2008年文京区議会第3回定例会
日本共産党文京区議団
一般質問 関川けさ子区議

2008年9月11日(木)


内容
後期高齢者医療と介護保険の問題について
障害者施策にについて
待機児童対策は公立保育園増設を基本に、国の保育行政後退させるな
春日・後楽園駅前再開発の問題について
元町公園・旧元町小学校は一帯として文化財に指定を





後期高齢者医療と介護保険の問題について
関川けさ子区議

 福田内閣が、引き続き社会保障費2200億円削減することを、来年度予算に盛り込んだことに、日本医師会や日本看護協会が批判する中で、政府は後期高齢者医療制度について、低所得者の負担軽減策の追加、一部の人の年金天引きを口座振替に変更できるようにする、「終末期相談支援料」を一時凍結するなどの「見直し案」を発表しました。しかし、今回の見直しの、対象人数は約360万人で、75歳以上の方、約1300万人の3割以下にすぎません。これらの軽減措置で文京区で対象となる方はどのくらいで全体の何%になるのか。さらに、これを受けて8月の東京都の広域連合議会に08年度の保険料の軽減措置が示されました。この対象になる方は何人なのか、お答えください。また、これらの経過措置の内容や、個別に通知している「年金からの天引き」を「口座振替」に変更できることと併せて、社会保険料控除についても、個別に周知徹底を行うことを求め、伺います。

 しかし、たとえ今回、保険料が下がったとしても、「2年ごとの見直し」で、際限なく保険料を値上げしていく仕組みそのものは変わりがありません。この制度の廃止等に関する意見書を可決した議会は、都内62区市町村中51議会、82%を超えており、高齢者の尊厳を踏みにじり差別医療を持ち込む「後期高齢者医療制度」は、廃止しかありません。廃止を国に強く求めていくべきですが、答弁を求めます。
介護保険制度の問題では、いま、介護施設の運営や介護職員の確保が非常に困難になっています。現在、来年4月に向け介護保険制度の「見直し」の検討が進められていますが、介護保険から事業者に支払われる介護報酬も見直しのたびに削減されてきており、厚労省老人保健課も「2度の報酬引き下げが与える影響は否定できない」と述べているほどです。国は、昨年「社会福祉事業に従事する者の確保を図るための措置に関する基本的な指針」を改定し、また、来年4月までに、国が賃金水準などについて検討し、必要な措置をとることを求める「介護従事者の人材確保のための介護従事者等の処遇改善に関する法律」が施行されています。この「指針」や新しく成立した法律を具体化させ、介護報酬を引き上げるよう国に強く求めていくべきです。答弁を求めます。

 さらに改悪介護保険制度のもとで、「本当に家事援助が必要な方は、当然、今後も受けていただく」という05年の厚労大臣の約束や、07年12月の「家族との同居を理由に一律に生活援助サービスを禁止しないよう」求めた厚労省の通達にも違反することが横行しています。国の基準に照らしても行き過ぎた「介護とりあげ」を行う区市町村がふえていることも一因です。07年度の「文京区介護予防給付対象者実態調査」でも、「いくらよい制度があってもなかなか受けられないのが現状です。老いた病気がちな夫がいて、受ける資格をもっていながら受けられない制度など、ないのと同じです。」など、悲痛な訴えがたくさん寄せられています。

 また、私の知っている息子と2人暮らしの要介護五の方は、ヘルパーの派遣を打ち切られ、息子さんが朝早く起きて母親の昼食を作って出勤するなど大変な思いをしています。また要介護1や2であっても、息子さんがいるということでヘルパー派遣を打ち切られ、家の中はごみだらけになっているという実態もお聞きしています。

 区は、「文京の介護保険」の19年度版で、平成12年度当初から増加の一方であった介護給付費が、平成17年度の決算額で前年を下回ったことにふれ、この要因は17年からの施設入所者の食費、居住費等が自己負担になったことと、16年度から始まった給付適正化の効果が現れはじめたことによると分析していますが、介護サービスが抑制されている実態をどう認識しているのか、また、サービスが減らされた人は何人になるのか、お答えくだい。

