奉仕」にあります。利潤追求を最大の目的とする企業とは本質的に違います。そのやり方を無理やり区政に持ち込むことは、憲法にもとずく自治体の公的責任や「公共性」をないがしろにし、自治体本来の役割まで否定しかねません。「新公共経営」では、「行政のなすべき役割以外の部分は、積極的に民間に役割を委譲する」とし、「税の賦課決定や各種許認可など区民の権利、義務、規制をもたらす公権力の行使やトップマネジメントに属する事業」以外は、委託できるとしています。実際、区立の保育園すら民営化の対象として検討するとしているのです。これでは、福祉や教育などの区民施策の大半が民営化や民間委託されてしまいます。このようなことは、絶対容認できません。
 使用料・利用料の問題でも区は、「自治体と民間は同じ土俵で競争すべきであり、自治体が低廉なコストでサービスを提供することは、民間の活動を抑制し自治体経営の健全性を阻害する」とする「新公共経営」の考えに基づき、使用料のコストとして「人件費、建物の減価償却費、公債利子、退職手当の増加分を新たに加える必要がある」としています。これが大幅な使用料値上げにつながることは明らかです。しかも、社会教育団体の免除規定をなくすのですから、「これでは会の運営が困難になり、会の継続そのものも危うくなる」との批判がでるのは当然で、これでは何のための公共施設かということが問われます。
 さらに、より根本的な問題として「新公共経営」では、区民を行政サービスの「顧客」として位置付けています。しかし、区民は「お客さま」ではなく、区政を作り上げて行く主権者なのです。
 このように問題の多い「新公共経営」をわが区の区政運営の基本に据えるべきではありません。今求められているのは日本国憲法と地方自治法に基づいた真に区民本位の区政運営なのです。区長の明快な答弁を求めます。

 それでは最後に、文京区に於ける都市計画に関して質問いたします。
平成八年五月に、都市計画の用途地域等が大幅に変更されてから五年になります。この間、都心部を中心に、マンション建設による日影・風害・電波障害など、住環境の悪化がすすみ、建築紛争が多発しています。
 昨年、私や川村・武澤・村越議員が関わった、千石の明化小学校隣に突如計画された十五階建て(高さ四十四メートル)のマンション紛争は、その典型的な例と言えるでしょう。学校の校庭や真向かいの白山の郷特別養護老人ホームが日影になり、さらに隣地の名刹一行院を見下ろし、歩道の風害も心配されました。
 この地域は、住宅地を立ち退かせて四十メートル道路を引いたところであり、道路際のすぐ裏は二!三階建ての低層住宅街が連なっている高台です。高層マンションの計画が持ち上がるたびに、周辺住民は環境を守ろうと立ち上がり、平成八年に高度制限が撤廃された後も、マンションの高さを押さえて来た地域でありました。
今回、十五階建てマンションを計画した業者は、住民たちに向かって、「地域の環境や地域との共存は考えていない」と豪語し、「わたしたちは法律に基づいて建てるのであり、皆さんに反対する権利はない。なぜ平成八年の変更に反対しなかったのか」と言い放ち、話し合いを打ち切って工事を強行しようとしたのでした。
 どうして業者はこれ程強硬な姿で住民に立ち向かってこれたのか。
 それは平成八年の用途地域の変更により、近隣商業地域が広げられ、日影規制がない地域が拡大し、千石も高度制限が撤廃されてしまったことが最大の原因です。さらに、建築基準法の改定で、廊下やエレベーターなどの共用部分を容積率に含めないでよいことになり、大きなマンションを建設する条件が広がったことも追い打ちをかけました。
 こうした開発優先の政策で増長した業者は、工事車両の前に立ちはだかった住民を業務妨害で民事告発し、さらに妨害したとする住民十三名に対し損害賠償請求までしたのです。これは明らかに環境を守ろうと立ち上がった住民を脅しによって組み伏せようとするものでした。
 平成九年の第二回定例会の代表質問で、わが党は「大都市中心部の建築規制を大幅に緩和する都市計画法、建築基準法が改悪されると高層ビル建築を自治体自ら推進することとなり〃町こわし〃が進行する。そして日照被害の拡大など、建築被害と紛争が一層拡大され、大手不動産業者による東京都心の〃ハイジャック〃というべき状況が起きる」という内容の指摘をしました。事態はこの指摘どうりに進行していると言えるのではありませんか。わが党は当時こうした計画を推進する「都心居住推進会議」に文京区は参加すべきではないと求めたのに対し、当時の区長は「法改正は職と住のバランスのとれた都市を実現する上での一つの手法となりうるもの」と積極的に評価し、推進会議に参加すると言明したのでした。
そこで伺います。
一、平成八年の用途地域変更のさい、地域ごとの説明は決定までに二回行われていますが、参加したのは、圧倒 的に建設業者であり、ほとんどの住民はその影響を認知できなかったのが実態でした。次の見直しの際はドイツのように当局が模型で示すなど、周知の徹底をはかり、地域協議を重ねて決定に至る段取りが必要と考えま すが、いかがでしょうか。
一、先に述べた代表質問で、当時の区長は「環境への影響にも配慮し、運用には十分留意していく」とこたえて おられますが、業者の横暴から環境を守るために具体的にどういう対策をとったのかおこたえください。
一、千石地域のように後背地に低層住宅地があり、矛盾を抱える所の用途変更はすべきではなかったと同時に、 学校などの教育施設・福祉施設の環境悪化をまねかないよう、区
としてガイドラインをもうけ、実効ある措置 をとるべきと考えますが、次の都市計画変更にあたっての決意を伺いたいとおもいます。
一、建築主が計画にあたって、日照に及ぼす影響を軽減させるよう配慮することを義務づけるなど、文京区紛争 予防条例を洗い直すべきと考えますが、区長の前向きの答弁をもとめます。
以上で私の質問を終わりますが、お答えによっては再質問をさせていただきたいと存じます。