 今回の見直しにあたっては、介護予防のとりくみについて「費用対効果」をふまえて見直すことが、介護保険法に定められています。国の「給付適正化」事業は、その強化が予定されています。法律の見直し規定からみても、適正化の名による乱暴な「介護とりあげ」を撤回するよう国に強く求めていくべきです。答弁を求めます。   
 これに関連して、いま、厚労省がすすめている要介護認定の見直しは、現在は専門家などの審議で行っている要支援2と要介護1の判断も「1次判定」のコンピューターでできるようにすることに加えて、調査項目を大幅に減らすことが計画されています。このことにより、ますます高齢者の実態からかけはなれた認定となり、「介護とりあげ」にならないよう、国に強く求めていくべきですが、いかがでしょうか。

 国の施設抑制の方針をはね返していくとともに、文京区として、800人もの特養ホームの待機者を減らしていくために、品川区のように特養ホームの増設を緊急に行うことや、小規模多機能型居宅介護施設の増設も併せて行うべきです。また、区として5億円にもなった介護保険基金を使い、23区のなかで一番高い介護保険料の引き下げを行うべきです。区長の答弁を求めます。




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(区長答弁)

 はじめに、後期高齢者医療制度についてのいくつかのご質問にお答えします。
まず、今回の軽減措置の対象となる方の人数と割合についてですが、文京区の対象者は、約6千人で、全体の約33%を占めます。また、広域連合全体の対象者は、約38万6千人となります。

 次に、これらの経過措置の内容に併せて社会保険料控除についても個別周知を行うべきとのお尋ねですが、今回の軽減措置については、7月と8月の2回にわたり、対象者全員に制度変更のご案内をしています。

 また、社会保険料控除については、8月に区報特集号を発行して、周知を図っており、あらためて個別に周知を行う予定はございません。

 次に、本制度の廃止を国に求めていくべきとのお尋ねですが、本制度は、老人医療費を中心に国民医療費が増大する中、高齢者世代と現役世代の負担を明確にし、高齢者が安心して医療を受け続けられるようにするため、議論を重ねて導入されたものです。

 現在、国において制度の円滑な運営に向けて、更に検討を進めているところであり、その動向を見守りたいと考えております。

 次に、介護保険制度についてのいくつかのご質問にお答えいたします。

 まず、事業者に支払われている介護報酬を引き上げるよう国に求めていくべき、とのお尋ねですが、介護報酬の引き上げは、介護従事者の待遇改善の中心課題であると認識しております。

 現在、国において介護報酬の見直しを検討しており、本区といたしましても、その動向を見守ってまいります。

 次に、介護サービスが抑制されているのではとのお尋ねですが、介護サービスの提供につきましては、利用者の個別の状況に応じて判断しており、サービス提供の禁止や抑制は行っておりません。なお、介護サービス提供の基となるアセスメントが、十分でない場合も見受けられるため、適切なアセスメントが行われるよう、ケアマネジャーへの指導を行ってまいります。

 次に、給付適正化についてのお尋ねですが、給付適正化は、適切なケアマネジメントに基づいて事業者が適正にサービスを提供することを促すものであり、介護保険制度への信頼を保つためには、今後も推進していくべきものと認識しております。従いまして、給付適正化について現在のところ国に撤回を求める考えはございません。

次に、介護認定調査項目及び要介護認定一次判定の見直しについてのお尋ねですが、今回の見直しでは、国の要介護認定調査検討会において精査され不必要な項目を削除した一方、高齢者等の生活実態の把握に適した調査項目6項目が追加されており、より適正な要介護認定に必要な内容変更となっていると認識しております。

 また、コンピュータによる一次判定の際に、要支援2と要介護1が判定されることになり、介護認定審査会の効率化が図れるとともに、これまで以上に個々の事例に対する審査時間の確保が可能になるものと考えております。従いまして現在のところ見直しを求める考えはございません。

 次に、特養ホームや小規模多機能型居宅介護施設の増設を行うべきとのお尋ねですが、特養ホームの増設については、現在策定を進めております次期高齢者・介護保険事業計画において、その必要性も含め検討してまいりたいと考えております。また、小規模多機能型居宅介護施設の増設については、現在、駒込地区において誘致を図っているところです。

 次に、区として基金を使い、介護保険料の引き下げを行うべきとのお尋ねですが、介護給付費準備基金は、次期事業計画期間において取り崩すことが基本となりますので、第4期介護保険事業計画における保険料算定では、準備基金の活用を検討してまいります。




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障害者施策にについて
関川けさ子区議

 次に、「障害者自立支援法」は、この間、障害者や事業所運営に大きな負担を強いてきました。

 2回にわたる国の特別対策で、負担が軽減されましたが、福祉サービス及び自立支援医療における応益負担を課すという法の性格は変わりません。この法律を速やかに撤回するよう国に求めていくべきです。

 また、報酬単価の引き上げとともに、通所施設など日額方式から月額方式に戻していくこと、小規模作業所が安定して運営が行えるよう、地域活動支援センターについて補助基準を大幅に引き上げること、希望する小規模作業所が義務的経費の諸事業に移行できるよう用件の緩和などの措置を講ずること、障害認定基準及び認定手続きを見直すことなどを、国に対して要望していくべきです。あわせて答弁を求めます。

 私たち議員団は、夏に障害者団体の方々と懇談会を行って、要求をお聞きしてきました。
それらの問題についてすでに区長に申し入れを行いましたが、改めて要望します。

1、福祉センター建て替えにあたっては、厚生委員会で視察した世田谷の「すきっぷ」にあるような訓練センターなど必要な設備や、入所者や利用者が安心して利用できるような施設にすること。また、候補地決定については多くの方の意見を聞いて慎重に行うこと。

2、視覚障害者には、区が認めたものに関し、ガイドヘルパーが最高36時間まで無料で派遣されています。しかし、移動支援時間の不足で、外出できない人や外出を控えてしまう障害者がいます。移動支援時間の請求には、柔軟な対応をおこなうこと。

3、視覚障害者にとってなくてはならない発信機式の音声信号機を区内全域で設置するよう関係機関に働きかけること。また、春日町の交差点の横断歩道にエスコートゾーンを設置すること。

4、シビックセンターの出入り口の全てに誘導チャイムをつけること。また、シビックセンター低層階の見直しの際には、障害者が作った品物を常時販売できるコーナーを設置すること。

5、精神障害の人だけが自己負担になっている自立支援医療の通院医療費、手帳更新、障害年金受給やハローワークへの意見書に必要な診断書の料金は、無料にするよう都に要望するとともに、区としても助成を行うこと。

6、防災上スプリンクラーの設置が義務づけられている障害者のグループホームなどに消防署から急いで設置するよう指導がありますが、設置費用の補助など区として対策を講じること。

7、障害者のバスハイクの弁当代補助を復活すること。   

以上の点について、区長の答弁を求めます。




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(区長答弁)

 次に、障害者自立支援法等に関するいくつかのご質問にお答えいたします。

 まず、障害者自立支援法を速やかに撤回するよう国に求めていくべきとのお尋ねですが、障害者自立支援法は、サービスの利用量に応じて利用者負担をすることを原則としたうえで、所得による負担上限額を定めた応益負担制度を導入したものであります。

 国においては、本年4月から所得に応じ、利用者負担の上限額を4分の1にする新たな軽減策を講じております。公平性の観点やサービスの安定的な維持を図るためには、利用者の一定のご負担はやむを得ないと受け止めておりますので、国に対し法律の撤回を求めることは考えておりません。

 次に、報酬単価の引き上げなど、障害者自立支援法について国に対し要望をしていくべきとのお尋ねですが、現在、国においては障害者自立支援法の抜本的見直しを行っているところですので、その経緯を見守ってまいりたいと考えており、国に対して要望することは考えておりません。

 次に、福祉センターの建て替えについてのお尋ねですが、建て替え候補地及び施設内容につきまして、現在、「福祉センター及び教育センター建て替え地等検討協議会」において、広範な検討をいただいております。

 次に、視覚障害者に対する移動支援事業についてのお尋ねですが、現在、移動支援の時間については、区独自に36時間まで無料の利用者負担軽減措置をとっています。これを目安として、サービスを申請する障害者の障害程度や介護者の状況などを勘案して支給量を決定しております。支給時間内では対応できない事情が生じた場合には、状況等をお伺いしてその都度必要時間数を支給しているところです。今後とも、状況等に応じ適切かつ柔軟に対応してまいります。

 次に、音声信号機およびエスコートゾーンの設置についてのお尋ねですが、音声信号機およびエスコートゾーンの設置につきましては、警視庁において計画的に進めていると伺っております。区といたしましては、地元要望などを踏まえながら警察署及び関係機関と十分協議してまいります。

 次に、シビックセンターの入り口の誘導チャイムの設置についてのお尋ねですが、施設整備にあたっては「文京区福祉環境整備要綱」により、視覚障害者の方も安全で安心してご利用いただけるよう、点字ブロックを敷設しております。また、警備員等による誘導を行い、支障のないよう体制を整えております。

 次に、障害者の作った品物を常時販売できるコーナー設置についてのお尋ねですが、現在、真砂市場内に福祉の店を設置し、障害者が自主製作した作品等を展示し、販売しております。また、障害者週間記念ふれあいの集いや11月に開催されるぶんぱく等の事業で障害者施設の自主製作品の展示、販売ができる機会を設けておりますので、シビックセンターに常設の販売コーナーを設ける考えはございません。

 次に、精神障害を持つ人の自立支援医療等における自己負担に関するお尋ねですが、手帳の新規申請と更新・等級変更、自立支援医療費支給申請および障害年金受給の申請の審査には診断書が必要でありますが、診断書料については3障害とも基本的に有料になっており、区として補助する予定はございません。精神障害者の就労に際しての、意見書はハローワークが要求しているものであり、区として助成する考えはありません。

 次に、障害者グループホームに対するスプリンクラー設置費用の補助についてのお尋ねですが、現在区内にはグループホームが4棟あり、2棟については、すでにスプリンクラーが設置されております。また、残る2棟については、面積等規模により設置を義務付けられてはおりませんので、現在のところ補助等の対策は考えておりません。

 次に、障害者バスハイクの弁当代補助についてのお尋ねですが、障害者バスハイクは、バス借上料及び施設の入園料等を区で負担し、参加料を徴収せず実施しているところですが、公平性の観点から昼食代につきましては、引き続きご負担いただきたいと考えております。




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待機児童対策は公立保育園増設を基本に、国の保育行政後退させるな
関川けさ子区議

 次に、保育園の待機児緊急対策について伺います。

 保育園待機児童が4月1日現在で124名という異常な状況になり、「緊急対策会議」が立ち上がりました。日本共産党区議団は六月、区長に緊急要望として、「久堅、水道、しおみ、本郷の各保育園エリアでは区有施設などの活用の検討を早急に行い、区立保育園の増設を行うこと。また、正規の保育士を増員して保育定員の抜本的な見直しを行うこと。公設民営、認証保育所での『保育の質』の蓄積のため、人件費補助や住宅手当補助などの支援を行うこと」などを申し入れました。

 8月27日、区より示された「保育園待機児童対策」は、「定員改定」、「グループ保育室」、「認証保育所の誘致」で、157名を増員するというものです。このうち保育士を増員しての「定員改定」については、かねてから私たちも要望していた対策であり、大規模園を除いて、ひきつづき他の既存園での早急な検討を求めるものです。区長の見解を伺います。

 「緊急対策」では今年度中に2ヶ所の認証保育所の開設支援とともに、来年度は旧リサイクルプラザ本駒込で事業者を応募して新たな認証保育所誘致をするという計画ですが、区の施設で開設するのですから、区立として開設すべきです。緊急対策であっても、保育の質が保証できる方法をあくまでも追求すべきではないでしょうか。同時に、今後子育て支援計画の改定で検討される「中長期対策」でも、認証保育所と民設民営の認可園の誘致などが中心であり、公設公営の区立園の新増設が盛り込まれていないことは、重大な問題です。

 私たちが一貫して公設公営の認可園を求めているのは、第1に、認証保育所の実態との関係からです。東京都は今年3月、荒川区の認証保育所「じゃんぐる保育園」について、申請書類に実際に働いていない職員名を記載して水増し、補助金を不正に受け取ったとして初の認証取り消しを決定しました。また他にも、株式会社運営の認証保育所で、子ども1人1日の食材費を36円に削って利益を上げていた例や、「保育士資格がある職員を配置していない」など東京都から文書指導を受けている施設が少なくありません。その背景には、東京都政が認可保育所への補助を削減し、企業参入を基本とした認証保育所を子育て支援の目玉として推進してきたことに問題があります。実際、私たちがおこなった区内の認証保育所の聞き取り調査でも、狭く、園庭もなく、プール遊びも満足にできない施設面の問題、また、経費の削減が保育士の待遇に影響するため定着できず、その結果、保育内容が継承されない、保育の質の維持が困難な状況であることが保育園側から報告されているのです。これらの実態をどのように認識しているのか、また認証保育所の誘致方針は変わらないのか、併せて伺います。

 第2の理由は、「文京区保育ビジョン」で謳われている父母の保育に寄せる思いや理念との関係からです。「ありかた検討会」で粘り強い議論を重ね策定した「文京区保育ビジョン」では、「文京区の保育機能の拠点である保育園の機能維持と強化に向けて、保育園職員、保護者、専門家等をまじえて『保育の質』についての検討を行うことにより、文京区としての保育の質に関する指針の策定をすすめていく」こと、また「支援策の質・量両面での充実を図るには…人的・物的資源の投入を実現する必要がある」と述べています。「グループ保育室の運営」では、「高度な知恵と豊富な経験をもった職員を配置することで、子育て支援における様々な課題に対応できる」とする一方で、その保証がない認証保育所の誘致をどんどん進めるというのでは、「保育ビジョン」のかかげた理念や方向性から大きく逸脱しているのではないでしょうか。伺います。

 今回の対策の方向性は、緊急という名のもとで安上がりの対策にシフトしたものであり、「子どもたちへの応援歌」に沿う対策としては不十分です。「保育ビジョン」の理念を生かして、心身ともに人間としての基礎をつくる保育所における「保育の質」を高めることを緊急・切実な課題と位置づけ、区立園の新設など抜本的拡充の方向に見直すべきです。お答えください。

 今年5月、厚生労働省は、「新しい保育メカニズム」という実質的な直接契約制度の導入を打ち出しました。また舛添大臣も、全国一律の最低基準の廃止・見直し方針を表明したとの報道がされています。これらの動きは、全国的に待機児が増加する中で、「最小コストで最大の受け入れ」というスローガンのもと、量をふやすことを主眼に規制緩和を先行させた結果です。保護者と園との「直接契約方式」の導入は、安全、安心の保育を保障する国と自治体の責任を投げ捨てるものです。その先例となっているのが、東京都の認証保育制度です。この秋にも「児童福祉法」の改悪が進もうとしています。必要に応じて安心して預けられ、子どもの育ちを応援する保育の充実のために、こうした動きにも、「保育ビジョン」の実践の立場から、区として明確な態度を示し、児童福祉法の改悪をやめるよう国に強く要望していくべきです。お答えください。




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(区長答弁)

 次に、保育園待機児童緊急対策についてのいくつかのご質問にお答えいたします。

 まず、区立保育園の定員改定についてのお尋ねですが、来年度の定員改定は、特に待機児童が多い園を中心として行うものです。その他の園につきましては、状況を勘案した上で、必要に応じて対応してまいります。

 次に、緊急対策であっても保育の質を保証できる方法を追及すべきとのお尋ねですが、今回、対応策として打ち出した内容はいずれも支障はないものです。また、ご提案の区立保育園の新規開設につきましては考えておりません。

 次に、認証保育所の実態の認識と、認証保育所の開設誘致の方針についてのお尋ねですが、他自治体における認証保育所の認証取消につきましては、制度を信頼してサービスを利用している方々を失望させる非常に残念な結果でありました。

 しかしこのことは、制度に定められている基準や、東京都に届け出ている内容を遵守できていないにもかかわらず、それを偽っていたことが問題なのであって、認証保育所制度そのものが不十分な内容であるかのような指摘は全く当たらないと考えます。

 区内の認証保育所においては、都の実施要綱に従い、詳細に定められた指導監督基準に則った運営に努めていただいていると認識しております。

 「保育に欠ける」要件の如何に関わらず、希望する日数や時間に柔軟に応じる保育を行ったり、13時間以上の開所により二重保育を回避する、駅から至近距離での開所など、多様化する保育ニーズに対応してきた認証保育所の果たしている役割の重要性を、区としては高く評価しておりますので、保育園待機児童緊急対策に位置づけた、認証保育所の開設誘致の方針を変えることはありません。

 次に、認証保育所の誘致は保育ビジョンに掲げる理念や方向性から大きく逸脱しているのではないかとのお尋ねですが、認証保育所の設置を進めることは、「文京区保育ビジョン」の理念に反するものではありません。

 次に、区立保育園の新設など抜本的拡充の方向に見直すべきとのお尋ねですが、先ほども申し上げましたとおり、区立保育園の新規開設につきましては考えておりません。

 次に、児童福祉法改正や児童福祉施設最低基準の見直しについてのお尋ねですが、具体的な見直しの方針や内容について示されておりませんので、今後の推移を見守りたいと存じます。




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春日・後楽園駅前再開発の問題について
関川けさ子区議

 次に、春日・後楽園駅前地区再開発事業について伺います

 7月、8月にかけてこの再開発事業についての説明会が、開発準備組合、文京区によって相次いで開催されました。シビック前の1万6千uを越す広大な敷地に、延床面積18万3千u、1番高いビルは地上44階地下3階の155m、住宅7百戸、現在330人の人口は約1300人に膨れ上がるという巨大計画です。

 しかし、説明会は、事業の推進を図りたい人達と、計画に疑問や意見を持つ人達とに真っ二つに割れ、怒号が飛び交う場面もあり、この再開発計画が大きな問題を含んでいることを示しました。

 今回の計画は、総工費800億円を超え、補助金額は未だに示されていません。これまでの例に習って2割近い補助なら150億円近くとなり、また、一説によれば65億円ともいわれる税金が投入されることになるのではありませんか。補助金はいくらになるのか、区長の考えをお示しください。

 区財政が危機だと言って、400もの事業を削減し、貯えた基金400億円から何10億円もの支出をするとなれば、区民に十分な説明と了承が必要です。区主催の説明会では、「説明会は今回で終わりです」「あとは個別にご説明します」と、まるでマンション業者のような発言を繰り返していたのには、驚きました。「中高層建築物紛争予防条例」を定め、区民が求める場合には、事業主に説明会をするよう指導する立場にある、文京区の都市計画部とは思えない仕切り方でした。区民の要望があれば、「個別」ではなく、きちんと説明会を開催し、公開の場で出された質問には公開の場で答える、準備組合にもそのように指導するのが当然ではありませんか。説明責任を果たすべきです。答弁を求めます。

 また、155mという高さと、950%の容積率の緩和という、文京区の町づくりと周辺地域に大きな影響を及ぼすこの計画への、多額の税金投入の決定については、自治基本条例に基づき住民投票条例を制定し、住民投票で区民の意見を問い、合意のうえで行うべきと考えますが、区長の考えをお聞かせ下さい。

 今回の計画では、地域住民の70%の賛同が得られているという説明でしたが、地権者、借地権者、借家権者の世帯数をそれぞれ答えてください。そのうち、計画参加を表明している世帯の数、居住継続が成り立たなくなる可能性の高い小地権者等はどの位と把握していますか。答えてください。墨田区白鬚地区の再開発では、公営住宅政策を実施し、生活再建措置が講じられています。今回の再開発が住民追い出しにならないよう、都市計画法第74条による、自治体の積極的な生活再建措置実現の努力が必要と考えますが、区長に伺います。

 今度の再開発は、隣接地域に10mの高度制限がかかっている「第一種低層住居専用地域」が控えていることで、大きな矛盾を抱えてしまいました。容積率の950%にアップは、これが実現すると、周辺のビルなどに波及するのは必至です。西片町会会員有志による要望書には、「周辺の状況と隔絶した巨大建築物、さらに再開発の付帯機能がもたらす、地域住環境と共生するとはいえない配慮に、私たち地域で生活する者として異議を唱えます」「強くその再考を求めるものです」と述べられています。

 文京区の第一種低層住居専用地域は、本駒込6丁目、小日向1、2丁目、小石川植物園周辺の白山4、千石2丁目、関口地域などありますが、隣地が商業地域である本駒込6丁目と音羽1丁目には、すでに35m、45mの絶対高さ制限が導入されています。いずれも第一種住専地域の環境悪化を食い止めるための措置でした。西片の隣接地に155mの超高層ビルは、環境的にも景観的にも、これまでの文京区の方針に照らしても許されないのではないでしょうか。本郷の東大周辺では、町並みや、環境保全のため14、15階以下にスカイラインを押さえる地区計画の動きがあると言うことですが、105m、155mの超高層ビル計画は問題と考えます。区長の見解を求めます。

 風害については、年間の平均値の風速4m前後の実験では、全く意味がありません。なぜなら、高層ビルに囲まれた本駒込のグリーンコートでは、風が少し強い日は、眼鏡が飛び、自転車は全部倒れ、体が前進困難になり、エスカレーターから転げ落ちそうになるほどの強いビル風が吹く事実があるからです。問題は、風速10m、15m、20m、25mなどの強い風が北から吹いた場合に、白山通り、千川通り、春日通り、言問通りにどのような風が吹くのかです。これら強い風での風洞実験を行いデーターを開示してください。特に大江戸線からのエスカレーターが、グリーンバレーに出てくるところの風の強さと、エスカレーターの安全性を立証することを求めます。それぞれ答えてください。

 説明会では「この再開発計画は、グリーンバレーを中心にして、建物で囲い込み、外に人が流れない計画だ」という指摘がされていましたが、自治体が税金投入するには、周辺の地域に寄与するものでなければなりません。近隣商業地をつぶすことにならないか懸念がもたれる計画でいいのか、区長の見解を伺います。

 大気汚染測定運動連絡会によると、昨年12月の測定で、文京区での二酸化窒素の最高値を示したのが、計画地のすぐそばの小石川3丁目白山通りで0.07PPMであり、長期曝露の健康影響指針値である0.02〜0.03PPMをはるかに上回りました。「環境アセスメント問題都民連絡会」の藤田敏夫氏は「このような大気汚染が健康影響指針値を超えている地域に、巨大超高層ビルを建設して、新たに6314台の自動車交通量が発生するような事業は、環境保全上許されるものではない」と述べています。500台を超える規模の駐車場計画も問題です。700世帯が新たに住み、高齢者、保育施設も入る地域が、さらに高濃度の大気汚染地域になる計画でいいのか、区長の見解を伺います。

 さらに、初音町町会とエンマ商盛会連名で、駐車場の出入り口変更の意見書が提出されており、狭い言問通りの「大渋滞が日常的に予想され」、安全のためにも、町の活性化を損ねると指摘しています。

 「環境影響評価書案」では、この計画地が谷に位置し、地下30mも山留壁を打ち込まなければならないような「軟弱地盤」に、超高層ビル群を建築して果たして安全なのか、「いま一度、冷静に考え直す時期ではないだろうか」と強い懸念の声がだされています。二酸化炭素の排出量も70〜80%は増大すると考えられ、区長がいまや地球温暖化対策を本気で取り組むとしている時に、逆行するものではないでしょうか。お答えください。「環境アセスメント都民連絡会」の渡辺章氏は、「行政がかんでこうした再開発を行うことが、適切なのかどうか、全区民的議論が必要になっている」と指摘しています。開かれた説明会を再度開催し、区民の意見を十分聞き、計画全体の見直しをすることを求め、伺います。




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(区長答弁)

 次に、春日・後楽園駅前地区の再開発についての、いくつかのご質問にお答えします。
まず、補助金についてですが、市街地再開発事業の補助金は、補助対象となり得る部分を特定できる段階となってから確定します。このため、現段階におきましては、確定しておりません。

 次に、説明責任を果たすべきとのお尋ねですが、区が開催した説明会後に寄せられた意見等につきましては、区の見解とともに、今月中にホームページや図書館等で公開します。

 また、近隣の皆さんから求められる説明については内容や要望が地域ごとに異なることから、個別説明を求める声が多く、区や準備組合では、それらの近隣の要請に応えて、説明を行っており、これによって説明責任を果たしていると考えております。

 次に、住民投票を実施するべきとのお尋ねですが、都市計画に関しましては、法に基づき、利害関係者の同意や住民説明会などにより区民意見を十分に聴取した上で、都市計画審議会にて決定しているところです。したがいまして、住民投票を実施する考えはございません。

 次に、地権者等の数についてですが、都市再開発法による算定方法に従えば、地権者95名、うち借地権者は3名です。借家権者につきましては、通常、組合設立後に、特定することになっております。また、計画参加を表明している地権者数につきましては、事業計画の検討を重ねながら、地権者全員の参加を目指して取り組んでいるところですが、現段階で再開発に消極的な意見を寄せている方が数名おります。

 権利の小さい地権者につきましては、現時点では確定しておりません。再開発事業後もできる限り住み続けられるよう、施設計画の検討を指導してまいります。

 また、都市計画法第74条による措置につきましては、地権者の申出により施行者である組合が努めるべき事項を定めたものですが、準備組合に対しては、地権者の生活再建の視点から対応するよう、指導しております。

 次に、超高層ビル計画は問題があるとのお尋ねですが、市街地再開発事業の区域は、都市マスタープランにおいて土地の高度利用を図る都心業務市街地及び拠点商業地として位置付けております。また、市街地における再開発事業においては、オープンスペースの確保や公共的な施設の整備を行うことから、建築物は高層化されることになります。したがって、建物の高さについては、全体の計画の中で判断すべきものと考えております。

 次に、風洞実験についてのお尋ねですが、風洞実験については、東京都環境影響評価条例により、建築物風洞実験ガイドブックの規定に従って行っており、規定外の風強度についての実験は行なっておりません。また、グリーンバレーと大江戸線の接続口における風環境につきましても、風洞実験により、低中層市街地相当の風環境であると予測されております。

 次に、近隣商業地への影響が懸念されるとのお尋ねですが、グリーンバレーは、一番広いところでは約40mの幅員を有した広場状空地です。また、街区を囲む4つの幹線道路と繋がる通路を11箇所設けることから、開放的な賑わい空間となっております。再開発事業による商業施設の計画策定にあたっては、隣接するエンマ商盛会と協働して行うと聞いております。こうしたことから、市街地再開発事業は、隣接商業地を含めた地域の活性化に繋がるものと考えております。

 次に、大気汚染についてですが、東京都環境影響評価条例による環境影響予測において、市街地再開発事業による新たな環境付加そのものは、軽微なものであると予測されております。

 次に、二酸化炭素の排出量についてですが、平成22年度から実施される予定の「東京都温暖化対策計画書制度」を先取りした施設計画とすることから、標準的な建築計画と比べて20%以上のCO2削減が図られることになると考えております。

 次に、説明会の開催と計画の見直しについてのお尋ねですが、近隣住民の要請に応え、現在、地域ごとに説明を行っているところです。これまで行った説明会等において寄せられた意見・要望等の中で反映できるものについては、区から準備組合に要請を行うとともに、解りやすい資料による説明等を行いながら、広く区民に支持される計画となるよう区としても努力をしていきたいと考えております。




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元町公園・旧元町小学校は一帯として文化財に指定を
関川けさ子区議

 最後に、元町公園、旧元町小学校保存問題で伺います。

 元町公園への総合体育館の移設が見直されてから1年以上が経過しました。この間、私たち区議団は、元町公園と旧元町小学校を一帯として保存して文化財に指定するよう求めてきました。区は保存について、その後、どのように検討を行ったのかお答えください。

 私は、七月に小竹ひろ子都議会議員とともに、都の教育長管理課長にお会いして元町公園、旧元町小学校を一帯として文化財に指定するよう要請してきました。これに対して担当課長は、「都の担当課の係長と区の係長が連絡をとりあっている、まず、文京区が基礎調査を行うことが基本である」と述べました。区は、歴史性の観点から元町公園の現況調査を行っていますが、文化財的な観点からの詳細調査は行っていません。早急に元町公園と旧元町小学校の詳細調査を行うとともに、公園は保存し、旧元町小学校の耐震工事も急いで具体化するなどして、二つを一帯で文化財に指定するよう強く求め教育長に伺います。
また、総合体育館移設後の跡地については、売却はせず地域住民や区民の要望をよく聞いて、区民のために使うよう求め、区長に伺います。

 以上で、私の質問を終わりますが、答弁のいかんでは再質問を留保いたします。
ご清聴ありがとうございました。




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(教育長答弁)

 教育に関するご質問にお答えいたします。元町公園、旧元町小学校を一帯で文化財に指定すべきとのお尋ねですが、区においては、旧元町小学校の跡地の活用について検討を行っておりますので、教育委員会といたしましては、その状況等を勘案していく必要があるものと考えております。

(区長答弁)

 次に、元町公園及び旧元町小学校についてのご質問にお答えいたします。

 平成10年に閉校され、老朽化の進む旧元町小学校の跡地の活用については、現在、校舎借用の要望も寄せられており、それらを含め検討を行っております。

 最後に、建て替え後の総合体育館跡地についてのお尋ねですが、現在地から総合体育館が移転した場合の跡地利用については、今後の検討課題と考えておりますが、本敷地の活用にあたっては、地域住民等の意見を広く伺い、検討していくことが肝要であると考えております。



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